2018.12.12  2024.09.19|店舗デザイン

ラーメン屋の回転率を高める方法!回転率の悪い店舗の特徴や注意点・事例も紹介

ラーメン屋の回転率を高める方法!回転率の悪い店舗の特徴や注意点・事例も紹介

本記事で、ラーメン屋の回転率を高める方法を解説します。また回転率の悪い店舗の特徴や注意点・事例もご紹介します。店舗の開業や移転、リニューアルなどをご検討中の方は、ぜひご覧ください。

ラーメン屋の回転率に関する基本情報

ラーメン屋の回転率に関する基本情報

そもそもラーメン屋の回転率とは、どういった数値でしょうか?そこでラーメン屋の回転率に関する基本情報(計算する目的や平均的な滞在時間、計算方法、悪い原因)を確認しましょう。

回転率とは?計算方法

まずラーメン屋の回転率とは、ダイニングフロアの客席が使用された頻度を表す数値です。基本的に回転率が上がるほど、ラーメン屋の集客と売上が伸びます。ラーメン屋の回転率の計算方法は、「集客数÷座席数」です。

例えば30席のラーメン屋に240人が来店したら回転率は8で、300人が来店したら回転率は10です。

  • 240人÷30席=8回転
  • 300人÷30席=10回転

計算する目的

次にラーメン屋の回転率を計算する目的は、集客・売上の目標設定と評価・改善です。回転率が上がるほど、多くの顧客にメニューを提供できます。例えば30席のラーメン屋において回転率が8から10に上がれば、60人多く集客できます。

  • 30席×8回転(240人):30席×10回転(300人)

ただし回転率を上げすぎると、接客や調理などのサービスの質を下げてしまうリスクがあります。従業員が回転率を意識しすぎるあまりに、丁寧な接客や衛生的な調理を疎かにしやすくなるからです。

平均的な滞在時間

それからラーメン屋の平均的な滞在時間は、顧客1人につき15~30分程度です。ラーメン屋やハンバーガー屋などのファストフード店においては客単価が安いため、一般的に調理や接客の時間を短くし、セルフサービスが採用されています。

ファストフード店に対して、フルサービスのレストランやアルコールを提供する店舗(居酒屋・バーなど)においては客単価が高いため、一般的に滞在時間は顧客1人につき1時間前後です。

悪い原因

そしてラーメン屋の回転率が悪い原因は、従業員の業務効率の低さや顧客の滞在時間の長さなどです。従業員が接客や調理などの業務に時間をかけるほど、顧客が来店してから会計を済ませるまでの時間が長くなり、回転率を下げてしまいます。

また顧客の滞在時間が長くなるほど、回転率が下がります。メニューを決めたり、食事をしたり、会計を済ませたりする時間の短縮が必要です。ラーメン屋の回転率を高める方法については、次にご紹介します。

ラーメン屋の回転率を高める方法

ラーメン屋の回転率を高める方法

基本情報を踏まえて、ラーメン屋の回転率を高める方法を確認しましょう。6点(動線設計とレイアウト、ダイニングフロアの席数、メニューの種類、仕込みや調理の工夫、セルフサービスの導入、DXの推進)をご紹介します。

動線設計とレイアウト

まず動線設計とレイアウトが、ラーメン屋の回転率を高める方法として挙げられます。ラーメン屋の動線設計は、従業員の業務効率や顧客の滞在時間に影響するからです。従業員が働きやすく、顧客がスムーズに入退店できる動線を設計しましょう。

設計した動線に基づいて、ラーメン屋のダイニングフロアや厨房のレイアウトも検討しなくてはなりません。ラーメン屋にも活用できるレイアウトするポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

ダイニングフロアの席数

次にダイニングフロアの席数も、ラーメン屋の回転率を高める方法です。席数を増やすほど一度に収容できる顧客数も増えますが、接客や調理を担当する従業員も増やさなくてはなりません。

そこで厨房とダイニングフロアの面積比率や1坪当たりの席数、従業員1人当たりの席数、売上目標などを考慮したうえで、席数を決定しましょう。ラーメン屋にも活用できる席数の目安と計算方法をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

メニューの種類

それからメニューの種類も、ラーメン屋の回転率を高める方法です。顧客の平均滞在時間が15~30分程度のラーメン屋においては、受注から数分で食事を提供しなくてはなりません。調理時間を考慮したうえで、メニューの種類を決定しましょう。

ただしラーメン屋の集客と売上を伸ばすためには、調理時間だけではなく、メニュー全体の原価率も重要です。ラーメン屋にも活用できる原価率を計算する際の注意点をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

