2023.10.30 2023.10.12|新規開業ノウハウ
結婚相談所の開業準備に関する注意点!年収や失敗する原因と対策・開業資金も紹介
本記事で、結婚相談所の開業準備に関する注意点を解説します。経営者の年収や失敗する原因と対策・開業資金もご紹介します。店舗の開業や移転、リニューアルなどをご検討中の方は、ぜひご覧ください。
目次
結婚相談所の開業に関する基本情報
結婚相談所の開業準備を始める前に、基本情報を確認しましょう。それでは開業準備を適切に進められるように、結婚相談所の市場規模やニーズ、業態の種類、経営者の年収をご紹介します。
市場規模
まず結婚相談所の市場規模は、500億円以上だと推計されています。婚活サービスに結婚式や新婚旅行を加えると、2兆円以上です。お見合い相手との出会いや交際を手助けするだけではなく、婚約相手との結婚式や新婚旅行などに対するサポートも行われています。
また婚活実態調査の結果によると、2022年に婚姻した人の3割以上が婚活サービスを利用していました。また婚活サービスを利用して婚姻した人の4割近くが結婚相談所を利用していました。
そしてオンライン恋活・婚活サービスの市場規模が拡大しており、2024年には800億円を越えると予測されています。
参照元:サイバーエージェント「マッチングアプリ「タップル」、国内オンライン恋活・婚活マッチングサービスの市場調査を実施」
ニーズ
次に結婚相談所に対するニーズとして、マッチングの精度やオンライン婚活サービスなどが挙げられます。結婚相談所のスタッフに対するアンケート結果によると、マッチングアプリの普及に伴い、希望条件に合う婚姻相手との出会いを求める利用者が増えています。
参照元:タメニー株式会社「【婚活のプロ100人に聞いた】20代が結婚相談所に望むものは、安心感と安全性」
またコロナ禍を経て、結婚に対する願望や婚活への意欲は減っておらず、オンライン婚活サービスを利用する割合が増えています。結婚相談所においても、利用者の希望や社会情勢などに応じて、オンラインでの相談やお見合いなどが必要です。
参照元:
業態の種類
そして結婚相談所の業態の種類には、仲人型やマッチングサービス型、インターネットサービス型などがあります。各業態の特徴をまとめましたので、下表をご覧ください。
結婚相談所の業態 | 各業態の特徴 |
仲人型 | ・利用者ごとに担当カウンセラーが付く ・お見合いの相手探しやお見合い後の交際などをサポートする |
マッチングサービス型 | ・利用者の希望条件に合う相手を紹介する ・利用者同士が電話やメールでやり取りして交際へつなげる |
インターネットサービス型 | ・利用者が自分で希望条件に合う相手を探す ・利用者同士がサイトやアプリでメッセージを送信できる |
参照元:日本ライフデザインカウンセラー協会「結婚相談所とは」
経営者の年収
なお結婚相談所の経営者の年収は、1店舗につき400万円前後だと推計されます。例えば会員30名の結婚相談所なら、年収360万円(月30万円×12か月)程度です。
- 収入40万円(会員1名の会費やお見合い費、成婚費など2万円×20名)
- 支出10万円(事務所の賃料やシステム利用料、人件費など)
参照元:全国結婚相談事業者連盟「結婚相談所を独立開業した人の年収は?副業や自宅開業パターン別まとめ」
したがって1店舗当たりの会員数を増やしたり、複数の結婚相談所を経営したりできれば、経営者の年収を増やせます。ただし複数の店舗を経営する場合には、各店舗に従業員を配置するために、人件費が必要です。
結婚相談所の開業準備に関する注意点
基本情報を押さえたうえで、結婚相談所の開業準備に関する注意点も確認しましょう。本記事では、9点(コンセプトと事業計画書、開業資金、届出・許可、連盟加入、資格、外観・内装、集客、採用・研修)を取り上げます。
コンセプトの設計
まずコンセプトの設計が、結婚相談所の開業準備に関する注意点として挙げられます。コンセプトは店舗経営の基本方針となり、競合との差別化を図るために重要です。また事業計画書に活用できます。
そこで結婚相談所の業態(仲人型・マッチングサービス型・インターネットサービス型)を含めて、コンセプトを設計しましょう。店舗のコンセプトを設計する方法や事例などをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
事業計画書の作成
次に事業計画書の作成も、結婚相談所の開業準備に関する注意点です。事業計画書を作成することで、開業資金の調達や経営戦略の説明、経営の評価改善などに活用できます。経営者の経歴やコンセプト、事業目的などの情報を入れましょう。
