2024.02.28 2024.01.29|店舗デザイン
店舗の外壁をデザインする際の注意点!役割・施工事例・工事費用も紹介
本記事で、店舗の外壁をデザインする際の注意点を解説します。店舗における外壁の役割・施工事例・工事費用もご紹介します。店舗の開業や移転、リニューアルなどをご検討中の方は、ぜひご覧ください。
目次
店舗における外壁の役割
店舗の外壁工事を計画する前に、店舗における外壁の役割を確認しましょう。3点(「風雨から躯体を守る」「デザイン性を良くする」「機能性を高める」)に整理して、ご紹介します。
風雨から躯体を守る
まず店舗における外壁の役割として、風雨から躯体を守ります。躯体に外壁材が施工されることで、風雨の侵入を防いでくれるからです。風雨の侵入を防ぐことにより、躯体の劣化(ひび割れやカビの繁殖など)を遅らせます。店舗のメンテナンスの頻度を抑えられるため、費用削減も可能です。
デザイン性を良くする
次にデザイン性を良くすることも、店舗における外壁の役割です。例えば木材の外壁材を施工すると、自然の風合いや温かみを感じさせます。外壁材の種類(素材や色、形など)を把握したうえで、店舗のコンセプトに合う外壁をデザインしましょう。外壁をデザインする際の注意点について、後ほど詳しく解説します。
機能性を高める
そして機能性を高めることも、店舗における外壁の役割です。外壁材の素材によって、耐震性や耐火性、防音性、断熱性、遮熱性、メンテナンス性などの機能性があります。店舗の立地や業種・業態に応じて、外壁材の機能性を考慮しましょう。各機能性を備えた外壁材については、後ほど詳しく解説します。
店舗の外壁をデザインする際の注意点
店舗における外壁の役割を押さえたうえで、デザインする際の注意点も確認しましょう。10点(内壁との違いや素材、配色、集客やブランディング、看板、統一感、耐震性と耐火性、防音性、断熱性と遮熱性、メンテナンス性)をご紹介します。
内壁との違い
まず店舗の外壁をデザインする際の注意点として、内壁との違いが挙げられます。店舗の外壁と内壁との違いは、目的と素材です。店舗の外壁は躯体を守り、外観のデザイン性と機能性を高めます。外壁材には、サイディングや塗り壁、タイルなどがあります。
一方の店舗の内壁は、内装空間のデザイン性と機能性を高めます。内壁材は、壁紙や塗り壁、コンクリート、木材、タイルなどです。店舗の内壁をデザインするコツなどをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
素材
次に素材も、店舗の外壁をデザインする際の注意点として挙げられます。外壁に施工される素材は、主に5種類です。
- 外壁材①サイディング
- 外壁材②塗り壁
- 外壁材③タイル
- 外壁材④木材
- 外壁材⑤ALCパネル
外壁材ごとに、機能性やデザイン性が異なります。店舗のコンセプトや立地などに応じて、適した外壁材を選びましょう。外壁材ごとの特徴や費用などをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
配色の効果
また配色の効果も、店舗の外壁をデザインする際の注意点です。配色には、顧客の心理や行動に影響を与える効果(色彩効果)が期待されます。店舗の集客と売上を伸ばせるように、顧客の興味や関心を集める外壁をデザインしましょう。
例えばダイアード(色相環の真反対に位置する補色同士の配色パターン)は、2色を対比させてスタイリッシュな外観をデザインしやすいです。他にも、店舗デザインに活用できる配色のパターンを紹介していますので、次の記事も併せてご覧ください。
ブランディングの効果
そしてブランディングの効果も、店舗の外壁をデザインする際の注意点です。店舗をブランディングすることで、集客や売上を伸ばしやすくなります。顧客の認知度や信頼感を高められるように、外壁のデザインを検討しましょう。
ただし店舗のブランディングを展開する前には、市場調査やコンセプト設計が必要です。店舗をブランディングする流れと方法やポイントなどをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
看板の設置場所
それから看板の設置場所も、店舗の外壁をデザインする際の注意点です。外壁に看板を設置することで、通行人やドライバーに対して店舗をアピールできます。歩道や車道からの角度や距離を計算して、看板の設置場所を決めましょう。
また夜間に営業している店舗の場合には、外壁を外灯で照らすと看板の視認性が高まります。おしゃれな看板をデザインするポイントなどをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
