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2023.07.03 2023.07.04|新規開業ノウハウ
居抜き物件でバーを開業する費用!メリット・デメリットや探し方とデザイン
本記事で、居抜き物件でバーを開業する費用を解説します。居抜き物件のメリット・デメリットや探し方、デザインもご紹介します。店舗の開業や移転、リニューアルなどをご検討中の方は、ぜひご覧ください。
居抜き物件でバーを開業するメリット・デメリット
居抜き物件とは、物件内の造作(部材や設備)や備品(家具や調度品)などを残したまま売却・賃貸される物件です。居抜き物件のメリット・デメリットをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
それでは本記事は、居抜き物件でバーを開業するメリットとデメリットを解説します。居抜き物件の特徴を把握したうえで、開業準備を開始しましょう。
メリット①開業資金を抑えられる
まず居抜き物件でバーを開業するメリットとして、開業資金を抑えられる点が挙げられます。居抜き物件には内装や設備・機器・什器などが施工されている分だけ、新たに購入・工事する費用がかからないからです。開業資金を抑えられると、自己資金や融資による資金調達の負担が軽減されます。
例えば厨房の内装(壁材や床材など)や設備(シンクや調理台など)が残されている居抜き物件を選べば、厨房を一からデザインする手間と費用がかかりません。ただし居抜き物件の貸主や前借主から内装や設備・機器・什器などを譲り受けるためには、造作譲渡費用がかかります。
メリット②開業準備期間を短くできる
次に準備期間を短くできる点も、居抜き物件でバーを開業するメリットです。居抜き物件の内装や設備・機器・什器などを引き継げば、内装や設備の工事が必要ありません。部分的な修繕や改修をしても、一から店舗を工事するよりも工期が短くなります。
店舗工事の期間が短くなると、余裕のある日程で開業準備を進められるため、集客や人材採用などに注力できます。なお店舗工事の期間を短縮できると、居抜き物件の賃料負担が軽減されます。
メリット③開業前から集客しやすい
さらに開業前から集客しやすい点も、居抜き物件でバーを開業するメリットです。特に前店舗が顧客から良い評価を受けていたり、バーの居抜き物件を選んだりすれば、新店舗の開業当初から集客を期待できます。
開業当初から集客を伸ばせると売上が安定して、想定よりも短期間で初期投資の回収が可能です。居抜き物件を探す段階で、前店舗の業態や評判を確認し、開業するバーのコンセプトに近い物件を選びましょう。
なお店舗へ集客する方法をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
デメリット①デザインに独自性を出しにくい
しかし居抜き物件でバーを開業するデメリットとして、デザインに独自性を出しにくい点が挙げられます。躯体の状態から内装や設備・機器・什器などをデザインできるスケルトン物件と比べると、居抜き物件のデザイン自由度は低いからです。
居抜き物件のテイストやレイアウトなどが開業するバーのコンセプトに合致していなければ、集客と営業に支障をきたします。したがって物件探しの段階で、なるべくバーのコンセプトや営業活動に合う居抜き物件を探しましょう。
デメリット②引き継いだ内装や設備などが劣化・故障しやすい
また引き継いだ内装や設備などが劣化・故障しやすい点も、居抜き物件でバーを開業するデメリットです。前店舗に内装や設備・機器・什器などが施工された年代やメンテナンスの状況によって、新店舗で使用できる期間は変動します。
そこで居抜き物件を探す段階で、内装や設備・機器・什器の状態や数量、保証書などを確認しなくてはなりません。状態の良くない内装や設備・機器・什器については、契約前の解体を交渉しましょう。難しい場合には、開業準備段階で交換や解体を検討します。
デメリット③前店舗の悪評に影響される
そして居抜き物件でバーを開業するデメリットとして、前店舗の悪評に影響される点にご注意ください。前借主が悪評を受けていた居抜き物件を選ぶと、開業するバーの集客や営業に悪影響を及ぼすリスクがあります。
例えば周辺住民とトラブルを起こした居抜き物件や事件・事故が発生した居抜き物件を選ぶと、開業前から悪い印象を抱かれる恐れがあります。物件探しの段階で、各物件の業態や造作譲渡品だけではなく、営業状況や評判を調査しましょう。
居抜き物件でバーを開業する費用
バーを開業する費用の相場は、500万~1,000万円以上です。ただし物件の規模や立地、造作譲渡品などによって変動します。バー開業費用についてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
本記事では、居抜き物件でバーを開業する費用の内訳を詳しくご紹介します。事例として、10坪で賃料20万円の居抜き物件を取り上げます。
物件取得費用
まず下表に、居抜き物件でバーを開業するための物件取得費用(内訳と目安)をまとめました。
