2017.07.21  2024.07.25|店舗運営ノウハウ

ショッピングセンターとショッピングモールの違いとは?出店のメリット・ポイント・事例・費用

ショッピングセンターとショッピングモールの違いとは?出店のメリット・ポイント・事例・費用

本記事で、ショッピングセンターとショッピングモールの違いを解説します。また出店のメリット・ポイント・事例・費用もご紹介します。店舗の開業や移転、リニューアルなどをご検討中の方は、ぜひご覧ください。

ショッピングセンターとショッピングモールの違いとは?基本情報を紹介

ショッピングセンターとショッピングモールの違いとは?基本情報を紹介

そもそもショッピングセンターとショッピングモールの違いとは、何でしょうか?そこで基本情報(ショッピングセンターとショッピングモールの違い、百貨店との違い、出店するメリット・デメリット、流れ)を確認しましょう。

ショッピングセンターとショッピングモールの違い

まずショッピングセンターとショッピングモールの違いは、施設の規模や形態などです。ショッピングセンターは、デベロッパーが開発する「複数の店舗が入居する商業施設」です。日本ショッピングセンター協会により、定義が示されています。

参照元:日本ショッピングセンター協会「ショッピングセンター(SC)の定義」

一方で、ショッピングモールは、交通が規制されている「屋根付きの遊歩道に店舗が並ぶ商業エリア」です。「モール(Mall)」は「通路や遊歩道」を意味し、自動車道や線路などの影響を受けずに顧客が買い物を楽しめます。

百貨店(デパート)との違い

次にショッピングセンター・ショッピングモールと百貨店(デパート)との違いは、経営主体や販売する商品・サービスなどです。ショッピングセンター・ショッピングモールは、デベロッパーにより開発され、経営者の異なる他店舗が入居します。

一方で、百貨店は、スーパーマーケットに該当しない従業員50人以上で、衣・食・住の商品を販売する小売店です。1企業だけではなく、経営者の異なる他店舗も入居します。経済産業省により、百貨店の定義が示されています。

参照元:

経済産業省「業態分類表」

経済産業省中部経済産業局「管内商業動態統計」

出店するメリット・デメリット

それからショッピングセンター・ショッピングモールに出店するメリットは、集客力やイベント・キャンペーンへの参加などです。天候や時期に関わらず集客率が安定し、施設全体のイベント・キャンペーンに参加できます。

ただし賃料の高さや営業に対する制約などは、ショッピングセンター・ショッピングモールに出店するデメリットです。住宅街の路面店やロードサイド店舗などと比べて賃料が高く、施設全体の営業日・営業時間や店舗デザインなどの制約を受けます。

出店する流れ

そしてショッピングセンター・ショッピングモールに出店する流れも確認しましょう。

  • 開業希望エリア内の商業施設を調査する
  • 各商業施設の空き店舗を確認する
  • 不動産業者に問い合わせる
  • 出店条件を確認する
  • 出店を申し込んで審査を受ける
  • 賃貸借契約を結ぶ
  • 出店準備を開始する

以上の流れには数週間~数か月がかかりますので、開業予定日から逆算して、計画的に進めなければなりません。特に出店後のトラブルを防ぐためには、出店を申し込む前に出店条件を正確に把握しましょう。

ショッピングセンター・ショッピングモールに出店する際のポイント

ショッピングセンター・ショッピングモールに出店する際のポイント

基本情報だけではなく、ショッピングセンター・ショッピングモールに出店する際のポイント(コンセプト・事業計画書とマーケティング、立地・店舗物件、開業資金、売上管理・DX、内装、採用・研修、資格・免許・届出・許可、集客活動)も確認しましょう。

コンセプトの設計と事業計画書の作成

まずコンセプトの設計と事業計画書の作成も、ショッピングセンター・ショッピングモールに出店する際のポイントです。コンセプトは店舗経営の基本方針であり、事業計画書の作成や競合店との差別化のために活用されます。

事業計画書は、開業資金の調達や出店の申し込み、経営の評価・改善などに活用される書類です。幅広い業種の店舗に活用できる「事業計画書を書くときのポイント」をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

マーケティング調査

次にマーケティング調査が、ショッピングセンター・ショッピングモールに出店する際のポイントとして挙げられます。顧客に継続して商品・サービスを購入してもらい売上を安定して獲得するために、マーケティング調査を計画しましょう。

そこでマーケティング調査の際には、来店する顧客層やニーズ、競合店の経営状況、地域性、周辺環境などを分析しなければなりません。店舗マーケティングの流れと方法をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

立地の選定と店舗物件の契約条件

それから立地の選定と店舗物件の契約条件も、ショッピングセンター・ショッピングモールに出店する際のポイントです。マーケティング調査の分析結果に基づいて、自店舗に適した立地の商業施設を選びましょう。

店舗物件はコンセプトを実現させるための手段であり、店舗の運転資金において賃料が占める割合が大きいです。店舗物件の契約条件(賃料や内装デザインの制約など)を把握したうえで、出店を申し込みましょう。

