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2020.09.15 2023.04.14|店舗デザイン
整骨院の内装をデザインするポイント!内装の特徴や事例・工事費用
本記事で、整骨院の内装をデザインするポイントを解説します。整骨院内装の特徴や施工事例、工事費用もご紹介します。店舗の開業や移転、リニューアルなどをご検討中の方は、ぜひご覧ください。
整骨院における内装デザインの特徴
整骨院は「骨折や脱臼、捻挫、打撲、挫傷などの施術」を提供する施術所であり、病院とは異なります。整骨院を開業する流れについて詳しく解説していますので、下記の記事も併せてご覧ください。
本記事では、整骨院における内装デザインの特徴をご紹介します。
構造設備基準を満たさなくてはならない
整骨院における内装デザインの特徴として、まず構造整備基準を満たさなくてはならない点が挙げられます。以下の基準が、柔道整復師法施行規則に定められています。
- 6.6平方メートル以上の専用施術室がある
- 3.3平方メートル以上の待合室もある
- 施術室の面積7分の1以上を外気に開放できる(ただし適当な換気装置に代替できる)
- 施術に用いる器具や手指等の消毒設備がある
さらに開業エリアの保健所が構造整備基準の詳細を定めているため、内装をデザインする前に事前に確認しましょう。
参考:全国柔整鍼灸協同組合「【接骨院開業】内装工事に着工する前に知っておきたい保健所の構造設備基準とは? 」
空調や水道の設備・機器が必要である
また空調や水道の設備・機器が必要である点も、整骨院における内装デザインの特徴です。
患者の通所や柔道整復師の業務のために、下記のような設備・機器が該当します。
- エアコン
- トイレ
- 手洗い場
上記の設備・機器が設置されていない場合は、業者に依頼して工事が必要になります。店舗のトイレ内装をデザインするポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
癒しと清潔感が求められる
さらに癒しと清潔感が求められる点も、整骨院における内装デザインの特徴です。体の不調を治したい患者が通所する整骨院には、病院やサロンのように癒しと清潔感のある空間が求められます。
また利用を検討中の患者は、整骨院の外装や内装のデザインから第一印象を判断します。体に不調を抱える患者に対して、緊張感を与えないリラックスできる空間を提供することが大切です。
整骨院の内装をデザインするポイント
内装デザインの特徴を踏まえて、整骨院の内装をデザインするポイントをご紹介します。患者がリラックスしながら施術を受けやすいように、癒しと清潔感のある内装をデザインしましょう。
明確なコンセプトに基づく
整骨院の内装をデザインするポイントとして、まず明確なコンセプトに基づきましょう。内装デザインで競合する整骨院と差別化を図れると、集患しやすくなるからです。
整骨院のコンセプトとして、以下のような例が挙げられます。
- 若い女性が利用しやすい整骨院
- 男性会社員が帰宅前に利用しやすい整骨院
- 住宅街の高齢層が昼間に通える整骨院
上の例のようにコンセプトを明確にすると、整骨院の内装を具体的にデザインしやすくなります。店舗のコンセプトを設計する方法を紹介していますので、次の記事も併せてご覧ください。
事業の方針や将来性を見据える
次に事業の方針や将来性を見据える点も、整骨院の内装をデザインするポイントです。将来的に別の資格を取得して新しい施術を提供したり、従業員を雇用したりすると、必要な内装デザインや従うべき設備基準などが変わります。
構造整備基準を満たさないと改修工事が必要になり、費用が高くつく恐れがあります。事業の方針や将来性を見据えて、開業前に物件選びや内装デザインを慎重に検討しましょう。整骨院にも活用できる事業計画書の書き方をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
物件の電力容量を確認する
また物件の電力容量を確認する点も、整骨院の内装をデザインするポイントです。導入する設備や機器によって、必要な電力量は異なります。物件の電力容量によっては、電気工事が必要になる点にご注意ください。
そこで電気工事費用を抑えるためには、必要な電力量を計算したうえで、賃貸借契約前に物件の電力容量を確認してください。不安な場合には、不動産屋や内装デザイン・工事業者に相談しましょう。
従業員と患者の動線を設計する
