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2023.12.11 2023.11.15|新規開業ノウハウ
焼肉屋の開業準備の流れと注意点!経営者の年収・失敗の原因と対策・開業資金
本記事で、焼肉屋の開業準備の流れと注意点を解説します。経営者の年収や失敗の原因と対策、開業資金もご紹介します。店舗の開業や移転、リニューアルなどをご検討中の方は、ぜひご覧ください。
目次
焼肉屋開業の基本情報
まずは焼肉屋の開業準備を始める前に、基本情報を確認しましょう。焼肉屋開業の基本情報を押さえることで、開業準備を整えやすくなるからです。それでは焼肉屋の市場規模とニーズ、業態、経営者の年収を解説します。
市場規模
まず焼肉屋の市場規模は、拡大傾向にあります。2022年の調査によると、首都圏・関西圏・東海圏において、「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」の売上高が前年比の126%で、飲食業の他業態(レストランや中華料理店など)より伸び率が高いからです。
また「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」では、来店の延べ回数と単価が前年に比べて増加しています。
参照元:
ホットペッパーグルメ 外食総研「外食市場調査(2022 年 11 月度)」
日本フードサービス協会「外食産業市場動向調査 令和 4 年(2022 年)年間結果報告」
ニーズ
次に焼肉屋のニーズとして、2021年の調査によると、家族での利用や土日祝日のディナータイムの来店、自動車での来店、自宅では手間のかかる調理法、肉の鮮度や味付け、セルフオーダーシステムなどが挙げられています。以下の調査によると、焼肉屋に行く理由の1位は「肉のおいしさ」でした。
参照元:PRTIMES「焼肉屋についての意識調査 | 株式会社ファンくるのプレスリリース」
別の調査でも、2021年に食べたいメニューの1位に「焼肉」がランクイン。自宅では準備と片付けの手間がかかり、匂いが室内に残ったりするため、焼肉屋へ出かけたい人が多いです。
参照元:ぐるなび「2021年食べたいメニューランキング・トレンド予測メニュー発表!」
業態
また焼肉屋の業態は、主に3タイプ(高級店と居酒屋、大衆店)に分類されます。焼肉の高級店では、質の高い食材(熟成肉や希少部位専門など)と接客が提供されて、客単価5000円以上です。
焼肉の居酒屋では、焼肉以外のメニュー(お酒やおつまみなど)が豊富で、客単価5000円前後です。大衆店では、食べ放題や飲み放題などのメニューが提供されて、客単価は3000円前後で、主なターゲットはファミリー層や若年層です。
経営者は儲かる?(年収)
そして焼肉屋の経営者は儲かるのでしょうか?年収は、1店舗につき500万~1000万程度と推定されます。ただし店舗の規模や立地、営業日数などによって、年収は変動します。
例えば焼肉屋1店舗(1日の売上6万円で利益率30%)を月に25日営業するなら、経営者の年収は540万円です。
- 1日の売上6万円×月25日営業×12か月×利益率30%=540万円
ただし焼肉屋経営では、顧客の滞在時間が長くて回転率が下がる分だけ、利益率が下がる恐れがあります。利益率を上げるためには、客単価を上げるメニューや時間制限などの対策が必要です。
焼肉屋の開業準備の流れと注意点
基本情報を把握したうえで、焼肉屋の開業準備の流れと注意点も確認しましょう。12点(コンセプトから事業計画書、開業資金、店舗物件、内装と外観、設備・機器・什器、資格、届出・許可、メニュー、仕入先)に整理します。
コンセプトの設計
まずはコンセプトの設計から、焼肉屋の開業準備を始めましょう。明確なコンセプトを設計することで、一貫した方針に基づいて開業準備を進められます。コンセプトを設計する方法には、市場調査やターゲティング・ポジショニング、コンセプトシートなどがあります。
店舗のコンセプト設計について詳しくまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
事業計画書の作成
次に焼肉屋開業のコンセプトを設計したら、事業計画書を作成しましょう。事業計画書は、開業資金の調達や経営戦略の説明、経営の評価・改善などに必要な書類です。焼肉屋経営の目的やセールスポイント、仕入れ先、借入状況などが記載されます。
飲食店における事業計画書の書き方やポイントなどをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
開業資金の調達
そして焼肉屋の事業計画書を作成できたら、開業資金の調達を開始しましょう。焼肉屋の開業準備や営業に必要な経費を計算して、自己資金だけで不足する場合には、調達方法(出資や借入、融資、補助金・助成金)を検討します。
