2023.02.13  2023.02.06|店舗デザイン

不動産屋の内装をデザインするポイント!間取り・設備や施工の事例・費用

不動産屋の内装をデザインするポイント!間取り・設備や施工の事例・費用

本記事で、不動産屋の内装をデザインするポイントを解説します。不動産屋の間取り・設備や施工の事例・費用もご紹介します。店舗の開業や移転、リニューアルなどをご検討中の方は、ぜひご覧ください。

不動産屋を開業する事務所の間取りと設備

不動産屋を開業する事務所の間取りと設備

不動産屋を開業するためには、宅地建物取引業法に基づき、独立して継続的に経営できる事務所が必要です。

参考: e-Gov法令検索「宅地建物取引業法」第3条

本記事では賃貸物件や自宅兼店舗、レンタルオフィスに不動産屋を開業する場合を想定して、必要となる事務所の間取りと設備をご紹介します。

賃貸物件

まずは賃貸物件に不動産屋を開業する場合は、不動産屋の専用として物件を借りる必要があります。顧客が不動産屋に入るために別の店舗を通り抜ける場合や1フロアを別の店舗とと共用する場合は、独立性を保つために間取りと設備を整えなくてはなりません。

例えば遮蔽性のある壁や固定式のパーテーションで通路を設けたり、専用の入り口を工事したりすることで、独立した事務所をレイアウトできます。パーテーションの高さは都道府県によって規定されていますので、開業するエリアの規定を確認しましょう。

参考:埼玉県「免許要件① 事務所について」

なおマンション物件に不動産屋を開業する場合は、マンションの規約や物件の賃貸借契約条件の確認が必要ですので、ご注意してください。また消防法と建築基準法の内装制限についてもご確認ください。

店舗兼住宅

次に店舗兼住宅として不動産屋を開業する場合は継続性が保たれますが、自宅から独立した不動産屋の間取りを整えてください。間取りのチェックポイントは、顧客が居住スペースを通らずに不動産屋へ移動できる点と、家族が不動産屋を通らずに居住スペースに移動できる点です。

不動産屋の独立性が保たれていない場合は、事務所と居住スペースを明確に区切るために、パーテーションや出入口を設置しましょう。また事務所内に事務机と応接セットを置ける広さも必要です。

なお都道府県によって事務所の間取りと設備に対する要件が異なります。適切な間取りと設備を整えるためには、工事前に都道府県の担当窓口に相談して、助言を求めてください。

参照:東京都「宅地建物取引業免許申請の手引」

なお店舗兼住宅を建てる方法を紹介していますので、次の記事も併せてご覧ください。

レンタルオフィス

またレンタルオフィスに不動産屋を開業する場合は、継続的に営業できる長期レンタル可能なオフィスをレンタルしてください。例えばマンスリーオフィスの契約は月単位であるため、継続的に営業できる事務所には該当しません。

また独立性を保つために、不動産屋の専用として利用できる個室も必要です。例えば埼玉県では、専用の個室に事務机と応接セットを置ける広さがあれば経営が可能とされています。

参照:埼玉県「免許要件① 事務所について」

ただしレンタルオフィスに不動産屋を開業する場合には、賃貸物件よりも注意が必要です。開業予定の都道府県が示す事務所に対する要件を確認して、不明点を都道府県の担当窓口に相談しましょう。

不動産屋の内装をデザインするポイント

不動産屋の内装をデザインするポイント

事務所の間取りと設備の要件を踏まえて、不動産屋の内装をデザインするポイントを確認しましょう。市場調査から物件選び、エントランスのデザインや什器・照明を選ぶポイントまでご紹介します。

入念に市場調査する

不動産屋の内装をデザインするポイントとして、まず入念に市場調査しましょう。開業予定エリア内における競合店の存在や世帯層(ファミリー層や単身の学生層など)を把握することで、不動産のトレンドや顧客のニーズなどを把握できます。

市場調査の結果を踏まえて、ターゲット層を絞りましょう。例えばファミリー層が求める不動産情報は、学生層のニーズには当てはまりません。店舗物件探しにおける市場調査について紹介していますので、次の記事も併せてご覧ください。

コンセプトを明確にする

次にコンセプトを明確にする点も、不動産屋の内装をデザインするポイントです。ターゲットのニーズを踏まえて、提供する不動産の種類やサービスの内容などを決めましょう。ターゲット層や取り扱う不動産情報などによって、内装のテイストや必要な設備が異なります。

