「飲食店の事業計画書の書き方を…
2023.03.08 2023.03.13|新規開業ノウハウ
飲食店を始めるには?開業準備のポイントや飲食店の種類・業態・事例
本記事で「飲食店を始めるには?」という疑問にお答えするために、開業準備のポイントを解説します。また飲食店の種類や業態、開業事例もご紹介します。店舗の開業や移転、リニューアルなどをご検討中の方は、ぜひご覧ください。
目次
飲食店を始めるには?開業準備のポイント!
飲食店を始めるまえには、さまざまな開業準備が必要です。飲食店の業態や消費者ニーズ、初期投資、原価率、DX化などを検討しなくてはなりません。それでは飲食店開業のポイントをご紹介します。
種類と業態を決める
飲食店を始める前の開業準備ポイントとして、まず飲食店の種類と業態を決めましょう。飲食店の種類には和食屋や洋食レストランなどがあります。飲食店で主に提供するメニューを決めてください。
また飲食店の業態には、「セルフサービスとフルサービス」や「イートインとテイクアウト」などがあります。飲食店でメニューを提供する方法や場所などを決めてください。飲食店の種類と業態の特徴について、後ほど詳しくご紹介します。
開業の流れと準備を把握する
次に開業の流れと準備を把握する点も、飲食店を始める前の開業準備ポイントになります。飲食店の種類や業態に関わらず、基本的に次の準備が必要です。
- 飲食店のコンセプト設計と事業計画の策定
- 物件探しと内装デザイン・工事
- 開業資金調達と補助金・助成金の申請
- 開業に必要な資格・スキルの取得
- 開業に必要な届出・許可の申請
- 飲食店への集客手段の決定
特に資金調達や内装工事、資格取得には時間がかかりますので、計画的に開業準備を進めましょう。上記の開業の流れと準備について詳しく解説していますので、次の記事も併せてご覧ください。
業界動向や消費者ニーズを調査する
また飲食店を始める前の開業準備ポイントとして、業界動向や消費者ニーズについて調査する点も忘れないでください。調査することで、競合店の種類や業態、消費者の求めるメニューやサービスなどを把握できます。
業界動向の調査方法として、日本フードサービス協会の外食産業市場動向調査などをご覧ください。また開業エリア内でターゲットを絞り、独自調査を行うことも可能です。
参照元:一般社団法人日本フードサービス協会「データからみる外食産業」
調査内容を基にして、飲食店の事業計画書をまとめましょう。事業計画書の目的や書き方をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
初期投資を抑える
次に初期投資を抑える点も、飲食店を始める前の開業準備ポイントです。飲食店の初期費用には、一般的に次の費用が含まれています。
- 賃貸物件取得費
- 内装工事費
- 厨房設備費
- 原材料費
- 人件費
- 広告宣伝費
- 諸経費
- 運転資金
飲食店の初期費用において物件取得費が大きな割合を占めるため、物件選びが重要です。物件探しにおいては、次の点を押さえましょう。
- 市場調査を踏まえて出店エリアを絞る
- 店舗物件情報のWebサイトを利用する
- 出店予定エリアの不動産会社に相談する
- 友人や知人などから紹介してもらう
- 自治体や商工会議所に相談する
- 内装工事業者に相談する
原価率を抑えて利益率を高める
そして飲食店を始める前の開業準備においては、原価率を抑えて利益率を高める点もご検討ください。原価率が下がるほど、利益率が上がります。原価率を抑えるポイントは、次のとおりです。
- 食品ロスを減らす
- オーバーポーションを防ぐ
- メニューや価格を見直す
- 仕入れ先を見直す
飲食店の原価率が低いメニューや原価率の計算式と抑えるポイントを詳しく解説していますので、次の記事も併せてご覧ください。
経営や営業のDX化に取り組む
なおDX化に取り組む点も、飲食店を始める前の開業準備ポイントです。DXとは、デジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation)の略で、デジタル技術による社会生活の変革(効率化や利便性向上など)を意味します。
飲食店の経営や営業のDX化により、さまざまな業務を効率化できれば、顧客満足度の向上を期待できます。具体例として、注文や会計をデジタル処理するPOSレジや勤怠管理できるクラウドソフトなどがあります。
飲食店の種類
飲食店を始める前の開業準備ポイントを押さえたうえで、飲食店の種類を詳しく確認しましょう。今回は飲食店を大まかに和食屋と洋食レストラン、中華料理店に分けて、種類ごとの特徴やメニュー例などをご紹介します。
和食屋(日本料理店)
