本記事で、「造作工事とは?」と…
2024.01.01 2023.12.01|内装工事
内装仕上工事とは?資格・許可・種類・注意点・費用について解説
本記事で、内装仕上工事の資格・許可・種類・注意点・費用などをご紹介します。店舗の開業や移転、リニューアルなどをご検討中の方は、ぜひご覧ください。
目次
店舗の内装仕上工事とは?基本情報
店舗の内装仕上工事を計画する前に、まず基本情報を確認しましょう。基本情報を把握することで、工事を進めやすくなるからです。それでは内装仕上工事の目的や範囲、造作工事との違い、資格についてご紹介します。
目的
まず内装仕上工事の目的は、店舗内の快適性や機能性、デザイン性などの向上です。躯体(屋根や外壁、柱、梁などの構造部分)だけの状態では、店舗内の断熱性や防音性が低く、おしゃれさもありませんので、顧客の満足度や従業員の業務効率などを下げてしまいます。
そこで商品・サービスの魅力を高めて、集客や売上を伸ばすためには、店舗内に内装材(天井や内壁、床、建具など)を施工することが必要です。店舗の業種・業態やコンセプトに基づいて、内装の仕上げ方(素材や工法など)を検討しましょう。
範囲
次に内装仕上工事の範囲は、内装全般(店舗物件の内側)です。国土交通省の建設業許可事務ガイドラインには、以下の具体例(種類)が示されていますので、後ほど詳しくご紹介します。
- インテリア工事
- 天井仕上工事
- 壁張り工事
- 内装間仕切り工事
- 床仕上工事
- たたみ工事
- ふすま工事
- 家具工事
- 防音工事
参照元:国土交通省「業種区分、建設工事の内容、例示、区分の考え方(H29.11.10改正)」
したがって内装仕上工事には、店舗の外観工事(屋根や外壁)や電気通信工事、塗装工事、ガラス工事などは含まれません。ただし店舗の開業前には、店舗物件の幅広い範囲の工事が必要です。
造作工事との違い
また店舗の内装仕上工事と造作工事の違いは、施工の目的と方法です。造作工事は、内装(天井や壁、床、建具、敷居、窓枠など)の下地をつくる工事です。造作工事を依頼する際の注意点や費用などをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
一方で、内装仕上工事は、造作された下地に内装材を施工する工事です。木材や石膏ボード、吸音板、壁紙などの内装材が施工されることで、内装空間の機能性やデザイン性、快適性が高まります。
資格
なお店舗内装仕上工事に必要な資格は、建築施工管理技士や建築士、技能検定(たたみ製作・内装仕上げ施工・表装)などです。内装工には特別な資格は求められませんが、主任技術者や監理技術者には資格要件が定められています。
参照元:
job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))「内装工 – 職業詳細 」
福井市「建設工事の種類及び主任技術者・監理技術者の資格要件 (H28.6.1以降適用)」
なお店舗の開業や移転、改装などの際に、内装仕上工事と併せて、水道工事や電気工事なども依頼する場合には、特別な資格が必要です。内装仕上工事を依頼する際には、業者の保有する資格を確認しましょう。
店舗の内装仕上工事の種類
基本情報を押さえたうえで、店舗の内装仕上工事の種類も確認しましょう。本記事では、7種類(天井・壁・床・たたみ・ふすま・防音・防水工事)に整理して、各工事の目的や方法などをご紹介します。
インテリア工事
まずインテリア工事が、店舗の内装仕上工事の種類として挙げられます。内装仕上げ工事におけるインテリアとは、工事を伴う設備・機器・什器(厨房設備や照明器具、手すりなど)です。
したがって工事不要の装飾品や備品(カーテンやカーペット、電気スタントなど)などは、インテリア工事には含まれません。ただし店舗内装空間のデザイン性を高めるためには、施工する設備・機器・什器の配色や素材が重要です。
天井仕上工事
次に天井仕上工事も、店舗の内装仕上工事の種類です。天井仕上工事により、空間の快適性を保ち、店舗のコンセプトを表現できます。店舗に施工できる天井の形状は、以下のようにさまざまです。
- スケルトン天井
- 平天井
- 傾斜天井
- 折上げ天井
- 下がり天井
形状ごとに特徴が異なりますので、店舗に適した天井をデザインしましょう。店舗に天井をデザインするポイントをまとめてありますので、次記事も併せてご覧ください。
壁張り工事
また壁張り工事も、店舗の内装仕上工事の種類です。壁張り工事により、内装空間の防音性や耐火性を向上させ、店舗の雰囲気を演出できます。以下のような壁材が、一般的に店舗の内装に施工されます。
- 壁紙
- 塗り壁
- コンクリート
- 木材
- タイル
