2023.09.18  2023.09.27|店舗デザイン

ビジネスホテルの内装をデザインする流れ!基本情報・施工事例・工事費用

ビジネスホテルの内装をデザインする流れ!基本情報・施工事例・工事費用

本記事で、ビジネスホテルの内装をデザインする流れを解説します。ビジネスホテル内装の基本情報や施工事例、工事費用もご紹介します。店舗の開業や移転、リニューアルなどをご検討中の方は、ぜひご覧ください。

ビジネスホテルの内装デザインに関する基本情報

ビジネスホテルの内装デザインに関する基本情報

ビジネスホテルの内装をデザインする前に、基本情報を確認しましょう。ビジネスホテル内装に対する顧客のニーズや一般的なホテルや旅館との違い、顧客満足度と集客効果についてご紹介します。

重要な理由

まずビジネスホテルの内装デザインが重要な理由は、集客と売上を向上させるためです。顧客満足度を高めて集客と売上を伸ばすには、ターゲットとする顧客層のニーズに応え、魅力的な内装をデザインしなくてはなりません。

ビジネスホテルの魅力を発信して、ターゲットとする顧客層の興味や関心を引きくためには、内装デザインに明確なコンセプトが必要です。ビジネスホテルを利用する顧客のニーズについて、後ほどご紹介します。

そして顧客満足度が高まり、口コミサイトやSNSなどで「清潔で快適に過ごせる」と良い評判が広まると、集客効果を期待できます。ビジネスホテルの内装をデザインする流れとポイントについても、後ほどご紹介します

顧客のニーズ

次にビジネスホテルの内装デザインに対する顧客のニーズとして、清潔さや快適さなどが挙げられます。仕事の出張や会議などの際に宿泊する社会人にとっては、仕事の疲れやストレスから開放されやすい清潔で快適な内装空間が必要です。

また高級ホテルや旅館と比べると、ビジネスホテルの料金プランは一般的に安く設定されています。共有の大きな露天風呂やプール、宴会場などよりも、各部屋に個人用のシャワールームや食事スペースなどが必要です。

ただしビジネスホテルはビジネスシーンだけではなく、プライベートのイベント(宿泊費用を抑えた家族旅行やカップルのお泊り会、女子会など)にも利用されます。したがって通信環境や部屋の広さ、食事付プランなども必要です。

参照元:U-Site「ビジネスホテルに関する調査(1) 意外に多いプライベート利用」

リゾートホテルや高級旅館との違い

そしてビジネスホテルの内装デザインと「リゾートホテルや高級旅館との違い」として、テイストやフロアのレイアウトなどが挙げられます。

ビジネスシーンでの利用を前提としているビジネスホテルの内装デザインには、落ち着いた雰囲気のテイスト(ナチュラルやモダンなど)と個人利用を想定したレイアウトが必要です。基本的には、宿泊室の中に必要な設備・機器・什器が施工されます。

一方で観光や余暇、親睦などを目的として利用されるリゾートホテルや高級旅館の内装デザインには、明るく派手なテイスト(ラグジュアリーやリゾートなど)や集団利用を想定したレイアウトが必要です。宿泊室の外に、レストランやバー、露天風呂、ジム、エステなども施工されます。

ビジネスホテルの内装をデザインする流れとポイント

ビジネスホテルの内装をデザインする流れとポイント

基本情報を踏まえたうえで、ビジネスホテルの内装をデザインする流れとポイントも押さえましょう。ポイント8点(コンセプトや立地・物件、業者、レイアウト、機能性・デザイン性、設備・機器・什器、図面、見積もり)を取り上げます。

明確なコンセプトを設計する

まず明確なコンセプトを設計する作業から、ビジネスホテルの内装をデザインする流れが開始されます。明確なコンセプトを設計することで、競合ホテルとの差別化を図り、独自性のある内装デザインが可能です。

例えば若年層の社会人男性をターゲットとするビジネスホテルと中年層の社会人女性をターゲットとするビジネスホテルでは、求められる内装デザインや設備・機器・什器が異なります。コンセプトを設計する方法をまとめてありますので、次の記事も併せててご覧ください。

