2024.03.13 2024.02.14|店舗運営ノウハウ
多店舗展開とは?失敗例やポイント、成功している企業の一覧を紹介
本記事で、「多店舗展開とは?」という疑問にお答えするために、多店舗展開の失敗例やポイント、成功している企業の一覧をご紹介します。店舗の開業や移転、リニューアルなどをご検討中の方は、ぜひご覧ください。
目次
多店舗展開とは?基本情報を解説
そもそも多店舗展開とは、どういった経営戦略なのでしょうか?そこで多店舗展開の基本情報(適した業種・業態やメリット・デメリット、業態の種類)をご紹介します。基本情報を把握したうえで、多店舗展開を検討しましょう。
適した業種
まず多店舗展開に適した業種を確認しましょう。
- 飲食サービス業 (レストランや食堂、専門料理店、カフェなど)
- 生活関連サービス業(サロンやジム、クリーニング屋など)
- 小売業 (アパレルショップや雑貨屋、パン屋など)
- 教育・保育業 (学習塾やカルチャースクール、幼稚園、保育園など)
- 金融・保険業 (銀行や保険代理店など)
- 医療・福祉業 (クリニックや介護施設など)
各業種の特徴や市場規模などを調査したうえで、多店舗展開する業種を選びましょう。
メリット
次に多店舗展開のメリットには、売上の増加やブランディングの強化、経営リスクの分散などがあります。1店舗よりも多店舗を展開したほうが、グループ全体の売上を伸ばしやすいです。
また幅広い地域に店舗を展開することで、消費者に商品やサービスのブランド価値を浸透させやすくなります。そして特定の店舗が経営危機に陥った際にも、他の店舗の売上で補填が可能です。
デメリット
ただし経費の増加や品質維持の困難さなどは、多店舗展開のデメリットです。1店舗の経営とは異なり、展開する店舗数が増えるほど、開業資金や運転資金がかかります。各店舗やグループ全体の資金管理が重要です。
そして多店舗展開が広がるほど、各店舗の提供する商品やサービスの品質を維持することが難しくなります。どの店舗でも同じ商品とサービスを提供するためには、従業員の採用や研修の工夫やマニュアルの徹底などが必要です。
業態の種類
なお多店舗展開の業態には、主に直営とフランチャイズ経営があります。直営で多店舗展開すれば、自社の方針に沿って経営を進めて、売上を獲得できます。ただし全店舗の経費を負担して、赤字を補填しなくてはなりません。
一方で、フランチャイズ経営で多店舗を展開して、自社のノウハウを提供すれば、経費を負担せずに利益(加盟料やロイヤリティ)を獲得できます。しかし自社の経営方針を徹底させたり、ブランディングを浸透させたりするためのコストが必要です。
多店舗展開の失敗例と対策方法
基本情報だけではなく、多店舗展開の失敗例を調査しましょう。失敗例の原因(立地とコンセプト、人材、資金管理、品質)を把握できるからです。多店舗展開に失敗する原因の対策方法もご紹介します。
不適切な立地
まず多店舗展開の失敗例として、不適切な立地が挙げられます。幅広い地域へ多店舗を展開しても、不適切な立地を選んでしまうと集客と売上を伸ばせません。各店舗の利益率が低くても、毎月の固定費(賃料や人件費など)が必要です。
立地選びの対策として、各店舗の希望条件(立地や階数、間取り、賃料など)を整理したうえで、市場調査を開始しましょう。店舗物件の探し方やコツなどをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
曖昧な経営戦略(ブランディング戦略)
次に曖昧な経営戦略(ブランディング戦略)も、多店舗展開の失敗例です。直営はもちろん、フランチャイズ経営においても、経営戦略やブランディング戦略が曖昧では、各店舗で商品やサービスの質がばらついてしまい、集客と売上を伸ばせません。
ブランディング対策として、明確なコンセプトを設計したうえで、具体的な施策を計画しましょう。店舗をブランディングするポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
人材の不足
また人材の不足も、多店舗展開の失敗例です。2店舗以上を経営する際には、経営者以外の従業員に各店舗の営業を任せなくてはなりません。各店舗の営業担当者が定着しなければ、多店舗展開は困難です。
人材採用・研修の対策として、採用したい人物像を明確にしたうえで採用活動を展開し、体系的な研修計画を立案しましょう。店舗経営における人材採用のコツや研修の注意点などをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
資金管理の不備
