2024.07.04  2024.05.28|内装工事

飲食店の改装に活用できる補助金・助成金とは?保健所・耐用年数・トイレ・費用など

飲食店の改装に活用できる補助金・助成金とは?保健所・耐用年数・トイレ・費用など

本記事で、飲食店の改装に活用できる補助金・助成金を解説します。保健所の審査や耐用年数・トイレの改装・工事費用などもご紹介します。店舗の開業や移転、リニューアルなどをご検討中の方は、ぜひご覧ください。

飲食店の改装に関する基本情報

飲食店の改装に関する基本情報

飲食店の改装を計画する前に、基本情報を確認しましょう。基本情報を確認することで、改装工事を進めやすいからです。それでは飲食店を改装する目的やメリット・デメリット、リニューアル・リフォーム・リノベーションとの違い、耐用年数と減価償却についてご紹介します。

目的

まず飲食店を改装する目的は、外観・内装の刷新や職場環境の改善などです。飲食店の営業期間が延びるほど、外観(屋根や外壁、出入口、フェンスなど)と内装(天井や壁、床、建具など)は劣化していきます。

特に従業員の職場環境を改善するためには、バックヤード(従業員の厨房や休憩、在庫の収納などのスペース)の改装が必要です。バックヤードの役割をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

メリット・デメリット

次に飲食店を改装するメリットは、集客・売上や業務効率・モチベーションの向上などです。外観・内装の刷新で顧客満足度が高まれば集客・売上の向上につながり、バックヤードの改装で職場環境が改善されれば、業務効率やモチベーションの向上につながります。

しかし工事費用や営業に対する制限などは、飲食店を改装するデメリットです。外観や内装、バックヤードの改装を依頼するためには、工事費用がかかります。改装工事の内容や期間によっては、営業の時間や場所に制限がかかります。

リニューアル・リフォーム(改修)・リノベーション(改築)との違い

それから飲食店の改装とリニューアル・リフォーム(改修)・リノベーション(改築)との違いは、目的や範囲などです。

  • 改装     :外観や内装の刷新(リニューアルやリフォ―と重なり合う)
  • リニューアル :外観や内装、設備・機器・什器などの全面的な改修・修繕
  • リフォーム  :外観や内装、設備・機器・什器などの部分的な改修・修繕
  • リノベーション:フロアの用途やレイアウトの変更

ただし絶対的な違いはなく、互いの目的や範囲は重なり合っています。飲食店の改装を検討する際には、言葉の意味にこだわりすぎずに、刷新や改修をしたい箇所を明確にしましょう。

耐用年数と減価償却

そして飲食店の改装工事の耐用年数と減価償却も確認しましょう。耐用年数は所得税法や法人税法に定められた減価償却の配分期間で、減価償却は長期間使用する建物・設備・備品などの経費を一定期間内に分配する税務処理です。

したがって法令を遵守して、改装工事の減価償却を計算しましょう。飲食店の改装工事にも活用できる減価償却の計算方法をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

飲食店を改装する際の注意点

飲食店を改装する際の注意点

基本情報だけではなく、飲食店を改装する際の注意点も確認しましょう。8点(工事のタイミングとコンセプトの設計、業者の選び方、予算の確保、法令の遵守、保健所の審査、従業員に対する休業補償、動線の設計)を取り上げます。

工事のタイミング

まず工事のタイミングが、飲食店を改装する際の注意点として挙げられます。飲食店の営業状況(時間帯や休業日など)によりますが、一般的には繁忙期を避けて、閑散期に工事を計画しましょう。改装工事の内容や範囲によっては、飲食店の休業が必要です。

ただし外観や内装、設備・機器・什器の破損により、顧客や従業員の安全が確保されない場合には、早急に工事を開始しなくてはなりません。飲食店にも活用できるリフォームのタイミングをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

コンセプトの設計

次にコンセプトの設計も、飲食店を改装する際の注意点です。コンセプトは競合店との差別化や事業計画書の作成に必要で、飲食店経営の基本方針になります。飲食店のコンセプトを実現させるためには、店舗デザインが重要です。