外観デザインの統一感
さらに外観デザインの統一感も、店舗の外壁をデザインする際の注意点です。外観は店舗の顔として機能するため、店舗の第一印象につながります。顧客に違和感を与えないように、統一感を与える外観をデザインしましょう。
例えば外観デザインに店舗のロゴやブランドカラーを取り入れることで、店舗の存在を顧客にアピールできます。店舗におしゃれな外観をデザインするコツなどをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
耐震性と耐火性
続いて耐震性と耐火性も、店舗の外壁をデザインする際の注意点です。耐震性と耐火性のある外壁材を施工することで、災害(地震や火災など)による被害を抑えられます。例えば窯業系サイディングは、軽量でありながら、耐震性と耐火性に優れた外壁材です。
ただし店舗の耐震性は、外壁材だけで担保されるわけではありません。耐震基準を満たす必要があります。店舗の耐震基準と耐震診断についてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
防音性
加えて防音性も、店舗の外壁をデザインする際の注意点です。店舗の立地や業種などに応じて、「店内から店外への騒音」や「店外から店内への騒音」を防止しなくてはなりません。防音性に優れた外壁材を選びましょう。
例えばALCパネルは気泡を多く含んでいるため、防音性に優れた外壁材です。ただし防音対策には、外壁だけではなく、床材や防音ブースなどの方法もあります。店舗を防音対策する流れと方法をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
断熱性と遮熱性
また断熱性と遮熱性も、店舗の外壁をデザインする際の注意点です。外壁の断熱性と遮熱性を高めることで、店舗内の温度を快適に保てます。例えば断熱性・遮熱性の高い塗料は、外壁材に塗るだけで施工できるため、メンテナンスしやすいです。
ただし店舗の断熱性と遮熱性は、外壁材だけで担保されるわけではありません。店舗に施工できる断熱材・遮熱材の種類と価格をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
メンテナンス性
なお店舗の外壁をデザインする際の注意点には、メンテナンス性も含まれます。営業を続けるほど、店舗物件には劣化や破損が生じます。店舗の安全性や機能性を保つためには、定期的なメンテナンスが必要です。
例えば窯業系や金属系のサイディングの耐久性は高いため、他の壁材よりもメンテナンスがしやすいです。外壁以外にも、店舗メンテナンスの重点箇所と方法などをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
店舗の外壁施工事例
店舗の外壁をデザインする際の注意点と併せて、施工事例を調査しましょう。事例5点(レストランとライフスタイルショップ、鍼灸院、保育園、介護施設)を取り上げて、外壁デザインの特徴をご紹介します。
レストランのレンガタイルの外壁
「La Brianza」様は、イタリア料理が楽しめるレストランです。外壁に白色のレンガタイルが施工され、白い内壁との統一感が保たれています。また外壁の柱にはダウンライトが施工されており、夜間でも明るいです。
内装空間には大きなガラスケースのワインセラーが設置され、天井が高いため開放感を与えるデザインです。ダイニングフロアには、メインカラーのホワイトとアクセントカラーのライトブルーが配色されています。
ライフスタイルショップのガラスの外壁
「PLUS YU」様は、アウトドア用品とApple製品を取り扱うライフスタイルショップです。屋内外のつながりを意識した店舗のデザインで、外壁部分にはガラスが施工されています。「都市と自然の共存」が、店舗のコンセプトです。
内装空間は、オレゴン州ポートランドの街並みや建物をモチーフにデザイン。店舗ロゴの赤がアクセントカラーとして取り入れられており、内壁にオールドレンガが施工され、赤錆が塗装された鉄骨什器も配置されています。
鍼灸院の木目調サイディング
「はり灸治療院クオーレ」様は、疲れ目や眼精疲労の治療を専門とする鍼灸院です。温かみを感じさせるために、外壁に木目調のサイディングが施工。また店外から店内の様子が分かるように、入口にはガラス扉が採用されています。
内装空間には、子連れでも来院できるようにキッズスペースがレイアウトされており、壁面にお絵描きボートが施工されています。施術室が落ち着きを感じさせる空間となるように、メインカラーのホワイトにグリーンやブラウンを組み合わせた配色です。
