2024.06.03  2024.04.26|新規開業ノウハウ

ピザ屋の開業資金はいくら?資格などの注意点と事例も紹介

ピザ屋の開業資金はいくら?資格などの注意点と事例も紹介

本記事で、ピザ屋の開業資金を解説します。またピザ屋の開業に必要な資格などの注意点や事例もご紹介します。店舗の開業や移転、リニューアルなどをご検討中の方は、ぜひご覧ください。

ピザ屋開業の基本情報

ピザ屋開業の基本情報

ピザ屋の開業準備を始める前に、基本情報を確認しましょう。基本情報を把握することで、開業準備を進めやすくなるからです。それではピザ屋の市場規模や業態、トレンド、世界ランキングをご紹介します。

市場規模

まずピザ屋(ピザの宅配店や専門店、通販業者など)の市場規模は、以下の資料によると2022年に約1,700億円でした。コロナ禍の影響が減少して、外食市場の回復とデリバリー需要の増加により、ピザ屋の市場規模は拡大しています。

なおピザメーカーの売上を足したピザ市場規模は、2022年に3,280億円程度でした。2000年代に2,000億円程度であったピザ市場規模は、冷凍ピザやトッピング済みチルドピザなどの人気から増加。コロナ禍に落ち込みましたが、2021年に3,000億円を突破しました。

参照元:

食品産業新聞社「2022年度ピザ市場は3278.9億円、前年比3.6%増で過去最高を更新、メーカー出荷額は推計2.7%増、外食は2ケタ増に回復/ピザ協議会」

ピザ協議会「ピザ協議会・ピザマーケット推計値 2008-2021」

ピザ協議会「日本のピザマーケット 初の3000億円突破!!~2021年度調査結果を発表しました」

業態

次にピザ屋の業態は、大きく3種類(飲食店型・デリバリー・テイクアウト専門店型・仮設店舗型)に分けられます。

  • 飲食店型:集客しやすいが、運転資金が高い。
  • デリバリー・テイクアウト専門店型:運転資金が安いが、集客が難しい
  • 仮設店舗型:イベント会場などに出店できるが、集客が難しい

以上の違いを把握したうえで、開業するピザ屋の業態を選びましょう。各業態の特徴や開業する流れなどをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

トレンド

それからピザ屋のトレンドとして、ベジタリアン・ビーガンピザやテイクアウト・デリバリーに対する需要、韓国ピザブランドの出店などが挙げられます。動物性食品を接種しない消費者や個性的な味を求める消費者に対して、独自性のあるメニュー開発が必要です。

参照元:Business Reserch「ピザ市場レポートの概要」

コロナ禍の影響による飲食店離れは依然として見られますが、テイクアウトやデリバリーの需要は増加傾向です。また韓国で流行しているピザブランドが日本国内に出店しており、消費者のニーズに合わせたトレンドが変化しています。

参照元:

日本食糧新聞「数字で読み解くフードサービストレンド:コロナ禍でピザはバカ売れ?」

Let’s enjoy TOKYO「日本初上陸!韓国で大流行のピザブランド「オールデイ ピザ サービス」が不動前にオープン」

世界ランキング

そしてピザ屋の世界ランキングが、ピッツェリア専門ガイド(50 Top Pizza)によって発表されています。「50 TOP PIZZA WORLD 2023」においては、「 The Pizza Bar On 38th」(東京)が4位を受賞しました。

また「50 Top Pizza Asia Pacific 2022」においては、東京のピザ屋12店舗がランクイン。日本独自の食材(山菜やチョコレートなど)やスタイル(おまかせやコース)などが、世界各国からの注目を集めています。

参照元:

PRTIMES「50 TOP PIZZA WORLD 2023今年の世界ベストピッツェリアが決定!」

Forbes JAPAN「イタリア人も太鼓判 日本のピザの名店12選出と最新トレンド」

ピザ屋開業の注意点

ピザ屋開業の注意点

基本情報だけではなく、ピザ屋の開業準備に関する注意点も確認しましょう。8点(コンセプトと開業資金、店舗物件、資格・免許・届出・許可、仕入先とメニュー、厨房設備・機器・什器採用・研修、集客活動)を取り上げます。

コンセプト設計と事業計画書作成

まずピザ屋を開業する際の注意点として、コンセプト設計と事業計画書作成が挙げられます。コンセプトは店舗経営の基本方針であり、競合店との差別化や開業資金の調達に必要です。

そして事業計画書には、設計したコンセプトや経営者の経歴、セールスポイントなどを記載しましょう。ピザ屋開業にも活用できる事業計画書を書くときのポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

開業資金の調達

次に開業資金の調達も、ピザ屋を開業する際の注意点です。開業前には、初期投資(店舗物件取得費や設備・機器・什器購入費など)が必要となります。自己資金だけで不足する場合は、開業資金の調達方法(出資や借入、融資、補助金・助成金など)を検討しましょう。

ただし開業資金の調達方法ごとに、申請の時期や条件、方法などが異なります。ピザ屋にも活用できる開業資金ゼロの飲食店が融資を受ける方法をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

