2023.05.25  2023.06.05|内装工事

内装材の種類や特徴とは?下地材と仕上げ材の選び方や工事の流れ

内装材の種類や特徴とは?下地材と仕上げ材の選び方や工事の流れ

本記事で、内装材の種類や特徴を解説します。下地材と仕上げ材の選び方や工事する流れもご紹介します。店舗の開業や移転、リニューアルなどをご検討中の方は、ぜひご覧ください。

内装材とは?

内装材とは?

内装材とは、住宅や店舗、オフィスなどの天井や壁、床などに施工される材料です。施工場所ごとに適した素材は異なりますが、まとめて内装材と呼ばれます。店舗の内装をデザインする前に、内装材の主な役割と構造、施工場所を確認しましょう。

主な役割

内装材の主な役割は、次のとおりです。

  • 防音
  • 防水
  • 調湿
  • 断熱

内装材は、天井や壁、床などの表面だけではなく、内部にも施工されます。表面と内部に施工されることで、内装材が防音や防水、調湿、断熱などの役割を果たします。さまざまな役割を果たすことで、建物の耐久性や安全性が向上すると、老朽化や事故などを防ぐことが可能です。

もちろん内装材がさまざまな役割を果たすことで、店舗内で顧客が快適に過ごすことも可能です。例えば内装材による調湿機能で、空間内の湿度が一定に保たれます。また内装材で断熱されることで、夏は涼しく冬は温かく店舗内で過ごしやすいです。

構造

内装材の構造は、下地材(内装の内部)と仕上げ材(内装の表面)から構成されます。下地材とは、仕上げ材の下に施工される基礎になる素材です。天井や壁、床の耐久性を向上させる役割があります。他にも仕上げ材を綺麗に施工するためにも、下地材が欠かせません。

一方の仕上げ材とは、天井や壁、床などの表面を覆う素材です。顧客の視界に入る箇所に施工されるため、仕上げ材のデザインは店舗の雰囲気を左右します。仕上げ材の傷や汚れが目立つと顧客に悪い印象を与えるため、メンテナンスや修繕が必要です。

施工場所

内装材の施工場所は、主に天井や壁、床です。天井は店舗空間内の広い面積を占めることから、店舗のコンセプトを表現しやすい施工場所になります。店舗に天井をデザインするポイントを詳しく解説していますので、次の記事も併せてご覧ください。

また壁に施工される内装材によって、店舗内の防音性や耐火性などが向上されます。天井と同じく、店舗内装の雰囲気を演出することも可能です。店舗におしゃれな壁をデザインするコツを詳しく解説していますので、次の記事も併せてご覧ください。

そして床材も、店舗の雰囲気を変化させます。床の下地材によって、耐震性や防音性を高めることも可能です。店舗に適した床材の種類について詳しく解説していますので、次の記事も併せてご覧ください。

内装材の種類と特徴

内装材の種類と特徴

内装材の基本情報を押さえたうえで、店舗に施工できる内装材の種類と特徴も把握しておきましょう。下地材と仕上げ材(合計12種類)を区別して、各内装材の特徴と施工場所をご紹介します。

下地材①構造用合板(ベニヤ板)

構造用合板とは、薄い板が貼り合わされた下地材です。「ベニヤ板」と呼ばれることもあります。木材特有のしなやかさや柔軟性があり、厚さとサイズも豊富です。費用がかかりにくい点も特徴的で、建物の躯体を支えるために施工されます。

ただしベニヤ板の注意点は、木製であるため火に弱い点や不燃処理が必要な点です。

下地材②プラスターボード(石膏ボード)

プラスターボードとは、石膏や石灰を主成分とする板状の素材が板紙で包まれた下地材です。「石膏ボード」とも呼ばれます。断熱性や防火性、防カビなどの機能性があり、天井や壁、床の幅広い場所に施工されます。

また石膏ボードの表面を化粧加工することで、仕上げ材としても施工可能です。

下地材③パーティクルボード

パーティクルボードとは、木材チップ(木材片)が圧縮加工されて一枚の板に仕上げられた下地材です。厚さやサイズを自由に調整できる点や品質が安定している点がメリットです。また遮音性や断熱性に優れており、壁や床の下地材に向いています。

