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2023.06.05 2023.05.28|店舗デザイン
狭小店舗をデザインするポイント!メリット・デメリット・施工事例・工事費用
本記事で、狭小店舗をデザインするポイントを解説します。狭小店舗のメリット・デメリットや施工事例、工事費用もご紹介します。店舗の開業や移転、リニューアルなどをご検討中の方は、ぜひご覧ください。
狭小店舗をデザインするメリット・デメリット
狭小店舗とは、15坪程度の狭く小さいフロアで営業する店舗です。狭小店舗の開業を検討するために、デザインするメリット・デメリットをご紹介します。メリットを活かし、デメリットを対策したうえで、狭小店舗を開業しましょう。
メリット①店舗工事費用を抑えられる
狭小店舗をデザインするメリットとして、まず工事費用を抑えられます。店舗を開業する物件には、内装や外装の工事が必要です。狭小店舗なら工事する面積が狭いため、15坪以上の店舗に比べると工事費用が安くなります。
また開業準備には、設備購入費や人材採用費、集客費などがかかります。そして開業後には、運転資金(光熱水道費や材料費などの固定費)もかかります。狭小店舗をデザインして店舗工事費用を抑えられると、他の費用に回すことが可能です。
メリット②コンセプトを反映させやすい
次にコンセプトを反映させやすい点も、狭小店舗をデザインするメリットです。大型店舗よりフロア面積が狭く小さいため、外装や内装に統一感を出しやすいからです。本来はデメリットとなる店舗の狭さ・小ささや席数の制限を利用することができます。
例えば「大人の隠れ家となるバー」をコンセプトにするなら、落ち着いた雰囲気の内装・外装をデザインします。また「完全予約制のレストラン」をコンセプトにすることで、狭く小さい空間や限られた席数を活かすことが可能です。
デメリット①業種・業態によって不便になる
しかしメリットだけではなく、業種・業態によって不便になる点は、狭小店舗をデザインするデメリットです。店舗が狭く小さく、席数が限られているため、一度に多くの顧客を入店させられません。
狭小店舗の不便さ対策として、完全予約制やテイクアウト、デリバリーなどの業態が挙げられます。例えばテイクアウト専門の飲食店をデザインすれば、店舗の狭さ・小ささや席数が問題にはなりません。小さいテイクアウト専門店をデザインするポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
デメリット②物件選びが難しい
また狭小店舗をデザインするデメリットとして、物件選びが難しいです。単にフロア面積が狭く小さいだけではなく、店舗物件の立地や周辺環境も考慮しなければなりません。また予算内に店舗工事や仕入れなどが可能となる物件が求められます。
狭小店舗の物件選び対策として、希望条件に優先順位を付けたうえで、物件探しを始めましょう。特に売上に基づいて、適切な賃料を設定してください。他にも店舗物件の探し方をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
狭小店舗をデザインするポイント
狭小店舗のメリットを活かしながらデメリットを対策できるように、デザインするポイントを確認しましょう。コンセプトや居心地、回転率、動線、死角、広さ、キッチン、ファサードについて、デザインポイントをご紹介します。
店舗のコンセプトを明確にする
狭小店舗をデザインするポイントとして、まず店舗のコンセプトを明確にしましょう。店舗のコンセプトとは、店舗の経営理念や商品・サービスの魅力などを表した言葉です。店舗経営の基盤となりますので、慎重に検討しなければなりません。
次の流れに沿って、店舗のコンセプトを設計できます。
- 市場調査と競合分析
- ターゲティングとポジショニング
- 5W2Hによるコンセプトの言語化
- コンセプトシートにまとめる
- キャッチフレーズを考案する
次の記事に詳しくまとめてありますので、併せてご覧ください。
居心地の良さを意識する
次に居心地の良さを意識する点も、狭小店舗をデザインするポイントです。店舗内で顧客に居心地の悪さを感じさせてしまうと、リピートを期待できません。居心地の良さが評判になれば、リピートはもちろん新規顧客も期待できます。
例えば狭小店舗のバーに、座り心地の良いソファや足の着く高さのカウンターがあると、リラックスして過ごしやすいです。店舗の業種・業態別に必要な什器をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
顧客の回転率を重視する
また顧客の回転率を重視する点も、狭小店舗をデザインするポイントです。顧客の回転率を上げることで、売上増加を期待できます。
例えば飲食店においては、顧客の待機時間を減らして回転率を上げるために、次の点を検討しましょう。
