2023.03.17  2023.03.18|新規開業ノウハウ

猫カフェを開業する流れ!年収・資格・失敗しない方法・助成金も紹介

猫カフェを開業する流れ!年収・資格・失敗しない方法・助成金も紹介

本記事で、猫カフェを開業する流れを解説します。猫カフェの年収や資格、失敗しない方法・助成金もご紹介します。店舗の開業や移転、リニューアルなどをご検討中の方は、ぜひご覧ください。

猫カフェ業界の動向

猫カフェ業界の動向

猫カフェ業界の動向はどうなっているのでしょうか?経営猫カフェの集客と売上を安定させられるように、必要な情報を集めましょう。開業準備を始める前に、猫カフェ市場の規模やニーズ、業態の特徴、経営者の年収をご紹介します。

市場の規模やニーズ

まず猫カフェ市場の規模やニーズは、拡大してきました。猫カフェの店舗数は、2005年時点に3店舗でしたが、2015年には約300店舗に増加しているからです。

参考:環境省「猫カフェ業界の現況と猫カフェ協会による取組について」

また猫カフェでは気軽に猫と触れ合うことができるため、自宅で猫を飼えない顧客からのニーズがあると推察されます。犬の飼育頭数は2013年から減少傾向にありますが、猫の飼育頭数は8,000千頭をキープしており、猫の人気が上昇しているからです。

参考:ペットフード協会「全国犬猫飼育実態調査 Ⅲ.主要指標サマリー」(18~19ページ)

ただし猫に関する社会的な課題として、保護猫の里親探しが挙げられます。猫の殺処分数は年々減少していますが、2020年には19,000頭以上の猫が殺処分されたからです。

参考:環境省自然環境局「犬・猫の引取り及び負傷動物等の収容並びに処分の状況」

業態の特徴

次に猫カフェ業態の特徴は、猫を眺めたり、猫と触れ合ったりしながら飲食できる空間を顧客に提供する点です。ただし近年は業態が多様化しており、例えば保護猫の里親探しを行う保護猫カフェや、ペットショップと併設する猫カフェなどがあります。

なお飲食だけではなく、漫画やゲームを提供したり、貸切営業に対応したりする店舗もあります。また国の実態調査によると、保護猫の譲渡に取り組む猫カフェは約300店舗中の30%程度でした(2015年時点)。

参考:環境省「猫カフェの実態調査」(3ページ)

経営者の年収

猫カフェ経営者の年収に関するデータは、Web上に掲載されていませんでした(2023年3月時点)。

そこで個人事業主の年収を調査したところ、約8割の年収は500万円未満です。ただし個人事業主1割の平均年収は1,000万円以上と報告されています。複数の猫カフェを安定して経営できれば、年収1,000万円以上を得るチャンスがあると想定されます。

参考:中小企業庁「第3節 小規模事業者の事業基盤」(第1-1-38図)

また猫カフェの基本的な収益構造は、喫茶店やカフェと同じです。しかし猫の世話に人件費がかかるため、年間の営業利益は86万円という試算があります。猫カフェでは売上を伸ばすことはもちろんですが、責任を持って猫を飼育するためにも、収益化が非常に重要です。

参考:J-Net21「猫カフェ | 業種別開業ガイド 」

開業前から明確な資金計画を立てて、黒字経営を目指しましょう。

猫カフェを開業する流れ

猫カフェを開業する流れ

猫カフェ業界の動向を踏まえたうえで、猫カフェを開業する流れをご紹介します。開業に必要な資格の取得や届出・許可の申請などには時間がかかりますので、スケジュールに余裕をもって開業準備を進めましょう。

コンセプトを設計して事業計画書にまとめる

猫カフェを開業する流れは、まず猫カフェのコンセプトを設計して事業計画書にまとめる作業から始まります。

コンセプトとは、猫カフェ経営の理念や方向性を表した言葉です。市場や競合店を調査して、ターゲットを集客できる独自のポジションを決めましょう。猫カフェ経営にも活用できるコンセプト設計の方法を紹介していますので、次の記事も併せてご覧ください。

事業計画書にはコンセプトだけではなく、経営理念や事業目的、資金計画などを詳しく記載します。猫カフェ経営にも活用できる事業計画書の書き方をまとめていますので、次の記事も併せてご覧ください。

開業資金を調達する

次に猫カフェの開業準備を進めるために、開業資金を調達してください。猫カフェの開業資金の相場は、400万〜2,000万円程度です。自宅をリフォームしたり、居抜き物件を借りたりすれば、店舗物件を借りるよりも費用を抑えやすくなります。

