2021.04.20 2024.11.15|店舗デザイン
飲食店にとって迷惑な子連れ客とは?ルールや対応の注意点・事例を紹介
本記事で、飲食店にとって迷惑な子連れ客について解説します。また子連れ客に求めるルールや対応する際の注意点・事例もご紹介します。店舗の開業や移転、リニューアルなどをご検討中の方は、ぜひご覧ください。
飲食店にとって迷惑な子連れ客とは?
どのような子連れ客が、飲食店にとって迷惑でしょうか?5タイプ(騒いだり泣いたりしても放置する子連れ客と離乳食以外の飲食物を持ち込む子連れ客、食事後も長時間滞在する子連れ客、オムツ替えをする子連れ客、難しい注文をする子連れ客)をご紹介します。
騒いだり泣いたりしても放置する子連れ客
まず騒いだり泣いたりする我が子を放置する子連れ客は、飲食店にとって迷惑です。乳幼児が食事中に騒いだり泣いたりすることは自然な出来事ですが、保護者が注意したりあやしたりしない場合には他の顧客に迷惑が生じます。
ただし特定の顧客層だけを入店拒否にしてしまうと、自店舗の悪評が広まったり、売上を下げたりしてしまう恐れがあります。そこで子どもの監督義務のルール・マナーについて、後ほどご紹介します。
参照元:ヤフーニュース!「世界旅行者の「子連れで一番ストレスは日本」が4000万回表示の反響! 子どもと飲食店に行ってもいい?」
離乳食以外の飲食物を持ち込む子連れ客
次に離乳食以外の飲食物を持ち込む子連れ客も、飲食店にとって迷惑です。子連れ客に座席を使用するにも関わらず、子どもの飲食物を注文してもらえないと、座席の回転率と売上を下げてしまいます。
売上の問題だけではなく、持ち込まれた飲食物による食中毒が発生した場合には、飲食店が営業停止処分を受けたり、悪評が拡散されたりするリスクがあります。ベビーカー・飲食物などの持ち込みのルール・マナーについて、後ほどご紹介します。
食事後も長時間滞在する子連れ客
それから食事後も長時間滞在する子連れ客も、飲食店にとって迷惑です。外出中に飲食店に立ち寄る子連れ客にとって食事中は休憩時間になりますので、長時間滞在したい気持ちは理解しなければなりません。
ただし長時間滞在するにも関わらず、騒いだり泣いたりする子どもを放置されたり、飲食物を持ち込まれたりしてしまうと、飲食店内の雰囲気や回転率に悪影響を与え続けてしまいます。子どもの注文について、後ほどご紹介します。
オムツ替えをする子連れ客
続いてオムツ替えをする子連れ客も、飲食店にとって迷惑です。バリアフリートイレが施工されていない飲食店の場合には、ダイニングフロアの客席や個室などで保護者が乳幼児のオムツ替えをしなくてはなりません。
飲食用の客席でオムツ替えをされてしまうと不衛生な状態になり、他の顧客に嫌悪感を与えてしまいます。子連れ客に求めるトイレの利用に関するルール・マナーについて、後ほどご紹介します。
アレルギー対応以外の難しい注文をする子連れ客
そしてアレルギー対応以外の難しい注文をする子連れ客も、飲食店にとって迷惑です。子どもはもちろん大人の顧客からのアレルゲン除去に対応すべきですが、難しい注文に応えられるとは限りません。
例えば子どもの好きな具材だけの追加やメニューにない料理などの注文に特別に対応してしまうと、次回からも対応しなければならなくなります。特別な対応に時間がかかってしまうと、混雑時に他の顧客に対応しづらくなってしまいます。
飲食店の子連れ客に求めるルール・マナー
飲食店にとって迷惑な子連れ客に対しては、ルール・マナーを求めなくてはなりません。5点(子どもの監督義務とベビーカー・飲食物などの持ち込み、子どもの注文、トイレの利用、アレルギー・サイズなどの対応)に分けてご紹介します。
子どもの監督義務
まず子どもの監督義務が、飲食店の子連れ客に求めるルール・マナーとして挙げられます。子どもが騒いだり泣いたりして他の顧客に被害を与えないように、保護者には民法に基づいて監督義務が求められるからです。
そこで子どもが騒いだら注意をしたり、泣いたらあやしたりするように、保護者に求めましょう。ただし一方的に責めるのではなく、保護者が子どもと安心して飲食を楽しめるように、個室へ案内したり、一般客とは別の家族席を配置したりする配慮も必要です。
ベビーカー・飲食物などの持ち込み
次にベビーカー・飲食物などの持ち込みも、飲食店の子連れ客に求めるルール・マナーです。ベビーカー置き場を提供してダイニングフロアへの持ち込みを禁止したり、ベビーカー専用席を配置したりしましょう。
飲食物の持ち込みについては、離乳食だけを許可して他の食材を禁止にしたり、離乳食メニューやお子様メニューを提供して飲食物の持ち込みを全面的に禁止にしたりします。ただしアレルギー対応や特別な対応が必要な顧客の存在にも、配慮しなければなりません。
参照元:政府広報オンライン「事業者による障害のある人への『合理的配慮の提供』が義務化」
子どもの注文
続いて子どもの注文も、飲食店の子連れ客に求めるルール・マナーです。特別な場合を除いて、飲食店の基本的なサービスは飲食物と飲食場所の提供ですので、子どもの顧客にも注文してもらいましょう。
参照元:ヤフーニュース!「乳幼児であっても絶対に飲食店でオーダーしなければならないのか?」