店舗物件の選定とデザイン・工事

また店舗物件の選定とデザイン・工事も、ピザ屋の開業準備に関する注意点です。店舗物件はコンセプトを実現させる手段であり、集客と売上に影響します。店舗物件の探し方をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

店舗のデザイン・工事は、顧客の満足度や従業員の業務効率などを左右します。コンセプトに基づいて、ピザ屋の外観と内装をデザインしましょう。ピザ屋開業にも活用できる内装デザインを失敗しないコツをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

資格・免許の取得と届出・許可の申請

それから資格・免許の取得と届出・許可の申請も、ピザ屋の開業準備を進める際の注意点です。

  • 調理に関する資格やスキル
  • 個人事業主の開業届または法人の設立届
  • 税務書類の提出
  • 防火管理者選任届
  • 防火対象設備使用開始届と火を使用する設備等の設置届
  • 飲食店営業許可の申請
  • 社会保険(健康保険・厚生年金)の加入
  • 労働保険(雇用保険・労災保険)の加入

以上の資格・免許・届出・許可についてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

仕入先の選定とメニューの開発

続いて仕入先の選定とメニューの開発も、ピザ屋の開業準備に関する注意点です。仕入先(製造販売元のメーカーや卸売業者、オンラインショップ、業務用スーパーなど)は、商品やサービスの価格や品質を保つために重要です。

ピザ屋のメインサービスはピザの提供ですので、独自性のあるメニューを開発しましょう。ただしメニュー全体の原価率は、売上に対する利益率に影響します。ピザ屋開業にも活用できる原価率を計算する際の注意点をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

ピザ窯などの厨房設備・機器・什器の手配

さらにピザ窯などの厨房設備・機器・什器の手配も、ピザ屋を開業する際の注意点です。

  • シンク
  • ガスコンロ・ガステーブル
  • 作業台
  • 冷凍冷蔵庫
  • 製氷機
  • 食器棚
  • 業種特有の設備・機器・什器(ピザ窯など)

初期投資の予算額に応じて、新品だけではなく中古品やリース品も検討しましょう。ピザ屋開業にも活用できる厨房設備・機器・什器の選び方をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

人材の採用・研修

さらに人材の採用・研修も、ピザ屋の開業準備に関する注意点です。人材採用の基本的な流れをご確認ください。

  • 求人広告を掲載する
  • 応募者の書類を選考する
  • 採用試験を実施する
  • 合否を通知する
  • 雇用契約を締結する

そして開業予定日に間に合うように、調理や接客などに関する研修を計画しましょう。ピザ屋開業にも活用できる人材採用のコツや研修の注意点などをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

集客活動

なお集客活動も、ピザ屋の開業準備に関する注意点です。開業当初から集客を伸ばすためには、開業前から集客活動を開始しましょう。開業後の経営を安定させるためには、新規顧客はもちろん、リピーターの獲得が必要です。

そこでピザ屋の集客を伸ばすために、オンライン集客(SNSやポータルサイトなど)とオフライン集客(看板広告やポスティングなど)を組み合わせましょう。ピザ屋開業にも活用できる集客アイデアをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

ピザ屋の開業事例

注意点に気をつけてピザ屋を開業できるように、参考となる開業事例を調査しましょう。本記事では事例5点を取り上げて、各事例の特徴(協会からの認定と元料理人の僧侶、冷凍ピザ販売、無人販売、SNS集客)をご紹介します。

真のナポリピッツァ協会から認定されたピザ屋

真のナポリピッツァ協会から認定されたピザ屋

まず「ピッツェリアオオサキ」は、真のナポリピッツァ協会から認定されたピザ屋です。埼玉県内に3店舗を展開しており、店内飲食またはテイクアウトにてナポリピッツァを提供しています。

コロナ禍に悪影響を受けながらも、顧客のニーズに合わせてテイクアウトやモバイルオーダーに対応してきました。ママ会のランチや近隣住民のディナーなど、幅広い顧客層に利用されているピザ屋です。

参照元:

ピッツェリアオオサキ「戸田市、さいたま市、川口市のイタリアン」

OKYO FRONT LINE「本場ナポリが認めるピッツェリアがポストコロナ時代に合わせ、テイクアウトを拡充する新業態の 『ピッツェリア オオサキ』を武蔵浦和にオープン」

元料理人の僧侶が開業したピザ屋

元料理人の僧侶が開業したピザ屋

次に「Pizza e Bar TEMPIO」は、元料理人の僧侶が開業したピザ屋です。初期費用を削減するために、寺院内のガレージを店舗スペースとして活用。本格ピッツァや窯焼き料理、こだわりのカフェなどを提供しています。

顧客の興味や関心を引き付けるために、「寺×イタリアン」という独自コンセプトが設計されました。集客にSNSが活用されて、競合店との差別化を図るために情報発信に力を注ぐピザ屋です。

参照元:

Pizza e Bar TEMPIO「Home」

日本政策金融公庫「ピッツァエバールテンピオ | 全国創業事例集」

コロナ後に冷凍ピザ販売を始めたピザ屋

コロナ後に冷凍ピザ販売を始めたピザ屋

また「Creo Plus」は、コロナ後に冷凍ピザ販売を始めたピザ屋です。クリスマス限定で星型のピザを提供していましたが、「来店できない方にも食べてほしい」という思いから冷蔵ピザ販売を開始しました。