ただし猫がストレスなく過ごせる環境を整備する必要があります。一般的な飲食店よりも経費がかかったり、体調不良の猫の医療費がかかったりしますので、正確に開業資金を計算しましょう。開業資金の調達方法について詳しく紹介していますので、次の記事も併せてご覧ください。

物件を探して内装をデザイン・工事する

また開業資金の調達と並行して、猫カフェを開業する物件を探して内装をデザイン・工事しましょう。内装のデザイン・工事の時間を確保するために、開業の6ー12か月前から物件探しを開始してください。店舗物件の探し方について詳しく解説していますので、次の記事も併せてご覧ください。

猫カフェの内装デザインでは、顧客と猫の衛生面を考慮して水道設備2箇所以上をレイアウトしましょう。加えて猫が快適に過ごせるように、空調設備も整えてください。

開業に必要な資格を取得する

そして猫カフェの開業に必要な資格を取得しましょう。資格を取得するまでに数日から数週間かかるため、他の開業準備と並行して進めてください。

猫カフェの開業に必要な資格は、以下のとおりです。

  • 動物取扱責任者
  • 食品衛生責任者の資格(店内で食事やドリンクを製造・販売する場合)
  • 防火管理者の資格(店舗の収容人数が従業員を含めて30人を超える場合)

猫カフェを含む動物カフェの開業に必要な資格をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

必要な届出・許可を申請する

さらに猫カフェの開業に必要な届出・許可を申請してください。申請の方法や費用が異なるため、各届出・許可の要項を確認しましょう。

猫カフェの開業には、まず「第一種動物取扱業」の登録申請が必要です。展示や販売といった業態に応じて申請内容が異なる点に、ご注意ください。

参考:環境省自然環境局「第一種動物取扱業者の規制」

一方で保護猫の譲渡など、非営利の動物取扱業を営む場合は、「第二種動物取扱業」の届出が必要です。

参考:環境省自然環境局「第二種動物取扱業者の規制」

また顧客に飲食物を提供する猫カフェなら、「飲食店営業許可」も必要です。猫カフェを含む飲食店の開業に必要な届出・許可をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

猫を手配する

また猫カフェの店舗デザイン・工事や届出・許可を進めたら、猫を手配してください。猫の手配として、以下の方法が挙げられます。

  • ペットショップやブリーダーに依頼する
  • 保護猫の譲渡会に参加する
  • 自分のペットを利用する

ペットショップやブリーダーに依頼する費用は、1匹当たり5万~30万円程度です。保護猫の譲渡を受ける費用はかかりませんが、ワクチン接種などの経費が必要になる場合があります。また自分が飼っているペットの猫を展示する場合には、同居する家族の理解を得ましょう。

集客方法を決定する

開業日の数か月前になったら、猫カフェの集客方法を決定してください。SNSやWeb広告などを活用するオンライン集客と、チラシやのぼりなどを活用するオフライン集客があります。オンライン集客はインターネットにアクセスする若年層に、オフライン集客は地域の高齢層に情報を届けやすいです。

目的やターゲットに合わせて、集客方法を組み合わせましょう。猫カフェにも活用できる店舗へ集客する方法をまとめていますので、次の記事も併せてご覧ください。

猫カフェ開業に失敗しないポイント

猫カフェ開業に失敗しないポイント

猫カフェを開業する流れを押さえたところで、猫カフェ開業に失敗しないポイントもご紹介します。安定した経営を続けるためには、集客と売上を伸ばさなくてはなりません。競合との差別化を図り、無駄を省きながら、安全面に配慮しましょう。

独自のコンセプトで差別化を図る

猫カフェ開業に失敗しないポイントとして、独自のコンセプトで差別化を図る点が挙げられます。ターゲットのニーズを満たせるように、競合店にはないコンセプトを設計したうえで、サービスの付加価値を検討しましょう。

例えば特定のターゲット層へ向けて「特定の品種だけを扱う猫カフェ」や「夕方から夜間に営業する猫カフェ」などを設計します。ただし猫の健康に配慮して営業しなければならない点に、ご注意ください。

参考:環境省「第一種動物取扱業者及び第二種動物取扱業者が取り扱う動物の管理の方法等の基準を定める省令」『五 動物の展示又は輸送の方法に関する事項』(13ページ)

物件の賃貸借契約条件を確認する

次に物件の賃貸借契約条件を確認する点も、猫カフェ開業に失敗しないポイントです。鳴き声や臭いを懸念されて猫カフェを開業できない物件がありますので、動物飼育の可否を確認してください。

また物件の原状回復義務も確認してください。猫カフェでは複数の猫を飼育するため、排泄物などの臭いが部屋に染み付いたり、引っ掻き傷がついたりする恐れがあります。原状回復義務を履行することが難しい場合は、契約前に貸主に相談しましょう。

