「飲食店の事業計画書の書き方を…
2021.02.09 2023.10.15|新規開業ノウハウ
イタリアンレストランを開業する際の注意点!失敗原因の対策・開業資金
本記事で、イタリアンレストランを開業する際の注意点を解説します。開業に失敗する原因と対策や開業資金もご紹介します。店舗の開業や移転、リニューアルなどをご検討中の方は、ぜひご覧ください。
目次
イタリアンレストラン開業の基本情報
イタリアンレストランの集客と売上を伸ばすためには、開業準備を始める前に基本情報の確認が必要です。そこでイタリアンレストラン開業に関する基本情報として、市場規模や顧客のニーズ、業態、トレンドをご紹介します。
市場規模
まずイタリアンレストランの市場規模は、首都圏・関西圏・東海圏だけで年間2千億円以上です。飲食業界全体の市場は、10兆円規模だと推計されています。
参照元:
株式会社リクルート「外食市場調査(2023 年 2 月度)」(6ページ)
またイタリアンレストランの店舗数は、日本全国に8,000店以上です。人口1.5万人に1店が出店されています。
そして2020~2021年のコロナ禍においては、外出自粛に伴う中食の需要が高まりましたが、2022年以降には、外食する顧客の数が回復傾向にあります。
参照元:TableCheck「コロナ禍における飲食店の来店・予約件数推移」
顧客のニーズ
次にイタリアンレストランに対する顧客のニーズとして、20~40代女性から1回当たり1000~3000円程度利用されています。つまりフルコースディナーよりも、ランチタイムやお茶会のニーズが多いです。
また中食に対する需要が高まったコロナ禍をきっかけにして、テイクアウトやデリバリーをの提供を続けるイタリアンレストランもあります。顧客からのニーズに応えている状況です。
参照元: 一般社団法人日本イタリア料理協会「こんなときだからこそ!イタリアンテイクアウト・デリバリー」
業態
またイタリアンレストランは、大まかに5業態に分類されます。
- リストランテ:コース料理の高級店
- トラットリア:少しカジュアルな店舗
- ピッツェリア:ピザ専門のファーストフード店
- オステリア :庶民的な居酒屋風の大衆食堂
- バール :軽食とお酒のカフェ
各業態によって、ドレスコードの有無や食事のマナーなどが異なります。提供する料理の種類やターゲットとする顧客層などを踏まえて、イタリアンレストランの業態を決めましょう。
トレンド
そしてイタリアンレストランのトレンドとして、日本風のアレンジやイタリア産食材の国産化、ナチュラルワインの人気などが挙げられます。
イタリア料理は各国へ広まり発展していますが、日本においても消費者ニーズに合わせて独自の進化(冷製パスタなど)を遂げてきました。
またイタリア産の野菜や生ハム、パンチェッタなどを輸入するだけではなく、日本国内でも生産されてきました。輸入食材が高騰しても、国産の食材が手に入ります。
そして自然食品志向の高まりとともに、ナチュラルワインの人気が定着しています。白・赤・スパークリングワインに加えて、オレンジワインがイタリアから輸入されています。
イタリアンレストランを開業する際の注意点
基本情報を把握したうえで、イタリアンレストランを開業する際の注意点も確認しましょう。8点(コンセプト・事業計画書と開業資金、店舗物件、デザイン・工事、資格・届出・許可、仕入れ先、採用・研修、集客)に整理してご紹介します。
コンセプト設計と事業計画書作成
まずコンセプト設計と事業計画書作成が、イタリアンレストランを開業する際の注意点として挙げられます。明確なコンセプトを設計することで、一貫した事業方針で開業準備を進められるからです。
また明確なコンセプトに基づいて事業計画書を作成することで、開業資金の調達や従業員の研修などに活用できます。店舗のコンセプトを設計する方法などをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
開業資金の調達
次に開業資金の調達も、イタリアンレストランを開業する際の注意点です。イタリアンレストランの開業には、初期費用と運転資金が欠かせません。自己資金だけで不足する場合には、以下の調達方法をご検討ください。
- 出資
- 借入
- 融資
- 補助金・助成金
以上の調達方法ごとにメリット・デメリットが異なり、申請の条件や方法も異なります。開業資金を調達するポイントについてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
