2023.04.21  2023.05.21|店舗デザイン

飲食店をレイアウトする流れ!厨房のレイアウトや工事費用

飲食店をレイアウトする流れ!厨房のレイアウトや工事費用

本記事で、飲食店をレイアウトする流れを解説します。飲食店にレイアウトされるゾーンや厨房をレイアウトするポイント、工事費用もご紹介します。店舗の開業や移転、リニューアルなどをご検討中の方は、ぜひご覧ください。

飲食店にレイアウトされるゾーン

飲食店にレイアウトされるゾーン

飲食店のレイアウトを検討する前に、飲食店にレイアウトされるゾーンを確認しましょう。集客と売上を伸ばせる飲食店をレイアウトするためには、各ゾーンの用途や要件を把握することが必要です。

厨房

飲食店にレイアウトされるゾーンには、まず厨房があります。主な用途は、料理の仕込みや調理です。配置する設備・機器・什器のサイズや数によって、厨房に必要なフロア面積が変動します。

またメニューや提供方法などに応じて仕込みや調理の手順が異なり、厨房内における従業員の動線はさまざまです。例えばセルフサービスの飲食店なら、厨房から受け渡しカウンターまでの距離を近づける必要があります。

ダイニングフロア

次にダイニングフロアも、飲食店にレイアウトされるゾーンです。用途は、顧客の飲食です。従業員が接客しやすく、顧客が料理を楽しめるダイニングフロアは、次の要件を満たさなくてはなりません

  • テーブル同士の距離が空いている
  • 受付・会計カウンターや厨房からの動線が整理されている
  • 交差して通行できる通路幅が確保されている

ただしカウンターをメインとする立ち飲み屋やカフェなどでは、客同士や従業員と客がコミュニケーションを取りやすいように、客席の距離が短くされます。感染症対策を踏まえて、客席のレイアウトを検討しなくてはなりません。

バックヤード

またバックヤードも、飲食店にレイアウトされるゾーンです。用途は、消耗品や備品(おしぼりやトイレットペーパーなど)、金庫の保管や事務作業ですので、防犯対策が求められます。

また厨房内に保管できない「常温で保存できる食材」(乾物や調味料など)が保管される場合もあります。害獣や害虫の被害を受けないように、食品衛生管理も必要です。

休憩・更衣室

そして休憩・更衣室も、飲食店にレイアウトされるゾーンです。用途は、従業員の休憩や更衣、私物の保管などです。雇用する従業員の数や性別に応じて、休憩・更衣室の数や広さを検討しなければなりません。

また休憩室として利用するためには、次の設備・機器・什器が必要です。

  • 冷暖房設備
  • 飲食できる机と椅子
  • くつろげるソファーやベッド

必要な設備・機器・什器を完備して働きやすい職場を整備できれば、従業員の雇用条件に対する満足度向上を期待できます。

トイレ

なお飲食店にレイアウトされるゾーンとして、トイレも欠かせません。従業員だけではなく、顧客が用を足す場所だからです。ダイニングフロアから近くて分かりやすい動線が求められます。

店舗のトイレをデザインするポイントは次のとおりです。

  • 明るさと清潔感を演出する
  • 掃除しやすい内装材を選ぶ
  • 設備・什器の機能性を追及する

店舗に施工できるトイレの種類や施工事例などをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

飲食店をレイアウトする流れ

飲食店をレイアウトする流れ

飲食店にレイアウトされる各ゾーンの用途や要件を把握したうえで、飲食店をレイアウトする流れも押さえましょう。コンセプトからゾーニング、安全性、座席、設備・機器・什器へと進めていきます。

明確なコンセプトを設計する

飲食店をレイアウトをするポイントとして、まず明確なコンセプトに設計しましょう。飲食店のコンセプトを明確にすることで、業態やメインメニューに合う飲食店をレイアウトできるからです。

例えば「食品衛生の徹底と顧客とのコミュニケーション」をコンセプトとする飲食店には、オープンキッチンやカウンター席をレイアウトします。店舗のコンセプトを設計する方法をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