ただし他にも店舗に施工できる壁材があり、機能性やデザイン性が幅広いです。店舗の壁をデザインするコツや事例などをてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
内装間仕切り工事
それから内装間仕切り工事も、店舗の内装仕上工事の種類です。内装間仕切り工事により、店内フロアに新たなスペースや部屋をレイアウトできます。間仕切りとは、造作壁やドア、パーテーション、スクリーン、カーテンなどです。
ただし間仕切りの素材やサイズによって、機能性や工事費用などが異なります。店舗にパーテーションを施工する効果や工事費用などをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
床仕上工事
そして床仕上工事も、店舗の内装仕上工事の種類です。床仕上工事により、店内フロアの安全を確保して、清潔に保つことができます。店舗の内装には、以下のような床材を施工できます。
- デザインコンクリート
- タイル
- フローリング
- フロアタイル・ラバータイル
- カーペット
- クッションフロア・長尺シート
店舗の業種・業態別の床材をデザインするポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
たたみ工事
さらにたたみ工事も、店舗の内装仕上工事の種類です。たたみ工事により、内装空間の湿気を調節したり、和のテイストを表現したりできます。たたみ工事の内容は、主に3種類(新たたみと裏返し、表替え)です。
- 新たたみ:新しいたたみを設置する
- 裏返し :たたみの表面のみを裏返して再度縫い付ける
- 表替え :たたみの表面だけを取り替える
なお新たたみを施工してから5~10年前後で、表替えを行います。ただし劣化が激しい場合には、新たたみが必要です。
ふすま工事
続いてふすま工事も、店舗の内装仕上工事の種類です。ふすま工事により、内装空間の保温性・保湿性を向上させ、和テイストを演出できます。店舗に施工できるふすまの素材には、主に6種類あります。
- 本ふすま
- 板ふすま
- チップボ-ルふすま
- 発泡プラスチックふすま
- ダンボ-ルふすま
- 単板ふすま
ふすまの素材によって、施工方法や費用などが異なります。また張り替えのできない素材もあるため、ふすま選びの際はメンテナンス方法も考慮しなければなりません。
家具工事
加えて家具工事も、店舗の内装仕上工事の種類です。家具工事により、工場で製造された家具の施工や現場での材料からの加工や組み立てなどができます。店舗に施工される家具は、カウンターやテーブル、収納棚などです。
ただし家具工事には、メリット(デザイン性や空間の有効活用など)もデメリット(工事の時間や費用など)もあります。造作什器の費用や事例をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
防音工事
なお防音工事も、店舗の内装仕上工事の種類です。防音工事により、「店内から店外への騒音」や「店外から店内への騒音」を防止できます。店舗の防音工事の方法は、4種類に分けられます。
- 遮音工事
- 吸音工事
- 防振工事
- 制振工事
以上の方法ごとに、施工される材料や効果などが異なります。店舗を防音対策する流れや施工事例・工事費用などをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
店舗の内装仕上工事に関する注意点
店舗内装仕上工事の種類だけではなく、注意点も確認しましょう。本記事では、6点(工事の流れと物件の種類、請負契約書、耐用年数と減価償却、内装制限、建築確認と完了検査)をご紹介します。
流れ
まず店舗の内装仕上工事に関する注意点として、工事の流れを把握しましょう。流れを把握することで、工事をスムーズに進めやすいです。
- 内装工事業者の選定と打ち合わせ
- 内装設計図の作成と確認・修正
- 内装工事費用の見積りと契約
- 内装工事の着工
- 工事の完了と引渡し
以上の流れについて詳しくまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。工事の内容や規模によって、数週間から数か月がかかります。
物件の種類
次に物件の種類(スケルトン物件・居抜き物件)も、店舗の内装仕上工事に関する注意点です。スケルトン物件は、内装や設備・機器・什器が施工されていない躯体だけの状態ですので、造作工事から計画しなくてはなりません。
一方の居抜き物件は、内装や設備・機器・什器などが施工された状態ですので、スケルトン物件よりも新規工事の時間や費用を削減できます。ただし劣化や故障のある箇所を修繕や交換しなくてはなりません。
請負契約書
また請負契約書も、店舗の内装仕上工事に関する注意点です。建設業法に基づいて、軽微な工事であっても、請負契約書を作成しなければなりません。
