2018.07.30  2024.02.06|新規開業ノウハウ

コンビニの開業資金!開業の基本情報や流れ・事例も紹介

コンビニの開業資金!開業の基本情報や流れ・事例も紹介

本記事で、コンビニの開業資金を解説します。またコンビニ開業の基本情報や流れ、事例もご紹介します。店舗の開業や移転、リニューアルなどをご検討中の方は、ぜひご覧ください。

コンビニ開業の基本情報

コンビニ開業の基本情報

コンビニの開業準備を計画する前に、基本情報を確認しましょう。基本情報を押さえることで、開業準備を進めやすくなるからです。それではコンビニの市場規模と店舗数、顧客のニーズ、業態、メリット・デメリット、経営者の年収をご紹介します。

市場規模と店舗数

まずコンビニの市場規模は、以下の資料によると2022年に12兆円程度でした。他業態と比較すると、百貨店の市場規模(年間5.5兆円程度)より大きく、スーパーマーケットの市場規模(年間15兆円程度)より小さいです。

参照元:経済産業省「2022年⼩売業販売を振り返る」(1ページ)

またコンビニの店舗数は、以下の資料によると2023年1月時点で約57000店程度でした。店舗数の1位はセブン-イレブン(約21,000店)で、2位はファミリーマート(約16,000店)、3位はローソン(約14,000店)です。つまり大手チェーン店が、全体の9割を占めています。

参照元:日本ソフト販売株式会社「【2023年版】コンビニエンスストアの店舗数ランキング」

顧客のニーズ

次にコンビニに対する顧客のニーズは、幅広い商品(中食用食品や店内調理された食品、生鮮食品、家庭用品など)です。顧客からのニーズに応えるために、コンビニチェーン上位3社では、プライベートブランドの商品が開発されています。

参照元:MD NEXT「完全復活に向かうコンビニ大手3チェーン。変わるニーズに、売場、商品、販促で対応」

例えばファミリーマートでは、低価格で機能性とデザイン性を備えた衣服が販売されています。従来のニーズ(緊急時の購入)だけではなく、第一選択肢となるファッションアイテムを目指しています。

参照元:ファミリーマート「コンビニウェア」

業態

またコンビニの業態は、大まかに個人店舗とフランチャイズ店舗に分かれます。個人店舗においては、事業方針や取り扱い商品・サービスなどを自由に決定できます。ただし店舗デザイン・工事や仕入先との契約、集客活動などを一から始めなくてはなりません。

一方のフランチャイズ店舗においては、コンビニチェーンのノウハウを活用しながら店舗を開業し、同じ事業方針に沿って経営できます。ただし加盟料やロイヤリティの支払いなどが必要です。

メリット・デメリット

そしてコンビニ開業のメリットは、安定した需要や幅広い商品・サービス、多店舗展開のしやすさなどです。コンビニに対するニーズは、社会の変化や地域性、顧客層などに関わらず安定しています。

一方で人材不足や利益率の低さなどは、コンビニ開業のデメリットです。特に深夜帯まで営業する店舗においては、3交代制のシフトを組まなくてはなりません。またフランチャイズに加盟して、加盟料やロイヤリティを支払うと、利益率を下げてしまいます。

経営者は儲かる?年収について

なおコンビニの経営者は儲かるのでしょうか?コンビニ経営者の年収に関する調査結果は、Web上に掲載されていませんでした(2024年1月時点)。

そこで以下のようにコンビニ経営者の年収を試算したところ、1店舗につき500万~800万円程度だと推計されます。ただし店舗の規模や立地、従業員数、営業時間などによって、店舗の売上や利益率などは変動します。

  • 1日の売上10万円×週7日営業×年間52週間×利益率20%=728万円程度

コンビニを開業する流れ

コンビニを開業する流れ

基本情報を押さえたうえで、コンビニを開業する流れも確認しましょう。8点(コンセプトから事業計画書、店舗物件、外観と内装、資格・免許・届出・許可、仕入先、採用・研修、集客活動まで)に整理してご紹介します。

コンセプトの設計

まずコンセプトの設計から、コンビニの開業準備を始めましょう。コンセプトは店舗経営の基本方針となり、事業計画の立案や競合店との差別化のために必要です。店舗のコンセプトを実現させるポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

ただしコンビニのフランチャイズに加盟する場合には、チェーンの事業方針に従うことが求められます。個人店舗のコンビニを開業する場合には、コンセプトの設計を開始しましょう。

事業計画書の作成

次にコンビニの開業について、事業計画書を作成しましょう。事業計画書は、開業資金の調達や経営戦略の説明、経営の評価・改善などのために必要です。コンビニにも活用できる事業計画書を書くときのポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

