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2021.01.17 2024.02.21|新規開業ノウハウ
フードデリバリー専門店を開業する際の注意点!メリット・資格・事例・費用も紹介
本記事で、フードデリバリー専門店を開業する際の注意点を解説します。フードデリバリー専門店を開業するメリット・資格・事例・費用もご紹介します。店舗の開業や移転、リニューアルなどをご検討中の方は、ぜひご覧ください。
目次
フードデリバリー専門店の開業に関する基本情報
フードデリバリー専門店の開業準備を始める前に、基本情報を確認しましょう。基本情報を確認することで、開業準備を進めやすくなるからです。それではフードデリバリー専門店の市場規模や開業するメリット・デメリット、業態の種類をご紹介します。
市場規模
まずフードデリバリー専門店の市場規模は、8,000億円程度(2022年)だと推計されます。2016年から2倍以上の成長率。特に2019年からのコロナ禍において、外食需要の低下と反比例して、市場規模が拡大してきました。
アフターコロナの2023年以降においては、外食需要が増加し、フードデリバリー専門店の市場規模が縮小されると予想されています。ただし物価の高騰やデリバリーの利便性から、中食の市場規模も一定以上は保たれると予想されています。
参照元:
Circana「<外食・中食 調査レポート>2022年1-12月計のデリバリー市場規模は約7489億円の見込み、成長率は前年比5.3%減、2019年比79%増」
Kichen BASE「ポスト・コロナのフードデリバリー市場のゆくえ。生き残りの鍵は、データドリブンなマーケティング戦略」
Dream News「エヌピーディー・ジャパン、最新外食・中食レポート「2022年計、外食・中食売上はコロナ前2019年比10.4%減、デリバリー市場規模は7754億円で前年比1.6%減」を公表」
メリット
次にフードデリバリー専門店を開業するメリットは、初期費用の安さや回転率の高さ、商圏の広さなどです。飲食店(店内飲食を提供する店舗)とは異なり、ダイニングフロアや接客が不要なため、賃料や人件費を抑えられます。
また顧客が来店する代わりに、調理した食事を顧客の元へ配達するため、飲食店よりも、一度に受注できる量が多く、提供できるエリアが広いです。フードデリバリーサービスと連携すれば、営業状況に応じて受注量や配達エリアを制限できます。
デメリット
ただし販売施策(集客・接客・追客)の難しさは、フードデリバリー専門店を開業するデメリットです。飲食店とは異なり、顧客に来店してもらい、店舗の魅力に直接触れてもらえません。オンラインやオフラインの集客が必要です。
集客と同様に、実店舗内での接客もできません。フードデリバリーサービスや飲食業のポータルサイトなどを利用して、受注や配達のやり取りが必要です。そしてリピーターを増やすためにも、飲食店とは異なる追客の工夫が求められます。
業態の種類
そしてフードデリバリー専門店の業態には、ゴーストレストランや間借りなどがあります。ゴーストレストランは、実店舗の存在しない店舗です。飲食店のキッチンやシェアキッチンなどを利用して、フードデリバリーサービスや自店舗の従業員で配達してます。
間借りは、飲食店の営業時間外に厨房やフロアを借りる営業形態です。フードデリバリーサービス以外に、店内飲食も提供できます。間借りするメリット・デメリットをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
フードデリバリー専門店を開業する際の注意点
基本情報だけではなく、フードデリバリー専門店を開業する際の注意点もチェックしましょう。8点(コンセプトと物件、デザイン・工事、DX、メニュー、仕入先、採用・研修、集客)を取り上げます。
コンセプトの設計
まずコンセプトの設計が、フードデリバリー専門店を開業する際の注意点として挙げられます。店舗経営の基本方針である明確なコンセプトを設計すると、フードデリバリー専門店のメニューや提供方法を決めやすいです。
コンセプトを設計する際には、市場調査と競合分析が重要です。競合店との差別化を図るために、独自性のあるコンセプトを設計しましょう。店舗のコンセプトを設計する流れと方法をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
店舗物件の選定
次に店舗物件の選定も、フードデリバリー専門店を開業する際の注意点です。店舗物件は、コンセプトを実現させる手段であり、運転資金の中で賃料が大きな割合を占めます。そして店舗の立地は集客に影響します。