開業資金の調達方法について詳しくまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
店舗物件の契約
また資金調達と並行して、焼肉屋を開業する店舗物件の契約も進めなければなりません。ターゲットとする顧客層が集まる地域を特定したうえで、希望条件(賃料や間取りなど)に合う店舗物件を選定して、購入・賃借の契約を申し込みます。
店舗物件の探し方やコツを詳しくまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
内装と外観のデザイン・工事
それから店舗物件を契約できたら、開業する焼肉屋の内装と外観のデザイン・工事を計画してください。内装と外観に関する希望条件(予算やコンセプト、素材、配色など)を整理したうえで、業者と相談を開始します。
なお焼肉屋の内装デザインをおしゃれにするポイントなどをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
設備・機器・什器の手配
続いて内装と外観の工事を進めながら、開業する焼肉屋に必要な設備・機器・什器を手配しましょう。特に厨房設備が一般的な飲食店とは異なり、客席ごとにロースターとダクトなどが必要です。
飲食店に必要な厨房設備の種類や選び方などを紹介していますので、次の記事も併せてご覧ください。
資格の取得
そして実店舗に関する準備だけではなく、焼肉屋の開業に必要な資格を取得しましょう。食品衛生管理者の資格は食品営業に必須で、防火管理者の資格は従業員と顧客を含めて30人以上収容可能な飲食店に必要です。
上記の資格以外にも飲食店に必要な資格についてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
届出・許可の申請
資格の取得と併せて、焼肉屋の開業には届出・許可の申請も必要です。主な届出・許可をご確認ください。
- 個人事業の開業届または法人の設立届
- 防火管理者選任届・防火対象設備使用開始届・火を使用する設備等の設置届
- 飲食店営業許可
- 深夜における酒類提供飲食店営業開始届出
以上の届出・許可についてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
メニューの開発
焼肉屋の開業に必要な届出・許可の申請に加えて、メニューの開発も進めましょう。メニューは集客に影響して、原価率は利益率を左右します。集客と売上につながるメニューの開発が必要です。
原価率を踏まえた飲食店のメニュー開発についてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
仕入先の選定
さらに開業する焼肉屋のメニュー開発と並行して、仕入先の選定もしてください。利益率を上げるためには原価率を抑えなくてはなりませんが、品質を落としてはいけません。価格と品質のバランスを考慮して、仕入先を選びましょう。
店舗経営の仕入先を選ぶポイントについてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
人材の採用と研修
それから焼肉屋開業の数ヶ月前から、人材の採用と研修を開始します。採用方法には、ハローワークや求人サイト、転職エージェントなどがあります。焼肉屋の営業マニュアルを作成したうえで、従業員の研修を開始しましょう。
なお店舗経営における人材採用のコツや研修の注意点などについてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
集客活動の計画
なお人材の採用・研修と同じく、焼肉屋の開業前から集客活動の計画を立てましょう。新規顧客を獲得するためには、知名度を上げなくてはなりません。リピート率を上げるための施策も必要です。
店舗へ集客する方法をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
焼肉屋の開業に失敗する原因と対策
流れどおりに開業準備を進めても、開業後の集客と売上が保証されるわけではありません。そこで焼肉屋の開業に失敗する原因(品質・サービス・資金管理・集客方法)を確認して、事前に対策を立てましょう。
メニューの品質の悪さ
まずメニューの品質の悪さが、焼肉屋の開業に失敗する原因として挙げられます。食材のコストを削減しすぎて品質が落ちてしまったり、ターゲットとしている顧客層の求めるメニューを提供しなかったりすると、顧客の満足度を高められずに、焼肉屋の評判を落とす恐れがあるからです。
そこで対策として、ターゲットの求める品質の良いメニューを提供できるように、店舗マーケティングを進めましょう。店舗マーケティングのメリット・デメリットや方法について詳しくまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