なおコンビニのフランチャイズにおいては、本部からの開業支援を受けられる場合があります。メリット・デメリットを踏まえて業態(個人店舗とフランチャイズ店舗)を選び、事業計画を立案しましょう。

店舗物件の選定

それからコンビニの事業計画書に基づいて、店舗物件を選定します。店舗物件は、コンビニのコンセプトを実現させる手段です。また店舗物件の立地は集客に影響し、運転資金において賃料が大きな割合を占めます。

そこでコンビニのコンセプトに基づいて、希望条件を整理したうえで、店舗物件の選定を開始しましょう。店舗物件を選ぶときの注意点をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

外観と内装のデザイン・工事

続いて選定した店舗物件に対して、コンビニの外観と内装のデザイン・工事を開始してください。外観と内装のデザインは、コンビニの集客と売上に影響します。コンセプトに基づいて、店舗をデザインしましょう。

ただしコンビニのフランチャイズにおいては、チェーンの事業方針に沿って、店舗の外観や内装をデザイン・工事しなければなりません。コンビニの内装をデザインする際のポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

資格・免許の取得と届出・許可の申請

また実店舗の準備だけではなく、コンビニの資格・免許の取得と届出・許可の申請も必要です。一般的なコンビニの開業に必要な資格・免許・届出・許可をまとめました。ただし取り扱う商品・サービスによって、必要な資格・免許・届出・許可は異なります

  • 個人事業主の開業届または法人の設立届
  • 酒類販売免許(酒類を販売する場合)
  • 社会保険・労働保険の加入(従業員を雇用する場合)
  • 防火管理者の資格(条件に当てはまる場合)
  • 食品衛生責任者の資格

参照元:

国税庁「個人で事業を始めたとき/法人を設立したとき」

国税庁「E1-3 酒類の販売業免許の申請」

日本年金機構「事業所が健康保険・厚生年金保険の適用を受けようとするとき」

厚生労働省「労働保険の成立手続」

なお防火管理者と食品衛生責任者の資格についてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

仕入先の選定

さらにコンビニを開業する前には、仕入先を選定しましょう。仕入先は、商品やサービスの価格や品質を保つために重要です。店舗が仕入先と上手く付き合うコツをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

なおコンビニのフランチャイズにおいては、本部の契約している仕入先から商品・サービスを調達する場合があります。一方で、個人店舗においては、一から仕入先を探さなくてはなりません。

人材の採用・研修

そしてコンビニ開業の数か月から、人材の採用と研修を計画してください。特に24時間営業する場合や多店舗展開する場合には、経営者や家族だけではなく、従業員が必要です。フランチャイズにおいては、本部から人材の採用や研修に関するサポートを受けられる場合があります。

店舗経営における人材採用のコツや研修の注意点などをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

集客活動の展開

なお採用・研修と同様に、コンビニ開業の数週間前から集客活動も展開しましょう。開業しただけでは、店舗の存在を認知してもらうことはできないからです。ターゲットとする顧客層に応じて、適した集客方法を選びます。

そして集客活動には、オンライン(SNSやMEOなど)とオフライン(ポスティングや交通広告など)の方法があります。店舗の集客に成功した事例をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

コンビニの開業事例

スムーズな流れに沿ってコンビニの開業準備を進められるように、参考となる開業事例を調査しましょう。事例5点を取り上げて、各事例の特徴(無人店舗と移動販売、スーパーマーケットの良さ、店内調理、サステナブルデザイン)をご紹介します。

無人店舗のコンビニ

無人店舗のコンビニ

まず「パークローソン千里店」は、無人店舗のコンビニです。セルフレジが導入されていますが、アバターオペレーターがリモートで顧客の買い物をサポート。セルフレジの操作などに困ったときに助けてくれます。

アバターオペレーターを導入することで、少人数で複数の店舗をサポート。従業員の人件費や接客コストを削減しています。店舗経営の省人化により、人手不足の解消を目指しています。

参照元:PR TIMES「近畿地区ローソン初のセルフレジのみの無人店舗「パークローソン千里店」において、アバターオペレーターがお買い物をサポート」

移動販売のコンビニ

移動販売のコンビニ

次に「セブン-イレブン広島大朝町店」は、移動販売のコンビニです。軽トラックの荷台に約150種の商品を積んで、買い物に不便を感じている顧客の自宅や事業所などへ配達しています。

移動販売の取り組みは、少子高齢化や過疎化により商店が減少している地域を支援。要望を受けて顧客の自宅へ訪れると、近所の人も買いに来てくれます。口コミが広がり、販売エリアが拡大しています。

