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2024.10.01 2024.08.23|新規開業ノウハウ
マッサージ店の開業に失敗する原因とは?成功ポイント・事例・資金も紹介
本記事で、マッサージ店の開業に失敗する原因を解説します。成功のポイント・事例・資金もご紹介します。店舗の開業や移転、リニューアルなどをご検討中の方は、ぜひご覧ください。
目次
マッサージ店の開業に関する基本情報
マッサージ店の開業準備を計画する前に、基本情報を確認しましょう。基本情報を確認することで、開業準備を進めやすいからです。それではマッサージ店の市場規模や主なサービス、リラクゼーションサロンとの違い、開業に失敗する原因をご紹介します。
市場規模
まずマッサージ店の市場規模は、以下の資料によると9700億円程度(2021年の柔道整復・鍼灸・マッサージの合計)です。コロナ禍の2020年には一時的に市場規模を縮小させましたが、コロナ禍前の水準に戻っています。
なおテレワークやオンライン会議などが普及して、パソコン画面やモニターを利用する機会が増えているため、腰痛や頭痛、眼精疲労、肩こりなどの症状を抱える患者の増加(市場規模の拡大)が予想されています。
参照元:株式会社矢野経済研究所「柔道整復・鍼灸・マッサージ市場に関する調査を実施(2022年)」
主なサービス
次にマッサージ店の主なサービスは、施術の提供です。腰痛や頭痛、眼精疲労、肩こりなどの緩和を目的としています。あん摩やマッサージ、指圧の施術を提供するためには、国家資格(あん摩マッサージ指圧師)を取得しなければなりません。
参照元:e-Gov法令検索「あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律」(第1条)
なお「あん摩マッサージ指圧師」だけではなく、「はり師」や「きゅう師」、「柔道整復師」などの資格を保有する従業員を配置すれば、はりやきゅう、整復などの施術も提供できます。
リラクゼーションサロンとの違い
それからマッサージ店とリラクゼーションサロンとの違いは、資格の必要性です。マッサージ店を開業するためには、国家資格(あん摩マッサージ指圧師)が必要です。
参照元:e-Gov法令検索「あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律」(第1条)
一方で、リラクゼーションサロンの開業に特別な資格は求められませんが、民間資格(アロマテラピー検定やリンパケアセラピストなど)を活用できます。リラクゼーションサロン開業に役立つ資格・スキルなどをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
失敗する原因
そしてマッサージ店の開業に失敗する原因は、資金不足や曖昧な経営方針、不適切な立地・集客方法などです。資金が不足してしまうと、マッサージ店開業前の準備や開業後の営業を進められません。
マッサージ店の経営方針が曖昧だと、ターゲット層の求めるサービスを開発したり、ターゲット層に適した立地や集客方法を選べません。マッサージ店の開業に成功するためのポイントについては、次にご紹介します。
マッサージ店の開業に成功するためのポイント
基本情報だけではなく、マッサージ店の開業に成功するためのポイントも押さえましょう。8点(コンセプト・事業計画書と開業資金、立地・物件、設備・機器・什器、DX、資格・免許・届出・許可、採用・研修、集患活動)をご紹介します。
コンセプトの設計と事業計画書の作成
まずコンセプトの設計と事業計画書の作成が、マッサージ店の開業に成功するためのポイントとして挙げられます。コンセプトは店舗経営の基本方針であり、競合店との差別化や事業計画書の作成に必要です。
明確なコンセプトを設計したうえで、事業計画書を作成しましょう。事業計画書は、開業資金の調達や経営の評価・改善などに必要です。マッサージ店にも活用できる事業計画書の書き方をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
開業資金の調達
次に開業資金の調達も、マッサージ店の開業に成功するためのポイントです。開業前の初期費用(物件取得費や設備・機器・什器購入費など)や開業後の運転資金(人件費や光熱水道費など)を計算したうえで、開業資金の調達方法を検討しましょう。
開業資金の調達方法には、出資や借入、融資、補助金・助成金などがあります。マッサージ店にも活用できる開業資金を調達する際のポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
立地・物件の選定とデザイン・工事