例えばファミリー層をメインターゲットにする不動産屋なら、子連れでも来店しやすいように、子ども用のプレイスペースをレイアウトします。学生層をターゲットにするなら、おしゃれな街並みにマッチする内装をデザインしましょう。

不動産屋にも活用できるコンセプト設計のポイントを紹介していますので、次の記事も併せてご覧ください。

集客しやすい物件を選ぶ

不動産屋のコンセプトを明確にしたうえで、集客しやすい物件を選びましょう。物件選びのチェックポイントは、視認性の高い点と店外から店内の様子が分かる点です。例えば空中店舗の物件を選ぶと、店外から店内の様子が分かりにくいため、顧客が入りにくさを感じやすくなります。

そこで街中の通りに面した路面店舗の物件を選べば、ドアや窓から店内の様子が分かるため、顧客の入店を誘いやすくなります。路面店を開業するメリットを紹介していますので、次の記事も併せてご覧ください。

開放的なエントランスをデザインする

不動産屋の物件を選んだら、開放的なエントランスをデザインしてください。大きなドアや窓を施工して、顧客が入店しやすいようにする点がポイントです。もちろん店外へ向けて不動産情報を発信することも求められます。

例えば大きめのドアや窓にガラスを施工することで、店内の雰囲気を店外へ伝えやすいです。内装デザインを通して不動産屋のコンセプトを伝えられると、ターゲットの集客を期待できます。店舗内装にガラスをデザインするコツを紹介していますので、次の記事も併せてご覧ください。

安心して相談できる空間を演出する

安心して相談できる空間を演出する

加えて安心して相談できる空間を演出する点も、不動産屋の内装をデザインするポイントです。顧客は不動産屋に対して、一般的に「入りづらい」「営業されそう」といったイメージを抱いています。

参照:メディア・ハウジング研究所「不動産業界に対するイメージアンケート」

そこで不動産屋の内装に温かみやおしゃれさを出せるように、木目や白・ベージュの配色、間接照明などを取り入れましょう。不動産屋に活用できるおしゃれな内装デザインを紹介していますので、次の記事も併せてご覧ください。

プライバシーに配慮する

またプライバシーに配慮する点も、不動産屋の内装をデザインするポイントです。不動産屋は顧客情報やお金を扱いますので、個人情報漏洩を防ぐために個別面談スペースや事務スペースをレイアウトしてください。

例えばパーテーションで、個別面談スペースをレイアウトしましょう。パーテーションで区切ることによって、隣の席からの視線を遮断できます。また面談スペースから離れた位置に事務スペースをレイアウトすると、複数案件の契約書類を整理しやすいです。

なお半個室をレイアウトするポイントを紹介していますので、次の記事も併せてご覧ください。

動線に沿って什器を配置する

そして不動産屋の内装をデザインするポイントとして、動線に沿って什器を配置してください。動線に沿って什器を配置できると、什器の利便性や業務の効率性などが向上します。

例えば顧客と面談する際に書類(物件情報や重要事項説明書、賃貸借契約書など)を取りやすいように、書類保管棚の配置を検討しましょう。不動産屋に活用できる什器を選ぶポイントを紹介していますので、次の記事も併せてご覧ください。

照明の配置や色を調節する

なお照明の配置や色を調節する点も、不動産屋の内装をデザインするポイントです。不動産取引は高額で、顧客に書面で契約条件を重要事項などを確認してもらう必要があります。顧客が書類などを確認しやすいように、照明の色味や明るさを調整しましょう。

例えば青みのある昼光色の照明には、文字がはっきりとして読みやすくなる効果があります。面談するデスクの手元が暗いときは、デスクライトも配置しましょう。不動産屋にも活用できる照明デザインのポイントを紹介していますので、次の記事も併せてご覧ください。

不動産屋のおしゃれな内装施工事例

理想的な不動産屋の内装をデザインできるように、おしゃれな内装施工事例を調査しましょう。IDEALの施工事例を取り上げながら、内装デザインポイントが活かされている点をご紹介します。

明るく開放感のある内装

明るく開放感のある内装

「小田急不動産 相模大野店」様は物件情報だけではなく、街の歴史やイベントなどの情報発信の場となっている不動産屋です。明るく開放感のある店舗を演出して、顧客の入店を促せるように、エントランスの壁やドアが取り払われています

またファミリー層でも物件情報などを落ち着いて見ることができるように、人工芝のキッズエリアが施工されています。掲示物が目立つように、内装は木目と白をベースにデザインされています。

