2023.09.22  2023.09.07|新規開業ノウハウ

ライブハウス開業の流れと注意点!開業の基本情報・届出・許可・資格・資金

ライブハウス開業の流れと注意点!開業の基本情報・届出・許可・資格・資金

本記事で、ライブハウス開業の流れと注意点を解説します。ライブハウス開業の基本情報・届出・許可・資格・資金もご紹介します。店舗の開業や移転、リニューアルなどをご検討中の方は、ぜひご覧ください。

ライブハウスの開業に関する基本情報

ライブハウスの開業に関する基本情報

ライブハウスの開業準備を始める前に、基本情報を確認することが必要です。そこでライブハウスの開業に関して、業態の特徴や他業態との違い、顧客のニーズ、トレンドをご紹介します。基本情報を押さえたうえで、集客と売上を伸ばしましょう。

業態の特徴

まずライブハウス業態の特徴として、興行場または飲食店として開業される点や防音・防振対策が求められる点などが挙げられます。

興行場は映画や演劇、音楽、演芸などを顧客に提供する施設で、興行場法に基づいて構造設備基準や衛生基準に従わなければなりません。飲食店には、食品衛生法に基づいて施設基準や食品衛生管理基準の遵守が求められます。

参照元:

厚生労働省「興行場法概要」

奈良県「飲食店営業を始められる方へ」

また音楽ライブを提供する興行場や飲食店には、防振・防音対策が求められます。「店内から店外への騒音」や「店外から店内への騒音」を防止するためです。店舗を防音対策するメリット・デメリットをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

他業態との違い

次にライブハウスと他業態との違いには、施設の規模やメインサービスの内容などがあります。映画や演劇、音楽、演芸などのライブが開催される施設には、ドームやアリーナ、ホール、野外会場などがあり、一般的にライブハウスよりも大規模です。

また興行場に分類されるドームやアリーナ、ホール、野外会場などにおいては、主にライブチケットが販売され、飲食物の販売はメインサービスではありません。一方で飲食店営業許可を取得するライブハウスにおいても、ライブチケットが販売されますが、ドリンクや軽食の販売がメインサービスです。

参照元:

厚生労働省「興行場法概要」

奈良県「飲食店営業を始められる方へ」

顧客のニーズ

またライブハウスに対する顧客のニーズには、幅広いライブイベントや利用方法などがあります。映画や演劇、音楽、演芸などのライブイベントに対するニーズがあり、音楽だけを取り上げても、ジャンル(J-POPやクラシック、ジャズ、洋楽、K-POPなどの)は幅広いです。

なおライブハウスには、ダンスレッスンやレコーディング、リハーサル、ライブ配信などの利用方法に対するニーズもあります。プロによるライブパフォーマンスだけではなく、セミプロや素人によるライブの開催も可能です。

参照元:

株式会社SKIYAKI「音楽ライブ配信についての意識調査レポート」

Yahoo!ニュース「オンライン配信、そして「オンライン演劇」、実際どう? 演劇ファンの複雑な胸中」

トレンド

そしてライブハウス開業のトレンドとして、コロナ禍の2020年頃から、人数制限やオンラインライブなどが取り入れられました。コロナ禍のライブハウスでは、ステージと観客席の間に一定の距離を取り、観客席間の距離も離して、換気の徹底も必要です。

また外出自粛期間中でも、オンラインライブの配信により、ライブハウスが営業を継続できました。録画配信のオンラインライブなら、顧客の時間や場所が制限されません。オンラインライブ配信専門のライブハウスも開業されています。

参照元:

Roots Online Live「オンライン配信専門ライブハウス」

立命館大学 山路 顕「コロナ禍に対応し今後を展望する『ライブハウス』のホスピタリティ・マネジメントの体系による考察」

ライブハウス開業準備の流れと注意点

ライブハウス開業準備の流れと注意点

ライブハウスの開業に関する基本情報を把握した上で、開業準備の注意点も確認しましょう。開業準備の流れ(コンセプトから事業計画、開業資金、物件、内装デザイン・工事、設備・機器・什器、資格・スキル、届出・許可、採用・検収、集客活動まで)に沿ってご紹介します。

