2024.03.27  2024.02.28|新規開業ノウハウ

寿司屋の開業資金はいくら?経営者の年収・資格・注意点・事例なども紹介

寿司屋の開業資金はいくら?経営者の年収・資格・注意点・事例なども紹介

本記事で、「寿司屋の開業資金はいくら?」という疑問にお答えします。また経営者の年収・資格・注意点・事例などもご紹介します。店舗の開業や移転、リニューアルなどをご検討中の方は、ぜひご覧ください。

寿司屋の開業に関する基本情報

寿司屋の開業に関する基本情報

寿司屋の開業準備を開始する前に、基本情報を確認しましょう。基本情報を把握しておくことで、開業準備を進めやすくなるからです。それでは寿司屋の市場規模やニーズ、業態、経営者の年収をご紹介します。

市場規模

まず寿司屋の市場規模は、以下の資料によると1兆円以上です。コロナ禍前には1.5兆円前後を推移していましたが、コロナ禍に1.2兆円に減少しています。

参照元:厚生労働省「ウィズコロナ、ポストコロナ時代の生産性向上に向けた取組みのヒントすし業編」(3ページ)

ただし回転ずしの市場規模は、以下の資料によるとコロナ禍に減少しかけたものの、復調しています。外出自粛期間中に中食需要が高まり、デリバリーやテイクアウトでお寿司を販売できたからです。特にファミリー層からの需要が高まりました。

参照元:PR TIMES「好調「回転すし」市場、コロナ禍でも過去最高へ 大手チェーン、10年で800店増加」

ニーズ

次に寿司屋に対するニーズには、家庭では調理できない食事や寿司以外の幅広いメニュー、立ち食いなどがあります。高級店では専門的な技術のある職人が握る寿司が好まれますが、回転寿司では麺類やデザートなどのメニューも人気です。

コロナ禍においては、手軽に外食を済ませる方法として、立ち食いの寿司屋に対するニーズも生まれました。そして店内消毒やマスクの着用など、感染症対策の徹底された寿司屋が好まれました。

参照元:

ビジネス+IT「スシロー・くら寿司・はま寿司の経営戦略を徹底比較、最強の回転寿司チェーンはどこ?」

Fancrew「緊急事態宣言解除後に行きたいお店 1位:焼肉、2位:寿司」

日本食糧新聞「寿司や焼肉も「立ち食い」が続々と コロナ禍での新たなニーズが背景に」

業態

また寿司屋の業態には、メニューの提供方法によって、飲食店やテイクアウト・デリバリー専門店などに分類されます。各業態の違いをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

なお経営主体によって、寿司屋の業態は、個人店やフランチャイズ店にも分類されます。自由な方針で経営できる個人店に対して、フランチャイズ店の特徴はブランド力やノウハウを活かした経営です。

経営者の年収

そして寿司屋の経営者の年収について、Web上に調査結果は掲載されていませんでした(2024年2月時点)。以下の調査によると、飲食店経営者の半数以上の年収は、300万~1,000万円です。

参照元:PR TIMES「飲食店経営の実態に関するアンケート調査を実施。経営における課題や業績、経営者の年収は?」

例えば寿司屋1店舗(客単価5,000円で1日20人、月24日営業、利益率30%)を経営するなら、経営者の年収は860万円程度です。

  • 客単価5,000円×1日20人×月24日営業×12か月×利益率30%≒860万円程度

寿司屋の開業準備に関する注意点

寿司屋の開業準備に関する注意点

基本情報だけではなく、寿司屋の開業準備に関する注意点も確認しましょう。8点(コンセプトと開業資金、店舗物件、資格・;届出・許可、メニュー、仕入先、採用・研修、集客)を取り上げます。

コンセプトの設計

まず寿司屋の開業準備に関する注意点として、コンセプトの設計が挙げられます。コンセプトは寿司屋の経営方針となり、競合店との差別化や事業計画の立案のために必要です。集客と売上を伸ばすために、独自性のあるコンセプトを設計しましょう。

コンセプトを設計するためには、市場調査と競合分析が重要です。寿司屋の開業にも活用できるコンセプトを設計する流れと方法をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

開業資金の調達

次に開業資金の調達も、寿司屋の開業準備に関する注意点です。開業前の初期投資(店舗物件や設備・機器・什器など)と開業後の運転資金(人件費や賃料など)が必要ですので、基本的に資金ゼロでは開業できません。

そこで自己資金だけで不足する場合には、開業資金の調達を計画しましょう。寿司屋の開業にも活用できる開業資金ゼロから自己資金を調達するときの注意点をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