続いて立地・物件の選定とデザイン・工事も、マッサージ店の開業に成功するためのポイントです。コンセプトに基づいてターゲット層を集めやすい立地を特定したうえで、希望条件に合う店舗物件を選定しましょう。
店舗物件を購入または賃借できたら、開業予定日までに外観や内装をデザイン・工事します。マッサージ店の外観や内装にも活用できるデザイン・工事のポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
設備・機器と什器の手配
また設備・機器と什器の手配も、マッサージ店の開業に成功するためのポイントです。提供するサービスに応じて、電気・ガス・水道・空調・換気設備や音響・映像設備などを手配しましょう。
設備・機器だけではなく、受付カウンターや待合用ソファ、施術台などの什器も必要です。各スペースに適した什器の種類やサイズを検討しなければなりません。マッサージ店にも活用できる什器の分類や入手方法をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
DXの推進
それからDXの推進も、マッサージ店の開業に成功するためのポイントです。業務効率化や利便性向上などのために、店舗のDX(デジタル技術による店舗経営の仕組みや商品・サービスなどの変革)を推進しましょう。
DXの方法には、オンライン予約システムやデジタルサイネージ、キャッシュレス決済システム、店舗営業分析システムなどがあります。マッサージ店にも活用できるDXを進める流れとポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
資格・免許の取得と届出・許可の申請
さらに資格・免許の取得と届出・許可の申請も、マッサージ店の開業に成功するためのポイントです。申請の条件や方法などについて、必ず最新情報を確認しましょう。
- あん摩マッサージ指圧師の国家資格
- 施術所の開設届または出張業務開始届
- 個人事業主の開業届または法人の設立届
- 療養費の受領委任に関する申し出
- 社会保険や労働保険の加入手続き(従業員を雇用する場合)
- 防火管理者の資格(該当する店舗物件の場合)
参照元:
東京都保健医療局「施術所(あん摩マッサージ指圧・はり・きゅう、柔道整復)の開設等」
厚生労働省「はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師の施術に係る療養費の受領委任に関する申し出」
日本年金機構「事業所が健康保険・厚生年金保険の適用を受けようとするとき」
従業員の採用・研修
そして従業員の採用・研修も、マッサージ店の開業に成功するためのポイントです。長時間営業する場合や多店舗展開する場合には、接客や施術などを任せる従業員を採用します。採用したい職種と人数を検討しましょう。
従業員採用後から開業予定日までの間には、接客や施術などに関する研修を計画します。マッサージ店にも活用できる人材採用のコツや研修の注意点をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
集患活動の計画
なお集患活動の計画も、マッサージ店の開業に成功するためのポイントです。開業当初から新規顧客を獲得しながらリピート率を高めていくために、ターゲット層に適した集患活動の方法を選びましょう。
集患活動には、オンライン(SNSやMEOなど)とオフライン(ポスティングや交通広告など)の方法があります。マッサージ店の集患活動にも活用できるアイデアや事例をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
マッサージ店の開業事例
ポイントを押さえてマッサージ店を開業できるように、参考となる事例を調査しましょう。事例5点を取り上げて、各事例の特徴(台湾式と睡眠に特化、カフェ併設、キッズスペース、ジム併設)をご紹介します。
台湾式のマッサージ店
まず「楊」は、台湾式のマッサージ店です。疲労回復やむくみ改善・ストレス解消等を目的として、台湾式マッサージ(45~90分の指圧や足裏のコース)が提供されています。患者の希望によって、指圧と足裏をセットした施術も可能です。
内装空間は白をベースカラーに配色されており、半個室の施術スペースがレイアウトされています。午前から夜間まで営業しているマッサージ店です。
参照元:
ホットペッパービューティー「楊 台湾式マッサージ【漢方・足湯】」
号外NET 東久留米市・清瀬市「【清瀬市】7月11日(木)、清瀬駅北口に「楊 台湾式マッサージ」がオープンしました。 |」
睡眠に特化した鍼灸マッサージ店
次に「ブレインスリープ」は、睡眠に特化した鍼灸マッサージ店です。睡眠の質改善を目的として、全身(頭から首、肩、背中、脚など)の施術が提供されています。はり・きゅう・マッサージを組み合わせた施術です。