仕込みや調理の工夫

続いて仕込みや調理の工夫もラーメン屋の回転率を高める方法です。開店前にトッピングの仕込みを済ませたり、レシピ通りに調理したりして、メニューを提供する時間を短縮しましょう。

特に多店舗展開しているラーメン屋においては、セントラルキッチンの導入で各店舗の仕込みや調理の時間を均一化できます。セントラルキッチンのメリット・デメリットをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

セルフサービスの導入

さらにセルフサービスの導入も、ラーメン屋の回転率を高める方法です。注文から食事の提供、片付け、会計までの流れにセルフサービスを導入すれば、顧客の滞在時間削減につながります。

例えば食券を導入すれば、注文と会計を同時に済ませられます。ウォーターサーバーや受け取りカウンターを設置すれば、食事の提供を顧客に対応してもらえます。さらにDXの推進で回転率が高まりますので、次にご紹介します。

DXの推進(セルフオーダーシステムやキャッシュレス決済システム)

そしてDXの推進もラーメン屋の回転率を高める方法です。DX(デジタル技術による店舗経営の仕組みや商品・サービスなどの変革)を推進して、業務効率化や生産性向上を図りましょう。

例えばセルフオーダーシステムやキャッシュレス決済システムなどを導入すれば、注文と会計などの業務を効率化できます。ラーメン屋にも活用できるDXの方法と費用をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

ラーメン屋の回転率に関する注意点

ラーメン屋の回転率に関する注意点

ラーメン屋の回転率を高める方法を実行する際には、注意点に気をつけましょう。6点(丁寧な接客や清潔な片付け、カウンター・イスの素材や高さ、照明・配色、客単価、時間帯による変化、テイクアウト・デリバリーの対応)をご紹介します。

丁寧な接客や清潔な片付け

まず丁寧な接客や清潔な片付けが、ラーメン屋の回転率に関する注意点として挙げられます。回転率にばかり意識が傾いて、接客が雑になってしまうと、顧客の満足度を下げてしまうからです。

接客と同様に、片付けが不衛生になって食中毒を発生させてしまうと、ラーメン屋に対する信頼を失ってしまうリスクがあります。丁寧な接客や清潔な片付けを徹底したうえで、回転率を高める方法を導入しましょう。

カウンター・イスの素材や高さ

次にカウンターやイスの高さも、ラーメン屋の回転率に関する注意点です。フルサービスのレストランとは異なり、ラーメン屋にはゆったりと座れるソファは合いません。食事を終えた顧客に退店を促せるカウンター・イスの素材や高さを検討しましょう。

具体的には、硬い素材や高さのあるカウンター・イスがラーメン屋の客席には適しています。ラーメン屋にも活用できるカウンター席の高さや幅、奥行きについてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

照明・配色

それから照明・配色も、ラーメン屋の回転率に関する注意点です。顧客の滞在時間が長いバーや居酒屋とは異なり、ラーメン屋には薄明りの照明は合いません。客席や通路を視認しやすいように、明るい色合いの照明を選びましょう。

照明と同じく、明るい暖色系や清潔感を与える白などの配色が、ラーメン屋の内装空間には合います。ラーメン屋にも活用できる配色の効果をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

客単価

さらに客単価も、ラーメン屋の回転率に関する注意点です。同じ回転率のラーメン屋なら、客単価が高いほど売上が増えます。売上の目標設定や評価・改善においては、回転率だけではなく客単価も考慮しましょう。

  • 売上=客単価×席数×回転率

一般的には顧客の滞在時間が短くなるほど、客単価も減ってしまいます。しかしセットメニューや時間限定メニューなどを販売して客単価を上げれば、顧客の平均滞在時間が伸びてもラーメン屋の売上アップが可能です。

時間帯による変化

続いて時間帯による変化も、ラーメン屋の回転率に関する注意点です。ラーメン屋の立地やメニューなどによって、集客数が増える時間帯は異なります。自店舗のゴールデンタイムを把握したうえで、時間帯ごとの回転率の目標を設定しましょう。

例えばオフィス外のラーメン屋ではランチタイムの回転率が上がりやすいですが、駅前のラーメン屋では夕方からも学校帰りや仕事帰りの顧客を期待できます。時間帯ごとの回転率と1日ごとの回転率を区別しなければなりません。

テイクアウト・デリバリーの対応

そしてテイクアウト・デリバリーの対応も、ラーメン屋の回転率に関する注意点です。テイクアウト・デリバリーに対応すれば、客席の空き状況に関係なく受注でき、満席状態でも販売を続けられます