費用の内訳 | 費用の目安 | 居抜き物件の事例(10坪で賃料20万円) |
敷金(保証金) | 賃料の3か月分程度 | 60万円 |
礼金 | 賃料の1か月分程度 | 20万円 |
前賃料 | 賃料の2か月分程度 | 40万円 |
合計 | 賃料の6か月分程度 | 120万円 |
上表の費用に加えて、不動産会社の仲介手数料(賃料1か月分程度)が発生する居抜き物件もあります。また開業後の賃料の支払いに備えて、賃料の12か月分程度を蓄えておくと安心です。
店舗工事費用
次に居抜き物件でバーを開業するための店舗工事費用(内訳と目安)も、下表にまとめました。
費用の内訳 | 費用の目安 | 居抜き物件の事例(10坪で賃料20万円) |
デザイン・工事監理費用 | 合計の10%程度 | 10万~30万円程度 |
内装仕上げ工事費用(天井や壁、床、建具など) | 合計の40%程度 | 40万~120万円程度 |
造作家具工事費用(カウンターや棚など) | 合計の30%程度 | 30万~90万円程度 |
外観工事費用(外壁や外灯、看板など) | 合計の20%程度 | 20万~60万円程度 |
合計 | 坪単価10万~30万円程度 | 100万~300万円程度 |
上表の金額は目安であり、譲渡される内装・設備・機器・什器の種類や数量などによって、店舗工事費用は変動します。バーの内装工事についてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
造作譲渡費用
また居抜き物件でバーを開業するための造作譲渡費用の相場は、数十万~数百万円程度です。10坪で賃料20万円の居抜き物件なら、造作譲渡費用が100万〜300万円程度になります。ただし譲渡される物の種類や数量によって、造作譲渡費用は変動します。
また居抜き物件で譲渡される物には、内装や什器、設備、備品・機器等が含まれます。造作譲渡できる物や契約上の注意点などをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
設備投資費用
それから居抜き物件でバーを開業するための設備投資費用も下表にまとめましたので、ご確認ください。
費用の内訳 | 費用の目安 | 居抜き物件の事例(10坪で賃料20万円) |
シンク | 1台5万~10万円程度 | 5万円 |
ガスコンロ | 1台10万~20万程度 | 10万円 |
作業台 | 1台10万~15万円程度 | 10万円 |
冷凍冷蔵庫 | 1台20万~50万円程度 | 20万円 |
製氷機 | 1台10万~20万円程度 | 10万円 |
食器棚 | 1台5万~20万程度 | 5万円 |
合計 | 坪単価5万~15万円程度 | 60万円程度 |
ただし居抜き物件で譲渡される造作物に応じて、上表に記載された設備・機器・什器が全て必要になるわけではありません。また設備・機器・什器のサイズや数量などによっても、合計金額は変動しますので、予算内に収まるように見積もりを取りましょう。
なおバーにも活用できる厨房設備・機器・什器の種類や費用をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
諸費用
加えて居抜き物件でバーを開業するための諸経費は、数十万円程度になります。諸経費の内訳をご確認ください。
- 人材採用費用
- 集客費用
- 消耗品費用(おしぼり・割りばしや事務用品、ユニフォームなど)
- メニュー開発費用
ただし開業するバーの従業員や客席、メニューなどの数に応じて、諸経費は増減します。バー経営にも活用できる飲食店経営の費用をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
補助金や助成金の活用
居抜き物件でバーを開業するために、補助金や助成金を活用できます。国や各自治体が運営する制度の一例をご紹介します。
- 働き方改革推進支援助成金
- 中途採用等支援助成金(UIJコース)
- 販路拡大支援事業助成金(江戸川区)
- 事業継承・引継ぎ補助金
補助金や助成金には基本的に返済義務がないため、交付されれば開業資金を抑えられます。ただし申請から受給までに時間がかかる点や書類提出を求められる点などに注意が必要です。
バー経営に活用できる補助金や助成金についてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
バーを開業する居抜き物件の探し方
バーを含む飲食店居抜き物件の探し方は、次のとおりです。
- 同じ業態の居抜き物件を探す
- 希望条件に優先順位を付けておく
上記の探し方について詳しく紹介していますので、次の記事も併せてご覧ください。
本記事では、バーを開業する居抜き物件の探し方について、詳しくご紹介します。
インターネット上で検索する
まずバーを開業する居抜き物件の探し方として、まずはインターネット上で検索しましょう。不動産情報サイトでは、バーなどの業態を絞り込んで、居抜き物件を検索できます。
