2021.02.01 2021.02.05|店舗運営ノウハウ
なぜテイクアウト専門店は商品価格を抑えることができるのか
「テイクアウト専門店の商品はどうしてあんなに安く抑えられているの?」というお客様への記事です。
当記事では、テイクアウトの商品が安いカラクリを分かりやすくお伝えいたします。
具体的には、
・テイクアウトの商品を”できるだけ安く”提供しなければならない理由
・テイクアウトで売られている商品の方が、レストランなどで提供されているメニューよりも比較的安く提供している理由
が、分かるようにになります。
これから飲食店を開業する際にテイクアウトサービスの導入を迷っている時のヒントになれるようまとめました。
目次
商品の価格が増減する要因
飲食店の開業において、商品の価格がどのように決められるのか、をまずは理解しておく必要があります。
ポイントは次の通りです。
・需要と供給の交差点
・原材料価格の影響
上記2点について分かりやすくお伝えします。
復習がてら改めて抑えましょう。
商品の価格が決まるとき①需要と供給の交差点が商品の価格
第一に『商品価格=需要と供給の交差点』だということを念頭に入れておきましょう。
売りたい人と、買いたい人は意見が違います。
以下のようなシチュエーションを例にしてみましょう。
キャベツを買いたい人が「80円で売ってほしい」とします。
でもキャベツを売りたい人は「キャベツ1コ作るのに80円かかるんです。利益が出ません」
と主張しています。確かに、80円の商品を80円で売ったとしても利益になりませんね。
すると、
「100円なら良いよ」
「120円で売って欲しいな」
「100円以上だったら売ってもいいよ」
と、価格が高くなるほどに売り手が増えていきます。
一方で、キャベツを買いたい人は、
「良いキャベツなら150円でも買います」
「1コ100円なら買ってもいいかな」
「80円なら買います」
と、値段が下がれば下がるほど、買い手が増えていきます。
(「いくらで売りたい」という)売り手の数と(「この値段でなら買いたい」という)買い手の数を、グラフで表した時の交差点が、商品の価格となります。
売りたい商品の量(=供給)よりも、買われる商品の量(=需要)が少なければ、商品が売れ残ってしまいます。
売れ残った商品をできるだけ売りたいので、売れるために商品を安く提供するようになります。
これを「市場価格が下がる」という言い方をします。
値段が下がった商品でも、値段を変えずに売っている商品でも、顧客の購入数が増え始めた時「この値段にすると需要がある」となります。
商品を売りたい人は、売上を上げるためにすることと言えば『値段を上げる』と考えがちですが、それだと売れない商品もあります。
であれば、まずは値段を下げる。
値段を下げたら、買ってもらえるようになります。
商品の価格が決まるとき②原材料価格が上がると商品価格も上がる
2つ目のポイントは『原材料の価格』で商品価格が左右する点です。
先程のキャベツの例でお伝えしたとおり、その商品を作るための元となる価格が上がると、自ずと、商品の値段も上がります。
他にも
・バイト代を上げた
・お店の家賃が上がった
・商品を運ぶ運搬費が上がった
などの要因もあります。
商品の値段が上がると、買ってもらえる数が減るので、売上が下がってしまいます。
かと言って、安すぎる値段提供を続けても、利益に繋がりません。
所得が増え、商品が多く買ってもらえるようになれば需要が増えます。
極論ですが、商品の価格が上がっても、買ってもらえるという流れになります。
より多くの商品が売られるようになると、需要が上がっていることになるので、商品価格を上げるチャンスになります。
ですが、商品価格を上げた途端に、買ってもらえなくなる…こともあるので、バランスが難しいとされています。
テイクアウト商品が安く提供されている理由
テイクアウト専門店は、比較的安い商品提供が実現できています。
その理由は次の通りだと言われています。
①多くの売上を上げられるから
②トータルコストが安くなるから
③利用客のニーズに応えている分需要があるから
値段を高く設定をすれば、商品は売れなくなり、逆に低く設定しすぎると、商品は売れるかもしれませんが、利益が得られなくなります。
テイクアウトで商品を売ると、この『高すぎて売れない、低すぎて利益が出ない』をクリアできるとされているのです。
①~③についてお伝えいたします。
