2024.06.21  2024.05.17|新規開業ノウハウ

レンタルスペース開業の方法・ポイント!届出・許可の手続きや事例・資金

レンタルスペース開業の方法・ポイント!届出・許可の手続きや事例・資金

本記事で、レンタルスペース開業の方法・ポイントを解説します。また届出・許可の手続きや事例・資金もご紹介します。施術所の開業や移転、リニューアルなどをご検討中の方は、ぜひご覧ください。

レンタルスペースの開業に関する基本情報

レンタルスペースの開業に関する基本情報

レンタルスペースの開業準備を始める前に、基本情報を確認しましょう。基本情報を把握することで、開業準備を進めやすいからです。それではレンタルスペースの市場規模や種類、サービスの仕組み、メリット・デメリットをご紹介します。

市場規模

まずレンタルスペースの市場規模は、以下の調査結果によると、2022年に3,797億円を記録しました。シェアリングエコノミーの市場規模が拡大している要因は、認知度が上がり、利用できる場所が増えたからです。

参照元:一般社団法人シェアリングエコノミー協会「【シェアリングエコノミー市場調査 2022年版】市場規模は過去最高の「2兆6,158億円」を記録し、2032年度には「15兆1,165億円」に拡大予測」

例えばレンタルスペースサービスのスペースマーケットには、サービス開始から10年間で3万件以上の多様な場所が登録されました。時間単位でのレンタルが可能なサービスです。レンタルスペースの種類については、次にご紹介します。

参照元:SPACEMARKET「あらゆるスペースを貸し借りできるスペースマーケット、 サービス開始から10年で掲載スペース数3万件突破!」

種類

次にレンタルスペースの種類には、会議室や学習室、イベント会場、住宅、収納場所、スタジオ、映画館、ビルなどがあります。消費者のニーズに応えて、多様なスペースのレンタルが可能です。

参照元:SPACEMARKET「あらゆるスペースを貸し借りできるスペースマーケット、 サービス開始から10年で掲載スペース数3万件突破!」

なおレンタルスペースの用途によって、物件の条件(立地や広さ、間取り)や必要な設備・機器・什器など)は異なります。レンタルスペースの物件選定や設備・機器・什器の手配については、後ほどご紹介します。

サービスの仕組み

さらにレンタルスペースのサービスは、時間や人数などの単位により場所を貸し出す仕組みです。例えば会議室やスタジオなどを貸し出すなら、「1時間2000円」や「1日1万円」などと料金を設定できます。

またイベント会場やスタジオなどを貸し出す際には、「一人につき1時間1000円」や「10名まで1時間1万円」などと料金を設定できます。他にも、会員登録や年会費などの請求も可能です。

メリット・デメリット

そしてレンタルスペースのメリット・デメリットについて、下表にまとめました。

観点メリットデメリット
コスト空きスペースを利用すれば初期投資を抑えられる物件を所有していなければ初期費用が高くなる
利益場所を貸し出すだけで利益を得られる予約が入らなければ利益を獲得できない
競合度賃貸よりも高単価で貸し出せる供給過多の地域では価格競争が起きる

以上のメリットを得ながらデメリットを補うために、次に開業の方法・ポイント(開業資金の調達やDXの推進、集客活動など)をご紹介します。

レンタルスペース開業の方法・ポイント

レンタルスペース開業の方法・ポイント

基本情報だけではなく、レンタルスペース開業の方法・ポイントも確認しましょう。8点(コンセプト・事業計画書と開業資金、店舗物件、設備・機器・什器、DX、資格・免許、届出・許可、採用・研修、集客)を取り上げます。

コンセプト設計と事業計画書作成

まずコンセプト設計と事業計画書の作成が、レンタルスペース開業の方法・ポイントとして挙げられます。コンセプトは店舗経営の基本方針であり、競合店との差別化や事業計画書の作成に必要です。

そして事業計画書には、コンセプトや経営者の経歴、収支計画などを記載します。レンタルスペース開業にも活用できる事業計画書を書くときのポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

開業資金の調達

次にレンタルスペースの開業資金の調達も、レンタルスペース開業の方法・ポイントです。開業前の初期投資(物件取得費や設備・機器・什器購入費など)と開業後の運転資金(人件費や光熱水費など)が必要です。

そこで自己資金だけで不足する場合は、開業資金の調達方法(出資や借入、融資、補助金・助成金)を検討しましょう。レンタルスペースにも活用できる開業資金を調達するポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