睡眠に悩みを抱える患者ニーズに応えるために、睡眠に特化した店舗へリニューアルされました。「その日から、眠りが変わる」をコンセプトにして、二子玉川店と南青山店を展開しているマッサージ店です。
参照元:
カフェ併設のマッサージ店
それから「BeHappy」は、カフェ併設のマッサージ店です。タイ古式のマッサージを提供する店舗内に、タイ料理を提供するカフェが併設されています。グリーンカレーやトムヤムクン、ガパオライスなどのメニューです。
来店した患者や顧客にタイの雰囲気を感じてもらえるように、内装空間には、タイ製のインテリアが配置されています。タイ出身の経営者が地域住民のために施術を提供しているマッサージ店です。
参照元:
高田暮らし「ここの人たちがいなかったら、きっと私はここにいられなかった」
Web東海新報「母国料理提供のカフェ開業 タイ出身の清水ワラーラットさん マッサージ店内に併設」
キッズスペース完備のマッサージ店
続いて「サロンドマーリッシュ」は、キッズスペース完備のマッサージ店です。キッズスペースには保育士が配置されているため、子連れの患者でも来店できます。妊産婦を対象とした整体や骨盤矯正が提供されています。
生後2か月から小学生までを対象に、小児はりも提供されています。店名に「サロン」が付いていますが、国家資格保持者によるマッサージや整体、鍼灸などの施術を提供するマッサージサロンです。
ジム併設のマッサージ店
そして「ココロあすなろ治療院」は、ジム併設のマッサージ店です。健康的な身体作り(腰痛や筋力低下の予防、ダイエットなど)を目的として、鍼灸マッサージ師の指導によるトレーニングが提供されています。
来院だけではなく、外出困難な患者のために訪問マッサージも提供されています。新規患者へ向けてマッサージの無料体験を提供しているマッサージ店です。
参照元:
マッサージ店の開業資金
事例のようなマッサージ店を開業するためには、資金が必要です。そこでマッサージ店の開業資金の相場と内訳をご紹介します。無駄な経費を削減できるように、開業資金の節約法も確認しましょう。
相場
まずマッサージ店の開業資金の相場は、坪単価20万〜50万円程度です。例えば20坪で賃料月20万円の店舗物件を賃借するなら、400万〜1,000万円程度の開業資金がかかります。ただし店舗の立地や物件の規模、種類(居抜きかスケルトン)、設備・機器・什器の台数などによって、開業資金は変動します。
内訳
次にマッサージ店の開業資金の内訳について、下表にまとめました。参考情報として、賃料月20万円で20坪の店舗物件に必要な開業資金を試算してありますので、ご覧ください。
資金の内訳 | 各費用の目安 | 費用の試算 |
物件取得費 (敷金・礼金・ 前賃料など) | 全体10%程度 (賃料2〜5ヶ月程度) | 40万〜100万円程度 (賃料月20万円で 20坪の店舗物件) |
店舗デザイン・工事費 (内装や外観、設備・ 機器・什器など) | 全体の50%程度 (坪単価10万〜25万円程度) | 200万〜500万円程度 |
諸経費 (開業前の資格や 届出・許可、採用・ 研修、集客など) | 全体の20%程度 | 80万〜200万円程度 |
運転資金 (開業後の光熱水費や 賃料、人件費など) | 全体の20%程度 | 80万〜200万円程度 |
合計 | 100% (坪単価20万〜50万円程度) | 400万〜1,000万円程度 |
上表の通り、鍼灸院の開業資金においては、店舗デザイン・工事費が大半を占めます。つまり店舗の内装や外観、設備・機器・什器などにこだわるほど、開業資金が増額するわけです。
節約法
そしてマッサージ店の開業資金の節約法には、相見積もりや居抜き物件、補助金・助成金などがあります。相見積もりを取って、各業者の見積もり(工事の費用や期間など)を比較すれば、無駄な経費を削減しやすいです。
居抜き物件を契約して、内装や外観、設備・機器・什器などを譲渡してもらえれば、工事費用を削減できます。ただし居抜き物件にはデメリットもありますので、次の記事も併せてご覧ください。
補助金・助成金の申請が通れば、基本的に返済義務のない資金を獲得できます。ただし補助金・助成金ごとに、申請条件が異なります。マッサージ店の開業にも活用できる補助金・助成金をまとめてありますので、、次の記事も併せてご覧ください。
マッサージ店の開業準備を計画しよう!
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監修者
-
IDEAL編集部
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