商品が安くなる理由①多くの売上を上げられるから
理由1つ目は、多くの売上を上げられるからです。
テイクアウト専門店であれば、一般的なイートインスタイルの飲食店よりも客単価が高くなる傾向にあります。
その理由は、
・客席を設けないから
・セット注文などの追加メニューを提供できるから
と、されています。
テイクアウト専門であれば
「客席が埋まってしまって次の顧客を案内できない」
「お店の回転率を上げるのに必死で良いサービスができない」
という心配は無用です。
また、セット販売やサイドメニューの注文が、イートインで利用される時よりも増える傾向にあります。
結果的に、イートインスタイルの飲食店よりも、テイクアウトの方が客単価が上がる、ということになるのです。
商品が安くなる理由②トータルコストを安くできるから
2つ目の理由は、トータルコストが安く済むからです。
一般的なイートインスタイルの飲食店の場合、
・光熱費
・接客スタッフ×客数分
・広さ確保のための物件賃料
など、顧客一人当たりにかかるコストが、テイクアウト専門店よりも高くなります。
テイクアウト専門店であれば、
・接客は最小限で済む
・レストランほど広い店舗でなくても良い
・店舗が最小限で済む分、光熱費などが安く済む
など、開業時だけでなく、月々の固定費が比較的安く抑えられます。
結果、お店のトータルコストが抑えられる、ということに繋がります。
コストが少なくて済み、その分商品を安く提供できることに繋がる、ということです。
商品が安くなる理由③利用客のニーズに応えている分、需要があるから
3つ目の理由は、利用客のニーズに応える分、需要があるからです。
現在における顧客のニーズとは
・作る時間がない
・家での調理は片付けが面倒
・食べたいものが食べられる
・買った食材が無駄にならない
・自分で作るより結果的に安く済む
・栄養バランスが良いものを食べたい
・コロナで不安だから外食は避けたい
・ふだん食べられないものが食べたい
・外食よりも値段が安いものを食べたい
などが挙げられます。
テイクアウト専門店であれば、これらのニーズに応えられることになります。
『顧客のニーズに応えられる=需要が高くなる』ことだと心得ましょう。
商品価格は安いに越したことはない
テイクアウト専門店を開業するのであれば、商品の値段は顧客分析を取り入れた上で設定しましょう。
商品が安いに越したことはありません。
顧客にとって安ければ安いほど購買意欲が高くなるからです。
ですが、安過ぎる値段の設定は避けましょう。
利益に繋がらなくなります。
テイクアウトに適した商品がどんなものか。
どのような顧客をターゲットにするのか。
どのような商品ならターゲットは買ってくれるのか。
テイクアウト専門店として生き残るためには、ターゲットを誰にし、どんなニーズがあるのか、細かい分析が求められます。
まとめ:テイクアウト専門店の値段はバランスが重要
テイクアウト専門店の開業をお考えのお客様へ、商品価格の決め方についてお伝えしてきました。
商品の価格は、需要と供給の数をグラフにした時の交差点で決まります。
テイクアウト専門店であれば『高すぎて売れない、低すぎて利益が出ない』という、需要と供給の難しい部分をカバーできるとされています。
その上で、テイクアウト専門店の商品が安く抑えられる理由としては、
・多くの売上を上げられるから
・トータルコストが安くなるから
・利用客のニーズに応えている分需要があるから
だとお伝えしていきました。
「商品価格を安くするコツは理解できました。あとは開店準備が上手く進められるか不安です。」
このような悩みを抱くのであれば、ぜひIdealにご相談ください。
テイクアウト専門店を始め、多くの飲食店開業に強いIdealであれば、そのようなお客様の不安や負担を減らせるかもしれません。
Idealでは、
・デザイン設計
・内装工事の施工
・お店のパンフレット作り
・お店のWEBサイト作り
を、お受けいたします。
お客様の理想とするテイクアウト専門店が出来上がるよう、悩みや疑問点に一つ一つ対応いたします。
まずは一度、ご相談してみてはいかがでしょうか。
監修者
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IDEAL編集部
日本全国の美容室・カフェ・スポーツジム等の実績多数!
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