そこで店舗のコンセプトに基づいて、希望条件(立地や間取り、賃料など)を整理したうえで、店舗物件の選定を開始しましょう。店舗物件の探し方やコツなどをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
店舗のデザイン・工事
また店舗のデザイン・工事も、フードデリバリー専門店を開業する際の注意点です。店舗の内装や外観は、集客と売上に影響します。顧客に清潔感や信頼感を抱いてもらえる店舗をデザインして、工事を計画しましょう。
特に店舗のデザイン・工事を依頼する業者の選定が重要です。フードデリバリー専門店にも活用できる内装デザインを失敗しないコツをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
DX
それからDXも、フードデリバリー専門店を開業する際の注意点です。店舗のDXとは、デジタル技術による店舗経営の仕組みや商品・サービスなどの変革を意味します。顧客の来店しないフードデリバリー専門店においては、DXが欠かせません。
店舗DXの方法には、オンライン予約システムやキャッシュレス決済システム、店舗管理システムなどがあります。店舗DXの方法と費用をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
メニュー開発
さらにメニュー開発も、フードデリバリー専門店を開業する際の注意点です。競合店との差別化を図り、集客と売上を伸ばすためには、魅力的なメニューを開発しましょう。ただし店舗の利益率を高めるためには、メニュー全体の原価率を抑えなくてはなりません。
そこで原価率を抑えるためには、フードロスやオーバーポーションなどを減らす必要があります。フードデリバリー専門店にも活用できる原価率を抑えるポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
仕入先の選定
続いて仕入先の選定も、フードデリバリー専門店を開業する際の注意点です。仕入先は、商品やサービスの販売価格や品質を左右します。製造販売元や卸売業者、オンラインショップ、業務用スーパーなどから、信頼できる仕入先を選びましょう。
仕入先を選定する際には、品質や品揃え、ブランド力、卸売価格などのポイントがあります。店舗経営の仕入先を選ぶ際のポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
従業員の採用・研修
そして従業員の採用・研修も、フードデリバリー専門店を開業する際の注意点です。複数の店舗を展開したり、長時間営業する店舗を経営したりする場合には、経営者以外の従業員が必要になります。
そこで採用したい人物像を明確にしてから、採用活動を展開して、開業予定日に間に合うように研修を計画しましょう。店舗経営における人材採用のコツや注意点などをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
集客活動
なお集客活動も、フードデリバリー専門店を開業する際の注意点です。店舗の集客活動には、オンライン(フードデリバリーアプリやSNSなど)とオフライン(交通広告や雑誌広告など)の方法があります。
ターゲットする顧客層に店舗の情報を届けられるように、集客活動を工夫しましょう。店舗の集客に成功した事例などをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
フードデリバリー専門店の開業事例
開業する際の注意点と併せて、フードデリバリー専門店の開業事例を調査しましょう。事例5点を取り上げて、各事例の特徴(オープンキッチンと独自の調理器具、ドミナント戦略、トレーラー型、美と健康)をご紹介します。
オープンキッチンの店舗
まず「客席のないレストラン」は、オープンキッチンの店舗です。デリバリーだけではなく、テイクアウトにも対応しており、調理工程が可視化されています。食の安全や安心を目指した内装デザインです。
20坪程度の店舗ですが、15ブランドの200品を超えるメニュー(焼肉やサラダ、スープなど)が提供されています。アプリによる注文とキャッシュレス決済で、注文から30分程度で配達が可能です。
参照元:PR TIMES「テイクアウト・デリバリー専門店『客席のないレストラン』東京・初台に4月14日オープン」
独自の調理器具を使用する店舗
次に「SHOGUN FRIED」は、独自の調理器具を使用する店舗です。分子調理機器「Dr.Fry(ドクターフライ)」は、衣が吸収する油の量を大幅にカットできるため、配達中にサクサク食感をキープできます。
また「ハイサイソース」とコラボして、オリジナルソース「EXTRA HOT」を開発。旨味と辛さが自慢のフライドチキンを提供しています。フードデリバリーサービスやフランチャイズで営業しています。
ドミナント戦略で出店された店舗