また従業員と患者の動線を設計する点も、整骨院の内装をデザインするポイントです。施術器具に必要な電源コンセントの数が少なかったり、備品の保管場所が施術台から遠い位置に配置されたりしていると、従業員の作業効率や患者の満足度に悪影響を与えてしまいます。
そこで従業員の作業や患者のプライバシーなどを考慮して、内装のレイアウトや設備の配置を検討しましょう。店舗の動線を設計する際の注意点をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
半個室をレイアウトして開放感を出す
そして半個室をレイアウトして開放感を出す点も、整骨院の内装をデザインするポイントです。完全個室に大型の什器や施術台などが配置されていると、患者に圧迫感を与えてリラックスしづらくなる恐れがあります。
そこで半個室をレイアウトする際には、以下のデザインポイントを意識しましょう。
- 内壁ではなくカーテンやパーテーションで施術台を区切る
- なるべく背の低い設備や什器を選ぶ
上記の方法により開放感を出せると、患者がリラックスして施術を受けやすくなります。他にも半個室のデザインポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
配色の心理効果を意識する
さらに整骨院の内装をデザインするポイントとして、配色の心理効果を意識する点も忘れてはなりません。色の心理効果に基づいて配色することで、整骨院の内装に癒しと清潔感を出しやすくなります。
整骨院の内装に対しては、以下の色が適しています。
- 清潔感のある白やベージュ
- 落ち着いたグレーやブルー
- ナチュラルな緑
- 暖かいオレンジやピンク
他にも店舗をおしゃれに配色するポイントを紹介していますので、次の記事も併せてご覧ください。
部屋ごとに照明を調整する
加えて部屋ごとに照明を調整する点も、整骨院の内装をデザインするポイントになります。刺激の少ない明るさや温かい色合いの照明を選ぶことで、患者が癒しを感じやすい空間を演出できるからです。
それでは整骨院の各部屋に合う照明をいくつか挙げてみます。
- 受付には、明るいベースライトやシーリングライトなど
- 待合室には、明るすぎないウォールライトやダウンライトなど
- 施術室には、温かみのある間接照明やペンダントライトなど
他にも店舗のおしゃれな照明デザインについてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
リラックスできる空間を演出する
それからリラックスできる空間を演出する点も、整骨院の内装をデザインするポイントです。窮屈で緊張感を与える整骨院では、体に不調を抱える患者が不安や痛みなどを敏感に感じてしまう恐れがあります。
リラックスできる空間を演出するためには、総合的にレイアウトや配色、照明のバランスを図りましょう。患者が受付から待合室、施術室、会計カウンターへと移動する動線に沿って、徐々にリラックスムードを高めるとよいです。
ユニバーサルデザインを取り入れる
なおユニバーサルデザインを取り入れる点も、整骨院の内装をデザインするポイントです。ユニバーサルデザインを取り入れることで、高齢者や車いすの患者らが来院しやすくなります。
ユニバーサルデザインの具体例として、段差のないエントランスや床、自動ドアなどが挙げられます。整骨院のターゲットや施術メニューを想定して、必要なデザインを選びましょう。
整骨院の内装施工事例
整骨院に理想的な内装をデザインできるように、内装施工事例を調査しましょう。本記事では、IDEALの施工した事例を取り上げて、内装をデザインするポイントが活かされている部分をご紹介します。
清潔感のある内装
「QOL針灸整骨院」様は、「健康寿命を伸ばして寝たきりを予防する施術」を提供する針灸整骨院です。患者が施術中にリラックスしやすいように、清潔感のある内装を目指して、グレーや白が配色されています。
針灸整骨院のコンセプトは、「Quality of Life(生活の質を高められる場所)」。独自性をだせるように、ロゴに使用されているピンクが、ポイントカラーとして施術台や壁に配色されています。
子連れでも安心して通える内装
「はり灸治療院クオーレ」様は、疲れ目・眼精疲労専門の鍼灸院です。子連れでも安心して通えるように、キッズルームがレイアウト。壁面にホワイトボードが設置され、待機している子どもが自由にお絵描きができる空間が提供されています。
