2024.09.02  2024.07.25|店舗デザイン

店舗設計におけるゾーニングのポイント!意味・手順・事例も紹介

店舗設計におけるゾーニングのポイント!意味・手順・事例も紹介

本記事で、店舗設計におけるゾーニングのポイントを解説します。またゾーニングの意味・手順・事例もご紹介します。店舗の開業や移転、リニューアルなどをご検討中の方は、ぜひご覧ください。

店舗設計におけるゾーニングとは?基本情報を紹介

店舗設計におけるゾーニングとは?基本情報を紹介

店舗設計におけるゾーニングを検討する前に、基本情報を確認しましょう。基本情報を確認することで、ゾーニングしやすくなるからです。それではゾーニングの定義と重要な理由、設計やデザインとの違い、レイアウトとの違い、依頼できる業者と選び方をご紹介します。

定義と重要な理由

まず店舗設計におけるゾーニングの定義は、店舗物件内に必要なゾーンを配置する作業です。例えば小売店の物件であれば、エントランスや商品陳列、試着、会計、在庫保管などのゾーンを配置します。

店舗設計においてゾーニングが重要な理由は、顧客の滞在時間や満足度、従業員の接客や業務効率などを左右して、集客と売上に影響するからです。店舗設計におけるゾーニング乃ポイントについては、後ほどご紹介します。

設計やデザインとの違い

次に店舗のゾーニングと設計やデザインとの違いは、作業の対象や内容です。

  • ゾーニング :店舗物件内に必要なゾーンを配置する
  • 店舗設計  :店舗の内外装のレイアウトやデザインなどを設計図にまとめる
  • 店舗デザイン:店舗経営の方針やビジョンを検討する

したがって店舗デザインには店舗設計が含まれ、店舗設計にはゾーニングの作業が必要です。店舗設計と店舗デザインの違いをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

レイアウトとの違い

また店舗のゾーニングとレイアウトとの違いも、作業の対象と内容などです。

  • ゾーニング:店舗物件内に必要なゾーンを配置する
  • レイアウト:各ゾーンに内装や設備・機器・什器などを配置する

したがって店舗物件内をゾーニングしたうえで、各ゾーン内をレイアウトします。業種・業態別の店舗をレイアウトするポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

依頼できる業者と選び方

そして店舗設計のゾーニングを依頼できる業者の選び方として、相見積りを取って、複数の業者の見積もり(デザイン・工事の内容や費用、期間など)や施工実績、接客対応などを比較しましょう。

ゾーニングやレイアウトを含む店舗設計を依頼できる業者には、設計事務所や工務店、内装専門業者などがあります。各業者の違いをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

店舗設計におけるゾーニングの手順

店舗設計におけるゾーニングの手順

基本情報を踏まえて、店舗設計におけるゾーニングの手順も確認しましょう。4点(コンセプトの設計から必要なゾーンの選定、各ゾーンの広さの計算、各ゾーンの配置まで)に整理してご紹介します。

コンセプトの設計

まず店舗設計におけるゾーニングの手順は、コンセプトの設計から始まります。コンセプトは、店舗経営の基本方針です。一貫した方針で店舗を経営できるように、コンセプトに基づいて、店舗物件内をゾーニングしなければなりません。

コンセプトは、競合店との差別化や事業計画書の作成にも必要です。独自性のあるコンセプトを設計しましょう。店舗のコンセプトを設計する流れと方法をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

必要なゾーンの選定

次に設計したコンセプトに基づいて、必要なゾーンの選定をします。店舗の業種・業態や取り扱う商品・サービス、トレンドなどに応じて、必要なゾーンを選定します。例えば飲食店には、エントランスやダイニング、厨房、バックヤードなどのゾーンが必要です。

特にコロナ禍(2020~2022年)においては、全ての店舗に感染症対策が求められました。店舗デザインにトレンドを取り入れるメリット・デメリットをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