店舗物件の選定とデザイン・工事

また店舗物件の選定とデザイン・工事も、寿司屋の開業準備に関する注意点です。店舗物件には、居抜き物件とスケルトン物件があります。スケルトン物件に店舗を開業するメリット・デメリットをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

そして店舗のデザインは、集客と売上を左右します。寿司屋の開業にも活用できる内装デザインを失敗しないコツをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

資格取得と届出・許可申請

続いて資格取得と届出・許可申請も、寿司屋の開業準備に関する注意点です。寿司屋の業態や規模、メニュー、従業員数など応じて、必要な資格の取得や届出・許可の申請を進めましょう。

  • 食品衛生責任者の資格
  • 防火管理者の資格(条件に当てはまる店舗物件)
  • 飲食店営業許可の申請
  • 防火管理者選任届(条件に当てはまる店舗物件)
  • 深夜における酒類提供飲食店営業開始届出(深夜帯に営業する場合)
  • 個人事業主の開業届または法人の設立届
  • 社会保険や労働保険の加入手続き(従業員を雇用する場合)

参照元:

警視庁「風俗営業等業種一覧」

国税庁「個人で事業を始めたとき/法人を設立したとき」

日本年金機構「事業所が健康保険・厚生年金保険の適用を受けようとするとき」

厚生労働省「労働保険の成立手続」

以上の資格や届出・許可についてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

メニューの開発

それからメニューの開発も、寿司屋の開業準備に関する注意点です。寿司屋のメインサービスは、お寿司の提供です。競合店との差別化を図り、集客と売上を伸ばすために、独自性のあるメニューを開発しましょう。

またメニュー全体の原価率は、売上に対する利益率に影響を与えます。ただし原価率を下げ過ぎると、メニューの品質を保ちづらくなります。寿司屋の開業にも活用できる原価率を計算する際の注意点をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

仕入先の選定

そして仕入先の選定も、寿司屋の開業準備に関する注意点です。商品やサービスの価格や品質を保つためには、仕入先の選定が重要です。仕入先には、製造販売元や卸売業者、オンラインショップ、業務用スーパーなどがあります。

そこで各業者の品質や品揃え、卸売価格、供給の安定性などを比較して、信頼できる仕入先を選定しましょう。寿司屋の開業にも活用できる仕入先を選ぶ際のポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

人材の採用・研修

さらに人材の採用・研修も、寿司屋の開業準備に関する注意点です。人材採用の基本的な流れをご確認ください。

  • 求人広告を掲載する
  • 応募者の書類を選考する
  • 採用試験を実施する
  • 合否を通知する
  • 雇用契約を締結する

そして開業予定日に間に合うように、調理や接客などに関する研修を計画しましょう。寿司屋の開業にも活用できる人材採用のコツや研修の注意点などをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

集客活動

なお集客活動も、寿司屋の開業準備に関する注意点です。開業当初から集客を伸ばすためには、開業前からの集客活動が必要です。開業後に経営を安定させるためは、新規顧客はもちろん、リピーターの獲得を目指しましょう。

例えば寿司屋の集客と売上を伸ばす方法には、キャンペーンやクーポン、LINE公式アカウントなどがあります。寿司屋の開業にも活用できる売上アップするためのアイデアをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

寿司屋の開業事例

注意点に気をつけて開業できるように、寿司屋の開業事例を調査しましょう。事例5点を取り上げて、各事例の特徴(クラウドファンディングとSNS、オリジナルコース、テイクアウト、人材育成)をご紹介します。

クラウドファンディングで開業した「鮨しん」

クラウドファンディングで開業した「鮨しん」

まず「鮨しん」は、クラウドファンディングで開業した寿司屋です。寿司職人養成学校を卒業してから、クラウドファンディングで開業資金を調達。飲食店の居抜き物件を改装した6席の寿司屋です。

開業後の運転資金を抑えつつ、原価率を上げたコース料理を提供。売上の安定化のために、貸切サービスや完全予約制を導入しました。1店舗目を閉店してからは、海外での出店準備を開始しました。

参照元:東京すしアカデミー「完璧は求めない。1人経営の小さな鮨屋が成功した内訳と失敗した常連客との契約」

SNSで集客する「鮨てんび」

SNSで集客する「鮨てんび」

次に「鮨てんび」は、SNSで集客する寿司屋です。「高級鮨をカジュアルに」というコンセプトに合わせて、若年層のユーザーが多いインスタで集客活動を展開。フォロワー限定の予約枠を設けて、フォロワー数と予約数を獲得できました。

またファンの獲得を目指して、インスタの投稿でオープンまでの舞台裏を紹介。開業してからも顧客の求める情報を分析しながら、投稿やストーリーズ、アンケート機能などを使い分けています。