店舗物件の選定とデザイン・工事

また店舗物件の選定とデザイン・工事も、レンタルスペース開業の方法・ポイントです。店舗の立地と物件は、集客と売上に影響します。自己保有物件ではなく、賃貸物件の場合には転貸借契約が必要です。

そして店舗物件のデザイン・工事は、顧客の満足度や従業員の業務効率などを左右します。設計したコンセプトに基づいて、外観と内装をデザインしましょう。レンタルスペースにも活用できる内装をデザインするコツをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

設備・機器・什器の手配

それから設備・機器・什器の手配も、レンタルスペース開業のポイントです。レンタルスペースの用途(仕事や学習、レッスン、パーティ、遊び、撮影、収納など)に合わせて、必要な設備・機器・什器を手配しましょう。

設備・機器・什器を手配する方法には、新品だけではなく中古品やレンタル品・リース品、造作などがあります。レンタルスペース開業にも活用できるおしゃれな什器を選ぶポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

DXの推進

続いてDXの推進も、レンタルスペース開業の方法・ポイントです。店舗のDXは、デジタル技術による店舗経営の仕組みや商品・サービスなどの変革です。店舗経営の業務効率化や生産性向上、競争力の強化などのために、DXを推進しましょう。

レンタルスペースに導入できるDXの方法には、オンライン予約システムやキャッシュレス決済システムなどがあります。他にも店舗の方法と費用をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

資格・免許の取得や届出・許可の申請

さらに資格・免許の取得や届出・許可の申請も、レンタルスペース開業の方法・ポイントです。

  • 社会保険や労務管理に関する資格やスキル(従業員を雇用する場合)
  • 個人事業主の開業届または法人の設立届
  • 防火管理者選任届(該当する店舗物件のみ)
  • 社会保険や労働保険の加入(従業員を雇用する場合)

参照元:

国税庁「個人で事業を始めたとき/法人を設立したとき」

日本年金機構「事業所が健康保険・厚生年金保険の適用を受けようとするとき」

厚生労働省「労働保険の成立手続」

一般的なレンタルスペースの開業には特別な資格や免許が不要ですが、業態や店舗物件によっては食品衛生責任者(食品を取り扱う業態)や防火管理者(該当する店舗物件)などの資格が必要です。

人材の採用・研修

そして人材の採用・研修も、レンタルスペース開業の方法・ポイントです。管理人を常駐させる場合や多物件展開する場合などには、従業員を採用します。採用したい人物像や採用基準を明確にしたうえで、採用活動を始めましょう。

また開業日に間に合うように、従業員に対する研修も必要です。レンタルスペース開業にも活用できる人材採用のコツや研修の注意点をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

集客活動の計画

なお集客活動の計画も、レンタルスペース開業の方法・ポイントです。レンタルスペース経営の利益率を高めるためには、空き時間の削減(予約時間の増加)が重要です。開業前から集客活動を行い、ターゲット層へ向けて店舗の情報を発信しましょう。

店舗への集客方法には、オフライン集客(ポスティングや交通広告など)とオンライン集客(SNSやポータルサイトなど)があります。レンタルスペース開業にも活用できる集客アイデアをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

レンタルスペースの開業事例

開業までのポイントと併せて、レンタルスペースの開業事例を調査しましょう。事例5点を取り上げて、各事例の特徴(グランドピアノ設置とカフェ・サウナ併設、ふるさと納税返礼品、キッチン・カラオケ、キャンプ場)をご紹介します。

グランドピアノの設置されたレンタルスペース

グランドピアノの設置されたレンタルスペース

まず「スタジオ グランピアノ」様は、グランドピアノの設置されたレンタルスペースです。ヤマハ製のグランドピアノが導入されており、時間帯を気にせずにピアノを練習したい方やピアノレッスンの場所を確保したい方がターゲットです。

営業時間は8~24時で、料金は30分800円です。完全無人でサービスが提供されており、暗証番号の入力によって入室が可能です。公式サイトにて予約と決済が管理されており、DXが推進されています。

参照元:スタジオ グランピアノ「船橋ピアノスタジオ Gran Piano」

カフェ・サウナ併設のレンタルスペース

カフェ・サウナ併設のレンタルスペース

次に「laguna square」様は、カフェ・サウナ併設のレンタルスペースです。老舗料亭がリノベーションされた複合施設内に、レンタルスペースやカフェ、サウナ、大学のまちなかキャンパスなどがあります。

複合施設内に立地しているため、幅広い顧客層による利用が期待されます。幅広い用途(ビジネスイベントや料理教室、ヨガレッスン、クラフトマルシェなど)に対応したレンタルスペースです。