店舗物件の選定
また店舗物件の選定も、イタリアンレストランを開業する際の注意点です。物件の立地や広さは、集客と売上に影響します。ターゲットとする顧客層の出入りするエリアを特定して、希望条件(賃料や間取りなど)に合う店舗物件を選定しましょう。
なおイタリアンレストランの店舗物件を選定する際には、市場調査が必要です。店舗物件の探し方について詳しくまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
店舗のデザインと工事
それから店舗のデザインと工事も、イタリアンレストランを開業する際の注意点です。コンセプトに基づいて店舗の内装と外観をデザインすることで、一貫した経営方針でイタリアンレストランを営業しやすくなります。
また限られた予算のなかで内装と外観を工事するためには、無駄な経費を削減しなければなりません。店舗内装デザイン・工事の注意点や費用などについてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
資格取得と届出・許可申請
そして資格取得と届出・許可申請も、イタリアンレストランを開業する際の注意点です。飲食店の開業には、食品衛生責任者や防火管理者の資格などが必要です。他にも役立つ資格やスキルがありますので、次の記事も併せてご覧ください。
そして店舗を開業する際には、税務や労務などに関する届出・許可の申請(個人事業の開業届や法人の設立届など)が必要です。届出・許可ごとに申請の時期や方法が異なりますので、必要な書類を確認しておきましょう。
参照元:国税庁「個人で事業を始めたとき/法人を設立したとき」
仕入れ先の選定
続いて仕入れ先の選定も、イタリアンレストランを開業する際の注意点です。仕入れ先の選定は、商品やサービスの価格や品質を保つために重要です。仕入れ値が高くなるほど原価率が上がり、利益率が下がってしまいます。
そこで集客と売上を安定させるために、信頼できる仕入れ先を検討しましょう。仕入れ先を選定する際のポイントなどをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
人材の採用と研修
そして人材の採用と研修も、イタリアンレストランを開業する際の注意点です。開業予定日の数週間前から、採用と研修を開始しましょう。採用方法には、求人サイトや転職エージェントなどがあります。
また研修の成果を高めるためには、イタリアンレストランの営業マニュアルや効果測定などが必要です。店舗経営における人材採用のコツや研修の注意点などをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
集客活動
なおイタリアンレストランを開業する際の注意点として、集客活動も挙げられます。新規参入の場合には知名度がありませんので、新規顧客を獲得できるように、開業前から集客活動を開始しましょう。
そこでターゲットとする顧客層に合わせて、オンラインとオフラインの集客方法を組み合わせましょう。店舗へ集客する方法や事例などを詳しくまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
イタリアンレストランの開業に失敗する原因と対策
上記の注意点に気をつけて開業準備を進めても、開業後の集客や売上が保証されるわけではありません。そこでイタリアンレストランの開業に失敗する原因(コンセプト設計、立地選び、資金・売上管理、価格設定、集客方法)を確認して、対策を立てましょう。
曖昧なコンセプト設計
まず曖昧なコンセプト設計が、イタリアンレストランの開業に失敗する原因として挙げられます。イタリアンレストランのコンセプト設計が曖昧だと、一貫した経営方針で営業できずに、競合店との差別化が図れません。
そこでコンセプト設計の対策として、独自の商品とサービスを提供して、ブランディングを展開しましょう。店舗をブランディングするポイントや事例などをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
立地選びの間違い
次に立地選びの間違いも、イタリアンレストランの開業に失敗する原因です。ターゲットとする顧客層が出入りしない立地を選んでしまうと、集客数を増やせません。賃料や間取りなどの条件だけではなく、立地選びが重要です。
そこで立地選びの対策として、店舗物件の選定前に開業予定エリア内の市場調査が必要です。店舗マーケティングの方法や具体的な施策などをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