また事業計画書には、初期投資額(開業資金)や運転資金、売上と利益の目標などのデータも必要です。結婚相談所の開業にも活用できる事業計画書の書き方やポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
開業資金の調達
また開業資金の調達も、結婚相談所の開業準備に関する注意点です。自己資金だけで不足する場合には、開業資金の調達方法(出資や借入、融資、補助金・助成金など)を検討しましょう。
ただし各調達方法には申請条件やメリット・デメリットなどがありますので、事前確認が必要です。開業資金を調達する方法やポイントなどをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
物件の選定とデザインと工事
それから物件の選定とデザインと工事も、結婚相談所の開業準備に関する注意点です。結婚相談所のサービス内容に基づいて、物件の立地や規模を検討しましょう。店舗物件の探し方についてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
そして物件を選定してからも、結婚相談所のデザインと工事には、数か月から半年前後の期間が必要です。店舗内装のデザイン・工事の流れなどをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
届出・許可の申請
さらに届出・許可の申請も、結婚相談所の開業準備に関する注意点です。婚活サービスを提供するために、特別な届出・許可は求められません。
ただし個人事業主や法人として事業を開始するためには、以下に挙げる税務関係の届出・許可が必要です。
- 個人事業の開業・廃業等届出書または法人設立届書
- 所得税または法人税の青色申告承認申請書(希望する場合)
- 適格請求書発行事業者の登録申請書(希望する場合)
- 給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書(当てはまる場合) など
参照元:国税庁「個人で事業を始めたとき/法人を設立したとき」
役立つ資格
加えて役立つ資格も、結婚相談所の開業準備に関する注意点です。婚活サービスを提供するために、特別な資格は求められません。競合店との差別化を図り、顧客満足度を高めるためには、独自のサービスが必要です。
そこで結婚相談所の業態やサービスを踏まえて、以下に挙げる資格の取得を検討しましょう。
- 仲人士
- 心理カウンセラー
- ファイナンシャル・プランナー
参照元:
日本能力開発推進協会「JADP認定メンタル心理カウンセラー®」
連盟への加入
そして連盟への加入も、結婚相談所の開業準備に関する注意点です。結婚相談所の連盟に加盟することで、会員情報を共有できるため、お見合いの開催数や成婚率を高められます。ただし加盟料を支払わなければなりません。
会員数の多い連盟として、日本結婚相談所連盟(IBJ)や日本ブライダル連盟(BIU)、日本結婚相談協会(JBA)などが挙げられます。加盟する前には、各連盟の理念や規約などを確認しましょう。
参照元:
日本結婚相談所連盟(IBJ)「IBJなら結婚相談所が見つかる」
日本ブライダル連盟(BIU)「結婚相談所の開業なら日本ブライダル連盟」
日本結婚相談協会(JBA)「結婚相談所のご紹介・新規・開業なら日本結婚相談協会(JBA)」
集客の開始
続いて集客の開始も、結婚相談所の開業準備に関する注意点です。店舗へ集客する方法には、オンライン集客(WebサイトやSNSなど)とオフライン集客(雑誌広告や交通広告など)があります。
ターゲットとする顧客層の生活行動や属性などを踏まえて、オンライン集客とオフライン集客を組み合わせましょう。店舗の集客に成功した事例などをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
採用と研修の計画
なお結婚相談所の開業準備に関する注意点として、採用と研修の計画も挙げられます。目標とする売上や会員数に応じて、従業員の採用が必要です。採用したい人物像を明確にしたうえで、適した求人方法を選びましょう。
そして開業の数か月~数週間前には、従業員の研修を開始しなければなりません。研修の目的を周知したうえで、効果測定を行いながら、計画的に進めてください。店舗経営における人材採用・研修の参考事例をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
結婚相談所の開業に失敗する原因と対策
開業準備に関する注意点だけではなく、結婚相談所の開業に失敗する原因も把握して、開業前から対策を講じておきましょう。コンセプトと資金管理、集客、経営に関する原因を取り上げて、対策方法もご紹介します。
曖昧なコンセプト