立地や物件を選ぶ

次に設計したコンセプトに基づいて、ビジネスホテルの立地や物件を選びましょう。基本的には、移動時間のかからない立地や交通の便の良い立地が適しています。ターゲットとする顧客層の行動範囲を想定することが必要です。

そして物件を選ぶ際には、市場調査を踏まえてエリアを絞り、不動産会社や内装工事業者に相談しましょう。物件の探し方やコツをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

信頼できる業者を選ぶ

またビジネスホテルの立地や物件だけではなく、信頼できる業者を選びましょう。内装のデザインと工事には、専門的な知識や技術が求められます。相談の段階で、希望条件に沿った内装をデザイン・工事できる業者を見極めなくてはなりません。

そこで各業者の施工事例や口コミを調査したり、見積もりや接客対応を比較したりしてください。失敗しない内装工事業者の選び方をまとめてありますので、次の記事も参考にしてみてください。

フロアをレイアウトする

そして業者との契約を済ませたら、フロアをレイアウトします。フロアのレイアウトは、売上や顧客満足度はもちろん、空調性能にも影響を与えます。内装デザインのレイアウトが重要な理由をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

また顧客満足度を高めるためには、顧客が滞在しやすく、従業員が作業しやすい動線を設計しましょう。プライバシーの配慮や死角の排除、避難経路の確保も重要です。動線を設計する際の注意点をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

デザイン性と機能性を考慮する

それからビジネスホテルの内装をデザインする際には、デザイン性と機能性を考慮してください。ターゲットとする顧客層のニーズに応えられるように、内装のテイストや配色だけではなく、設備・機器・什器の種類やサイズ、台数なども考慮しましょう。

なおコンセプトの近い競合ホテルの施工事例を調査すると、内装のデザイン性と機能性を考慮しやすいです。後ほどビジネスホテルの内装施工事例をご紹介します。

設備・機器・什器を手配する

続いてデザインしてきた内装に必要な設備・機器・什器を手配してください。ビジネスホテルには、電気・ガス・水道設備や空調・換気・照明機器、ソファ・ベッド・テーブルなどの什器が必要です。

ただし新品の設備・機器・什器を購入するだけではなく、レンタルやリースの契約も可能です。ビジネスホテル開業前の初期費用を抑えることができます。什器の入手方法や選ぶポイントなどをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

図面を作成してもらう

以上のポイントについて業者と相談したうえで、ビジネスホテル内装の図面を作成してもらいましょう。作成された図面について、業者と疑問点や改善点などを相談してください。

内装デザインに必要な図面として、平面図や断面図、立面図、展開図、天井伏図、家具図・建具図などが挙げられます。各図面の目的をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

見積もりを取って工事を依頼する

最後にビジネスホテルの内装図面を完成させたら、見積もりを取って工事を依頼しましょう。見積書には、内装工事の内容や期間、費用などが記載されています。図面と同様に、疑問点や改善点がある場合には、契約前に業者と相談してください。

内装工事によって、ビジネスホテルの物件内に、軽鉄やボード、壁紙、塗装、左官、床仕上げ、建具、家具などが施工されます。内装工事の種類についてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

ビジネスホテルの内装施工事例

ビジネスホテルに理想的な内装をデザインするために、参考となる施工事例を調査しましょう。本記事では、施工事例5点を取り上げて、ビジネスホテルの内装をデザインするコツが活かされている部分をご紹介します。

明確なコンセプトの内装

明確なコンセプトの内装

「スーパーホテル大垣駅前」様は、岐阜県大垣市で営業しているビジネスホテルです。LOHAS(lifestyles of Health and Sustainability)という明確なコンセプトに基づいて、内装がデザインされています。

例えば自然素材の木材や珪藻土などが内装に施工されており、天然温泉も提供されています。内装デザイン以外にも、食材にこだわった食事やオーガニック素材のアメニティ、寝心地の良いリネン等が提供されています。

参照元:スーパーホテル「スーパーホテル大垣駅前店」

温もりのある内装

温もりのある内装

「アールズフォレストイン」様は、神奈川県川崎市で営業しているビジネスホテルです。「都会の森」をコンセプトに、木材や暖色系の照明が施工されています。温もりのある内装デザインです。

また横浜駅や品川駅、羽田空港まで電車で15分以内の好立地で、男女別の炭酸カルシウム温泉の大浴場がレイアウトされています。ビジネス利用の社会人をターゲットにしたビジネスホテルです。

