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2024.11.12 2024.10.06|新規開業ノウハウ
内科クリニックの開業資金はいくら?失敗しないためのポイントや事例も紹介
本記事で、内科クリニックの開業資金を解説します。また開業に失敗しないためのポイントや事例もご紹介します。店舗の開業や移転、リニューアルなどをご検討中の方は、ぜひご覧ください。
目次
内科クリニック開業の基本情報
内科クリニックの開業準備を計画する前に、基本情報を確認しましょう。基本情報を確認することで、計画を進めやすいからです。それでは内科クリニックの主なサービスや医師の不足、失敗する原因、開業医の年収についてご紹介します。
主なサービス
まず内科クリニックの主なサービスは、臓器や血液、神経などに対する内科的な診療です。外科的な手術を伴わない診療(初期の診断や高度専門医療、救急医療、先端医療など)を提供しています。
一般的に心身に異常を感じる患者は内科を受診するため、病気の特定が、内科に求められる重要な役割です。大きな病気が見つかった場合には、専門医を紹介します。したがって内科医には、医療に関する幅広い知識が求められます。
参照元:ヒロオカクリニック「『内科とは何か』という一見簡単な質問に答えることは意外に難しい」
医師の不足
次に内科クリニックの医師の不足は、深刻な状況です。以下の資料によると、2036年に1.5万人の内科医の不足が予測されています。ただし地域による偏りがあり、2036年には12道県で内科医が不足する一方で、13都府県で内科医の過剰が予測されています。
参照元:
第28回医師受給分科会「診療科ごとの将来必要な医師数の 見通し(たたき台)について」(2ページ)
CareNet「内科医不足、2030年には推計1万6,226人になる恐れ」
内科クリニックの医師が不足しないためには、医師が多く在籍している地域からの派遣や移住の推進が必要です。他地域の内科医を雇用する場合には、働きやすい職場環境を整えましょう。
失敗する原因
それから内科クリニックの開業に失敗する原因は、曖昧な経営方針やサービスの質の低さ、不適切な立地・集患方法、資金・従業員の不足などです。経営方針が曖昧では、ターゲット層に適した立地や集患方法、サービスの内容などを選べません。
資金・従業員が不足してしまうと、長期的に安定して内科クリニックを経営できなくなります。そこで内科クリニックの開業に失敗しないためのポイントについて、後ほどご紹介します。
開業医の年収
そして内科クリニック開業医の年収は、以下の資料によると2800万程度(2022年)です。上記の年収には、内部留保(建物や設備などの修繕・投資費)も含まれています。
参照元:中央社会保険医療協議会 令和5年11月「第24回医療経済実態調査 (医療機関等調査) 報告」(149ページ)
内科クリニック開業医は、小児科や外科、産婦人科などの開業医より少ないですが、皮膚科や整形外科などの開業医と同じくらいの年収を獲得しています。ただし開業するクリニックの規模や数、診療日数などによって、内科クリニック開業医の年収には変動します。
内科クリニック開業に失敗しないためのポイント
基本情報だけでなく、内科クリニック開業に失敗しないためのポイントも押さえましょう。8点(コンセプト・事業計画書と開業資金、物件、医療設備・機器と什器、DXの推進、資格・免許・届出・許可、採用・研修、集患活動)をご紹介します。
コンセプト設計・事業計画書作成
まずコンセプト設計・事業計画書作成が、内科クリニック開業に失敗しないためのポイントとして挙げられます。明確なコンセプト(経営方針)を設計して、競合店との差別化を図りましょう。
設計したコンセプトに基づいて、事業計画書を作成します。事業計画書は、開業資金の調達や経営の評価・改善などに必要です。内科クリニック開業にも活用できる事業計画書の書き方をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
開業資金の調達
次に開業資金の調達も、内科クリニック開業に失敗しないためのポイントです。開業前の初期投資(物件取得費や設備投資費など)や開業後の運転資金(水道光熱費や人件費など)を計算したうえで、開業資金を調達しましょう。
開業資金の調達方法には、出資や借入、融資、補助金・助成金などがあります。内科クリニックにも活用できる開業資金を調達する際のポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
物件の選定とデザイン・工事
それから物件の選定とデザイン・工事も、内科クリニック開業に失敗しないためのポイントです。物件はコンセプトを実現させるための手段であり、立地は集客に影響します。希望条件を整理したうえで、物件を選定しましょう。