ただし特別な対応が必要で自店舗の飲食物を提供できない子どもに対しては、飲食物の持ち込みを許可したうえで、テーブルチャージだけを請求する方法もあります。長い目で顧客との良好な信頼関係を継続するためには、柔軟な対応も必要です。
トイレの利用
それからトイレの利用も、飲食店の子連れ客に求めるルール・マナーです。ダイニングフロアの安全性・衛生性を保つために、座席でのオムツ替えを禁止にし、乳幼児には保護者の付き添いを求めます。
ただし子連れ客にトイレのルール・マナーを求める前提条件として、快適に利用できるように授乳室やバリアフリートイレ、オムツ交換代などを配置しましょう。店舗に施工できるトイレの種類をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
アレルギー・サイズなどの対応
そしてアレルギー・サイズなどの対応も、飲食店の子連れ客に求めるルール・マナーです。食の安全を保障するために、子どもはもちろん大人の顧客に対しても、アレルゲンの除去に対応しましょう。
料理のサイズについては、ハーフサイズやお子様メニューなどを考案しておきます。ただし従業員が判断に困る難しい注文を受けた場合には、店舗営業の責任者に相談するように周知しておかなければなりません。
飲食店が子連れ客に対応する際の注意点
ルール・マナーだけではなく、飲食店が子連れ客に対応する際の注意点(コンセプトと安全性・衛生性・ユニバーサルデザイン、メニュー、ファミリー席・キッズスペース、研修・マニュアル、分煙対策、DX推進、集客方法、一般客への配慮)も気をつけましょう。
コンセプトの設計
まずコンセプトの設計が、飲食店が子連れ客に対応する際の注意点として挙げられます。店舗経営の基本方針となるコンセプトを設計して、ターゲットとする顧客層や自店舗のポジションを明確にしましょう。
コンセプトに基づくことで、子連れ客に求めるルール・マナーを設定しやすくなります。飲食店が特定の条件に当てはまる顧客層の入店を拒否することは違法ではありませんが、差別や悪評につながらないように慎重な判断が必要です。
参照元:ニューズピックス「飲食店の『入店拒否』はどこからが差別的?客を選ぶ権利について」
安全性・衛生性・ユニバーサルデザイン
次に安全性・衛生性も、飲食店が子連れ客に対応する際の注意点です。子連れ客も一般客も快適に飲食を楽しめるように、安全性・衛生性に注意して店舗デザインや接客対応を進めましょう。
店舗にユニバーサルデザイン(スロープや幅の広い通路、バリアフリートイレ、ピクトグラムなど)を取り入れることで、幅広い顧客のニーズに応えやすくなります。店舗にユニバーサルデザインを取り入れるポイントについては、次の記事を併せてご覧ください。
メニュー開発
またメニュー開発も、飲食店が子連れ客に対応する際の注意点です。子連れ客のニーズに応えられるように、お子様メニューやハーフサイズ、家族割引、カプセルトイなどを検討しましょう。
ただし食事量の少ない子どもの客単価は、一般的に大人の客単価と比べて低くなります。飲食店経営の利益率を確保するために売上目標を設定して、営業日ごとの成果を記録し、定期的に評価・改善を図りましょう。
ファミリー席・キッズスペース
続いてファミリー席・キッズスペースも、飲食店が子連れ客に対応する際の注意点です。子連れ客も一般客も互いにストレスを感じなくて済むように、ダイニングフロアにファミリー席・キッズスペースのレイアウトを検討しましょう。
ただしファミリー席・キッズスペースの安全性・防犯性を確保するために、従業員による監視やルール・マナーの説明などが必要です。店舗のキッズスペースをデザイン・工事する際のポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
従業員の研修・マニュアル
また従業員の研修・マニュアルも、飲食店が子連れ客に対応する際の注意点です。従業員ごとの対応に違いが生じないようにするためには、接客・調理などに関する研修を計画します。研修の方法や参加しやすい環境整備などに注意しましょう。
研修を実施する際には、接客や調理、クレーム対応などに関するマニュアルを作成します。日々の営業においても、マニュアルを活用した業務の遂行が重要です。飲食店のクレーム対応マニュアルをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
分煙対策
さらに分煙対策も、飲食店が子連れ客に対応する際の注意点です。2020年から屋内の禁煙が原則的に禁止されていますが、条件を満たす飲食店には喫煙室を設置できます。子連れ客と喫煙者のニーズを踏まえて、分煙対策を検討しましょう。
飲食店の具体的な分煙対策として、完全禁煙や屋内原則禁煙、喫煙室設置などがあります。顧客はもちろん、従業員の受動喫煙防止も重要です。飲食店の分煙対策事例をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
DX推進
それからDX推進も、飲食店が子連れ客に対応する際の注意点です。店舗のDX(デジタル技術による店舗経営の仕組みや商品・サービスなどの変革)を推進して、従業員の業務効率や顧客の利便性を向上させましょう。