また「マクドナルド早稲田駅前ANNEX店」は、ドミナント戦略で出店された店舗です。テイクアウト・デリバリー専門店ですが、200m先にイートインの店舗もあります。手ごろな物件が手に入りにくい都心における出店戦略です。
あえてテイクアウト・デリバリー専門店とイートイン店舗を近い距離に置くことで、異なるニーズに顧客を分散できます。通常の店舗と同様に、テイクアウト・デリバリー専門店でも、フルメニューが提供されています。
参照元:livedoor News「マクドナルド、『小型店ひっそり開業』の深い意味」
DXが推進されている店舗
それから「FOOD RECORDS 富ヶ谷」は、DXが推進されている店舗です。テイクアウト・デリバリーの専門店で、キャッシュレス決済サービスやフードデリバリーサービスに対応しています。
実店舗とフードデリバリーサービスのオペレーションを両立できるように、独自の受注管理システムが導入されています。主なメニューは、「ミートボールライス」「カレーチキンライス」などです。
参照元:PR TIMES「FOOD RECORDSのデリバリー・テイクアウト専門の極小2坪キッチンが2024年1月17日(水)、富ヶ谷にオープン!23日(火)までオープンキャンペーン実施!」
美と健康をコンセプトにする店舗
そして「美と健康アボカ堂」は、美と健康をコンセプトにする店舗です。アボカドをメイン食材にして、さまざまなアボカド料理(ポキや海鮮丼、肉アボカ丼、ネバトロ丼、サラダ、おつまみなど)が提供されています。
同店は、「油そば歌志軒 久我山店」内にあり、テイクアウト・デリバリー専門店で、フードデリバリーサービスから注文できます。「油そば歌志軒 久我山店」は、アボカド料理以外の店舗も運営しています。
参照元:号外NET 杉並区「【杉並区】アボカド好き必見!!『油そば歌志軒 久我山店』内にデリバリー&テイクアウト専門店『美と健康アボカ堂』がオープンしました!」
フードデリバリー専門店の開業費用
調査した事例のような店舗を開業するためには、開業費用が必要です。そこでフードデリバリー専門店の開業費用の相場と内訳をご紹介します。無駄な経費を削減できるように、開業費用の節約法も確認しましょう。
相場
まずフードデリバリー専門店の開業費用の相場は、坪単価10万~50万円程度です。例えばスケルトン物件(10坪で賃料月10万円)を賃借して開業するなら、100万~500万円程度かかります。
ただし店舗の立地や規模、設備・機器・什器の台数などによって、フードデリバリー専門店の開業費用は変動します。
内訳
次にフードデリバリー専門店の開業費用の内訳について、下表にまとめました。参考情報として、スケルトン物件(10坪で賃料月10万円)を賃借する場合の開業費用を試算してあります。
費用の内訳 | 費用の目安 | 費用の試算 |
物件取得費 (礼金・敷金・前賃料など) | 合計の10%程度 (賃料の1~5か月分程度) | 10万~50万円程度 (10坪で賃料月10万円の スケルトン物件) |
店舗デザイン・工事費 (内装・外観・設備・ 機器・什器など) | 合計の50%程度 | 50万~250万円程度 |
諸経費 (DX・採用・研修・ 集客など) | 合計の30%程度 | 30万~150万円程度 |
運転資金 (毎月の賃料・人件費・ 仕入費など) | 合計の10%程度 (賃料の1~5か月分程度) | 10万~50万円程度 |
合計 | 100% (坪単価10万~50万円程度) | 100万~500万円程度 |
上表のとおり、デリバリー専門店の開業費用においては、店舗デザイン・工事費が大半を占めます。内装・外観・設備・機器・什器などにこだわるほど、開業費用が増加しますので、ご注意ください。
節約法
そしてフードデリバリー専門店の開業費用の節約法には、相見積もりや居抜き物件、補助金・助成金などがあります。相見積もりを取って、各業者の見積もり(工事の費用や期間など)を比較することで、無駄な経費を削減しやすいです。
フードデリバリー専門店の居抜き物件を契約すれば、内装や外観・設備・機器・什器などを引き継げるため、新規の工事費用を削減できます。ただし居抜き物件にはデメリットもありますので、次の記事も併せてご覧ください。
補助金・助成金を受給できれば、基本的に返済義務のない資金を獲得できます。フードデリバリー専門店にも活用できる補助金・助成金を申請するときの注意点をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
フードデリバリー専門店の開業準備を開始しよう!
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監修者
-
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