ただし湿気に弱い点や強度が低い点は、パーティクルボードのデメリットです。長期間の荷重によって変形するため、対策が必要になります。

下地材④グラスウール

グラスウールとは、溶かされたガラス繊維から作られる綿状の下地材です。防音や耐火性、断熱性に優れ、シロアリ対策の効果も期待されます。壁の下地材として施工されます。

しかし太さによって費用が異なり、細くて高性能なグラスウールは費用がかかりますので、ご注意ください。

仕上げ材①フローリング

フローリングとは、樹木から製造される仕上げ材です。主に床に施工され、樹木から切り出された無垢材から製造される単層フローリングと、化粧加工された木材から製造される複合フローリングに分類されます。

単層フローリングの特徴は天然素材の香りと質感ですが、複合フローリングよりも単価が高いです。

仕上げ材②クッションフロア(CFシート)

クッションフロアとは、塩化ビニルから製造されるシート状の仕上げ材です。「CFシート」とも呼ばれます。クッション性があり、床に施工されます。接着剤だけで固定されるため、工賃を抑えられる点がメリットです。

ただしクッションフロアに設備や什器が配置されると床が凹みやすいため、クッションシートを敷く対策などが必要です。

仕上げ材③畳

仕上げ材③畳

畳とは、和室の床に敷かれる仕上げ材です。乾燥したイグサ(い草)から製造されます。断熱性や除湿性に優れるため、季節を問わず快適性の高い内装空間が維持されます。飲食店の座敷席などに適しています。

なお畳には日焼けや摩擦などにより劣化が生じますが、店舗独自の「味わい」として捉えることもできます。

仕上げ材④漆喰

漆喰とは、水酸化カルシウムを主原料とする仕上げ材です。水酸化カルシウムには調湿性があり、和テイストの店舗デザインに合います。左官(材料をコテを使って塗り上げる仕上げ方)によって、壁に施工されます。

ただし仕上げる職人の技量によって仕上がりが異なるため、腕利きの職人に依頼しなければなりません。

仕上げ材⑤クロス(壁紙)

クロスとは、ビニールや紙などの素材から製造される仕上げ材です。店舗のみならず住宅やオフィスの天井や壁にも施工され、下地材に貼り付けられます。

また対応できる業者が幅広く、費用を抑えやすいです。種類が多いため、それぞれの特徴を考慮したうえで選ぶ必要があります。

仕上げ材⑥珪藻土

珪藻土とは、藻(も)が化石化した泥土から製造される仕上げ材です。調湿性や断熱性に優れ、内装空間の空気清浄も気体できます。漆喰と同様に、壁などに左官で仕上げられるため、内装の表面を自由にデザインできます。

ただしカビの発生や剥がれた珪藻土に対して、防止策や掃除が必要です。

仕上げ材⑦タイル・レンガ

タイルやレンガとは、幅広い場所に施工可能な汎用性の高い仕上げ材です。サイズや材質が豊富で、用途に応じて選べます。また色も多様にあるため、デザイン性も優れます。

ただしサイズや枚数が増えると費用がかかるため、予算を考慮して、施工する素材や範囲を選んでください。

仕上げ材⑧ガラスブロック

ガラスブロックとは、2枚の厚いガラスから構成されるブロック状の仕上げ材です。主に壁に施工され、店舗の遮音性や断熱性を向上させます。ガラスの透明度によって、空間内の見通しや明るさを確保できます。

ただし壁一面にガラスブロックを施工する際には、隣接する壁や床の強度が必要です。施工の難しさから、工賃もかかりやすくなっています。

内装材の選び方

内装材の選び方

内装材にはさまざまな種類があるため、選び方が重要です。用途や施工場所に適した内装材を選ばないと、素材の特徴を活かせないためです。店舗内装デザインに活用できるように、内装材の選び方をご紹介します。

施工場所に適した素材を選ぶ

内装材の選び方として、まず施工場所に適した素材を選びましょう。例えば飲食店の厨房には、耐水性や防火性に優れる素材が向いています。また汚れにくい素材を選ぶことで、厨房内を清潔に保ちやすいです。

またサロンやクリニックなどの施術室には、顧客が落ち着いて施術を受けられるように、天井や壁に木材を施工すると、温かみのある雰囲気を演出できます。タイルを施工して、店舗内の臭いや湿気を吸収することも効果的です。