参照:at home「バー・クラブ・スナックなどの業種が出店できる貸店舗・空き店舗を探す」
また立地や面積、最寄り駅、賃料などの条件も指定できますので、希望条件に沿って検索しましょう。検索サイトによっては、内覧の申し込みや不動産会社への相談も可能です。
不動産会社に相談する
次にインターネット上で気になる居抜き物件を検索できたら、不動産会社に相談してください。不動産情報サイト経由の相談はもちろん、不動産会社を直接訪問して相談することも可能です。
不動産会社での相談においては、居抜き物件の詳しい情報や賃貸契約の条件などを確認します。インターネット上に公開していない居抜き物件を紹介してもらえる場合もあるので、居抜き物件の情報収集が可能です。
用途地域を確認する
またバーを開業する居抜き物件の探し方として、用途地域を確認しましょう。用途地域とは、「建築を許可される建築物の用途」が定められた地域です。バーの開業が認められていない地域では、希望条件に合う居抜き物件であっても、開業ができません。
なお居抜き物件の用途地域に関しては、取り扱う不動産会社に相談できます。また用途地域の種類や注意点をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
現地調査する
不動産会社での相談を終えたら、希望する居抜き物件へ出向いて、現地調査をしましょう。実際に居抜き物件を調査すると、周辺環境や競合店舗などを確認できるからです。また現地調査をしていると、把握していなかった居抜き物件に出くわす場合もあります。
そして居抜き物件を内覧する際には、内装や設備の状態などを確認してください。譲渡される内装や設備の種類や数などを把握したうえで、費用対効果を計算します。条件に納得できる居抜き物件を決めたら、契約手続きを申し込みましょう。
なお店舗マーケティングの方法をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
居抜き物件にバーをデザインするポイント
バーを開業する居抜き物件を契約したら、店舗をデザインします。バー内装デザインのコツとして、下記の点が挙げられます。
- バーカウンターの高さを検討する
- バックバーのデザインと機能を意識する
- 照明の明るさと色を工夫する
上記の点を解説していますので、次の記事も併せてご覧ください。
本記事では、居抜き物件にバーをデザインするポイントをご紹介します。
内装ポイント①バーカウンターにこだわる
まず居抜き物件にバーの内装をデザインするポイントとして、バーカウンターにこだわる点が挙げられます。バーカウンターの形(I字とL字、コの字など)によって、内装の雰囲気が変わるからです。
またバーカウンターの高さ(ローカウンターとミドルカウンター、ハイカウンターなど)によって、顧客の居心地の良さが変わります。バーカウンターの高さを決める方法をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
内装ポイント②不足する設備・機器・什器を補う
次に不足する設備・機器・什器を補う点も、居抜き物件にバーの内装をデザインするポイントです。譲渡された造作物を活かしつつも、不足する設備・機器・什器を補うことで、独自性を出せます。
例えば新しく施工する照明機器の色味や照度を調整すれば、店内の雰囲気が変わります。新たにバックバーに棚を施工して、ボトルや食器を陳列すると、個性を出しやすいです。予算内に導入できる設備・機器・什器を選びましょう。
なお店舗におしゃれな什器を選ぶポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
外装ポイント①注目を引く看板を設置する
また居抜き物件にバーの外装をデザインポイントとして、注目を引く看板を設置しましょう。看板は、通行人やドライバーにバーの存在やメニューなどを伝えられるため、集客効果を期待できます。
特にキャンペーンや割引などの情報を伝えることで、顧客が安心して入店を判断できます。バーにも活用できる看板をデザインするポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
外装ポイント②外壁にこだわる
そして外壁にこだわる点も、居抜き物件にバーの外装をデザインするポイントです。外壁は、店舗の外装において大きな割合を占めるため、バーのコンセプトを表現するうえで重要になります。
そこで内装との統一感を意識しつつ、コンセプトに合う配色や素材を選びましょう。譲渡された外壁が劣化している場合には、壁材の修復や交換を検討します。他にも店舗におしゃれな外観をデザインするポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
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監修者
-
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