参照元:TableCheck「インスタ集客で1800組予約獲得した「鮨てんび」仕掛け人に聞く。飲食店のSNS活用術」

オリジナルコースを提供する「鮨 ほり川」

オリジナルコースを提供する「鮨 ほり川」

また「鮨 ほり川」は、オリジナルコースを提供する寿司屋です。コロナ禍に営業時間の短縮を余儀なくされた際に、若いアルバイトの従業員と相談して、オリジナルコースを考案しました。

オリジナルコースは、刺身の盛り合わせや握り寿司、フルーツ寿司などから構成されます。

オリジナルコースの開発だけではなく、noteやTwitterで店舗の営業状況を発信し、反響を得ました。

参照元:PRESIDENT Online「「予約ゼロから満席に」コロナ禍でも寿司屋経営をV字回復させた73歳大将の手法」

テイクアウトにも対応する「弥助鮨 高崎 四ツ屋店」

テイクアウトにも対応する「弥助鮨 高崎 四ツ屋店」

それから「弥助鮨 高崎 四ツ屋店」は、テイクアウトにも対応する寿司屋です。コロナ禍前から提供していた仕出し弁当に加えて、テイクアウトに対応するためにワンコイン弁当を開発しました。

店内飲食では、寿司だけではなく、幅広い顧客層へ向けて、刺身や煮物、揚げ物、麺類などのメニューを提供しています。宴会や接待、慶事などの食事場所としても利用されている店舗です。

参照元:ぐるなびPRO「本格的な寿司を売りに地元住民のファンを集客!」

人材育成に力を注ぐ「玉寿司」

人材育成に力を注ぐ「玉寿司」

そして「玉寿司」は、人材育成に力を注ぐ寿司屋です。雇用形態(正規と非正規)に関わらず、有給の研修を提供しています。寿司職人育成のために、「修行3年」から「研修3か月」に短縮した「玉寿司大学」です。

カリキュラムは、「調理技術力」「接客対応力」「人間力」から構成されています。受講生が現場に配属されてからも、フォローアップ研修の機会が提供。人材育成に力を注ぐことで、離職率の低下につながっています。

参照元:TKC「財務体質強化と人財育成に成功「新入社員が辞めない」老舗すし店」

寿司屋の開業資金

寿司屋の開業資金

事例のような寿司屋を開業するためには、資金が必要です。そこで寿司屋の開業資金の相場と内訳を確認しましょう。無駄な経費を削減できるように、開業資金の節約法もご紹介します。

相場

まず寿司屋の開業資金の相場は、坪単価30万~60万円程度です。例えば20坪で賃料月20万円のスケルトン物件を賃借するなら、600万~1,200万円程度の開業資金がかかります。ただし店舗の立地や物件の規模、種類(居抜きかスケルトン)、設備・機器・什器の台数などによって、開業資金は変動します。

内訳

次に寿司屋の開業資金の内訳について、下表にまとめました。参考情報として、20坪で賃料月20万円のスケルトン物件を賃借する際にかかる開業資金を試算してあります。

資金の内訳資金の目安資金の試算
物件取得費
(敷金・礼金・前賃料など)
全体の10%程度
(賃料の3~6ヶ月分程度)
60万~120万円程度
(20坪で賃料月20万円の
スケルトン物件)
店舗デザイン・工事
(内装や外観、設備・
機器・什器など)
全体の70%程度420万~840万円程度
諸経費
(開業前のメニュー開発、
資格・届出・許可、
採用・研修・集客など)
全体の10%程度60万~120万円程度
運転資金
(開業後の賃料や
水道光熱費、人件費など)
全体の10%程度
(賃料の3~6ヶ月分程度)
60万~120万円程度
合計100%
(坪単価30万~60万円程度)
600万~1,200万円程度

上表のとおり、寿司屋の開業資金においては、店舗デザイン・工事費が大半を占めます。つまり内装や外観、設備・機器・什器にこだわるほど、開業資金が増加するわけです。

節約法

そして寿司屋の開業資金の節約法には、相見積もりや居抜き物件、補助金・助成金などがあります。相見積もりを取れば、各業者の見積もり(工事の費用や期間など)を比較できます。内装工事の見積もりを依頼する流れをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

居抜き物件を契約して、内装や外観、設備・機器・什器などを引き継ぐと、新規工事費用を削減できます。居抜き物件に飲食店を開業するメリット・デメリットをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

補助金・助成金には、基本的に返済義務がありませんが、申請の条件や方法などにご注意ください。飲食店が申請できる補助金や助成金をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

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監修者

IDEAL編集部

日本全国の美容室・カフェ・スポーツジム等の実績多数!
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