独自性のないサービス
次に独自性のないサービスも、焼肉屋の開業に失敗する原因です。メインサービスは焼肉の提供ですが、競合店との差別化を図るサービスを提供できなければ、集客率を高められません。
そこで対策として、独自性のあるサービスを開発するために、飲食店コンサルティングへ相談する方法があります。飲食店コンサルティングのメリット・デメリットなどについてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
資金管理の不備
そして資金管理の不備も、焼肉屋の開業に失敗する原因です。原価率が高すぎて利益率を下げたり、人件費や宣伝広告費などの割合が増えすぎたりすると、運転資金が不足してしまいます。運転資金が不足するほど、焼肉屋の営業を継続できなくなる恐れが増えます。
そこで資金管理の対策として、焼肉屋経営の平均売上を把握して、売上目標を設定しましょう。飲食店の平均売上と管理方法について詳しくまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
不適切な集客方法
なお焼肉屋の開業に失敗する原因には、不適切な集客方法もあります。ターゲットとしている顧客層に合わない集客方法を選んでも、効果的に情報を届けられません。集客率が下がるほど、無駄な経費が増加してしまいます。
そこで集客の対策として、市場調査や目的と目標の設定、ターゲットに合わせた集客方法、PDCAサイクルなどを実践しましょう。Web集客のポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
焼肉屋の開業資金
焼肉屋の開業準備を進めるためには、開業資金が必要です。資金計画を立てられるように、焼肉屋の開業資金の相場と内訳をご紹介します。経費の無駄を削減できるように、開業資金の節約法も確認しましょう。
相場
まず焼肉屋の開業資金の相場は、坪単価50万〜100万円程度です。20坪のスケルトン物件なら、1,000万〜2,000万円程度かかります。ただし焼肉屋の立地や規模、物件の取得方法(賃借か所有)や種類(スケルトンか居抜き)、厨房設備の種類や数、従業員数などに応じて、開業資金は変動します。
内訳
焼肉屋の開業資金の内訳について、下表にまとめました。参考情報として、スケルトン物件(20坪で賃料月30万円)にかかる開業資金を試算してあります。
開業資金の内訳 | 各費用の目安 | 費用の試算 |
物件取得費 (敷金や礼金、仲介手数料、 前賃料など) | 合計の10%程度 (賃料の6~12か月分程度) | 100万〜200万円程度 (20坪で賃料月30万円の スケルトン物件) |
内装・外観工事費用 (天井・壁・床・建具・ 7外壁・屋根など) | 合計の30%程度 | 300万〜600万円程度 |
設備・機器・什器工事費用 (照明・空調・換気・ 厨房など) | 合計の30%程度 | 300万〜600万円程度 |
諸経費 (集客・資格取得・届出・ 許可・採用・研修など) | 合計の10%程度 | 100万〜200万円程度 |
運転資金 | 合計の10%程度 (賃料の6~12か月分程度) | 100万〜200万円程度 |
合計 | 100% 坪単価50万~100万円程度 | 1,000万〜2,000万円程度 |
上表のとおり、焼肉屋の開業資金においては、店舗の工事費用(内装・外観・設備・機器・什器など)の割合が半分以上を占めます。開業資金を抑えるためには、工事の内容や範囲を厳選しましょう。
節約法
そして焼肉屋の開業資金の節約法には、相見積もりや居抜き物件、補助金・助成金などがあります。相見積もりを取ると、各業者の提案する工事の内容や費用、期間などを比較して、適切な見積もりを選択できます。
また居抜き物件を活用して、前借主や所有者の施工した内装・外観・設備・機器・什器などを譲渡してもらえると、スケルトン物件よりも工事費用を節約できます。ただし居抜き物件にはメリット・デメリットがありますので、次の記事も併せてご覧ください。
なお補助金や助成金を受給できれば、基本的に返済義務のない資金を獲得できます。ただし申請条件や支給時期などに注意しましょう。飲食店が申請できる補助金や助成金をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
焼肉屋の開業準備を開始しよう!
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監修者
-
IDEAL編集部
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