アレルギーにも対応できるようにピザ生地のみの販売も行っており、珍しい「カラフルな星型のピザ」も開発しました。顧客が購入したピザ生地のアレンジをSNSに投稿することで、さらなる宣伝効果を得ているピザ屋です。

参照元:

伊丹イタリアンの冷凍ピザ通販「Creo Plus」

PR TIMES「アレンジは無限大。Creo Plusが届ける『星のピザ』誕生のストーリー」

冷凍ピザを無人販売するピザ屋

それから「ボナピッツァ」は、冷凍ピザを無人販売するピザ屋です。24時間営業しており、本格ピッツァ2種類をセットで販売しています。早朝や真夜中にピザを購入したい消費者もターゲットです。

ピザ一枚のサイズは、一人前程度の大きさです。料理の苦手な顧客でも、トースターやフライパンで手軽に本格ピッツァを調理できます。SNSで営業時間や口コミを拡散させて、集客活動を展開しているピザ屋です。

参照元:八王子ジャーニー「『ボナピッツァ』堀之内駅すぐ!冷凍ピザの無人販売店がオープンしていた!」

SNSで集客するピザ屋

そして「Meat&Cheese ARK 2nd新宿店」は、SNSで集客するピザ屋です。主にインスタグラムを活用して、集客活動を展開しています。女子会や記念日などにぴったりのメニューやコースを提供しています。

特にチーズたっぷりのシカゴピザは、幅広い世代に支持されているメニューです。ファンの獲得を目指して、インスタ映えするシカゴピザの写真だけでなく、店内の写真や顧客のニーズに合わせた情報を発信しています。

参照元:Meat&Cheese ARK 2nd新宿店「SPECIALS」

ピザ屋の開業資金

ピザ屋の開業資金

事例のようなピザ屋を開業するためには、資金が必要です。そこでピザ屋開業資金の相場と内訳を確認しましょう。無駄な経費を削減できるように、開業資金の節約法もご紹介します。

相場

まずピザ屋開業資金の相場は、坪単価50万〜70万円程度です。例えば20坪で賃料月20万円のスケルトン物件を賃借するなら、1,000万〜1,400万円程度の開業資金がかかります。ただし店舗の立地や物件の規模、種類(居抜きかスケルトン)、設備・機器・什器の台数などによって、開業資金は変動します。

内訳

次にピザ屋開業資金の内訳について、下表にまとめました。参考情報として、20坪で賃料月20万円のスケルトン物件を賃借する際にかかる開業資金を試算してあります。

開業資金の内訳各費用の目安各費用の試算
物件取得
(敷金や礼金、前賃料など)
10%程度
(賃料の5~7か月分程度)
100万~140万円程度
(賃料20万円で20坪の
スケルトン物件)
店舗デザイン・工事
(内装や外観、設備・
機器・什器など)
70%程度
(坪単価30万~50万円程度)
600万~1,000万円程度
諸経費
(開業前の資格や届出・許可、
採用・研修、集客など)
10%程度100万~140万円程度
運転資金
(開業後の光熱水費や
賃料、人件費など)
10%程度
(賃料の5~7か月分程度)
100万~140万円程度
合計100%坪単価
(50万~70万円程度)
1,000万~1,400万円程度

上表のとおり、ピザ屋の開業資金においては、店舗デザイン・工事費が大半を占めます。つまり内装や外観、設備・機器・什器にこだわるほど、開業資金が増加するわけです。

節約法

そしてピザ屋開業資金の節約法には、相見積もりや居抜き物件、補助金・助成金などがあります。相見積もりを取って、各業者の見積もり(工事の費用や期間など)を比較すれば、無駄な経費の削減が可能です。

居抜き物件を契約して、内装や外観、設備・機器・什器などを譲渡してもらえる分だけ、新規工事費用を削減できます。ただし居抜き物件にはデメリットもありますので、次の記事も併せてご覧ください。

補助金・助成金の申請が通れば基本的に返済義務のない資金を獲得できますが、補助金・助成金ごとに申請の条件や方法など異なります。飲食店が申請できる補助金や助成金をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

ピザ屋の開業準備を開始しよう!

IDEALは、店舗全般のコンセプト設計から資金調達、物件探し、内外装のデザイン・工事、集客までのワンストップソリューションをご提供しております。

下のキーワードをクリックして、店舗デザインや開業準備などの関連記事もぜひご覧ください。また店舗の開業や移転、リニューアルなどをご検討の際は、ぜひご相談ください。

キーワード :

店舗工事のご相談・お問い合わせはこちら

監修者

IDEAL編集部

日本全国の美容室・カフェ・スポーツジム等の実績多数!
店舗づくりをプロデュースする「IDEAL(イデアル)」が運営。
新規開業、店舗運営のお悩みや知りたい情報をわかりやすくお届けいたします。

> IDEALの編集者ポリシー

店舗工事のご相談・お問い合わせはこちら

店舗作り、集客の
無料見積もり・相談をする