コンセプトを設計する

まずライブハウス開業準備の流れは、コンセプトを設計する活動から開始されます。店舗経営にコンセプトが必要な理由をご確認ください。

  • 店舗経営の基本方針となるため
  • 事業計画書に活用するため
  • 競合店との差別化を図るため

なお店舗のコンセプトを設計する方法や事例をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

事業計画を立案する

次にコンセプトを設計できたら、開業するライブハウスの事業計画を立案しましょう。ライブハウスの事業計画を立案する目的をご確認ください。

  • 開業資金を調達する
  • 経営戦略やコンセプトを説明する
  • 経営を評価して改善する

なおライブハウス開業にも活用できる事業計画書の書き方をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

開業資金を調達する

また事業計画を立案したうえで、ライブハウスの開業資金を調達しましょう。ライブハウスの開業準備に必要な資金を計算して、自己資金だけで不足する場合には、開業資金の調達方法(出資や借入、融資、補助金・助成金など)を検討しなくてはなりません。

なお開業資金を調達するポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

店舗物件を探す

そして開業資金の調達と並行して、ライブハウスを開業する店舗物件を探しましょう。市場調査を踏まえて、ターゲット層を集客しやすい立地を選び、希望条件に合う物件を探します。

なおライブハウスにも活用できる店舗物件探しのコツをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

店舗の内装と外観をデザイン・工事する

それから店舗物件の購入・賃借を契約できたら、内装と外観をデザイン・工事しましょう。ライブハウスをデザインするポイントとして、コンセプトや防音・振動対策、内装材、照明器具、用途、音響・映像設備などが挙げられます。

なおライブハウスの内装と外観の施工事例や工事費用などをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

設備・機器・什器を手配する

そしてライブハウスの店舗工事を始める前に、設備・機器・什器を手配しましょう。特に什器を手配する際には、目的を明確にし、コンセプトに基づいて、ライブハウスの魅力を引き出せるように、サイズや可動性、安全性や耐震性などを確認します。

なお店舗で利用される什器の分類もまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

開業に役立つ資格・スキルの取得を検討する

さらに物件に関する準備だけではなく、ライブハウスの開業に役立つ資格・スキルの取得を検討しましょう。ライブハウス開業に活用できる音響や照明の資格・スキルをご覧ください。

  • 舞台機構調整技能検定
  • 舞台・テレビジョン照明技術者
  • サウンドレコーディング技術

以上の資格・スキルの取得方法について、後ほど詳しくご紹介します。

開業に必要な届出・許可を申請する

資格やスキルの取得に加えて、ライブハウスの開業に必要な届出・許可を申請しなくてはなりません。ライブハウス開業に必要な届出・許可をご覧ください。

  • 開業届または法人設立届
  • 特定遊興飲食店営業許可
  • 食品衛生責任者資格と飲食店営業許可
  • 防火管理者資格と防火管理者選任届出

以上の届出・許可の申請方法について、後ほど詳しくご紹介します。

人材の採用と研修を開始する

いよいよライブハウス開業の数ヶ月前から、人材の採用と研修を開始しましょう。採用のコツ(採用計画やブランディング、求人広告など)と研修の注意点(研修方法や職場環境、効果測定など)の理解が重要です。

以上のコツや注意点について詳しく解説していますので、次の記事も併せてご覧ください。

集客活動を展開する

なお人材の採用と研修と同時期に、集客活動を展開します。ターゲット層に合わせて、オンライン集客(SNSやSEO、ポータルサイト、SNS広告など)とオフライン集客(ポスティングや雑誌広告、看板広告)を組み合わせる点がポイントです。

店舗へ集客する方法や成功事例などを紹介していますので、次の記事も併せてご覧ください。

ライブハウス開業に役立つ資格や必要な届出・許可

ライブハウス開業に役立つ資格や必要な届出・許可

ライブハウスの開業準備を進めても、資格や届出・許可に不備があると営業を開始できません。そこで計画的に準備を進められるように、ライブハウス開業に役立つ資や必要な届出・許可について詳しくご紹介します。

音響や照明の資格

まずライブハウス開業に役立つ音響や照明の資格として、舞台機構調整技能検定や舞台・テレビジョン照明技術者認定制度、サウンドレコーディング技術認定などが挙げられます。