物件の賃借・購入を契約できたら、内科クリニックのコンセプトに基づいて外観や内装のデザイン・工事を計画します。クリニックの外観・内装デザインのポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
医療設備・機器と什器の手配
続いて医療設備・機器と什器の手配も、内科クリニック開業に失敗しないためのポイントです。内科クリニックのサービスに応じて、検査・診断・治療に必要な医療設備や電気・ガス・水道・空調・換気などの設備、照明・映像・音響機器などを手配します。
医療設備・機器だけでなく、受付カウンターや待合用ソファーなどの什器も必要です。内科クリニック開業にも活用できる什器の分類や入手方法をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
DXの推進
さらにDXの推進も、内科クリニック開業に失敗しないためのポイントです。業務効率化や競争力強化などのために、DX(デジタル技術による経営の仕組みやサービスなどの変革)を推進しましょう。
DXの方法には、オンライン予約システムやデジタルサイネージ、キャッシュレス決済システムなどがあります。内科クリニック開業にも活用できるDXを進める流れとポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
資格・免許の取得と届出・許可の申請
また資格・免許の取得と届出・許可の申請も、内科クリニック開業に失敗しないためのポイントです。資格・免許・届出・許可ごとに申請条件が異なりますので、必ず最新情報を確認しましょう。
- 医師免許や専門医の資格
- 防火管理者の資格(該当する物件の場合)
- 病院経営に関する資格(医療経理士や病院経営管理士、医療経営コンサルタントなど)
- 個人事業主の開業届または法人の設立届
- 医療法人設立または診療所開設の届け出
- 保険医療機関指定の申請
- 社会保険・労働保険の加入
参照元:
日本年金機構「事業所が健康保険・厚生年金保険の適用を受けようとするとき」
従業員の採用・研修
そして従業員の採用・研修も、内科クリニック開業に失敗しないためのポイントです。質の高い医療サービスを提供できるように、看護師や医療事務などの従業員を採用します。採用したい職種や人数、人物像などを明確にしたうえで、採用活動を展開しましょう。
採用日から開設日までの間には、患者の待遇や検査などに関する研修も必要です。内科クリニック開業にも活用できる人材採用のコツや研修の注意点をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
集患活動の計画
なお集患活動の計画も、内科クリニック開業に失敗しないためのポイントです。開業当初から新規患者を獲得しながら安定したリピート率を維持できるように、開業前から集患活動を計画しましょう。
集患活動には、オンライン(SNSやWebサイトなど)とオフライン(ポスティングや交通広告など)の方法があります。内科クリニックの集患活動にも活用できるアイデアや事例をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
内科クリニックの開業事例
ポイントを押さえて内科クリニックを開業できるように、参考となる事例を調査しましょう。事例5点を取り上げて、各事例の特徴(生活習慣病と夜間診療、幅広い診療内容。内視鏡検査、複合商業施設)をご紹介します。
生活習慣病への取り組みを行う内科クリニック
まず「クリニックパーク武蔵小杉」は、生活習慣病への取り組みを行う内科クリニックです。一般的な内科疾患や生活習慣病の予防などに対応できるように、医師による診療だけでなく、管理栄養士による栄養相談も提供されています。
隣接するキッチン施設では、管理栄養士による料理教室が開催されています。患者の健康的な生活のために幅広いサービスを提供しながら、病気の予防と治療に取り組んでいる内科クリニックです。
参照元:
地域NEWS 号外NET「【川崎市中原区】武蔵小杉駅から徒歩約7分、KOSUGI iHUGウェルネスリビング棟にクリニックパーク武蔵小杉が4月10日開院予定」
夜間診療に対応する内科クリニック
次に「MIZENクリニック池尻大橋」は、夜間診療に対応するクリニックです。「働く人のための夜間診療」をコンセプトに、働き世代が体調や生活習慣を管理できるように
平日17時半〜21時まで診察を行っています。
待ち時間なく受診できるように、インターネットで診察予約に24時間対応しています。仕事帰りの患者が通いやすいように、最寄り駅から徒歩3分の立地にある内科クリニックです。