厨房やフロアなどをゾーニングする

次に飲食店の明確なコンセプトに基づいて、厨房とフロアなどをゾーニングします。ゾーニングとは、用途や動線に従って店内をゾーン(厨房やフロア、バックヤード、休憩・更衣室、トイレなど)に分ける作業です。

顧客が快適に飲食できるように、エントランスからダイニングフロア、トイレや会計場所の位置を決めなくてはなりません。また従業員が働きやすいように、ダイニングフロアと厨房、バックヤード、休憩・更衣室の位置関係を検討してください。

売上目標と座席数を計算する

厨房やフロアなどをゾーニングできたら、売上目標と座席数を計算しましょう。賃料やFL比率などを用いて、売上目標を計算できます。飲食店の平均売上と管理方法を解説していますので、次の記事も併せてご覧ください。

また厨房とダイニングフロアの面積比率や1坪当たりの座数、スタッフ1人当たりの座数、売上目標などから、飲食店の座席数を計算できます。飲食店における席数の目安と計算について解説していますので、次の記事も併せてご覧ください。

座席の種類を決める

そして売上目標と座席数を踏まえて、座席の種類を決めてください。飲食店にレイアウトできる座席の種類には、テーブル席やソファ席、カウンター席、座敷席、立ち飲み席などがあります。

特にカウンター席は広いスペースを使用するため、飲食店の集客と売上にとって重要です。カウンターの形(I字型・L字型・コの字型)や高さ(ロー・ミドル・ハイ)、素材(木材・左官・樹脂など)についてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

個室や半個室の導入を検討する

個室や半個室の導入を検討する

それから座席の種類だけではなく、個室や半個室の導入を検討しましょう。個室をレイアウトすると、顧客に自分たちだけの空間で飲食を楽しんでもらえます。しかしデメリットとして、テーブル席よりも広い床面積が必要になる点やコストがかかる点が挙げられます。

そこで個室をレイアウトする代わりに、パーテーションやカーテンなどで簡易的に半個室を区切る方法もあります。半個室をデザインするポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

安全性に配慮する

さらに飲食店をレイアウトする際には、安全性に配慮してください。飲食店でのダイニングフロアや厨房には、下記のような危険因子があります。

  • 床の水摘や油汚れ
  • テーブルやカウンターの角
  • インテリアとして飾るボトル・グラス

安全対策として、床を掃除しやすいように設備・機器・什器を配置してください。またテーブルやカウンター角にクッション素材を設置したり、ボトルやグラスの転倒を防止したりしなければなりません。店舗に適した床材の種類と費用をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

余分なスペースを減らす

加えて飲食店をレイアウトする際には、余分なスペースを減らす点も忘れてはなりません。余分なスペースを空けるほど、顧客の回転率や売上を下げてしまうからです。また不要なスペースに対して、店舗物件の賃料を余分に支払うことになります。

そこで一般的な飲食店であれば、次のように床面積を割り振りましょう。

  • 厨房の床面積を20~30%程度
  • ダイニングフロアを40~50%程度
  • 他ゾーン(バックヤード・休憩・更衣室・トイレ)を20~30%程度

ただしテイクアウトやデリバリーの専門店であれば、ダイニングフロアが不要です。また高級店であれば、ゆったりと過ごしてもらえるように、ダイニングフロアの割合が大きくなります。

必要な設備・機器・什器を厳選する

なおゾーニングした各ゾーンに対して、必要な設備・機器・什器を厳選しましょう。厨房に必要な設備・機器・什器については、後ほどご紹介します。

ダイニングフロアには、テーブルや椅子、ソファ、カウンターなどの什器が必要です。バックヤードの整理棚や休憩・更衣室のロッカーなども欠かせません。店舗におしゃれな什器を選ぶポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

