本記事で、店舗賃貸契約の連帯保…
2025.02.24 2025.01.13|店舗運営ノウハウ
店舗を移転する際の注意点!メリット・流れ・事例・費用も紹介

本記事で、店舗を移転する際の注意点を解説します。また店舗移転のメリット・流れ・事例・費用もご紹介します。店舗の開業や移転、リニューアルなどをご検討中の方は、ぜひご覧ください。
目次
店舗移転の基本情報

店舗の移転を計画する前に、基本情報を確認しましょう。基本情報を確認することで、計画を進めやすくなるからです。それでは店舗移転の目的とメリット・デメリット、流れをご紹介します。
目的
まず店舗移転の目的は、集客数増加やリブランディング・業態変更、事業拡大などです。ターゲットとする顧客層がアクセスしやすい立地に店舗を移転させることで、集客数増加につながります。
リブランディング(ブランドイメージ刷新)や業態変更(例:レストランからカフェバーへ)の際にも、従来とは異なる店舗物件への移転が必要です。ただし店舗移転の注意点がありますので、後ほどご紹介します。
メリット
次に店舗移転のメリットは、新規顧客の獲得や経営の改善、事業の継続などです。新しいエリアへ店舗を移転させることで、従来はアクセスできなかった新規顧客の獲得につながります。
店舗を移転させてリブランディング・業態変更を図って集客数が増加すれば、経営を改善できます。既存店舗の改装(リニューアル・リフォーム・リノベーションなど)とは異なり、事業を継続しながらの店舗移転工事が可能です。
デメリット
それから店舗移転のデメリットは、常連客離れやコスト増加などです。従来の立地から離れたエリアに店舗を移転させると、物理的に常連客がアクセスしづらくなります。店舗の業種・業態に応じて、デリバリー・配送などの対応を検討しましょう。
同じ規模の店舗を営業する場合には、改装工事に比べて移転工事のコストが高いです(設備・機器・什器の運搬や物件取得などの費用がかかるため)。予算を確保したうえで、店舗移転工事を計画しましょう。工事費用の調達については、後ほどご紹介します。
流れ
そして店舗移転の流れも、確認しましょう。
- 立地・物件を選定する
- 店舗移転工事を計画する(移転先のデザイン・工事と移転元の原状回復工事)
- 店舗移転を取引先・顧客へ発表する
- 届出・許可の申請(個人事業主の開業届や法人の住所変更など)
- 計画通りに店舗を移転する
以上の流れには数か月から半年以上がかかりますので、計画的に進めましょう。店舗の原状回復工事やデザイン・工事などを進めるためには、専門業者に依頼する必要がありますので、後ほどご紹介します。
店舗移転の注意点