そして請負契約書には、工事の内容や期間、請負代金などを記載する必要があります。店舗内装工事における請負契約書のひな形や注意点などをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
耐用年数と減価償却
そして耐用年数と減価償却も、店舗の内装仕上工事に関する注意点です。店舗に施工された設備・機器・什器には、法令によって耐用年数(所得税法や法人税法に定められた減価償却の配分期間)が定められており、減価償却(長期間使用する建物・設備・備品などの経費を一定期間内に分配する税務処理)をしなければなりません。
参照元:
減価償却の計算方法や内装工事の耐用年数についてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
内装制限
それから内装制限も、店舗の内装仕上工事に関する注意点です。消防法(火災予防と消火活動のため)と建築基準法(避難経路確保のため)によって、店舗に施工する内装が制限されています。
参照元:
国土交通省「建設省告示」(第1400号、第1401号、第1402号)
ただし内装制限の対象建築物が指定されており、緩和策もありますので、次の記事も併せてご覧ください。
建築確認と完了検査
なお店舗の内装仕上工事に関する注意点として、建築確認と完了検査も把握しましょう。建築基準法に基づいて、店舗の新築や増築、改築、移転工事などにおいては、着工前に建築確認を申請して、竣工後に完了検査を受けなくてはなりません。
したがって店舗の開業や改装、移転などの際には、ゆとりをもって工事を計画しましょう。店舗物件の建築確認から完了検査までの流れや注意点などをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
店舗内装仕上工事の費用
業者に工事を依頼するためには、予算が必要です。そこで店舗内装仕上工事費用の相場と内訳を確認しましょう。無駄な経費を削減できるように、工事費用の節約法にもご紹介します。
相場
まず内装仕上工事の相場は、坪単価10万~30万円程度です。20坪の店舗物件なら、200万~600万円程度かかります。ただし店舗の業種・業態や物件の立地・規模・種類(居抜きかスケルトン)、設備・機器・什器の種類・素材・台数などによって、工事費用は変動します。
内訳
次に内装仕上工事の内訳について、下表にまとめました。参考情報として、20坪の店舗物件にかかる工事費用を試算してあります。
費用の内訳 | 費用の相場 | 費用の試算20坪の店舗物件 |
デザイン費・施工監理費など | 合計の10%程度 | 20万〜60万円程度 |
足場代・養生代など | 1㎡あたり5千〜1万円程度 | 30万〜60万円程度 (60㎡分) |
インテリア工事 | 坪単価5千~5万円程度 | 10万~30万円程度 (照明器具や手すりなど) |
天井仕上工事 | ㎡単価1千〜2千円程度 | 6万〜12万円程度 (60㎡分) |
壁張り工事 | ㎡単価1千〜2千円程度 | 16万〜32万円程度 (160㎡分) |
内装間仕切り工事 | 1枚3千~3万円程度 (施工型パーテーション) | 1.5万~15万円程度 (5枚分) |
床仕上工事 | ㎡単価2千~2万円程度 | 12万〜120万円程度 (60㎡分) |
たたみ工事 | 1枚1万〜2万円程度 | 10万〜20万円程度 (10枚分) |
ふすま工事 | 1面1万〜2万円程度 | 2万〜4万円程度 (2面分) |
家具工事 | 1台5万~100万円程度 | 30万~100万円程度 (カウンター・テーブル・ 収納棚の3台分) |
防音工事 | 1室50万~400万円程度 | 50万〜200万円程度 (1室分) |
合計 | 100% 坪単10万〜30万円程度 | 200万〜600万円程度 |
上表のとおり、施工する内装材(間仕切り・たたみ・ふすま・家具・防音など)が増えるほど、工事費用がかかります。ただし店舗の業種・業態に応じて、必要な内装材は異なります。
節約法
そして内装仕上工事費用の節約法として、相見積もりや居抜き物件などが挙げられます。相見積もりを取ることで、各業者の提案内容(工事の内容や費用・期間など)を比較できるため、無駄な経費の削減が可能です。
また居抜き物件を選んで、前借主や所有者の施工した内装や設備・機器・什器を譲渡してもらえる分だけ、新規の工事費用を節約できます。ただし居抜き物件には注意点もありますので、次の記事も併せてご覧ください。
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監修者
-
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