各ゾーンの広さの計算

それから各ゾーンの広さを計算します。店舗の売上目標や従業員数、商品・サービスの提供方法、顧客の回転率などに応じて、各ゾーンに求められる広さは異なります。顧客満足度や従業員の業務効率を高められるように、各ゾーンの広さを計算しましょう。

例えば飲食店のダイニングフロアを計算する際には、売上目標と厨房の広さや1坪当たりの席数、従業員1人当たりの席数などを目安にします。飲食店における席数の目安と計算方法をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

各ゾーンの配置

そして各ゾーンの配置を検討しましょう。各ゾーンの用途や広さ、位置関係などを考慮して、適切に配置してください。例えばクリニックやサロンにおいては、エントランス付近にキッズスペースを配置することで、受付担当者の目が届きやすいです。

また施術や検査などのゾーンには防音性が求められるため、騒音の発生するゾーン(エントランスや休憩室など)から離れた場所に配置します。店舗を防音対策する流れと方法をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

店舗設計におけるゾーニングのポイント

店舗設計におけるゾーニングのポイント

手順だけではなく、店舗設計におけるゾーニングのポイント(業種・業態に必要なゾーンとマーケティング戦略、商品・サービスの種類や提供方法、動線、ゴールデンゾーン・映えスポット、通路の幅、バックヤード・収納スペース、柔軟性や可変性)も押さえましょう。

業種・業態に必要なゾーン

まず業種・業態に必要なゾーンが、店舗設計におけるゾーニングのポイントとして挙げられます。業種・業態によって取り扱う商品・サービスが異なるため、必要なゾーンも変わります。

例えば同じ小売業のスーパーマーケットとアパレルショップであっても、顧客の動線や商品の販売方法などが異なるため、ゾーン(商品陳列や会計など)の配置は変わります。店舗の業種・業態を決める際の注意点をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

マーケティング戦略

次にマーケティング戦略も、店舗設計におけるゾーニングのポイントです。店舗のマーケティング戦略(市場調査から商品・サービスの企画・開発、営業、販売促進までの仕組みづくり)に基づいて、店舗物件内をゾーニングしましょう。

例えば小売店にキャンペーン・イベントゾーンを配置すれば、割引や新発売の商品などを陳列できます。店舗マーケティングの流れと方法をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

商品・サービスの種類や提供方法

それから商品・サービスの種類や提供方法も、店舗設計におけるゾーニングのポイントです。商品・サービスの種類や提供方法によって、店舗に必要なゾーンの種類や広さなどは異なります

例えば同じ飲食サービス業であっても、飲食店にはダイニングフロアが必要ですが、テイクアウト専門店には受け渡し用カウンターが必要です。店舗経営において商品・サービスを企画・開発するプロセスをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

動線

続いて動線も、店舗設計におけるゾーニングのポイントです。動線は顧客の満足度や従業員の業務効率を左右するため、集客と売上に影響を与えます。顧客と従業員の動線を設計したうえで、必要なゾーンを配置しましょう。

動線を設計する際には、プライバシーの配慮や避難経路の確保などにも注意しなければなりません。店舗の動線を設計する際の注意点をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

ゴールデンゾーン・映えスポット

さらにゴールデンゾーン・映えスポットも、店舗設計におけるゾーニングのポイントです。小売店においては、ゴールデンゾーン(顧客の目に留まりやすい範囲)に新商品やセール品などを陳列しましょう。

飲食店やサロンなどにおいては、映えスポットを配置することで、集客と売上の向上を期待できます。店舗のSNS集客を展開するコツをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

通路の幅

また通路の幅も、店舗設計におけるゾーニングのポイントです。店舗内の通路には、通行や安全確保、利益率向上などの役割があります。建築基準法や消防法などの法令により、規制(通路の幅や避難階段など)を受けます。

そこで売上アップはもちろん、安全性やバリアフリーなども考慮して、店舗の通路をデザインしましょう。店舗の通路をデザインするポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