基本情報を踏まえたうえで、店舗移転の注意点(費用の調達と移転元の売却または原状回復工事、移転先の立地・物件探し、店舗デザイン・工事、資格・免許・届出・許可、ブランディング戦略、従業員の解雇・採用・研修、集客活動の計画)に気をつけましょう。
費用の調達
まず費用の調達が、店舗移転の注意点として挙げられます。店舗を移転させるためには、旧店舗からの退去費と新店舗への入居費が必要です。自己資金だけで不足する場合には、費用の調達方法を検討しましょう。
店舗移転費用の調達方法には出資や借入、融資、補助金・助成金などがあり、方法ごとに申請条件が異なります。店舗移転にも活用できる資金調達の方法をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
移転元の売却または原状回復工事
次に移転元の原状回復工事・売却も、店舗移転の注意点です。店舗を所有している場合には、土地や物件を売却します。土地や物件を所有した状態で、他の店舗経営者に賃借する方法もあります。
店舗物件を賃借している場合には、契約条件に基づいて原状回復工事や内装解体工事、スケルトン工事などが必要です。スケルトン工事と内装解体工事の違いをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
移転先の立地・物件探し
それから移転先の立地・物件探しも、店舗移転の注意点です。店舗移転の目的(集客数増加やリブランディング・業態変更、事業拡大など)に応じて、地域性・交通の利便性・通行量・視認性、競合店数などを比較しながら、自店舗に適した立地を選定しましょう。
立地を選定したら、店舗物件の建設・購入・賃借が必要です。購入・賃借する場合には、希望条件(規模や間取り、階数、賃料など)に合う店舗物件を探します。店舗物件探しのコツをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
移転先の店舗デザイン・工事
続いて移転先の店舗デザイン・工事も、店舗移転の注意点です。外観・内装のデザインは、店舗のコンセプトを実現させるための手段です。ターゲット層を集客しやすく顧客満足度を高められる店舗デザインを検討しましょう。
店舗デザイン・工事を依頼できる業者には、設計事務所や内装専門業者、工務店などがあります。店舗移転工事にも活用できる工事業者の選び方をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
資格・免許・届出・許可などの手続き
また資格・免許・届出・許可などの手続きも、店舗移転の注意点です。店舗の業種・業態や移転の目的などによって、必要な資格・免許・届出・許可などは異なります。
- 商品・サービスに関する資格やスキル
- 税務や財務に関する資格やスキル
- 社会保険や労務管理に関する資格やスキル
- 税務書類の提出(個人事業主の開業届または法人の住所変更届など)
- 防火管理者選任届(該当する店舗物件の場合)
- 防火対象設備使用開始届・火を使用する設備等の設置届(該当する業種・業態の場合)
- 営業許可の申請(業種・業態により異なる)
- 社会保険・労働保険の加入(従業員を雇用する場合)
ブランディング戦略
さらにブランディング戦略も、店舗移転の注意点です。ブランディングで消費者からの認知度や信頼感を高めれば、集客と売上の安定につながります。ブランド価値が高まると、採用募集への応募者増加や取引先からの信頼獲得も可能です。
店舗のブランディング戦略を立案する際には、市場調査に基づいてコンセプトを設計したうえで、具体的な施策を計画しましょう。店舗をブランディングする流れと方法をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
従業員の解雇・採用・研修
そして従業員の解雇・採用・研修も、店舗移転の注意点です。店舗移転に伴って雇用している従業員が通勤できなくなる場合には、解雇を通知します。法令に基づいて、解雇の手続きを進めましょう。
店舗営業を任せる従業員を新たに採用する場合には、希望条件(職種や必要な知識・技能、雇用条件、人数など)を整理したうえで採用募集を開始します。従業員の採用日から店舗の開業日までの間に、店舗営業に関する研修を計画しなければなりません。
集客活動の計画
なお集客活動の計画も、店舗移転の注意点です。移転元から移転先までの距離が遠い場合には、自店舗に対する知名度や認知度が高くありません。営業開始当初から集客数を確保できるように、移転前から集客活動を開始しましょう。
店舗集客には、オンライン(公式サイトやSNSなど)とオフライン(看板やポスティングなど)の方法があります。店舗移転にも活用できる業種・業態ごとの集客アイデアをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
店舗移転の事例
注意点に気をつけて店舗を移転できるように、参考となる事例を調査しましょう。事例5点(飲食店とネイルサロン、動物病院、ホームセンター、ジム)を取り上げて、各事例の特徴をご紹介します。
クラウドファンディングで移転費用を調達した飲食店

まず「インドカレー カーマ」は、クラウドファンディングで移転費用を調達した飲食店です。東京から新潟への移転を決意した経営者がクラウドファンディングを企画し、100万円以上の資金を獲得しました。
調達した資金を活用して移転先の店舗物件をデザイン・工事するだけではなく、移転元の固定客へ向けて通販サイトも開設しました。実店舗で提供しているメニューを冷凍食品で提供している店舗移転の事例です。
参照元:
キャンプファイヤー「あのカレーをもう一度。I・Uターンで再開する小さなお店の計画」
ガタチラ「【長岡市】東京の人気店が10月に移転オープン♪寺泊でスパイシーなチキンカレーを堪能できる『インドカレーカーマ』をご紹介!」
県外へ移転したネイルサロン
次に「エマネイル」は、県外へ移転したネイルサロンです。経営者の転居に伴い、宮崎県から滋賀県へ店舗を移転させました。移転に伴いプレスリリースを発信し、新規顧客の獲得を目指した店舗移転の事例です。
店舗物件は完全プライベートのコンセプトに基づいてデザインされており、ネイルの施術やホームケアの相談などのサービスが提供されています。顧客に自らの爪に自信を持ってもらえることを目指しているネイルサロンです。
参照元:PR TIMES「ネイルケアに特化したプライベートネイルサロン『エマネイル』滋賀県守山市に移転オープン」
サービス向上のために移転した動物病院