サービスと料金体系を明確にする

またサービスと料金体系を明確にする点も、猫カフェ開業に失敗しないポイントです。サービス内容と価格帯を明示できると、顧客が安心して入店でき、売上管理もしやすくなります

また安定して利益を得るためには、リピーターの獲得が必要です。ポイントカードの導入やSNSでの情報発信などにより、顧客のリピートを促す集客努力が求められます。猫カフェにも活かせる売上アップのアイデアをまとめていますので、次の記事も併せてご覧ください。

店内の衛生管理を徹底する

そして店内の衛生管理を徹底する点も、猫カフェ開業に失敗しないポイントです。衛生管理が行き届かず猫の排泄物の臭いが充満してしまうと、客足が遠のいたり、感染症が流行したりする恐れがあります。

猫の臭いやウィルスの対策として、こまめな換気や猫用トイレの清掃、空気清浄機の使用などが挙げられます。店舗内を喚起する方法を紹介していますので、次の記事も併せてご覧ください。

猫の健康管理も徹底する

さらに猫の健康管理も徹底する点も、猫カフェ開業に失敗しないポイントです。猫の健康管理を怠り感染症が蔓延してしまうと、猫カフェの営業停止や猫から顧客への感染などを引き起こす恐れがあります。

参考:静岡県「猫から人にうつる病気」

感染症対策として、正しく猫にワクチンを接種させましょう。また猫の爪を短く切り、定期的なノミの駆除も必要です。かかりつけの動物病院で健康診断を受けさせたり、保護猫を迎える際に寄生虫の検査を受けさせたりしてください。休業日であっても、猫の世話が必要になります。

万が一のトラブルに備えて資金を蓄える

なお猫カフェ開業に失敗しないポイントとして、万が一のトラブルに備えて資金を蓄えてください。例えば猫の怪我や病気には、通院や手術の費用が必要です。猫が顧客を引っ掻いて怪我を負わせると、損害賠償責任が発生します。

「ケガや病気の治療費」として、猫1匹につき年間3万円程必要になるというデータがあります。長期的な治療にはさらに治療費がかかりますので、余裕をもって資金を備えることが必要です。

参考:アニコム「家庭どうぶつ白書2021」(10ページ)

保護猫カフェの開業に活用できる助成金

保護猫カフェの開業に活用できる助成金

保護猫カフェとして「保護猫の里親探し」を営む際には、資金繰りが簡単ではありません。そこで保護猫カフェの開業に活用できる助成金をご紹介します。助成金ごとに申請の条件や方法が異なりますので、ご確認ください。

公益財団法人「どうぶつ基金」の助成金

保護猫カフェの開業に活用できる助成金として、公益財団法人「どうぶつ基金」の助成金があります。助成の目的は、犬猫の団体等譲渡事業推進です。助成金額は、犬猫一頭あたり7000円です。

公益財団法人「どうぶつ基金」の助成金の対象は、保護猫の里親を探す活動を行っている団体もしくは個人活動家です。申請の条件として、団体等譲渡登録後の遵守事項を守っていることや、動物管理センターなどの団体等譲渡制度に登録されていることなどが挙げられています。

公益財団法人「どうぶつ基金」の助成金申請方法は郵送で、必要書類を揃えてどうぶつ基金に送付します。どうぶつ基金のWebサイトにて申請書の事前送付報告が必要ですので、申請期間に合わせて申込みを行いましょう。

参考:公益財団法人どうぶつ基金「助成金」

一般財団法人犬猫生活福祉財団の助成金

また一般財団法人「犬猫生活福祉財団」の助成金も、保護猫カフェの開業に活用できる助成金です。助成の目的は、保護猫譲渡などの活動に対するサポートです。助成金額は犬猫一頭あたり1万〜2万円とされ、上限20万円まで支給されます。

一般財団法人「犬猫生活福祉財団」の助成金の対象は、一般社団法人や財団法人、非営利で活動を行う団体です。申請の条件として、常時もしくは定期的な譲渡会の開催か、オンライン上での譲渡活動(マッチングサイトへの掲載など)が求められます。

一般財団法人「犬猫生活福祉財団」の助成金の申請方法は、Googleフォームです。Googleアカウントを準備して、質問事項に回答してください。事業実施後には、「助成事業実施報告書」を提出する必要もあります。

参考:犬猫生活福祉財団「助成金について」

集客できる猫カフェを開業しよう!

IDEALは、店舗全般のコンセプト設計から資金調達、物件探し、内外装のデザイン・工事、集客までのワンストップソリューションをご提供しております。

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監修者

IDEAL編集部

日本全国の美容室・カフェ・スポーツジム等の実績多数!
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