- 調理と接客の従業員数
- 注文から調理・提供・後片付けの効率化
- セルフオーダー・会計システムの導入
売上目標や従業員数から席数の目安を計算する方法を紹介していますので、次の記事も併せてご覧ください。
従業員と顧客の動線を区別する
それから従業員と顧客の動線を区別する点も、狭小店舗をデザインするポイントです。動線を区別することで、顧客の満足度向上と従業員の業務効率化を期待できます。従業員については、商品陳列やサービス提供などの方法を踏まえて、通路の幅や作業する方向などを検討してください。
一方で顧客に対しては、入店から退店までの流れに沿って、商品棚の位置や座席の間隔などを設計しましょう。商品やサービスによっては、一度に入店できる人数の制限や予約制の導入も検討しなければなりません。
死角をできるだけ減らす
さらに死角をできるだけ減らす点も、狭小店舗をデザインするポイントです。狭く小さい店舗においても死角があると、盗難などの犯罪リスクが生まれます。防犯対策として、死角を減らさなくてはなりません。
そこで従業員が店内を見渡しやすいように、建具や壁などをレイアウトしましょう。どうしても死角が生じてしまう場合には、防犯カメラを設置すると確認しやすくなります。他にも防犯対策の方法を紹介していますので、次の記事も併せてご覧ください。
店内を広く見せる
加えて店内を広く見せる点も、狭小店舗をデザインするポイントです。狭く小さい店舗内では、顧客に圧迫感や閉塞感を感じさせやすいです。限られた空間を広く見せることで、開放感を出しましょう。
店内を広く見せる具体策として、パーテーションを少なくして、高さのある天井をデザインしましょう。また空間の広がりを感じさせるために、明るい色を配置しましょう。店舗デザインにおける配色の効果については、次の記事をご覧ください。
おしゃれなファサードを検討する
狭小店舗をデザインするポイントとして、おしゃれなファサードを検討しましょう。ファサードは店舗正面の外観で、「店舗の顔」といえる部分です。魅力的なファサードをデザインすることで、通行人やドライバーの注目を集めやすくなります。
下記のファサードのデザインポイントを紹介していますので、次の記事も併せてご覧ください。
- 業種・業態を紹介する
- 視認性の高い看板を設置する
- コンセプトを明確にする
- 周辺環境と調和させる
- 入口の数と幅を検討する
- 照明と装飾を工夫する
- ほどよく内装を見せる
飲食店にはオープンキッチンをレイアウトする
なお狭小店舗をデザインするポイントとして、飲食店にはオープンキッチンをレイアウトしましょう。パーテーションや壁の数を減らして開放感を出しながら、調理の様子をアピールできるからです。
そしてオープンキッチンにカウンターを施工することで、接客と料理の提供・片付けなどがしやすくなります。飲食店に厨房(キッチン)をレイアウトするポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
狭小店舗デザインの施工事例
理想的な狭小店舗をデザインできるように、参考となる施工事例を調査しましょう。本記事では、5事例(ヘアサロンと整骨院、販売店、居酒屋、テイクアウト専門店)を取り上げて、デザインポイントをご紹介します。
個室がレイアウトされたヘアサロン
「Six Hair」は、東京都新宿区のヘアサロンです。コロナ禍を踏まえて、感染症対策として、個室がレイアウト。プライベート空間で、顧客がリラックスしながら施術を受けられます。
ただしサロンの統一感を保てるように、各個室を完全に区切らず、つながっています。また個室内で顧客に圧迫感を感じさせず、開放感を出せるように、大きな鏡が施工。社会情勢と顧客ニーズを踏まえたデザインです。
居心地が重視された鍼灸整骨院
「てらす鍼灸整骨院」は、東京都練馬区にある鍼灸整骨院です。患者の居心地が重視されて、院内がデザイン。院名の「てらす」(照らす)をコンセプトに、光が差し込む独自のパーテーションが施工されています。
光の効果だけではなく、内装に木材や黄色(コーポレートカラー)を取り入れることで、温かさも表現。患者に気軽に通ってもらえる鍼灸整骨院の理念が表現されたデザインです。
死角の少ないスニーカー販売店
引用元:三茶スニーカー「ショップ案内」
「三茶スニーカー」は、東京都世田谷区にあるスニーカー販売店です。顧客の動線が確保され、整然と商品が陳列された死角の少ないレイアウト。シンプルデザインですが、顧客に分かりやすく商品が陳列されたことで、売上がアップしました。
なお単に商品を販売するだけではなく、スニーカー選びの相談も提供されています。地域で長年にわたって営業されてきましたが、店舗デザインをリニューアルしたことで、新規顧客も獲得できています。
店内が広く見える居酒屋