それから「ゆう動物クリニック」は、サービス向上のために移転した動物病院です。駐車場の確保や医療施設の充実、職場環境の整備を目的に移転を計画し、公式サイトに移転のお知らせを掲載しました。
犬だけではなく猫も来院しやすいクリニックを目指しており、猫専用の診療時間や待合室を整備して、キャットフレンドリークリニックの認定を取得しています。動物のトータルケア(予防医療や健康診断、最新医療など)を心がけている動物病院の移転事例です。
参照元:
ゆう動物クリニック「2025年2月8日 移転リニューアルのお知らせ」
三郷ぐらし「ピアラシティ2丁目に開院するのは、彦成の「ゆう動物クリニック」さんの移転リニューアルみたいです」
フロア拡大のために移転したホームセンター
続いて「スーパーセンタームサシ 長岡店」は、フロア拡大のために移転したホームセンターです。旧店舗より2倍近く広い敷地に移転し、4館(生活用品・資材・ガーデニング・ペット)からなる店舗物件がデザインされています。
移転工事に伴い1か月程度の休業期間に入りましたが、品揃えやサービスを充実させるために移転先でリニューアルオープンしました。徒歩数分の立地へ移転したため、既存顧客も通いやすい店舗移転の事例です。
参照元:
スーパーセンタームサシ「ムサシ長岡店7月24日(水)グランドオープン!」
ヤフーニュース!「【長岡市】ムサシ長岡店が移転オープンに向けて6月24日から全館休業開始【資材館は6月17日から休業】」
トレーニング環境改善のために移転したジム
そして「クリスタルジム」は、トレーニング環境改善のために移転したジムです。従来の店舗よりも広いフロアの物件へ移転し、スタジオトレーニング室やシャワー室、ランドリー室などが新設されました。
パーソナルトレーニングエリアも従来の店舗よりも広くなり、新しい器具が導入されました。スペースの広さや器具だけではなく、内装デザインにもこだわった店舗移転の事例です。
参照元:FANY Magazine「クリスタルジムが西新宿に拡大移転! マヂラブ野田『壁の色、床の素材、全部こだわってつくった』」
店舗移転の費用

事例のように店舗を移転するためには、予算が必要です。そこで店舗移転費用の相場と内訳をご紹介します。無駄な経費を削減できるように、店舗移転費用の節約法(補助金・助成金など)もご紹介します。
相場
まず店舗移転費用の相場は、坪単価20万〜70万円程度です。たとえば30坪で賃料月30万円の賃貸店舗物件から30坪で賃料月30万円の賃貸店舗物件へ拡大移転するには、600万〜2,100万円程度の費用がかかります。
ただし店舗物件の立地や規模、旧店舗物件の原状回復義務、新店舗物件の種類(居抜きかスケルトン)、設備・機器・什器の台数、内装材のグレード、移転の距離などによって、店舗移転費用は変動します。
内訳
次に店舗移転費用の内訳について、下表にまとめました。参考情報として、30坪で賃料月30万円の店舗物件にかかる移転費用を試算してあります。
店舗移転費用の内訳 | 費用の割合 | 費用の試算 |
旧店舗からの退去費 (退去日までの賃料 廃棄物処理費 原状回復工事費など) | 20%程度 (賃料の3~6か月分程度 数万円程度/1㎥ 坪単価1万~5万円程度) | 120万〜420万円程度 (30坪で賃料月30万円の 賃貸店舗物件) |
新店舗への入居費 (物件取得費 内装工事費 引越代金など) | 70%程度 (賃料の3~6か月分程度 坪単価10万~40万円程度 坪単価3万~5万円程度) | 420万〜1,470万円程度 (30坪で賃料月30万円の 賃貸店舗物件) |
宣伝広告費 | 10%程度 | 60万〜210万円程度 |
合計 | 100% (坪単価20万~70万円程度) | 600万〜2,100万円程度 |
上表のとおり、店舗移転費用においては、新店舗への入居費が大半を占めています。つまり移転先の物件や内装などにこだわるほど、内装工事費用が増加するわけです。
節約法(補助金・助成金など)
そして店舗移転費用の節約法は、相見積りや居抜き物件・中古品・リース品、補助金、助成金などがあります。相見積もりを取って各業者の見積もりを比較すれば、無駄な経費を削減しやすいです。
居抜き物件を契約して内装や外観を譲渡してもらったり、設備・機器・什器の中古品・リース品をかつようしたりすれば、新店舗への入居費を節約できます。ただし居抜き工事・中古品・リース品にはデメリットもありますので、次の記事も併せてご覧ください。
補助金・助成金の申請が通れば基本的に返済義務のない資金を獲得できますが、申請条件や用途などが定められています。店舗開業・経営に活用できる補助金・助成金をまとめておりますので、次の記事も併せてご覧ください。
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監修者
-
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