子連れ客のために導入できる店舗DXの方法として、オンライン予約システムやデジタルサイネージ、セルフオーダーシステム、キャッシュレス決済システムなどがあります。店舗DXを進める流れとポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
集客方法
そして集客方法も、飲食店が子連れ客に対応する際の注意点です。オンライン(SNSやポータルサイトなど)とオフライン(看板やフリーペーパーなど)の集客方法を組み合わせて、子連れ客に優しいサービスや好まれるメニューなどの情報を発信しましょう。
例えばSNS集客を展開して子連れのユーザーに投稿内容が拡散すれば、自店舗の認知度が高まります。店舗のSNS集客を展開するコツをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
一般客への配慮
なお一般客への配慮も、飲食店が子連れ客に対応する際の注意点です。子連れ客に配慮しすぎる余り、一般客への配慮を欠いてしまうと、自店舗に対する信頼感を低下させてしまいます。全ての顧客が快適に飲食できるように、店舗営業全般に配慮しましょう。
ただし飲食店には子連れ以外にも、高齢者や障害者の顧客も訪れます。自店舗が各顧客に配慮を示すことはもちろん、状況に応じて顧客同士にも配慮や思いやりの態度を求めることも必要です。
飲食店による子連れ客対応の事例
注意点に気をつけて飲食店の子連れ客に対応できるように、参考となる事例を調査しましょう。事例5点を取り上げて、各事例の特徴(お子様ランチとキッズスペース、柔軟な接客、分煙対策、DX推進)をご紹介します。
お子様ランチを提供するファミリーレストラン
まず「FAMiRES」は、お子様ランチを提供するファミリーレストランです。子どもの好きな料理(ハンバーグやオムライス、ナポリタン、からあげ、フライドポテト、サラダ)が盛り付けられています。
お子様ランチと同様に、大人向けのメニューにもファミレスの王道メニュー(ハンバーグやエビフライ、サンドウィッチ、パンケーキ、フルーツパフェなど)が揃っています。ミシュランの星を獲得しているレストランが監修する飲食店です。
参照元:
ヤフーニュース「原宿『ハラカド』4/17オープン『FAMiRES』の王道メニュを一挙公開!子連れでも安心!」
キッズスペースのあるイタリアンレストラン
次に「diningフタリヤ」は、キッズスペースのあるイタリアンレストランです。ダイニングフロアにファミリーエリアがレイアウトされており、クッションマットのキッズスペースが併設されています。
ファミリーエリアのボックス席には、ベビーチェアが配備されています。豊富なキッズメニュー(パスタセットやランチプレート、ポテト、ドリンク、プリンなど)を提供している飲食店です。
参照元:
柔軟な接客を心がけているイタリアンレストラン
それから「サイゼリヤ」は、柔軟な接客を心がけているイタリアンレストランです。店舗によっては、子連れ客が利用しやすい座席へ案内したり、持ち込んだ離乳食の再加熱に対応したりしています。
顧客が好きな順番に料理を注文しやすいように、顧客が記入するオーダー伝票には注文番号を記入できます。混雑時でも業務を進めやすいようにシステム化されている飲食店です。
参照元:
mamari「気遣いが神【サイゼリヤ】注文方法が画期的!『うれしい』『他のファミレスも取り入れて』」
grape「サイゼ店員『お子様の月齢だと…』 まさかの対応に『素敵すぎる配慮』『行きたくなった』」
分煙対策をしている串カツ屋
続いて「串カツ田中」は、分煙対策をしている串カツ屋です。メインターゲットである働き世代の子連れ客のニーズに応えるために、2018年よりほぼ全店舗が全席禁煙化されています。
分煙対策以外にも、子ども向けのサイドメニュー(手作りお好み焼きやソフトクリームチャレンジなど)やソフトドリンクのじゃんけんチャレンジなどが導入されています。親から子ども、孫へと、長期的な顧客の獲得を目指している飲食店です。
参照元:
ホットペッパーグルメ「『全席禁煙化』にかじを切った串カツ田中のその後について話を聞いてきた」
DXを推進しているダイニングカフェ
そして「billsお台場店」は、DXを推進しているダイニングカフェです。QRコードを活用したセルフオーダーシステムが導入されています。フリーWi-Fiも完備されており、セルフオーダーシステムでメニューの閲覧から注文、会計まで可能です。
大人のメニューと同様に、キッズメニューにも朝食・昼食・夕食向けの料理が揃っています。ダイニングフロアの客席だけではなく、テラス席もある飲食店です。
参照元:
LEE「メニューに注文も『QRコード』から!billsお台場店で安心子連れランチ」
飲食店による子連れ客の対応方法を検討しよう!
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監修者
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IDEAL編集部
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