ただしテイクアウト・デリバリーに対応するためには、店内飲食とは異なる動線設計や受渡カウンターなどが必要です。テイクアウト・デリバリー専門店のデザインについてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

回転率を高めたラーメン屋の事例

注意点に気をつけてラーメン屋の回転率を高められるように、参考となる事例を調査しましょう。事例5点を取り上げて、各事例の特徴(動線設計と調理のスピード、セントラルキッチン、テイクアウト・デリバリー対応、DX推進)をご紹介します。

動線設計が改善されたラーメン屋

動線設計が改善されたラーメン屋

まず「喜多方ラーメン坂内 四谷店」は、動線設計が改善されたラーメン屋です。注文と会計をレジから券売機に変更し、カウンターのみが配置されています。来店から退店までの動線設計が改善されることで、回転率を高めた事例です。

温かい雰囲気を演出できるように、内装空間には木材が施工されています。キャッシュレス決済システムを導入し、福島の名物メニュー(ソースかつ丼など)を提供しているラーメン屋です。

参照元:

PR TIMES「都市型の新システム導入店としてリニューアル 内装一新で温もりは維持しつつ効率化図る動線 会津のソウルフード『会津のソースカツ丼』を店舗限定で 3月7日オープン」

喜多方ラーメン坂内「四谷店」

調理のスピードが速いラーメン屋

調理のスピードが速いラーメン屋

次に「麺家ひばり」は、調理のスピードが速いラーメン屋です。麺の茹で方やトッピングの方法などの手順が決まっており、注文から2分程度でラーメンを提供しています。調理の時短により、回転率を高めた事例です。

麺家ひばりの強みは、和食の知識・技術を駆使して地元の食材を使用したスープです。コンビ二チェーンとのコラボ商品も発売しています。

参照元:

麺家ひばり「お客様から提供が早いとよく言われるので時間を測ってみました🙌」

ローソン「<中四国地区>『麪家 ひばり』 監修の即席ラーメン発売」

セントラルキッチンの導入されたラーメン屋

セントラルキッチンの導入されたラーメン屋

それから「丸源ラーメン」は、セントラルキッチンの導入されたラーメン屋です。大量の食材を仕入れて麺やスープなどを仕込むことで、コストダウンと品質の均一化を図りながら、回転率を高める事例です。

以下の記事によると、丸源ラーメンの1時間当たりの回転率は2.5と推計されています。回転率を高められるように、ピークタイムには接客と調理の担当者を増員しているラーメン屋です。

参照元:

月間SPA!「ラーメン業界“閉店ラッシュ”の中で店舗を増やし続ける『丸源ラーメン』。圧倒的な成長を可能にした強みとは」

丸源ラーメン「丸源のイイところ」

テイクアウト・デリバリーに対応したラーメン屋

テイクアウト・デリバリーに対応したラーメン屋

さらに「ラーメンスタンド」は、テイクアウト・デリバリーに対応したラーメン屋です。専用サイトからテイクアウトの予約を受け付け、フードデリバリーアプリに対応しています。満席時にも回転率(販売率)を高められる事例です。

ラーメンスタンドには複数のラーメン屋が入居しており、1年ごとに入れ替わります。季節のキャンペーンメニューや期間限定メニューなどを販売しているラーメン屋です。

参照元:

株式会社TomorrowSkyConsultant「ラーメンスタンド」

City Life News「-吹田市-【ディオス北千里】に色んな人気店のラーメンが集まる『ラーメンスタンド』がオープン なんとテイクアウトにも対応◎『こんなでかいサンドイッチは反則だ』がゲットできちゃいました~」

DXの推進されたラーメン屋

DXの推進されたラーメン屋

そして「丸高屋バイパス店」は、DXの推進されたラーメン屋です。ボックス席がレイアウトされたダイニングフロアには、回転寿司屋のように料理を届けるレーンが施工されています。接客担当者の負担を軽減しながら、回転率を高める事例です。

料理を届けるレーンだけではなく、従来よりも人件費を半分に減らせるように、タッチパネルや食器を運ぶロボットも導入されています。将来的な人材不足を解消できるように、DXを推進しているラーメン屋です。

参照元:

下野新聞「レーンに載せてラーメン提供 丸高屋が独自システムで矢板に新店 店員の人手不足見越す」

株式会社丸髙屋グループ「丸髙屋店舗紹介」

ラーメン屋の回転率を高めよう!

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監修者

IDEAL編集部

日本全国の美容室・カフェ・スポーツジム等の実績多数!
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