資金・売上管理の不足
また資金・売上管理の不足も、イタリアンレストランの開業に失敗する原因です。開業資金が足りないと、開業前の準備が整いません。また運転資金が不足すると、開業後の経営が不安定になります。
そこで資金・売上管理の対策として、イタリアンレストランの売上目標を正確に計算したうえで、定期的に達成率を評価しましょう。飲食店に必要な平均売上の目安や売上を管理する方法などを詳しくまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
不適切な価格設定
さらに不適切な価格設定も、イタリアンレストランの開業に失敗する原因です。売上から安定した利益を確保するためには、原価の高騰や集客率の変動などに応じて、適切な価格を設定しなければなりません。
そこで価格設定の対策として、食品ロスやオーバーポーションの防止、メニューや仕入れ先の見直しなどを行いましょう。飲食店が原価率を計算する際の注意点などをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
合わない集客方法
そして合わない集客方法も、イタリアンレストランの開業に失敗する原因です。ターゲットとする顧客層に情報を効率的に届けられなくては、新規顧客やリピーターを増やすことができません。
そこで集客の対策として、ターゲット層に応じてオンラインとオフラインの集客方法を組み合わせましょう。特にイタリアンレストランの顧客には若年女性層が多いため、SNSやポータルサイトなどのWeb集客が必要です。
イタリアンレストランの開業資金
イタリアンレストランの開業準備を進めるためには、開業資金が必要です。資金計画を立てられるように、イタリアンレストラン開業資金の相場と内訳をご紹介します。予算内に開業準備を進められるように、節約法も確認しましょう。
相場
まずイタリアンレストラン開業資金の相場は、坪単価30万〜50万円程度です。20坪のスケルトン物件なら、600万〜1,000万円程度かかります。ただし物件の立地や規模、取得方法(賃貸か所有)、種類(スケルトンか居抜き)、設備・機器・什器の台数、従業員数などに応じて、開業資金は変動します。
内訳
次にイタリアンレストラン開業資金の内訳について、下表にまとめました。参考情報として、20坪で賃料月20万円のスケルトン物件にかかる開業資金を試算してあります。
資金の内訳 | 各費用の割合 | 資金の試算 |
物件取得費 (敷金や礼金、前賃料など) | 合計の20%程度 (賃料の6〜12か月分程度) | 120万〜240万円程度 (20坪で賃料月20万円 スケルトン物件) |
内装・外観工事費 (天井や内壁、床、建具、 看板、屋根、外壁、装飾など) | 合計の30%程度 | 180万〜300万円程度 |
設備・機器・什器工事費 (電気・ガス・水道・厨房・ 空調・換気・照明・消防など) | 合計の40%程度 | 240万〜400万円程度 |
諸経費(集客や資格・届出・ 許可、採用・研修など) | 合計の10%程度 | 60万〜100万円程度 |
合計 | 100% (坪単価30〜50万円程度) | 600万〜1,000万円程度 |
上表のとおり、イタリアンレストランの開業資金においては、設備・機器・什器費が大半を占めます。設備・機器・什器にこだわるほど、開業資金が増えてしまいます。
節約法
そしてイタリアンレストラン開業資金の節約法として、相見積もりや居抜き物件、補助金・助成金などがあります。相見積もりを取ることで、各業者の提案する工事の内容や費用、期間などを比較できます。
また居抜き物件を活用して、前借主が施工した内装や設備・機器・什器などを引き継ぐと、工事費用を節約できます。ただし居抜き物件にはメリット・デメリットがありますので、次の記事も併せてご覧ください。
さらに補助金や助成金の申請が通ると、基本的に返済義務のない資金を獲得できます。ただし補助金・助成金ごとに申請条件や受給時期などの注意点がありますので、次の記事も併せてご覧ください。
集客できるイタリアンレストランを開業させよう!
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監修者
-
IDEAL編集部
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