それから資金管理の不備も、多店舗展開の失敗例です。各店舗の売上を正確に管理できなければ、グループ全体の利益を上げられません。赤字店舗の穴埋めのために、安易に多店舗を展開してしまうと、赤字を拡大させるリスクがあります。
資金管理の対策として、損益分岐点を把握したうえで、各店舗やグループ全体の売上目標を計算しましょう。幅広い業種の店舗に活用できる売上を管理する方法をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
商品・サービスの品質低下
なお多店舗展開の失敗例には、商品・サービスの品質低下もあります。展開する店舗数が増えるにつれて、各店舗の経営にバラツキが生じてしまうと、商品・サービスの品質低下を招いてしまいます。
品質管理の対策として、販売している商品・サービスの効果検証を定期的に行いましょう。
店舗経営において商品やサービスを企画・開発するポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
多店舗展開する際のポイント
失敗例と対策方法に加えて、多店舗展開する際のポイントも押さえましょう。8点(マーケティングと出店のタイミング、投資回収、原価率、評価・改善、連携、マニュアル、DX)を取り上げます。
マーケティングの施策
まず多店舗展開する際のポイントとして、マーケティングの施策が挙げられます。店舗のマーケティングとは、市場調査から商品・サービスの企画・開発、営業、販売促進までの仕組みをつくる活動です。
店舗マーケティングの具体的な施策には、客単価の向上を図る施策や集客数や購買率の向上を図る施策、リピート率の向上を図る施策などがあります。店舗マーケティングの具体的な施策をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
出店のタイミング
次に出店のタイミングも、多店舗展開する際のポイントです。既存店舗の経営が安定しており、新規店舗の営業を任せられる従業員が在籍しているタイミングで、多店舗展開を開始しましょう。
ただし新規店舗の開業資金が不足する場合には、資金調達の方法(出資や借入、融資、補助金・助成金)を検討しなくてはなりません。開業資金を調達するポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
投資回収の計画
また投資回収の計画も、多店舗展開する際のポイントです。各店舗の投資回収状況は、グループ全体の経営に影響します。適切な初期投資額を計算したうえで、計画的に投資回収を進めましょう。
そこで店舗経営の投資回収においては、損益分岐点やキャッシュフローを正確に把握しなくてはなりません。店舗経営における投資回収の期間と計算についてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
原価率の計算
それから原価率の計算も、多店舗展開する際のポイントです。提供する商品・サービスの価格設定の妥当性を調べるために、原価率を計算します。原価率が上がるほど店舗の利益率が下がりますので、ご注意ください。
例えば飲食店の原価率を計算する際には、歩留まりやFLコスト、フードロス、粗利額などを分析しましょう。飲食店が原価率を計算する際の注意点をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
経営状態の評価・改善
続いて経営の評価・改善も、多店舗展開する際のポイントです。多店舗展開の目的と目標を明確にしたうえで、月ごとや年ごとに、各店舗やグループ全体の経営状態を評価すると、成果と課題を確認できます。
そして多店舗展開の課題を解決するために、各店舗やグループ全体の改善策を検討しましょう。評価・改善以外にも、店舗経営のポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
本部と各店舗の連携
そして本部と各店舗の連携も、多店舗展開する際のポイントです。本部から各店舗へ向けて、経営方針や販売戦略を示すことで、同じ方向性へ向けて各店舗を経営できます。定期的に、各店舗の経営状況を把握しましょう。
反対に各店舗から本部へ向けて、データ(顧客のニーズや商品・サービスの販売数など)を集約することで、多店舗展開の評価・改善を進めやすくなります。直営でもフランチャイズ経営でも、本部と各店舗の連携強化が重要です。
マニュアルの作成と共有
さらにマニュアルの作成と共有も、多店舗展開する際のポイントです。多店舗展開の経営方針や各店舗の営業方法などをまとめたマニュアルを作成することで、経営のノウハウを共有できます。