そこで飲食店を改装する際にも、明確なコンセプトに基づいて進めましょう。飲食店にも活用できるコンセプトを設計する流れと方法をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

業者の選び方

また業者の選び方も、飲食店を改装する際の注意点です。飲食店の改装工事を依頼する業者の選び方として、相見積もりで複数の業者を比較しましょう。業者ごとに、得意分野や施工実績、工事費用などが異なるからです。

そして飲食店の改装工事を依頼できる業者には、設計事務所や工務店、内装専門業者などがあります。失敗しない内装工事業者の選び方をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

予算の確保

それから予算の確保も、飲食店を改装する際の注意点です。開業前の初期投資と同様に、開業後の追加投資の際にも、計画的に予算を確保しましょう。飲食店の営業利益を蓄えるためには、正確な売上管理が重要です。

ただし自己資金だけで不足する場合には、資金の調達方法(出資や借入、融資、補助金・助成金)を検討しましょう。飲食店の改装にも活用できる資金の調達方法をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

法令の遵守

続いて法令の遵守も、飲食店を改装する際の注意点です。飲食店を含む店舗の内装は、消防法(火災予防や消火活動のため)や建築基準法(火災初期の避難経路確保のため)によって制限されています。

したがって法令を遵守したうえで、飲食店の改装工事を計画しましょう。内装制限の違反に対しては、罰則が定められています。消防法と建築基準法の内装制限と緩和策についてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

保健所の審査

さらに保健所の審査も、飲食店を改装する際の注意点です。飲食店の開業や移転と同様に、改装工事の内容に応じて保健所による審査が求められます。改装工事を計画する段階で、管轄する保健所に相談しましょう。

なお食品衛生責任者の資格や食品営業許可の申請については、不定期で見直しされていますので、必ず最新情報を確認しなければなりません。食品衛生責任者や食品営業許可についてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

従業員に対する休業補償

そして従業員に対する休業補償も、飲食店を改装する際の注意点です。改装工事で飲食店を休業する場合には、従業員に対する休業補償(労働基準法の定める休業手当の支払い)をしなければなりません。

ただし休日に対して、休業手当の支払いは不要です。数日で完了できる改装工事なら、休業手当を支払わなくて済みます。飲食店の長期休業期間(年末年始や夏季など)に改装工事を計画しましょう。

参照元: e-Gov法令検索「労働基準法」第二十六条

動線の設計

なお動線の設計も、飲食店を改装する際の注意点です。動線の設計は顧客の満足度や従業員の業務効率などを左右するため、集客と売上に影響します。飲食店の改装により動線を乱さないように、注意しましょう。

反対に改装工事の際に、顧客や従業員の動線を再設計することもできます。飲食店の改装にも活用できる動線を設計する際の注意点をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

飲食店の改装事例

注意点に気をつけて飲食店の改装を進められるように、参考となる事例を調査しましょう。事例5点を取り上げて、各事例の特徴(座席と内装材、オリジナル什器、魚市場のような雰囲気、R型カウンター)をご紹介します。

座席の種類が変更された寿司屋

座席の種類が変更された寿司屋

まず「すし将」は、寿司や刺身だけではなく、割烹料理も提供する寿司屋です。ダイニングフロアの改装工事によって、座敷席からテーブル席へと座席の種類が変更されました。カウンター席には、変更が加えられていません。

改装された箇所が元の内装デザインと調和するように、配色や素材が検討されています。座敷席に使用されていた木材が、出入口の壁面に施工されており、SDGsが意識された飲食店です。

内装材が張り替えられたもんじゃ焼き屋

内装材が張り替えられたもんじゃ焼き屋

次に「土蛍」は最寄駅から徒歩数分に立地するもんじゃ焼き屋です。改装工事によって、内装材が張り替えられました。外観デザインと同じく、木目の内装材が施工されたデザインです。