飲食店の厨房をレイアウトする方法

飲食店の厨房をレイアウトする方法

飲食店をレイアウトする流れを把握したうえで、厨房をレイアウトする方法も押さえましょう。飲食店のメインサービスである飲食(料理の提供)の品質を高めるためには、厨房の種類やスタイル、設備が重要です。

厨房の位置を決める

飲食店の厨房をレイアウトする方法として、まず厨房の位置を決めましょう。厨房の位置は、大まかに2点(オープンキッチンとクローズドキッチン)に分類されます。飲食店の業態に応じて、選びましょう。

オープンキッチンのメリットは、調理風景をアピールできる点や顧客とコミュニケーションしやすい点などです。反対に厨房内の整理整頓に気を遣う点や従業員がストレスを感じやすい点などは、オープンキッチンのデメリットになります。

一方でクローズドキッチンのメリットは、仕込みや調理に集中できる点や油汚れが厨房の外へ飛ばない点などです。ただし料理の提供が遅れやすい点や衛生管理がおろそかになりやすい点は、クローズドキッチンのデメリットになります。

厨房の形を決める

次に厨房の形を決めましょう。飲食店にレイアウトできる厨房の形は、主に4点です。

  • 直線型
  • L字型
  • 二列型
  • アイランド型

直線型は、シンクや調理台、調理設備などが一直線に並んだ厨房の形です。オープンキッチンや少人数の厨房に合います。したがって大人数での仕込みや作業はしづらいです。

L字型は、シンクや調理台、調理設備などがLの字に並んだ厨房の形です。直線型よりも広い厨房に合います。L字に沿うことでの移動距離を短くして、仕込みから調理、盛り付けへ進むことが可能です。

二列型は、シンクや調理台の列と調理設備の列が分かれている厨房の形です。仕込みや調理の量を増やせるため、ファミレスやホテルなどの厨房に合います。少人数で作業する厨房の場合には、ゾーンが余ってしまいます。

アイランド型は、メインの厨房ゾーンとカウンターなどに隣接する厨房ゾーンがレイアウトされる厨房の形です。顧客の目の前で調理できるため、焼き鳥屋や大衆居酒屋に採用されます。顧客に近い分だけ、他のスタイルよりも衛生管理が求められます。

厨房の設備・機器・什器を選ぶ

そして厨房の設備・機器・什器を選ぶ点も、飲食店の厨房をレイアウトするポイントです。メニューの調理方法(茹で・揚げ・電子レンジなど)や提供方法(セルフサービスかフルサービスか)などに合わせて、シンクや調理台、調理設備などを検討しなければなりません。

例えばラーメン屋には、麺をゆでる「ゆで麺機」やスープを加熱する「スープレンジ」、自家製麺を製造する「製麺機」が必要です。飲食店に必要な厨房設備・機器・什器についてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

レイアウトした飲食店を工事する費用

レイアウトした飲食店を工事する費用

理想的な飲食店を実現できるように、レイアウトした飲食店を工事する費用もご確認ください。予算内に内装工事費用と外装工事費用を収めなくては、開業前の初期費用や開業後の運転資金が不足してしまいます。

内装工事費用

飲食店の内装工事費用は、坪単価15万~50万円程度です。ただし店舗物件の規模や種類(居抜きかスケルトンか)によって、内装工事費用は変動します。

また飲食店のコンセプトやメインメニューによって、必要な設備・機器・什器が異なるため、工事費用に影響します。飲食店内装費用の内訳を表にまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

外装工事費用

飲食店の外装工事費用は、坪単価2万~4万円程度です。工事の規模や内容によって、工事費用は上下します。

飲食店の外装には、外壁と屋根、エントランス、看板、照明、装飾などが含まれます。飲食店にも活用できる外装工事費用の内訳や節約方法をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

集客と売上を伸ばせる飲食店をレイアウトしよう!

IDEALは、店舗全般のコンセプト設計から資金調達、物件探し、内外装のデザイン・工事、集客までのワンストップソリューションをご提供しております。

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監修者

IDEAL編集部

日本全国の美容室・カフェ・スポーツジム等の実績多数!
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