本記事で、店舗を開業する流れと…
2021.01.29 2022.11.23|新規開業ノウハウ
カフェと喫茶店・純喫茶の違い!似ている飲食店の業態や内装デザインポイント
本記事で、カフェと喫茶店・純喫茶の違いを解説します。似ている飲食店の業態や内装デザインのポイントもご紹介します。
「カフェと喫茶店に違いはある?」「内装をデザインするポイントを知りたい!」とお悩みではありませんか?カフェ・喫茶店の開業や移転、リニューアルなどを検討している方はぜひご覧ください。
目次
カフェと喫茶店の違い
カフェと喫茶店は、どちらもコーヒーや軽食などを提供する飲食店の業態です。カフェや喫茶店を開業するなら「なんとなくカフェのほうががおしゃれだ」などと抽象的なイメージを抱くのではなく、カフェと喫茶店の違いを明確にしておきましょう。
営業の歴史
まず営業の歴史に、カフェと喫茶店の違いがあります。サロンのような社交場としてカフェが生まれ、カフェから分岐した喫茶店(特殊喫茶や純喫茶)は日本独自の発展を遂げました。
まず明治時代に開国してからコーヒー豆の輸入が開始されると、知識人の社交場として「カフェ」が日本に広まりました。
しかしカフェが広まるにつれて、女性従業員が客に接待をする業態が増えました。そこで規制がかけられ、接待を行う「特殊喫茶」と純粋にコーヒーを楽しむ「純喫茶」に分けられました。
特殊喫茶は発展して、現在でもメイド喫茶や猫カフェなどのように特別なサービスを提供するカフェが営業されています。純喫茶も発展して、音楽喫茶や漫画喫茶などの業態が生まれてきました。現在ではスターバックスやドトールなどのチェーン店も登場しています。
営業許可
次に営業の許可にも、カフェと喫茶店の違いがあります。2021年6月までカフェに飲食店営業許可が、喫茶店に喫茶店営業許可が必要でした。
しかし2021年6月に食品衛生法改正で喫茶店営業が廃止され、カフェにも喫茶店にも飲食店営業許可の取得が必要となりました。飲食店営業許可は、喫茶店営業許可よりも条件が多いです。例えば2曹以上のシンクや温度計付きの冷蔵庫が必要になるので、改装工事が必要になる可能性があります。
ただし2026年3月31日までは猶予期間とされており、喫茶店営業許可のまま喫茶店を営業可能です。新たに喫茶店を開業する場合は飲食店営業許可の申請が必要ですので、ご注意ください。
参考:福島市「営業許可業種の見直し・営業届出制度の創設に伴う経過措置について」
なお飲食店営業許可を申請するためには食品衛生責任者資格が必要で、次の記事で解説していますので、併せてご覧ください。
提供できるメニュー
また提供できるメニューも、カフェと喫茶店の違いです。営業許可の種類によって許可される調理方法が異なります。飲食店のメニュー開発について解説していますので、次の記事も併せてご覧ください。
飲食店営業許可を取得すると加熱調理以外も可能なため、パスタやリゾットなどを調理でき、アルコール提供も可能です。店名が「喫茶店」であっても、アルコールや手の込んだ料理が提供するなら、飲食店営業許可が必要になります。
一方で喫茶店営業許可を取得していると加熱調理のみが可能で、トーストやホットケーキなどの軽食を提供できますが、アルコール提供は不可です。ただし2026年4月からカフェも喫茶店も飲食店営業許可が必要になりますので、ご注意ください。
なお店舗内でパンやマフィンなどを焼いて提供するなら、菓子製造業許可が必要になります。次の記事で解説していますので、併せてご覧ください。
開業に必要な届出・許可
さらに営業許可以外にも開業に必要な届出・許可がありますが、カフェと喫茶店の違いはありません。カフェや喫茶店などの店舗を開業するために、以下の届出・許可が必要です。
- 個人事業の開業・廃業等届出書(個人事業主の場合)
- 会社登記と法人設立届(法人の場合)
- 防火管理に関する届出(防火管理者選任届など)
- 社会保険の加入手続き(従業員を雇用する場合)
- 青色申告承認申請書
上記の届出・許可について詳しくまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
内装デザインの特徴