和食屋は日本料理店や日本食レストランなどとも称され、日本人になじみのある料理が提供される点が特徴的です。日本国内において、日本人はもちろん外国人観光客や留学生などにも親しまれています。
精進料理や懐石料理においては季節の食材が主に使用されますが、ラーメンや日本そば、焼き鳥、焼肉などの大衆料理もあります。競合店との差別化を図るためには、和食屋の開業準備において、メインメニューや食材の調達方法を工夫しなくてはなりません。
なお既存のメニューやレシピだけではなく、洋食や中華料理のエッセンスを取り入れた創作料理を開発することも可能です。また和食店内装デザインについてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
洋食レストラン
洋食レストランでは、日本国外(主に西洋)で発展してきた料理が提供されています。例えばアメリカンのハンバーガーやホットドッグ、イタリヤンのパスタやピザ、フレンチのコース料理だけではなく、アフリカや中南米の調理法や素材が取り入れられた多国籍料理もあります。
ただし日本人に馴染むように味付けを変えられて、日本国内で独自に発展した洋食も提供されています。例えばナポリタンやエビフライ、コロッケなどがありますが、和食に分類される場合もあります。
洋食レストランの具体例には、ファミリーレストランやファーストフード店などがあります。ターゲットやコンセプトに基づいて、洋食レストランのメニューと提供方法を決める必要があります。レストランにおしゃれな内装をデザインするポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
中華料理店
中華料理店では、世界三大料理に含まれる中華料理が提供されます。味付けや食材が変更することで、日本人の好みに合わせることが可能です。ただし餃子やラーメンなどは、和食として捉えられる場合もあります。
参照元:京都調理師専門学校「世界三大料理の認定は何が基準になっているの?」
また純粋な中華料理だけでなく、韓国やタイ、ベトナムなどの料理を提供するアジア料理店もあります。キムチやフォー、トムヤムクンなどは、日本国内でも一般的に提供されています。
なおフルサービスの中華料理店だけではなく、セルフサービスやテイクアウトの店舗も開業可能です。原価や顧客単価を計算したうえで、適した物件を探しましょう。中華料理店にも活用できる飲食店の業態について、次にご紹介します。
飲食店の業態
飲食店を始めるには、飲食店の種類だけではなく、業態も検討しなくてはなりません。接客や食事を提供する時間・量、顧客が飲食する場所などによってさまざまな業態がありますので、各業態の特徴をご紹介します。
セルフサービスとフルサービス
まず接客方法(サービス方式)の違いによって、飲食店はセルフサービスとフルサービスの業態に分けられます。同じ種類の飲食店を開業しても、セルフサービスとフルサービスの業態を選択可能です。
セルフサービスの飲食店では、顧客が券売機やタブレットなどで注文して、カウンターから座席まで料理を運びます。従業員の接客の負担を減らすことで人件費を削減できますが、顧客単価が低いです。
一方のフルサービスの飲食店では、従業員が顧客を座席へ案内して注文を取ったり、厨房から座席まで食事を運んだりします。セルフサービスよりも人件費がかかりますが、手厚い接客を好む顧客層を集客可能です。
ファストフードとスローフード
次に食事が提供される時間の違いによって、飲食店はファストフードとスローフードの業態にも分類されます。
ファストフードの飲食店では、顧客の注文を受けてから提供するまでの時間が短いです。仕込みや調理の時間を短縮しやすいハンバーガー屋やラーメン屋などに適しています。食事を提供する時間が短いため回転率を上げやすいですが、顧客単価は低いです。
一方のスローフードの飲食店では、質の高い食事を楽しんでもらえるように、仕込みや調理に時間がかかります。旬の食材を扱うフレンチやイタリアン、懐石料理などのコース料理などに適しています。回転率が低くても、顧客単価が高い分だけ売上を確保可能です。
イートインとテイクアウト・デリバリー
またイートインとテイクアウト・デリバリーの業態の違いは、顧客が飲食する場所です。
イートインできる飲食店には、顧客が店内飲食できるスペースを確保する必要があるため、厨房だけの物件より賃料が高くなります。また2019年10月に、イートイン(外食)に対する消費税率は10%に増税されました。
参照元:国税局「消費税の軽減税率制度に関するQ&A目次一覧」『2 消費税の軽減税率制度に関するQ&A(個別事例編)』
一方のテイクアウト・デリバリーの飲食店には厨房だけが必要ですので、シェアキッチンや間借りで営業可能です。ダイニングフロアがない分だけ賃料を抑えやすいですが、ターゲット層が絞られます。シェアキッチンや間借りのメリットをご紹介していますので、次の記事も併せてご覧ください。