バックヤード・収納スペース

そしてバックヤード・収納スペースも、店舗設計におけるゾーニングのポイントです。店舗の業種・業態や在庫量、販売方法、従業員数などによって、バックヤード・収納スペースの広さや配置は異なります。

設計した動線に基づいて、バックヤード・収納スペースを配置しましょう。店舗に収納スペースやバックヤードをレイアウトするポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

柔軟性や可変性

なお柔軟性や可変性も、店舗設計におけるゾーニングのポイントです。柔軟性と可変性の高い店舗を設計できれば、顧客の幅広いニーズや社会情勢の変化などに対応できます。

例えば飲食店に、間仕切りのないダイニングフロアを配置すれば、貸切のパーティーやイベントに対応できます。また小売店においては、商品陳列と試着・相談のゾーンを区別することで、各顧客のニーズに対応しやすいです。

店舗設計におけるゾーニング事例

ポイントを押さえて店舗をゾーニングできるように、参考となる事例を調査しましょう。事例5点(小売店とジム、不動産屋、サロン、飲食店)を取り上げて、各事例の特徴をご紹介します。

購買率アップを目指してゾーニングされた小売店

購買率アップを目指してゾーニングされた小売店

まず「Fior Di Maso」は、イタリアから輸入した食材を販売している小売店です。購買率アップを目指してゾーニングされており、イートインスペースの近くに食品の貯蔵庫・加工場が配置されています。

イートインスペースの顧客が、食材の保存状態や加工状況を確認できるように、貯蔵庫・加工場はガラス張りにデザインされています。顧客の満足度と販売率の向上を図るゾーニングの事例です。

モチベーションアップを狙ってゾーニングされたジム

モチベーションアップを狙ってゾーニングされたジム

次に「shibuya sankak」は、従来とは異なるトレーニングを提案しているジムです。会員のモチベーションアップを狙ってゾーニングされており、トレーニングエリアを見渡せるようにエントランスが配置されています。

内装空間には、ベージュを基調に配色されており、壁面アートやスケルトン天井などが取り入れられています。渋谷のイメージに合わせたスタイリッシュなテイストの内装デザインです。

子連れでも来店できるようにゾーニングされた不動産屋

子連れでも来店できるようにゾーニングされた不動産屋

それから「小田急不動産 相模大野店」は、「この街を愛し、ここにしかない人生の景色を描く。」を経営理念とする不動産屋です。子連れでも来店できるようにゾーニングされており、メインフロアにキッズスペースが配置されています。

キッズスペースが目に入る位置に、相談窓口や展示などのゾーンが配置されています。展示コーナーには、不動産だけではなく、地域の歴史やイベントなどの情報も掲示されています。顧客のニーズや安全性が考慮されているゾーニングの事例です。

幅広いサービスを提供できるようにゾーニングされたサロン

幅広いサービスを提供できるようにゾーニングされたサロン

続いて「lill total beauty salon」は、女性限定のトータルビューティーサロンです。幅広いサービスを提供できるようにゾーニングされており、トレーニングやシャワー、個室などのゾーンが配置されています。

幅広いサービスには、パーソナルトレーニングやフェイシャルケア、超音波トリートメント、スパなどがあります。ホテルで過ごすようにリラックスしてもらえるように、自然素材や間接照明などが取り入れられたラグジュアリーな内装デザインです。

集客効果を得られるようにゾーニングされた飲食店

集客効果を得られるようにゾーニングされた飲食店

そして「GOOD TACO TOKYO」は、タコス専門の飲食店です。集客効果を得られるようにゾーニングされており、2か所あるエントランス付近にはテラス席とカウンター席が配置されています。

テラス席・カウンター席の顧客は外の景色を眺めながら食事ができ、通行人やドライバーは食事をする様子から飲食店の雰囲気を感じられます。従来的なメキシコ料理店とは異なり、ベースカラーの白とライトブラウンの什器が取り入れられた内装デザインです。

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監修者

IDEAL編集部

日本全国の美容室・カフェ・スポーツジム等の実績多数!
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