例えば飲食店のクレーム対応マニュアルを共有することで、各店舗が同じ方針に沿ってクレームに対応できます。飲食店のクレーム対応マニュアルをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
DXの推進
なお多店舗展開する際のポイントには、DXの推進もあります。DXは、「デジタル技術による店舗経営の仕組みや商品・サービスなどの変革」を推進します。顧客満足度の向上や従業員の業務効率向上、本部と各店舗の連携などのために必要です。
店舗DXの方法には、オンライン予約システムやキャッシュレス決済システム、店舗営業分析システムなどがあります。店舗DXの方法と費用をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
多店舗展開に成功している企業の一覧
ポイントを押さえた多店舗展開を実現させるために、成功している企業の一覧も調査しましょう。6業種(飲食サービス業と生活関連サービス業、小売業、教育・保育業、金融・保険業、医療・福祉業)を取り上げます。
飲食サービス業
まず飲食サービス業の多店舗展開に成功している企業の一覧について、リストにまとめました。
- マクドナルド
- ほっともっと
- すき家
- スターバックス
- ガスト
- カレーハウス CoCo壱番屋
- モスバーガー
- 吉野家
- ケンタッキー
- サイゼリヤ
- ドトール
- サーティーワン
- ミスタードーナツ
- 松屋
- コメダ珈琲店
- 丸亀製麵
- ほっかほっか亭
- 不二家
- ドミノピザ
- タリーズ
参照元:日本ソフト販売株式会社「【2021年版】店舗数が多い企業(ブランド)ランキング」
生活関連サービス業
次に生活関連サービス業の多店舗展開に成功している企業の一覧も、リストにまとめました。
- カーブス
- WASHハウス
- マンマチャオ
- ユアー・パーキング
- ロータスクラブ
- エニタイムフィットネス
参照元:日本ソフト販売株式会社「【2021年版】店舗数が多い企業(ブランド)ランキング」
小売業
また小売業の多店舗展開に成功している企業の一覧も、リストにまとめました。
- セブン・イレブン
- ファミリーマート
- ローソン
- ダイソー
- ウエルシア
- ホンダ
- ドラッグスギ
- Seria
- JAファーマーズマーケット
- ツルハドラッグ
- しまむら
- コメリ
- エディオン
- ディスカウントドラッグコスモス
- 全日食チェーン
- アイン
- キャン・ドゥ
- クスリのアオキ
- 西松屋
- 眼鏡市場
参照元:日本ソフト販売株式会社「【2021年版】店舗数が多い企業(ブランド)ランキング」
教育・保育業
それから教育・保育業の多店舗展開に成功している企業の一覧も、リストにまとめました。
- 公文式
- 明光義塾
- スクールIE
- 東進衛星予備校
- ITTO個別指導学院
- ナビ個別指導学院
- 個別教室のトライ
- 個別指導塾 スタンダード
- 個別指導Axis
- トライプラス
参照元:日本ソフト販売株式会社「【2021年版】店舗数が多い企業(ブランド)ランキング」
金融・保険業
続いて金融・保険業の多店舗展開に成功している企業の一覧も、リストにまとめました。
- セブン銀行
- イーネット
- JAバンク
- みずほ銀行
- ゆうちょ銀行
- イオン銀行
- 三菱UFJ銀行
- 三井住友銀行
- りそな銀行
参照元:日本ソフト販売株式会社「【2021年版】店舗数が多い企業(ブランド)ランキング」
医療・福祉業
なお医療・福祉業の多店舗展開に成功している企業の一覧も、リストにまとめました。
- 医療法人 徳洲会
- 医療法人 沖縄徳洲会
- 医療法人社団 愛友会
- 医療法人社団 協友会
- 社会医療法人 愛仁会
- 医療法人社団 葵会
- 医療法人社団誠馨会(せいけいかい)
- 医療法人 鉄蕉会(てっしょうかい)
- 社会医療法人 生長会
- 医療法人社団 木下会
- SOMPOケア株式会社
- 株式会社 学研ココファン
- 株式会社日本アメニティライフ協会
- メディカル・ケア・サービス株式会社
- 株式会社ヴァティー
- 株式会社木下の介護
- 株式会社 ケア21
- HITOWAケアサービス株式会社
- ALSOK介護株式会社
- 株式会社ソラスト
参照元:
東洋経済ONLINE「医療法人トップ220『売上高』ランキング」
有料老人ホーム情報館「2024年 老人ホーム保有施設数ランキング」
多店舗展開を計画しよう!
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監修者
-
IDEAL編集部
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