今回の改装工事では、顧客の快適性を高めるために、座席数の増設とソファ席の張り替えも計画されました。一人客からカップル・家族連れの顧客、団体の貸切パーティーまで対応できる飲食店です。

オリジナル什器が造作された焼肉屋

オリジナル什器が造作された焼肉屋

それから「牛牛 西麻布総本店」は、高級黒毛和牛(松坂牛やかつべ牛など)を提供する焼肉屋です。改装工事の際に、壁面の張り替えや建具の造作と併せて、オリジナル什器が造作されました。

今回の改装工事は、周囲を気にせずに食事を楽しんでもらえるように、計画されました。ダイニングフロアには、落ち着いたテイストのソファ席や明るい雰囲気の個室などがレイアウトされています。少人数の顧客から宴会までに対応できる飲食店です。

魚市場のような雰囲気の居酒屋

魚市場のような雰囲気の居酒屋

続いて「さかな市場 漁漁 多摩センター店」は、魚市場のような雰囲気の居酒屋です。改装工事後のダイニングフロアには、カウンター席や完全個室、掘りごたつ席などがレイアウトされています。漁船ライトをイメージさせる照明器具で明るい雰囲気の飲食店です。

ベージュやブラウンが配色された内装空間には、スケルトン天井やライトブラウンの什器が配置されています。水揚げされた鮮魚の刺身盛り合わせを始め、サラダや揚げ物、ご飯物などのメニューが提供されています。

R型カウンターがレイアウトされた日本酒バー

R型カウンターがレイアウトされた日本酒バー

そして「ミズノトリ」は、和食とのペアリングを提供する日本酒バーです。顧客に食事をしながら会話や調理風景を楽しんでもらえるように、ダイニングフロアの改装工事でR型カウンターが施工されました。

また厨房を取り囲むR型カウンターからは、従業員が接客したり店内の様子を確認したりできます。暖色系の照明により明るい雰囲気で、料理との相性を研究しながら、温度管理された日本酒を提供する飲食店です。

飲食店の改装工事費用

飲食店の改装工事費用

事例のような飲食店の改装を進めるためには、工事費用が必要です。そこで飲食店改装工事費用の相場と内訳をご紹介します。改装工事に活用できる補助金・助成金も確認しましょう。

相場

まず飲食店改装工事費用の相場は、坪単価10万~50万円程度です。例えば20坪の飲食店、200万~1,000万円程度がかかります。ただし飲食店の立地や業態、改装工事の範囲や内容(外観や内装、什器の造作など)によって、改装工事費用は変動します。

内訳

次に飲食店改装工事費用の内訳について、下表にまとめました。参考情報として、20坪の飲食店にかかる改装工事費用を試算してあります。

費用の内訳費用の目安費用の試算
諸経費
(デザイン・施工監理など)
全体の20%程度40万~200万円程度
(20坪の飲食店)
外観工事費
(屋根や外壁、フェンス
、出入口など)
全体の10%程度20万~100万円程度
内装工事費

(天井や壁、床、
建具など)
全体の40%程度80万~400万円程度
設備・機器・什器工事費
(電気やガス、水道、照明、
空調、換気、厨房、カウンター、
収納棚など)
全体の30%程度60万~300万円程度
合計100%
(坪単価10万~50万円程度)
200万~1,000万円程度

上表のとおり、飲食店の改装工事費用においては、内装工事費が大半を占めます。つまり天井や壁、床、建具などの素材やデザインにこだわるほど、改装工事費用が増額するわけです。

補助金・助成金

そして飲食店の改装工事に補助金・助成金の申請を検討しましょう。以下のような補助金・助成金の申請が通れば、基本的に返済義務のない資金を獲得できます。

  • 小規模事業者持続化補助金
  • 業務改善補助金
  • 受動喫煙防止対策助成金
  • 事業再構築補助金

ただし補助金・助成金ごとに、申請の条件や期限、用途などが定められています。上記の補助金・助成金についてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

飲食店の改装工事を計画しよう!

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監修者

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