まず曖昧なコンセプトが、結婚相談所の開業に失敗する原因として挙げられます。結婚相談所の顧客層には、老若男女が含まれます。若年男性と高齢女性とでは、求められる婚活サービスの内容や方法が異なります。
コンセプトによる失敗の対策として、開業予定エリア内にて市場調査を実施して、競合店のサービスや顧客層の属性などを分析しましょう。市場調査を踏まえたコンセプト設計やブランディング施策などについてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
不適切な資金管理
次に不適切な資金管理も、結婚相談所の開業に失敗する原因です。開業資金が不足すると、満足できる店舗デザインや集客活動を展開できません。また開業前に運転資金を蓄えておかないと、開業後の赤字を補填できなくなります。
資金管理による失敗の対策として、結婚相談所の経営に必要な平均売上を正確に計算して、売上目標の達成率を分析しましょう。結婚相談所にも活用できる売上目標の計算や管理の方法をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
不適切な集客方法
また不適切な集客方法も、結婚相談所の開業に失敗する原因です。集客活動を展開しても、ターゲットする顧客層に情報が届かなければ、結婚相談所の会員数を獲得できません。また既存会員の退会を防ぐためには、継続的なアプローチが必要です。
集客による失敗の対策として、市場調査を踏まえて、集客の目的と目標を定めましょう。そしてターゲットに合う集客方法を選び、PDCAサイクルを回すことで、目標を達成しやすくなります。
経営スキルの不足
そして結婚相談所の開業に失敗する原因として、経営スキルの不足も挙げられます。コンセプト設計や資金管理、集客以外にも、店舗経営には幅広く専門的なスキル(税務や労務、人材教育など)が求められます。
経営スキル不足による失敗の対策として、経営者自らが資格やスキルを獲得することはもちろん、専門家からのアドバイスや有資格者の採用を検討しましょう。経営者自らが経営に必要な全ての資格やスキルを取得できるわけではないからです。
結婚相談所の開業資金
開業に失敗する原因を対策しながら開業準備を進めるためには、資金が必要です。そこで結婚相談所の開業資金の相場と内訳を確認しておきましょう。無駄な経費を削減できるように、開業資金の節約法もご紹介します。
相場
まず結婚相談所の開業資金の相場は、坪単価30万~60万円程度です。10坪の物件なら、300万~600万円程度かかります。ただし物件の立地や規模、取得方法(所有か賃貸か)、種類(居抜きかスケルトンか)、設備・機器・什器の台数、従業員数などによって、開業資金は変動します。
内訳
次に結婚相談所の開業資金の内訳について、下表にまとめました。参考情報として、10坪のスケルトン物件にかかる費用を試算してあります。
費用の内訳 | 費用の目安 | 費用の試算 |
物件取得 | 合計の20%程度 賃料の6~12か月分程度 | 60万~120万円程度 スケルトン物件 10坪で賃料10万円 |
店舗のデザイン・工事 (内装・設備・機器・ 什器工事) | 合計の50%程度 坪単価15万~30万円程度 | 150万~300万円程度 |
諸経費 (届出・許可・集客・ 採用・研修など) | 合計の10%程度 | 30万~60万円程度 |
運転資金 | 合計の20%程度 賃料の6か月分程度 | 60万~120万円程度 |
合計 | 100% 坪単価30万~60万円程度 | 300万~600万円程度 |
上表のとおり、結婚相談所の開業資金において、店舗のデザイン・工事費用が大半を占めます。店舗の内装や設備・機器・什器にこだわるほど、開業資金がかかりますので、ご注意ください。
節約法
そして結婚相談所の開業資金の節約法として、相見積もりと居抜き物件、補助金・助成金などが挙げられます。相見積もりを取ることで、各業者の提案する見積もり内容(店舗のデザインや工事など)を比較できます。
また居抜き物件を選んで、前借主が施工した内装や設備・機器・什器を譲渡してもらえると、新規購入よりも費用を節約できます。ただし居抜き物件にはメリット・デメリットがありますので、次の記事も併せてご覧ください。
そして補助金・助成金には、基本的に返済義務がありません。ただし申請から受給までに時間がかかります。店舗の開業・経営に活用できる補助金・助成金の種類をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
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監修者
-
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