参照元:
MIZENクリニック池尻大橋「MIZENクリニック池尻大橋について」
幅広い診療内容に対応する内科クリニック
それから「べっぷ内科クリニック」は、幅広い診療内容に対応するクリニックです。腎臓や糖尿病、循環器などに加え、皮膚や甲状腺などの疾患にも対応しています。インフルエンザ流行期に適切な診察と検査を提供する指定医療機関です。
特に生活習慣病と糖尿病、心臓病の診療に特化し、循環器・消化器・血管超音波認定技師が在籍しているため、幅広い検査に対応しています。分院に皮膚科専門医も常勤している内科クリニックです。
参照元:べっぷ内科クリニック「べっぷ内科クリニックについて」
内視鏡検査を提供する内科クリニック
続いて「高田馬場駅前おだぎ内視鏡・消化器内科」は、内視鏡検査を提供する内科クリニックです。胃がんや大腸がんにより患者が命を落とさなくて済むように、内視鏡システムによる日帰り検査を提供しています。
他の患者と顔を合わせることなく内視鏡検査を受けられるように、待合・下剤・リカバリー用の室が施工されています。内視鏡に抵抗のある女性に配慮し、女性医師が在籍している内科クリニックです。
参照元:
MEDICALDOC「高田馬場駅前おだぎ内視鏡・消化器内科」
複合商業施設に入居する内科クリニック
そして「おかざき内科クリニック」は、複合商業施設に入居する内科クリニックです。「地域のかかりつけ医」をコンセプトに、信頼されるクリニックを目指して、兵庫県西宮市にあるムコダンモールで開業されました。
脳神経内科や神経内科を専門としていますが、一般内科や外科などの幅広い診療にも対応しています。クリニックへ行くストレス軽減のため、待ち時間を短縮できるように、診療予約をネットで受け付けている内科クリニックです。
参照元:
内科クリニックの開業資金
事例のような内科クリニックを開業するためには、資金が必要です。そこで内科クリニック開業資金の相場と内訳を確認しましょう。無駄な経費を削減できるように、開業資金の節約法もご紹介します。
相場
まず内科クリニック開業資金の相場は、坪単価100万〜400万円程度です。例えば月20万円で20坪の物件を貸借するなら、2,000万〜8,000万円程度の開業資金がかかります。ただし物件の立地や規模、種類(居抜きかスケルトン)、設備・機器・什器の種類や台数などによって、開業資金は変動します。
内訳
次に内科クリニック開業資金の内訳について、下表にまとめました。参考情報として、賃料月20万円で20坪の店舗物件に必要な開業資金を試算してありますので、ご覧ください。
資金の内訳 | 各費用の目安 | 費用の試算 |
物件取得費用 (敷金・礼金・前賃金) | 全体の10%程度 (賃料の10~40ヵ月程度) | 200万~800万円程度 (賃金月20万円で 20坪の物件) |
医療施設の デザイン・工事費 (内装や外観、 設備・機器・什器など) | 全体の70%程度 (坪単価70万~280万円程度) | 1,400万~5,600万円程度 |
諸経費 (開業前の資格・免許・ 届出・許可や 採用・研修、集患など) | 全体の10%程度 | 200万~800万円程度 |
運転資金 (開業後の水道光熱費や 賃料、人件費など) | 全体の10%程度 (賃料の10~40ヵ月程度) | 200万~800万円程度 |
合計 | 100% (坪単価100万~400万程度) | 2,000万~8,000万円程度 |
上表のとおり、内科クリニック開業資金においては、医療施設のデザイン・工事費が大半を占めます。したがって内科クリニックの内装や外観、設備・機器・什器などにこだわるほど、開業資金が増加するわけです。
節約法
そして内科クリニックの開業資金の節約法には、相見積もりや居抜き物件、補助金・助成金などがあります。相見積もりを取って、各業者の見積もりや施工実績、接客対応などを比較すれば、無駄な経費を削減しやすいです。
居抜き物件を契約をして、内装や外観、設備・機器・什器などを譲渡してもらえると、工事費用を削減できます。ただし、居抜き工事にはデメリットもありますので、次の記事も併せてご覧ください。
補助金・助成金の申請が通れば、基本的に返済義務のない資金を獲得できます。例えば国のIT導入補助金や東京都の病院診療情報サイバーセキュリティ対策支援事業補助金などがあります。ただし補助金・助成金ごとに申請条件が異なりますので、ご注意ください。
参照元:
内科クリニックの開業準備を計画しよう!
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監修者
-
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