アラカルトとコース・ビュッフェ
さらにアラカルトとコース・ビュッフェの違いは、飲食店が一度に食事を提供する量です。
アラカルト(単品メニュー)を提供する飲食店では、顧客が好きな料理だけを注文でき、量(大盛りや肉抜きなど)も調整できます。なるべくたくさんの料理を注文してもらえるように、セットメニューや限定メニューなどが必要です。
コース料理を提供する飲食店では、突き出し・前菜・メイン・デザートなどの料理が順番に提供されます。複数の料理を一度に提供できるため、顧客単価が自然と高くなります。ただし顧客を飽きさせないように、季節ごとにコースを変更しなくてはなりません。
ビュッフェを提供する飲食店では、制限時間内に顧客が好きな料理を好きなだけ食べられます。コース料理と同様に顧客単価が高くなりますが、保存する大量の食材の廃棄率を上げないように注意しなくてはなりません。
飲食店の開業事例
飲食店の種類と業態を決めたら、飲食店の開業事例を調査しましょう。開業する飲食店の独自性を明確にするために、競合店が参考となるからです。それでは実際に営業されている飲食店を取り上げながら、各飲食店の種類や業態の特徴などをご紹介します。
フルサービスの肉バル
東京都下北沢の「肉バル Bon」は、フルサービスの肉バルの飲食店です。バルはお酒と食事を楽しめる飲食店ですので、肉料理とお酒を提供する店舗が肉バルと呼ばれます。「肉バル Bon」では、コース料理やランチメニューなどが提供されています。
「肉バル Bon」では居酒屋のようにお酒を楽しめますが、おしゃれなバーのような内装がデザインされています。居酒屋とは異なり、カップルや家族のイベントでも利用できる飲食店です。バー内装デザインのコツをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
アラカルトの古民家カフェ
引用元:食べログ「葉もれ日」
東京都浅草橋の「葉もれ日」は、旧酒屋がリノベーションされた古民家カフェです。アラカルトのカフェメニューが提供されています。
古民家カフェは古民家が再利用されたカフェまたは古民家がリノベーションされたカフェで、次のような特徴があります。
- 競合カフェと差別化しやすい
- エコフレンドリーである
- 耐久性が高い
- 物件購入費や税金を抑えられる
古民家カフェの内装デザインポイントや施工事例をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
立ち飲みの居酒屋
東京都神田須田町の「立ち飲み 炉端焼き串 吟」は、立ち飲みの居酒屋です。立ち飲みの居酒屋では、顧客が立ったままカウンターで食事とお酒を楽しむため、回転率を上げやすいです。
また立ち飲みの居酒屋の開業では、初期費用を抑えやすいです。フロアに配置するイスやテーブルなどが不要なため什器購入費が安くなり、フロア面積が小さい分だけ賃料が安くなるからです。
なお立ち飲みの居酒屋ではなく、女性が入店しやすい居酒屋の内装デザインもまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
テイクアウト専門の弁当屋
東京都新宿の「浅草今半 グランスタ店」は、テイクアウト専門の弁当屋です。主なターゲットは、「中食」(弁当や惣菜などの調理済み食品を家庭に持ち帰って食べる)を好む顧客層になります。
テイクアウト専門の飲食店を開業する場合には、必ずしも実店舗が必要ありません。シェアキッチンや間借りによって、ゴーストレストランの開業が可能だからです。ゴーストレストランのメリット・デメリットをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
宅配専門の寿司屋
引用元:食べログ「千両箱 大阪中央店」
大阪府東高麗橋の「千両箱 大阪中央店」は、宅配専門の寿司屋です。電話やインターネットで注文を受けてから寿司を握り、握りたてのお寿司が自宅までデリバリーされています。お寿司だけではなく、釜めしも注文可能です。
宅配専門の寿司屋には、イートインスペースが必要ありません。厨房のみを借りれば開業できるため、初期費用を抑えやすいです。テイクアウト専門店と同様に、シェアキッチンや間借りで開業できます。飲食店を間借りするメリット・デメリットをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
飲食店を始める前に開業準備を完了させよう!
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監修者
-
IDEAL編集部
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