食品衛生法改正により、カフェと喫茶店の営業に法的な違いはなくなりましたが、内装デザインの特徴には違いがあります。
カフェ
カフェの内装デザインの特徴として、テーブル席だけではなくカウンター席やテラス席に対するニーズがあります。読書や仕事をする個人客にも会話を楽しむグループ客にも利用されるからです。カウンター席をデザインするコツについては、次の記事をご覧ください。
また一般的にセルフサービス(顧客がカウンターで注文して、カウンターから座席まで飲食物を運び、カップなどを片付ける形式)が採用されるため、注文カウンターやトレー返却口が必要です。顧客が入店してから注文、着席、退店するまでの動線を設計しましょう。
なお顧客に快適に過ごしてもらえるように、おしゃれで清潔感のある内装デザインが求められます。人気カフェであるスタバの内装デザインについて紹介していますので、次の記事も併せてご覧ください。
喫茶店
喫茶店の内装の特徴として、一般的に落ち着いたテイストでデザインされます。若年層から高齢層まで幅広い顧客が利用するからです。
また一般的にフルサービス方式(従業員が座席で注文を受けて、座席まで飲食物を運び、カップなどを片付ける形式)が採用されるため、従業員の動線設計が重要です。キッチンからフロアまでの通路や使用された食器の返却口のレイアウトを検討してください。
なお漫画喫茶や音楽喫茶などの喫茶店の内装をデザインするときには、漫画や音楽などを楽しんでもらえるように内装のテイストや必要な設備を検討しましょう。例えば動物カフェの内装デザインについて解説していますので、次の記事も併せてご覧ください。
カフェや喫茶店と似ている飲食店の業態
カフェと喫茶店の違いについて解説しましたが、カフェや喫茶店と似ている飲食店の業態があります。各業態の定義や特徴をご紹介します。
純喫茶
純喫茶とは、純粋にコーヒーや紅茶などを楽しんでもらう店舗の業態です。接待を提供する特殊喫茶と差別化されて、昭和初期より純喫茶が広まりました。従来は喫茶店営業許可が必要でしたが、食品衛生法改正後は飲食店営業許可が必要となりました。
参照:コーヒータウン「純喫茶の”純”の意味は?定義や楽しみ方・各地の特長を紹介」
現在も昭和を想像させるレトロな内外装の純喫茶が営業されています。照明を控えめにして、ヴィンテージ感あるテーブルやイス、ティーカップなどを準備すると、純喫茶の個性を出しやすいです。
また一般的な純喫茶では、マスターと呼ばれる店主がコーヒー豆を挽くところからコーヒーを淹れます。コーヒー製造にこだわる店舗に向いている業態です。カウンター席をレイアウトすると、マスターとの会話を楽しみながら顧客にコーヒーを淹れる様子をアピールできます。
コーヒーショップ
コーヒーショップとは、コーヒー豆を製造販売したり、コーヒーを淹れて提供したりする店舗の総称です。広義では店内でコーヒーを提供するカフェや喫茶店を指しますが、狭義ではコーヒー豆を製造・販売する専門店を指します。
コーヒーショップの特徴は、幅広い種類のコーヒー豆を揃えている点です。スーパーマーケットで販売されるコーヒー豆よりも高品質のコーヒー豆を取り扱い、自家焙煎することで鮮度の良いコーヒー豆を提供できます。製造コストがかかる分だけ、価格が高めに設定される点も特徴です。
コーヒー豆を製造・販売するなら、コーヒー製造・加工業の届出が必要です。食品衛生法改正で食品関係業種の分類が見直されました。施設の所在地や営業形態、食品衛生責任者などの届出が必要です。
参考:みんなのオンライン相談「コーヒー豆を販売するのに「届出」が必要なの?」
なお店舗内でコーヒー豆からコーヒーを淹れて提供する(カフェや喫茶店を併設する)なら、飲食店営業許可を併せて申請してください。
バル
バルは、アルコールを提供する飲食店の業態です。日本ではアルコールのイメージが強いですが、南ヨーロッパではアルコールに限らず軽食を提供するバルもあります。
例えばイタリアには軽食を提供するバルがあり、スペインにはレストランとバーが併設されたバルがあります。店舗によって扱っているメニューが異なり、時間帯でメニューを変えるバルもあります。