施術中に患者がリラックスしやすいように、個室もレイアウト。温もりを感じてもらえる鍼灸院を目指して、ロゴのメインカラーであるグリーンが床に配色され、什器には木材が取り入れられています。
開放感のある内装
「B-spo スポーツ鍼灸接骨院」様は、痛みを緩和する治療や怪我を防止するリハビリに特化した鍼灸接骨院です。スポーツや医療、介護などの分野で活躍してきた従業員が在籍しています。
「芝で演出するリラックス空間」をコンセプトに、開放感のある接骨院を目指して、内装がデザインされました。自然の中にいるような開放感を感じさせる空間となるように、施術室の床に人工芝が敷かれています。
シンプルでも洗練された内装
「げんき堂整骨院 泉中央セルバテラス」様は、株式会社GENKIDOが全国展開する整骨院です。競合にはない独自性を出せるように、シンプルでも洗練された内装を目指してデザインされました。
受付と施術室のベースカラーは、ホワイト。半個室をレイアウトできるように、内壁ではなくカーテンで施術台を仕切ることが可能です。なお受付カウンターの柱には、コーポレートカラーのグリーンがアクセントカラーとして配置されています。
整骨院の内装工事費用
整骨院の内装施工事例を調査すると、「内装工事費用にいくらかかるか」も気になりますよね。予算確保や資金調達の参考となるように、整骨院内装工事費用の相場や内訳、節約方法をご紹介します。
費用の相場
整骨院の内装工事費用の相場は、坪単価20万〜50万円程度です。20坪の物件であれば、400万〜1,000万円程度の内装工事費用がかかります。ただし物件の立地や種類(居抜きかスケルトン)や導入する設備・機器などにより、工事費用は変動します。
例えば居抜き物件に整骨院を開業する場合には、前借主が施工した内装や設備を活用できる分だけ、工事費用を削減(坪単価20万~30万円程度)できます。ただし内装デザインの自由度が限定的です。
しかしスケルトン物件の場合は、建物の躯体に内装や設備をデザインする必要があるため、工事費用(坪単価30万~50万円程度)がかかります。ただし一から内装や設備を自由にデザイン可能です。
費用の内訳
下表に、整骨院の内装工事費用の内訳をまとめました。参考情報として、20坪のスケルトン物件にかかる費用を試算してあります。
工事費用の内訳 | 各費用の目安 | 20坪のスケルトン物件 |
デザイン費 | 全体の10%程度 | 60万~100万円程度 |
諸経費 (施工監理や仮設工事など) | 全体の20%程度 | 120万~200万円程度 |
内装工事費 (天井や壁、床、造作家具,建具など) | 全体の40%程度 | 240万~400万円程度 |
設備工事費 (空調や電気・ガス・水道など) | 全体の30%程度 | 180万~300万円程度 |
合計 | 100% (坪単価30万~50万円程度) | 600万~1,000万円程度 |
上表のとおり、内装工事費と設備工事費が全体の7割程度を占めます。内装工事の種類と費用について詳しくまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
費用の節約方法
整骨院内装工事費用の節約方法として、まず居抜き物件の利用が挙げられます。前借主が施工した内装や設備を利用することで、工事費を抑えることができます。
次に設備・機器・什器の中古品やリース品も、整骨院内装工事費用の節約方法です。状態を確認して、比較的新しい中古品やメンテナンス付きのリース品を選びましょう。
また内装材や設備・機器・什器のグレード検討も、整骨院内装工事費用の節約方法です。例えば患者の目に触れない部分(従業員の休憩室や在庫の保管棚など)の費用を抑えられます。
またデザインへのこだわりの厳選も、整骨院内装工事費用の節約方法です。内装や設備にこだわるほど、時間や費用のコストがかさみます。独自性を出すポイントを絞り込みましょう。
なお整骨院内装工事費用の節約方法として、複数の業者から見積もり(相見積もり)を取りましょう。工事の内容や費用を比較することで、適正価格で工事できる業者を見極められます。内装工事業者の選び方を紹介していますので、次の記事も併せてご覧ください。
売上を伸ばせる整骨院の内装をデザインしよう!
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監修者
-
IDEAL編集部
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