保育園の木目調サイディング
「愛知県稲沢市このめほいくえん」は、園内に調理室や医務室が設置された保育園です。外壁には木目調のサイディングが施工されていて、保育園のロゴマークで装飾されています。温かみを感じさせる外観のデザインです。
1階には0〜1歳児の教室と調理室が、2階には1〜2歳児の教室と医務室がレイアウト。木材の床や什器が採用されており、外観デザインと同様に、温かみを感じさせます。トンネルや絵本棚、砂場などが設置されており、園児が楽しめる工夫が施された内装デザインです。
介護施設の窯業系サイディング
「グループホーム こころ」は、認知症の入居者が自立した生活を送れるようにサポートする介護施設です。外壁には白色の窯業系サイディングが施工され、外観の清潔感を演出しています。
内装空間も白やベージュなどをベースに配色されており、各個室にはベッド・テレビ・エアコンが配置されているため、清潔感や落ち着いた雰囲気が演出されています。入居者が集まる共有スペースには、ダイニングテーブルと掘り炬燵が配置されて、くつろぎやすい空間です。
参照元:介護・医療 老人ホーム・医院はメディカルケアガーデン春日井「グループホーム こころ」
店舗の外壁工事費用
店舗に理想的な外壁を施工するためには、予算が必要です。そこで店舗の外壁工事費用の相場と内訳を確認しましょう。無駄な経費を削減できるように、工事費用の節約法もご紹介します。
相場
まず店舗の外壁工事費用の相場は、㎡単価1万〜6万円程度です。例えば店舗の外壁100㎡分を工事するなら、100万~600万円程度かかります。ただし店舗の規模や階数、外壁材の種類などによって、工事費用は変動します。
内訳
次に店舗の外壁工事費用の内訳について、下表にまとめました。参考情報として、店舗の外壁100㎡分にサイディングを施工する費用を試算してあります。
費用の内訳 | 費用の相場 | 費用の試算 |
諸経費 (デザインや 施工監理など) | 合計の10%程度 | 10万〜25万円程度 |
足場・養生代 | 1㎡あたり500〜1千円程度 | 5万〜10万円程度 |
材料費と工賃 | タイル :1㎡あたり1.0万〜5.0万円程度 塗り壁 :1㎡あたり0.7万〜3.0万円程度 サイディング:1㎡あたり0.5万〜2.0万円程度 木材 :1㎡あたり0.4万〜1.5万円程度 ALCパネル :1㎡あたり0.3万〜1.0万円程度 | 70万~200万円程度 (外壁100㎡分のサイディング) |
合計 | 100%(㎡単価1万〜6万円程度) | 85万〜240万円程度 |
上表のとおり、外壁材の種類によって材料費が変動します。希望条件(予算や外壁のデザイン性、機能性など)に応じて、適した外壁材を選びましょう。
節約法
そして店舗の外壁工事費用の節約法として、相見積もりや居抜き物件、補助金・助成金などが挙げられます。相見積もりを取ることで、複数の業者の見積もり(工事の内容や期間、費用など)を比較できるため、無駄な経費の削減が可能です。
居抜き物件を選ぶことで、前借主や所有者の施工した外観や内装、設備・機器・什器などを譲渡してもらえる分だけ、新規の工事費用を節約できます。ただし居抜き物件には注意点もありますので、次の記事を併せてご覧ください。
補助金・助成金を受給できれば、基本的に返済義務のない資金を獲得できます。例えば東京都千代田区では、ヒートアイランド対策(壁面緑化や高反射率塗料など)に対する助成制度が整備されています。
参照元:千代田区ホームページ「令和5年度ヒートアイランド対策助成」
ただし補助金や助成金によって、申請の条件(対象者や時期、金額など)が異なりますので、常に最新情報を調査してください。店舗の開業・経営に活用できる補助金・助成金についてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
店舗の外壁工事を計画しよう!
IDEALは、店舗全般のコンセプト設計から資金調達、物件探し、内外装のデザイン・工事、集客までのワンストップソリューションをご提供しております。
下のキーワードをクリックして、店舗デザインや開業準備などの関連記事もぜひご覧ください。また店舗の開業や移転、リニューアルなどをご検討の際は、ぜひご相談ください。
監修者
-
IDEAL編集部
日本全国の美容室・カフェ・スポーツジム等の実績多数!
> IDEALの編集者ポリシー
店舗づくりをプロデュースする「IDEAL(イデアル)」が運営。
新規開業、店舗運営のお悩みや知りたい情報をわかりやすくお届けいたします。