舞台調整機構技能検定は、舞台音響技術の国家資格です。実技試験と学科試験に合格すると、資格が認定されます。

参照元:舞台機構調整(音響機構調整)「技能検定 合格発表 舞台機構調整」

舞台・テレビジョン照明技術者認定制度は、舞台・テレビジョン照明の民間資格です。講座を受けて技能試験に合格すると、資格が認定されます。

参照元:日本照明家協会「2022年度 舞台・テレビジョン照明のための公開講座(中央講座)」

サウンドレコーディング技術認定は、サウンドレコーディング技術の民間資格です。学科試験に合格すると、資格が認定されます。

参照元:日本音楽スタジオ協会「サウンドレコーディング技術認定試験」

開業届または法人設立届

次にライブハウスを開業するためには、開業届または法人設立届の申請が必要です。個人事業主なら開業届を、法人なら法人設立届を国税庁に提出します。提出する書類や期限が異なりますので、事前にご確認ください。

他にも納税や雇用の状況に応じて、税務手続き(所得税や法人税の青色申告申請書や給与支払事務所等の開設届出書など)が求められます。

参照元:

国税庁「No.2090 新たに事業を始めたときの届出など」

国税庁「No.5100 新設法人の届出書類」

特定遊興飲食店営業許可

また深夜帯(午前0時〜午前6時)に顧客に遊興させながら酒類を提供するライブハウスを開業するためには、特定遊興飲食店営業許可が必要です。音楽や演劇、演芸などのライブは、遊興に該当します。

なお特定遊興飲食店営業許可は、風営法の規制を受けます。風営法における風俗営業等の届出・許可申請についてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

食品衛生責任者資格と飲食店営業許可

さらに飲食店として開業するライブハウスには、食品衛生責任者資格と飲食店営業許可が必要です。食品衛生責任者資格は飲食店営業許可を申請するために求められ、食品衛生の最新情報を把握して、衛生管理計画作成や従業員指導などを行います。

食品衛生責任者資格を取得する方法や飲食店営業許可の申請と更新についてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

防火管理者資格と防火管理者選任届出

なお開業するライブハウスの用途や面積、収容人数に応じて、防火管理者資格と防火管理者選任届出が必要です。防火管理者には、建物火災の予防・対応業務の統括が求められます。防火管理者講習を受講すると資格を得られます。

防火管理者の配置基準や資格の取り方をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

ライブハウスの開業資金

ライブハウスの開業資金

ライブハウスの開業準備を滞りなく進めるためには、開業資金が必要です。そこで正確に予算を立てるために、開業資金の相場と内訳を確認しましょう。経費の無駄を省けるように、開業資金の節約法もご紹介します。

相場

まずライブハウス開業費用の相場は、坪単価100-150万円程度です。20坪の小規模ライブハウスでも、2,000-3,500万円程度かかります。ただし物件の立地や規模、従業員数、設備・機器・什器のグレードなどによって、開業費用は変動します。

内訳

次にライブハウス開業費用の内訳について、下表にまとめました。参考情報として、20坪のスケルトン物件にかかる開業費用を試算してあります。

費用の内訳費用の相場費用の試算
(賃料月20万円で20坪
スケルトン物件)
物件取得費
(敷金・礼金・前賃料など)
合計の10%程度
賃料6~12ヶ月分程度
120万-240万円程度
内装・外観工事費
(天井・壁・床・建具・
防音・屋根・看板・照明など)
合計の40%程度
坪単価50-100万円程度
800万~1,400万円程度
設備・機器・什器購入費
(電気・ガス・水道・厨房・
空調・換気・映像・音響など)
合計の40%程度800万~1,400万円程度
運転資金
(水道光熱費・採用・集客・
消耗品・人件費・仕入れ費など)
合計の10%程度
賃料6~12ヶ月分程度
120万-240万円程度
合計100%
坪単価100~150万円程度
2,000万-3,500万円程度

上表の通り、ライブハウス開業費用において、内装・外観・設備・機器・什器にかかる費用が大半を占めます。また開業から数か月は赤字が続くことを想定して、運転資金を蓄えておきましょう。

節約法

そしてライブハウス開業資金の節約法として、相見積もりや補助金・助成金があります。内装工事や設備・機器・什器購入の相見積もりを取ることで、各業者の提案した内容を比較できます。

補助金・助成金を申請することで、基本的に返済義務のない資金を獲得できます。ただし補助金・助成金ごとに、申請の条件や期限が定められています。店舗開業・経営に活用できる補助金・助成金をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

集客できるライブハウスを開業しよう!

IDEALは、店舗全般のコンセプト設計から資金調達、物件探し、内外装のデザイン・工事、集客までのワンストップソリューションをご提供しております。

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監修者

IDEAL編集部

日本全国の美容室・カフェ・スポーツジム等の実績多数!
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