参照元:laguna square「Home」

ふるさと納税返礼品を体験できるレンタルスペース

ふるさと納税返礼品を体験できるレンタルスペース

それから「スエル池袋」は、ふるさと納税返礼品を体験できるレンタルスペースです。都心にありますが、ふるさと納税業務のサポートを目的として、兵庫県加西市の返礼品(アラジン社の製品)が設置されています。

レンタルスペースの利用者は、自由にアラジン社の製品(トースターやコーヒーブリュワー)を利用できます。返礼品の体験を通して、まちのファンづくりを目指す取り組みです。

参照元:レッドホース株式会社「ふるさと納税返礼品にタッチ&トライできる機会を都心のレンタルスペースで提供。 ”ブランド体験“を通じて、モノからまちを知り、まちのファンを創生」

キッチン・カラオケのあるレンタルスペース

キッチン・カラオケのあるレンタルスペース

さらに「HOTA」様は、キッチン・カラオケのあるレンタルスペースです。子育て世代の交流会や学生の勉強会などに利用されています。冷暖房やプロジェクター、Wi-Fiも完備したレンタルスペースです。

開業準備の際には地元自治体の補助金を受給して、飲食店の居抜き物件からレンタルスペースの内装に改装されました。予約や入室、決済などの手続きには、オンラインで対応しています。

参照元:伊豆新聞デジタル「下田市にレンタルスペース「HOTA」がオープン」

キャンプ場にあるレンタルスペース

キャンプ場にあるレンタルスペース

そして「神湊ガーデンレンタル」様は、キャンプ場にあるレンタルスペースです。自然に囲まれたウッドデッキやガーデンルームで、ワーケーションやパーティー、ワークショップなどに利用できます。

1棟まるごとのレンタルが可能で、予約は公式ラインで管理され、レンタルスペースにはオートロックが完備されています。Wi-Fiやプロジェクター、音響設備、キッチンなども利用できるレンタルスペースです。

参照元:神湊ガーデンレンタル「Home」

レンタルスペースの開業資金

レンタルスペースの開業資金

事例のようなレンタルスペースを開業するためには、資金が必要です。そこでレンタルスペース開業資金の相場と内訳をご紹介します。無駄な経費を削減できるように、開業資金の節約法も確認しましょう。

相場

まずレンタルスペース開業資金の相場は、坪単価30万〜70万円程度です。例えば20坪の店舗物件なら、600万〜1,400万円程度かかります。ただし店舗物件の立地や規模、レンタルスペースの用途(会議室やキッチン、スタジオなど)によって、開業資金は変動します。

内訳

次にレンタルスペース開業資金の内訳について、下表にまとめました。参考情報として、賃料月20万で20坪の店舗物件にかかる開業資金を試算しております。

開業資金の内訳各費用の目安各費用の試算
物件取得
(敷金や礼金、前賃料など)
10%程度
(賃料の3~7か月分程度)
60万~140万円程度
(賃料月20万円で20坪の
店舗物件)
店舗デザイン・工事
(内装や外観、設備・
機器・什器など)
70%程度
(坪単価20万~50万円程度)
420万~980万円程度
諸経費
(開業前の資格や届出・
許可、採用・研修、集客など)
10%程度60万~140万円程度
運転資金
(開業後の光熱水費や
賃料、人件費など)
10%程度
(賃料の3~7か月分程度)
60万~140万円程度
合計100%
(坪単価30万~70万円程度)
600万~1,400万円程度

上表のとおり、レンタルスペースの開業資金においては、店舗デザイン・工事費が大半を占めます。つまり内装や外観、設備・機器・什器などにこだわるほど、開業資金が増額するわけです。

節約法

そしてレンタルスペース開業資金の節約法には、相見積もりや居抜き物件、補助金・助成金などがあります。相見積もりを取って、各業者の見積もり(工事の費用や期間など)を比較すれば、無駄な経費を削減しやすいです。

居抜き物件を契約すれば、内装や外観、設備・機器・什器などを譲渡してもらえる分だけ、新規工事費用を削減できます。ただし居抜き物件に向いていないケースがありますので、次の記事も併せてご覧ください。    

補助金・助成金の申請が通れば、基本的に返済義務のない資金を獲得できます。ただし補助金・助成金ごとに申請の条件や方法など異なります。店舗開業・経営に活用できる補助金・助成金をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

レンタルスペースの開業を計画しよう!

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監修者

IDEAL編集部

日本全国の美容室・カフェ・スポーツジム等の実績多数!
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