「and Co-」は、大阪市の居酒屋です。「サンプリング」をコンセプトにデザインされ、店内が広く見えるように、天井が打ちっぱなしコンクリートです。壁や通路には、大きな設備や什器が施工されていません。
ただしノスタルジックな雰囲気を演出できるように、内装材が厳選。カウンターや壁の素材が、味わいを感じさせています。落ち着いてお酒や食事を楽しみやすい居酒屋の内装デザインです。
おしゃれなファサードのテイクアウト専門店
引用元:Craft & Grocerant 「ソムリエ厳選ワイン・イタリアン総菜・ヨーロッパ食材の通販」
「Craft & Grocerant DELICA/Wine’s Market」は、東京都杉並区にある惣菜やワインなどのテイクアウト専門店です。おしゃれなファサードがデザインされ、看板やディスプレイで主な商品が紹介されています。
コロナ禍の中食需要に応えられるように、惣菜やワイン、おつまみなどが陳列されています。顧客の動線が設計されており、入店してから一周しながら商品を手に取り、会計時にディスプレイの惣菜を注文できます。
狭小店舗デザインの工事費用
工事費用を確保できなければ、デザインした狭小店舗を実現させられません。そこで工事費用の相場と内訳、節約方法をご紹介します。予算を確保したうえで、理想的な狭小店舗を開業しましょう。
工事費用の相場
狭小店舗の工事費用の相場は、坪単価10万~50万円程度です。ただし物件の規模や種類(スケルトンか居抜き)、立地などによって、工事費用は変動します。
スケルトン物件の工事費用は、坪単価30万~50万円程度です。10坪の物件なら、300万~500万円程度かかります。スケルトン物件のメリット・デメリットをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
一方の居抜き物件の工事費用は、坪単価10万~30万円程度です。10坪の物件なら、100万~300万円程度かかります。居抜き物件のメリット・デメリットをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
工事費用の内訳
下表に、狭小店舗の工事費用の内訳をまとめました。参考情報として、10坪のスケルトン物件にかかる工事費用を試算してあります。
工事費用の内訳 | 各費用の目安 | 10坪のスケルトン物件 |
デザイン費 | 全体の10%程度 | 30万~50万円程度 |
諸経費 (施工監理や仮設工事など) | 全体の10%程度 | 30万~50万円程度 |
内装工事費 (天井や壁、床、建具など) | 全体の30%程度 | 90万~150万円程度 |
設備工事費 (電気・水道・ガス・空調・排気設備など) | 全体の40%程度 | 120万~200万円程度 |
造作什器費 (カウンターや棚など) | 全体の10%程度 | 30万~50万円程度 |
合計 | 100% 坪単価30万~50万円程度 | 300万-500万円程度 |
上表のとおり、内装工事費と設備工事費が工事費用全体の70%程度を占めます。もちろん店舗の集客やサービスにおいて、内装や設備が重要です。しかし内装や設備にこだわりすぎると、工事費用の合計が予算内に収まらなくなるため、ご注意ください。
工事費用の節約方法
狭小店舗の工事費用の節約方法は、以下の通りです。
- 居抜き物件を契約する
- 内装や設備のグレードを検討する
- ワンストップで対応できる業者に依頼する
居抜き物件を契約すると、前借主や持ち主の施工した内装や設備などを譲渡してもらえます。譲渡してもらった分だけ、内装や設備の費用を節約できます。居抜き物件で造作譲渡できる物や契約書についてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
またスケルトン物件においても、内装や設備のグレードを下げることで、新規購入費用を節約できます。一律にグレードを下げるとサービスの低下を招く恐れがあります。したがって費用をかける部分(バーのカウンターやファサードのデザインなど)と抑える部分(バックヤードなど)を区別しましょう。内装材の種類と特徴についてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
そして、ワンストップで対応できる業者に依頼すると、狭小店舗の物件探しからデザイン、工事、メンテナンスまでを任せられます。ただし業者によって対応できる範囲や費用が異なります。内装業者の選び方を紹介していますので、次の記事も併せてご覧ください。
狭小店舗を工夫してデザインしよう!
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監修者
-
IDEAL編集部
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