参照元:セブン‐イレブン「移動販売で買い物の楽しさを届ける」

スーパーマーケットの良さを取り入れたコンビニ

それからセブン-イレブンの「SIPストア」は、スーパーマーケットの良さを取り入れたコンビニです。イトーヨーカドーとパートナーシップを結び、幅広い商品(中食用食品や冷凍食品、生鮮食品など)を取り扱います。

関東地域からSIPストアの出店をスタートして、フランチャイズの全国展開を計画。フランチャイズ店舗ごとに独自性のある商品を展開して、薄利多売のミニスーパーとの差別化を目指しています。

参照元:Yahoo!ニュース「セブン‐イレブン新型店舗「SIPストア」 2024年2月末までに1号店 ミニスーパーとの違いや真の狙い 永松社長が語る」

店内調理を提供するコンビニ

店内調理を提供するコンビニ

さらに「さくらみくら」は、店内調理を提供するコンビニです。全国展開している飲食店やスーパーマーケットのノウハウを活用して、お惣菜やお弁当を店内で調理しています。テイクアウトはもちろん、イートインも可能です。

店内調理にはツーオーダーが導入されていますが、注文から5分以内で提供。幅広いメニュー(ハンバーグや唐揚げ、ロースかつ、丼ぶり、麺類など)が揃っています。

参照元:MD NEXT「外食最大手ゼンショーのコンビニ新業態「さくらみくら」、その競争優位性とは?」

サステナブルデザインのコンビニ

サステナブルデザインのコンビニ

なお「アーバン・ファミマ!!虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー店」は、サステナブルデザインのコンビニです。都市型ワーカーに向けた新たなライフスタイルの提案をコンセプトにしています。

具体的には、卵の殻を再利用した塗料や火力発電所で発生した石炭の灰・使用済みコーヒー豆などを再利用した壁材などが、店舗の内装に施工。店舗空間の7割に、サステナブルな素材が使用されています。

参照元:ファミリーマート「ファミリーマートとアーバンリサーチが協業し新業態をスタート」

コンビニの開業資金

コンビニの開業資金

コンビニの開業準備を滞りなく進めるためには、開業資金が必要です。そこでコンビニ開業資金の相場と内訳を把握しておきましょう。資金調達の参考情報として、コンビニの開業に活用できる補助金・助成金もご紹介します。

相場

まずコンビニ開業資金の相場は、坪単価20万~50万円程度です。50坪のスケルトン物件なら、1,000万~2,500万円程度かかります。ただし店舗の立地や規模、物件の種類(居抜きかスケルトン)、従業員数、設備・機器・什器の台数などによって、開業資金は変動します。

内訳

次にコンビニ開業資金の内訳について、下表にまとめました。参考情報として、50坪のスケルトン物件に要する費用を試算してあります。

資金の内訳各費用の目安費用の試算
物件取得費
(敷金・礼金・前賃料など)
全体の10%程度
(賃料の3~6か月分程度)
150万~300万円程度
(50坪で賃料月50万円の
スケルトン物件)
店舗デザイン・工事費
(外観と内装、設備・機器・
什器など)
全体の60%程度
(坪単価10万~30万円程度)
500万~1,500万円程度
諸経費
(開業前の採用・研修や資格・
免許・届出・許可、集客活動など)
全体の20%程度300万~600万円程度
運転資金
(開業後の賃料や人件費、
光熱水費など)
全体の10%程度
(賃料の3~6か月分程度)
150万~300万円程度
(50坪で賃料月50万円の
スケルトン物件)
合計坪単価20万~50万円程度1,000万~2,500万円程度

上表のとおり、コンビニ開業資金の内訳において、店舗デザイン・工事費が大半を占めます。つまり外観と内装、設備・機器・什器にこだわるほど、開業資金が必要です。

補助金・助成金

そしてコンビニの開業に活用できる補助金・助成金を検討しましょう。補助金・助成金ごとに、申請の目的や期限、方法が異なります

  • トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)
  • 人材確保等支援助成金
  • 65歳超雇用推進助成金
  • キャリアアップ助成金
  • 地域雇用開発助成金(地域雇用開発コース)
  • 特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)
  • 雇用調整助成金

参照元:

厚生労働省「トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)」

厚生労働省「人材確保等支援助成金」

厚生労働省「65歳超雇用推進助成金」

厚生労働省「キャリアアップ助成金」

厚生労働省「地域雇用開発助成金(地域雇用開発コース)」

厚生労働省「特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)」

厚生労働省「雇用調整助成金」

なお店舗開業・経営に補助金・助成金を活用する注意点をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

コンビニの開業準備を始めよう

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監修者

IDEAL編集部

日本全国の美容室・カフェ・スポーツジム等の実績多数!
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