集客しやすい内装

集客しやすい内装

「小田急不動産 鶴川店」様のエントランスは、集客しやすいようにオープンスペースとしてデザインされています。入口の物件情報を載せる壁は、自然と顧客が店内へ誘導されるR型のデザインです。

また入口上部の店舗サインは、フロアを歩く顧客の目に留まる角度を検証したうえで、真正面ではなく少し角度を付けて施工されています。

プライバシーに配慮した内装

プライバシーに配慮した内装

「ピタットハウス 東大島店」様の内装には、個別面談スペースがレイアウトされました。面談中のプライバシーに配慮して、隣のテーブルからの視線を遮るパーテーションが施工されています。

また顧客が気軽に相談できる不動産屋の雰囲気を演出できるように、木目と白を基調とした内装にアクセントカラーの緑が配色されています。店外から店内の様子が見える開放的なエントランスになるように、大きな窓とガラスのドアが施工されています。

照明と什器にこだわった内装

照明と什器にこだわった内装

「リノベ不動産|CROS」様は、中古マンションのリノベーションを提供されています。顧客に期待感を抱いてもらえるように照明と什器にこだわり、ショールームの内装に木製ウェルカムアーチやネオンサインなどが施工されています。

また「見て。触って。感じる。」をコンセプトに、リノベーションのデザイン例として壁面・床・天井・キッチン・塗装・タイルなどが施工されています。来店した顧客が、実際に見て、触って、感じることが可能です。

高級感を演出した内装

高級感を演出した内装

「ハウスゼロ 行徳駅前店」様の内装は、白を基調としてデザインされています。一般的な不動産屋のイメージとは異なるラウンジのような高級感を演出できるように、シャンデリアとアクアリウムが施工されています。

また空中店舗ながらも、店外から店内の様子が分かりやすいように、路面から見える窓がガラス張りに施工されています。顧客とスムーズに面談できるように、カウンターの内側に収納スペースが設けられています。

不動産屋の内装工事費用

不動産屋の内装工事費用

デザインした不動産屋の内装を工事できるように、工事費用の相場や内訳を確認しましょう。予算内に収まるように、工事費用の節約方法もご紹介します。

費用相場

不動産屋の内装工事費用の相場は、坪単価10万〜30万円程度です。例えば30坪の物件なら、内装工事に300万〜900万円程度かかる計算です。

ただし物件の立地や種類(居抜きかスケルトンか)、規模、内装・設備のグレードなどによって、工事費用は変動します。細かな部分にこだわるほど坪単価が上がりますので、予算を立てたうえで内装や設備に優先順位を付けながらデザインしましょう。

費用内訳

下表に、不動産屋の内装工事費用の内訳をまとめました。今回は30坪のスケルトン物件に、坪単価20万から30万円で不動産屋の内装を工事する費用を試算しています。

工事費用の内訳割合30坪のスケルトン物件
デザイン費10%程度60万~90万円程度
施工監理費10%程度60万~90万円程度
内装工事費(天井や壁、床など)40%程度240万〜360万円程度
設備工事費(電気・ガス・水道や空調・消防など)40%程度240万〜360万円程度
合計100%坪単価20万~30万円程度600万~900万円程度

上表が示すとおり、内装工事費と設備工事費が内装工事費用の大半を占めます。内装材のグレードや設備の数などによって、各工事費用は変動します。不動産屋にも活かせる内装工事の費用や流れを紹介していますので、次の記事も併せてご覧ください。

工事費用の節約方法

不動産屋内装工事費用の節約方法として、まずは複数の業者から見積もりを取りましょう。工事の内容や費用を比較して、適正な価格で工事してくれる業者を選んでください。

次に業者を決める際に、なるべくデザインから工事まで同じ業者に依頼しましょう。同じ業者に依頼することで余分な手数料がかからず、相談する時間も省けます。

また優先順位の低い設備の個数や素材のグレードを検討してください。中古品を購入したり設備をリースしたりすることで、初期費用を抑えることができます。予算をかけてこだわりたい部分とメリハリをつけましょう。

なお居抜き物件を選ぶ方法もあります。旧借主が施工した内装や設備を利用できる分だけ、スケルトン物件よりも工事費用を抑えることが可能です。居抜き物件のメリット・デメリットをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

集客できる不動産屋の内装をデザインしよう!

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監修者

IDEAL編集部

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