日本でバルを開業するなら、飲食店営業許可が必要です。深夜(0時〜午前6時)に営業する場合は、深夜酒類提供飲食店の申請を併せて行ってください。アルコールを提供するバーに関して次の記事に詳しくまとめてありますので、併せてご覧ください。
カフェや喫茶店の内装をデザインするポイント
カフェや喫茶店の特徴を踏まえて、内装をデザインしましょう。カフェや喫茶店に共通する内装デザインポイントについて次の記事にまとめてありますので、併せてご覧ください。
今回は、上の記事で取り上げていないデザインポイントをご紹介します。カフェや喫茶店の特徴を生かせるように内装をデザインして、集客や売上を伸ばしましょう。
コンセプトを明確にする
まずはカフェや喫茶店の内装デザインに、コンセプトを明確にしてください。競合店との差別化を図るために、ターゲットを絞り独自メニューを開発したうえで、内装デザインでコンセプトを表現することがポイントです。
例えば若者をターゲットにするなら、顧客がSNSに口コミを投稿することを意識して内装をデザインしなくてはなりません。低価格メニューをアピールするなら、顧客が入店しやすいように、カジュアルな内装をデザインしましょう。
なお飲食店開業のコンセプト設計について解説していますので、次の記事も併せてご覧ください。
カフェ・喫茶店のテイストを決定する
明確なコンセプトに基づいて、カフェ・喫茶店のテイストを決定しましょう。内装デザインのテイストにはナチュラルやラグジュアリー、レトロ、スケルトンなどがあります。
例えば古民家をリフォームしてカフェを開くなら、昭和レトロの雰囲気を出しながら、現代的なエコフレンドリーの内装をデザインします。古民家カフェの内装デザインについて解説していますので、次の記事も併せてご覧ください。
居心地の良さを考慮する
また居心地の良さを考慮する点も、カフェや喫茶店の内装デザインポイントです。コーヒーや紅茶を飲みながら食事や会話、読書などを楽しむために、顧客はカフェや喫茶店を利用します。質の高いコーヒーや紅茶を提供できても、内装空間の居心地が悪ければリピーターを獲得しづらいです。
そこで顧客に居心地よく店内で過ごしてもらえるように、内装のレイアウトや配色、素材などを検討しましょう。個人用とグループ用の座席を提供して、用途に合う座席の素材や高さを選んでください。コンセプトに基づいて、照明の明るさや色味を選ぶことも重要です。
なお店舗をレイアウトするポイントを解説していますので、次の記事も併せてご覧ください。
おしゃれなインテリアを選ぶ
さらにおしゃれなインテリアを選びましょう。カフェや喫茶店のコンセプトと内装デザインのテイストに合わせて、店舗全体の統一感を保つようにインテリアを選ぶことがポイントです。
例えばレトロな純喫茶をデザインするなら、カラフルなインテリアよりもアンティーク家具や年代物の装飾品を選びます。オーダーメイドでレトロ感を出したカウンターを造作してもらうことも可能です。造作家具の作り方については、次の記事をご覧ください。
内装業者を比較する
なお内装業者を比較することもポイントです。複数業者から見積もりを取り、工事の内容や費用、納期などを細かく比較しましょう。適正費用を把握することで、無駄な出費を抑えることができるからです。
内装デザインを依頼できる業者は、下記の3種類です。業者ごとに、得意な分野や実績が異なります。
- 設計事務所
- 工務店
- 店舗内装専門業者
費用や手間を節約したい場合は、デザインから施工までをワンストップで請け負う店舗内装専門業者がおすすめです。内装業者の選び方について次の記事にまとめてありますので、併せてご覧ください。
特徴を活かせるカフェや喫茶店の内装をデザインしよう!
カフェと喫茶店は同じ商品を取り扱いますが、メニューや内装デザインなどの特徴が異なります。特徴を活かせるようにカフェや喫茶店の内装をデザインしましょう。
IDEALは、店舗全般のコンセプト設計から資金調達、物件探し、内外装のデザイン・工事、集客までのワンストップソリューションをご提供しております。
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監修者
-
IDEAL編集部
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