参照元:アールズフォレストイン「客室のご案内」

快適性が追求された内装

快適性が追求された内装

「品川プリンスホテルNタワー」様は、東京都港区高輪で営業しているビジネスホテルです。ターゲットとする顧客のニーズに応えるために、快適性が追求された内装がデザインされています。

例えばフローリングのセミダブルやデスクとソファを備えたツインなどの客室がレイアウトされています。また最上階のビジネスラウンジでは、ミーティングルームや個室、ドリンクバーなどの利用が可能です。

参照元:品川プリンスホテルNタワー「GUEST ROOM 客室」

バリアフリー対応の客室

バリアフリー対応の客室

「ホテルAZグループ熊本嘉島店」様は、熊本県上益城郡で営業しているビジネスホテルです。通常の客室(シングルやツイン)だけではなく、幅広い顧客層に対応できるように、バリアフリー対応の客室(デラックス)もデザインされています。

デラックスルームには利用人数に応じて、簡易ベッドも配備できます。また全客室にWi-Fiが完備されており、無料で朝食バイキングや駐車場、動画配信サービス、フリースペースなどを利用できます。

参照元:ホテルAZグループ「熊本嘉島店」

スタイリッシュな内装

スタイリッシュな内装

「新宿グランベルホテル」様は、東京都新宿区歌舞伎町で営業しているビジネスホテルです。国内外のクリエイターらにより、スタイリッシュな内装がデザインされています。

例えば天井と壁が一体になった曲面壁の客室やロフトのある開放的な客室、大理石とミラーの優雅な客室などがあります。宿泊客の安眠を促せるように、全室にはシモンズ製のベッドが設置されています。

参照元:新宿グランベルホテル「客室」

ビジネスホテル内装工事費用

ビジネスホテル内装工事費用

ビジネスホテルの内装工事を依頼するためには、必要な予算を確保しなくてはなりません。そこで内装工事費用の相場と内訳をご紹介します。経費の無駄も省けるように、節約法も取り上げます。

相場

まずビジネスホテル内装工事費用の相場は、坪単価50万〜100万円程度です。20坪分の内装を改装するなら、1000万~2000万円程度かかります。ただし物件の立地や施工する内装材(天井材や壁材、床材、防音材、防水材、建具など)の種類、設備・機器・什器のグレードなどによって、工事費用は変動します。

内訳

次にビジネスホテル内装工事費用の内訳について、下表にまとめました。参考情報として、20坪分の内装にかかる工事費用を試算してあります。

工事費用の内訳費用の割合費用の試算
20坪の内装
デザインと施工監理費用全体の20%程度200万〜400万円程度
内装
(天井・壁・床・建具・
造作家具など)
費用全体の40%程度400万〜800万円程度
設備・機器・什器
(電気・水道・ガス・
空調・換気・照明など)
費用全体の40%程度400万〜800万程度
合計100%坪単価
50万〜100万程度
1000万〜2000万円程度

上表のとおり、ビジネスホテルの内装工事費用において、内装・設備・機器・什器にかかる費用が大半を占めます。ただし部分的な壁の塗装や床材の張替え、空調設備の交換などであれば、数十万円程度です。

節約法

そしてビジネスホテル内装工事費用の節約法をご紹介します。

  • 相見積もりを取る
  • 補助金や助成金を申請する
  • 居抜き物件を活用する

相見積もりを取ることで、各業者の提案した工事の内容と費用を比較できます。ビジネスホテルの内装に必要な工事だけを厳選して、なるべく安く工事を引き受けてくれる業者を選びましょう。

補助金や助成金を申請することで、返済義務のない資金を確保できます。例えば「インバウンド受入環境整備高度化事業」では、観光拠点施設におけるWi-Fiスポットやワーケーション環境の整備、トイレの高機能化などを支援しています。

参照元:国土交通省観光庁「インバウンド受入環境整備高度化事業」

居抜き物件を活用することで、内装材や設備・機器・什器などの新規工事費用を節約できます。ただし居抜き物件にはメリット・デメリットがありますので、次の記事も併せてご覧ください。

ビジネスホテルに理想的な内装をデザインしよう!

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監修者

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