内装業者に相談すると、施工場所に適した素材に関して、適切な助言を得られます。事前に店舗デザインの希望を整理してから、ご相談ください。

用途に応じて機能性を選ぶ

次に用途に応じて機能性を選ぶことも、内装材の選び方です。内装材によって機能性(消臭性や耐水性、抗菌性など)が異なるため、施工場所の用途に応じて選んでください。

例えば和食店内で顧客に快適に飲食してもらいたいなら、畳や漆喰などを施工して調湿(除湿)性を高めましょう。またサロンの個室から顧客の会話が漏れにくくするためには、防音性のある下地材(パーティクルボードやグラスウールなど)が適しています。

色やデザインを選ぶ

また色やデザインを選ぶことも、内装材の選び方です。特に化粧加工されたり、柄が描かれたりした仕上げ材を選ぶと、店舗のコンセプトを表現しやすくなります。天井や壁、床は、内装デザインのテイストを決める要素になるため、店舗のコンセプトに合わせて内装材の色とデザインを選んでください。

例えばシャープ(繊細)な印象を与えたいときはシルバーが、スタイリッシュな雰囲気を演出したいときは白や黒などが合います。他にも複数の色のタイルを交互に並べると、おしゃれさや独自性を出すことが可能です。

おしゃれな店舗内装デザインの施工事例を紹介していますので、次の記事も併せてご覧ください。

仕上げ材に合わせて下地材を選ぶ

そして仕上げ材に合わせて下地材を選ぶことも、内装材の選び方です。仕上げ材に適した下地材を選ぶと、適切に仕上げられます

例えば壁の仕上げ材にタイルを選ぶなら、タイルの厚さや重量を考慮して、下地材の厚みや素材を検討する必要があります。また仕上げ材としてクロスを施工する際は、構造用合板やプラスターボードなどが下地材になります。

なおフローリング材を敷く際は、施工範囲に対応する根太(ねだ)を組んで、断熱材を施工し、下地処理も必要です。内装のデザインに合う仕上げ材から選び、仕上げ材に合う下地材を検討してください。

内装材を工事する流れ

内装材を工事する流れ

店舗に施工できる内装材の種類と選び方を押さえたら、工事する流れも確認しましょう。内装材を工事する流れを確認することで、内装業者へ相談しやすくなります。内装材を工事する流れを4工程に分けてご紹介します。

工事業者への相談・依頼

内装材を工事する流れは、まず工事業者への相談・依頼から開始されます。内装材を施工できる工事業者として、工務店や内装専門業者などが挙げられます。業者ごとにメリットやデメリットがあるため、自店舗の希望や予算に対応してくれる工事業者を選びましょう。

適切な業者を選ぶためには、複数の工事業者から見積り(相見積もり)を取って比較する必要があります。相談時の対応状況や見積書の内容などを比較して、信頼できる工事業者へ依頼します。工事の契約前には、工事の内容や期間などを確認しましょう。契約後のトラブルを防止するためです。

なお内装工事業者の選び方をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

下地工事

内装材の工事を依頼すると、下地工事が開始されます。

内装の下地には、骨組み(天井や壁、床などに施工される格子状の軽量鉄筋)が必要です。骨組みを組む作業は、軽天工事と呼ばれます。骨組みは顧客の目に触れない部分ですが、丁寧に仕上げないと耐久性に問題が出たり、仕上げ材を適切に施工できなかったりします。

骨組みが施工された天井や壁、床には、ボード(下地材)が貼り付けられます。ボードの貼り付け作業はボード工事と呼ばれ、用途に合わせて施工するボードを選ばなくてはなりません。

仕上げ工事

内装の下地が施工されると、仕上げ工事に移ります。仕上げ工事は、施工された下地材に仕上げ材が施工される作業です。仕上げ工事の素材や工法は幅広いため、内装デザインの希望や工事の予算に応じて選びましょう。

仕上げ材は、基本的に天井から壁、床の順に施工されていきます。ただし天井や壁、床だけではなく、内装仕上げ工事には、造作什器(カウンターや棚)や建具、間仕切り、畳・襖の施工なども含まれます。

工事後の検査と引き渡し

仕上げ材が施工されると、工事後の検査と引き渡しが行われます。検査では、内装材の施工状態が確認されます。状態に問題がなければ、必要書類にサインして店舗の内装が引き渡されます。

ただし工事後の検査で問題点が確認された場合は、速やかに工事業者と相談して、再工事の方法や日程を決めてください。再工事後にも検査を行い、問題点の解決が確認されたら、店舗の内装が引き渡されます。

なお内装工事の種類や費用をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

店舗に適した内装材を選ぼう!

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監修者

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