開業資金の調達

続いて開業資金の調達も、ショッピングセンター・ショッピングモールに出店する際のポイントです。開業前の初期費用(内装工事費や人材採用・研修など)や開業後の運転資金(光熱水道費や人件費など)が不足する場合には、開業資金の調達方法を検討しましょう。

開業資金の調達方法には、出資や借入、融資、補助金・助成金などがあります。幅広い業種の店舗に活用できる「開業資金を調達する際のポイント」をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

売上管理・DX推進

また売上管理・DX推進も、ショッピングセンター・ショッピングモールに出店する際のポイントです。毎月の固定費(水道光熱費や賃料、人件費など)に基づいて、売上目標を設定し、定期的に達成率を計算しなければなりません。

そこで売上管理業務を効率化するためには、DX(デジタル技術による店舗経営の仕組みや商品・サービスなどの変革)を推進しましょう。店舗DXの方法と費用をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

内装のデザイン・工事

さらに内装のデザイン・工事も、ショッピングセンター・ショッピングモールに出店する際のポイントです。店舗の内装デザインは、ブランディングや顧客満足度、集客率などに影響を与えます。

そこで商業施設全体の制約を受けつつも、店舗のコンセプトに基づいて、独自性のある内装をデザイン・工事しましょう。店舗デザインの流れや費用をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

採用・研修

そして採用・研修も、ショッピングセンター・ショッピングモールに出店する際のポイントです。長時間営業する場合や異なる商業施設へ複数の店舗を出店する場合には、店舗の営業を任せる従業員を採用しなければなりません。

そこで採用したい職種と人数を明確にしたうえで、採用活動を開始しましょう。開業予定日までには、採用した従業員の研修も必要です。店舗経営における人材採用のコツや研修の注意点をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

資格・免許の取得と届出・許可の申請

加えて資格・免許の取得と届出・許可の申請も、ショッピングセンター・ショッピングモールに出店する際のポイントです。

  • 個人事業主の開業届または法人の設立届
  • 適格請求書発行事業者の登録申請(希望する場合)
  • 社会保険や労働保険の加入手続き(従業員を雇用する場合)

参照元:

国税庁「個人で事業を始めたとき/法人を設立したとき」

日本年金機構「事業所が健康保険・厚生年金保険の適用を受けようとするとき」

厚生労働省「労働保険の成立手続」

以上の他にも、各業種の開業・経営に必要な資格・免許・届出・許可をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

参照元:

IDEALショップ「開業・経営に必要な資格・免許・届出・許可」

集客活動の展開

なお集客活動の展開も、ショッピングセンター・ショッピングモールに出店する際のポイントです。商業施設に出店すれば安定した集客を期待できますが、売上を約束されるわけではありません。

そこで商業施設のイベント・キャンペーンだけではなく、独自の集客活動も展開しましょう。店舗の業種・業態ごとの集客アイデアをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

ショッピングセンター・ショッピングモールの出店事例

ポイントを押さえて出店できるように、ショッピングセンター・ショッピングモールの出店事例を調査しましょう。事例5点(カレー屋とアパレルショップ、スーパーマーケット、アウトドアアクティビティ、DX)をご紹介します。

フードコートへの出店を展開するカレー屋

フードコートへの出店を展開するカレー屋

まず「100時間カレー」は、フードコートへの出店を展開するカレー屋です。全国各地(東北から九州まで)のショッピングセンター・ショッピングモールなどへ、40店舗以上を展開しています(2024年7月時点)。

フードコートに訪れる幅広い顧客層(おひとり様やカップル、家族連れなど)のニーズに応えるために、さまざまなメニュー(半日分の野菜カレーやとろとろ卵のオムカレーなど)が提供されています。

参照元:

100時間カレー「店舗検索」

NEWSCAST「【フードコートでのカレー出店数日本一】 なぜ100時間カレーはフードコートでの出店に成功しているのか。成功のポイントは“外カレー”!?」

ビジカジスタイルのアパレルショップ

ビジカジスタイルのアパレルショップ

次に「オリヒカ」は、ビジカジスタイルのアパレルショップです。ビジネスカジュアルの商品には、セットアップスーツやスマートカジュアルウェアなどがあります。

ビジネスカジュアルだけではなく、レディースやフィットネスの商品を取り揃えて、ショッピングセンター・ショッピングモールへの出店数の増加を目指しています。クールビズやコロナ禍などの流行に乗って、業態を確立してきたアパレルショップです。

参照元:

オリヒカ「ショップリスト」

繊研新聞社「AOKI『オリヒカ』、SCに出店攻勢 将来的に200店規模へ」

全国展開している激安スーパーマーケット

全国展開している激安スーパーマーケット

それから「ロピア」は、全国展開している激安スーパーマーケットです。例えば愛知県内のショッピングセンターに、出店されています。また「イトーヨーカドー」が撤退した青森県内のスーパーマーケットが、ロピアによって引き継がれました。

関東地方を中心に、全国各地や台湾のショッピングセンター・ショッピングモールに、出店数を増やしています。

参照元:

ロピア「店舗情報」

ATV「ロピアって一体どんなスーパー?首都圏中心に全国85店舗、東北には2023年初出店『日本版のコストコみたいな安い店だって』北海道・東北撤退のイトーヨーカドーの後継で青森へ初進出」

ダイヤモンドチェーンストア「名古屋初進出のロピアを分析!競合するタチヤ、カネスエの脅威のロピア対策とは」

アウトドアアクティビティも楽しめるショッピングモール

アウトドアアクティビティも楽しめるショッピングモール

続いて「WHATAWON」は、アウトドアアクティビティも楽しめるショッピングモールです。小売店や飲食店、ディスコ、サウナ施設、宿泊施設、サロン、クリニック、シミュレーションゴルフ施設やドッグラン、キッズスペース、キャンプエリアなどがあります。

ショッピングエリアには雑貨屋やアパレルショップ、スポーツショップ、食品販売店などが入居しており、フードコートには和食屋や韓国料理屋、ファーストフード店、うなぎ屋などが入居しています。

参照元:

WHATAWON「エリアマップ」

PR TIMES「大阪・岸和田に2024年5月グランドオープン!おしゃれも、グルメも、カルチャーも体験できる大型複合施設『WHATAWON(ワタワン)』、出店店舗の第一弾として大型物販エリア『WBOX』15店舗を発表。」

DXを推進するショッピングモール

DXを推進するショッピングモール

そして「ベルモール」は、DXを推進するショッピングモールです。LINE公式アカウントのデジタル会員証が駐車場の清算システムと連携されており、駐車券の配布から使用までLINEで完結されています。

DXの推進により、駐車券の管理業務が効率化されるだけではなく、顧客の清算コストの削減やデジタル会員の購買データ活用が可能です。LINEデジタル会員証だけではなく、オンライン・インフォメーションカウンターも導入されています。

参照元:

ベルモール「アクセス」

PR TIMES「ギブリー、大型商業施設ベルモールのDXを支援。DECA for LINEで、デジタル会員証と連携した、LINE完結型の駐車サービス券を実装。」

ショッピングセンター・ショッピングモールの出店費用

ショッピングセンター・ショッピングモールの出店費用

事例のようなショッピングセンター・ショッピングモールに出店するためには、費用が必要です。そこでショッピングセンター・ショッピングモール出店費用の相場と内訳をご紹介します。無駄な経費を削減できるように、出店費用の節約法もご紹介します。

相場

まずショッピングセンター・ショッピングモール出店費用の相場は、坪単価20万~70万円程度です。例えば20坪で賃料月20万円の店舗物件を賃借するなら、400万~1,400万円程度の開業資金がかかります。ただし店舗の業種・業態や立地、種類(居抜きかスケルトン)などによって、開業資金は変動します。

内訳

次にショッピングセンター・ショッピングモール出店費用の内訳について、下表にまとめました。参考情報として、20坪で賃料月20万円の店舗物件を賃借する際の開業資金を試算してあります。

資金の内訳資金の目安資金の試算
物件取得費
(敷金や礼金、
前賃料など)
10%程度
(賃料の2〜7ヶ月程度)
40万〜140万円程度
(賃料月20万円で
20坪の店舗物件)
店舗デザイン・工事費
(内装や設備・機器・
什器など)
60%程度
(坪単価10万〜40万円程度)
240万~840万円程度
諸経費
(開業前の資格や届出・
許可、仕入れ、採用・
研修、集客など)
20%程度80万〜280万円程度
運転資金
(開業後の光熱水費や
賃料・共益費、
人件費など)
10%程度
(賃料の2〜7ヶ月程度)
40万〜140万円程度
合計100%
(坪単価20万~70万円程度)
400万円〜1,400万円程度

上表のとおり、ショッピングセンター・ショッピングモール出店費用においては、店舗デザイン・工事費が大半を占めます。つまり内装のグレードを上げたり、設備・機器・什器の台数を増やしたりするほど、出店費用が必要です。

節約法

そしてショッピングセンター・ショッピングモール出店費用の節約法には、相見積もりや居抜き物件、補助金・助成金などがあります。相見積もりを取って、各業者の見積もり(内装・デザイン工事の費用や期間など)を比較すれば、無駄な経費を削減しやすいです。

居抜き物件を契約して、店舗の内装、設備・機器・什器などを譲渡してもらえると、店舗デザイン・工事費を削減できます。ただし居抜き物件にはデメリットもありますので、次の記事も併せてご覧ください。

補助金・助成金の申請が通れば、基本的に返済義務のない資金を獲得できます。ただし補助金・助成金ごとに、申請条件や用途などが異なります。店舗の開業・経営に活用できる補助金・助成金の種類をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

ショッピングセンター・ショッピングモールの違いを把握したうえで出店しよう

IDEALは、店舗全般のコンセプト設計から資金調達、物件探し、内外装のデザイン・工事、集客までのワンストップソリューションをご提供しております。

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監修者

IDEAL編集部

日本全国の美容室・カフェ・スポーツジム等の実績多数!
店舗づくりをプロデュースする「IDEAL(イデアル)」が運営。
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