2024.07.11  2024.06.03|新規開業ノウハウ

タイ料理屋の開業に関する注意点!開業の事例や資金も紹介

タイ料理屋の開業に関する注意点!開業の事例や資金も紹介

本記事で、タイ料理屋の開業に関する注意点をご紹介します。またタイ料理屋開業の事例や資金も解説します。店舗の開業や移転、リニューアルなどをご検討中の方は、ぜひご覧ください。

タイ料理屋開業の基本情報

タイ料理屋開業の基本情報

タイ料理屋の開業準備を計画する間に、基本情報を確認しましょう。基本情報を確認することで、計画を進めやすいからです。それではタイ料理屋の市場規模やメリット・デメリット、消費者のニーズ、業態の種類をご紹介します。

市場規模

まずタイ料理屋の市場規模は、以下の資料によると800億円程度と推計されています(東南アジア料理やエスニック料理などの合計)。2010年代から市場規模が拡大してきましたが、コロナ禍で一時的に停滞しました。

アフターコロナの2023年からは、訪日外国人のインバウンド需要が戻りつつあり、タイ料理屋を含む外食業界の市場規模は回復傾向にあります。ただしコロナ禍前の市場規模までには戻っていません。

参照元:

Fuji Keizai Group「料飲店や喫茶など8カテゴリー68業態の外食産業国内市場を調査―2021年市場見込(2020年比)―」

東海テレビ「タイ料理中心に拡大…『東南アジア料理』外食市場の好調に食品メーカーも家庭用の新商品投入」

日本フードサービス協会「外食産業市場動向調査令和 5 年(2023 年)年間結果報告」

メリット・デメリット

次にタイ料理屋を開業するメリットは、豊富なメニューや東南アジア料理に対する需要などです。麺類や丼もの、スープなどのメニューがあり、東南アジアからの外国人労働者が増加しています。

参照元:厚生労働省「『外国人雇用状況』の届出状況【概要版】(令和4年 10 月末現在)」

しかし独特な味付けや競合店の増加などは、タイ料理屋を開業するデメリットです。タイ料理にはパクチーやナンプラーなどの調味料が使用されており、タイ料理店は増加傾向にありますので、売上を伸ばすためにはメニュー開発や集客の工夫が求められます。

参照元:東海テレビ「タイ料理中心に拡大…『東南アジア料理』外食市場の好調に食品メーカーも家庭用の新商品投入」

消費者のニーズ

それからタイ料理屋に対する消費者のニーズには、以下の資料によると、辛さや独特な味付け、価格の安さなどがあります。辛さのあるグリーンカレーや独特な味付けのガパオライス、トムヤムクンなどが人気です。

タイ料理の価格については、店舗によって異なりますが、一皿が数百円程度で、コースが一人数千円程度で販売されています。ランチやディナーに気軽に来店できる価格の安さも、タイ料理屋に対する消費者のニーズです。

参照元:PR TIMES「実名グルメサービスRetty、「タイ料理」に関するアンケートを実施:パクチーブームでタイ料理の人気再燃、ガパオなど「辛くない」料理ですそ野が広がる|Retty株式会社」

業態の種類

そしてタイ料理屋の業態の種類は、提供方法によって飲食店やテイクアウト・デリバリー専門店などに分類されます。テイクアウト・デリバリー専門店の開業についてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

またタイ料理屋の業態の種類は、経営主体によって個人店とフランチャイズ店に分類され、経営方針やブランド力などに違いがあります。フランチャイズによる開業のポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

タイ料理屋の開業に関する注意点

タイ料理屋の開業に関する注意点

基本情報だけではなく、タイ料理屋の開業に関する注意点も確認しましょう。8点(コンセプト・事業計画書と開業資金、店舗物件、資格・免許・届出・許可、仕入先・メニュー、厨房設備・機器・什器、採用・研修、集客活動)をご紹介します。

コンセプト設計と事業計画書作成

まずコンセプト設計と事業計画書作成が、タイ料理屋の開業に関する注意点として挙げられます。コンセプトは店舗経営の基本方針であり、競合店との差別化や事業計画書の作成に必要です。

事業計画書は、開業資金の調達や経営戦略の説明、経営の評価・改善などに活用される書類です。タイ料理屋にも活用できる事業計画書の書き方をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

開業資金の調達

次に開業資金の調達も、タイ料理屋の開業に関する注意点です。開業前の初期投資(店舗物件取得費や集客活動費など)や開業後の運転資金(人件費や光熱水費など)が不足する場合には、開業資金を調達しなければなりません。

開業資金の調達方法には、融資や借入、出資、補助金・助成金などがあります。タイ料理屋にも活用できる開業資金の無駄をゼロに近づける方法をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

店舗物件の選定とデザイン・工事 

また店舗物件の選定とデザイン・工事も、タイ料理屋の開業に関する注意点です。店舗物件はコンセプトを実現させる手段であり、運転資金の中で賃料が占める割合が多いため、集客や売上を左右します。

そこで店舗のコンセプトに基づいて、外観や内装をデザイン・工事しましょう。タイ料理屋にも活用できる内装デザインを失敗しないコツをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

資格・免許の取得と届出・許可の申請

それから資格・免許の取得と届出・許可の申請も、タイ料理屋の開業に関する注意点です。

  • 調理やお酒の提供などに関する資格や免許
  • 税務や財務、保険などに関する資格や免許
  • 個人事業主の開業届出申請または法人の設立届
  • 税務書類の提出
  • 防火管理者選任届(該当する物件の場合)
  • 防火対象設備使用開始届・火を使用する設備等の設置届
  • 飲食店営業許可や菓子製造業許可の申請
  • 社会保険(健康保険・厚生年金)や労働保険(雇用保険・労災保険)の加入

以上の資格・免許・届出・許可についてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

仕入先の選定とメニューの開発

続いて仕入先の選定とメニューの開発も、タイ料理屋の開業に関する注意点です。仕入先の選定は、商品やサービスの価格や品質を左右します。品質や品揃え、卸売価格などについて、複数の業者を比較しましょう。

タイ料理屋のメインサービスは飲食物の提供ですので、独自性のあるメニューを開発しましょう。ただしタイ料理屋経営の利益率を高めるためには、原価率の削減が重要ですので、次の記事も併せてご覧ください。

厨房設備・機器・什器の手配

さらに厨房設備・機器・什器の手配も、タイ料理屋の開業に関する注意点です。一般的な飲食店では、次のような厨房設備・機器・什器が使用されます。

  • シンク
  • ガスコンロ・ガステーブル
  • 作業台
  • 冷凍冷蔵庫
  • 製氷機
  • 食器棚

そこで厨房の広さや従業員の動線、提供するメニューなどを考慮しながら、タイ料理屋に必要な厨房設備・機器・什器のサイズや台数を計算しましょう。厨房設備・機器・什器を導入する際の注意点をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

人材の採用・研修

そして人材の採用・研修も、タイ料理屋の開業に関する注意点です。長時間営業する場合や多店舗展開する場合などには、従業員を採用しなければなりません。採用したい職種や人物像を明確にしたうえで、採用活動を始めましょう。

開業予定日までには、採用した従業員に対して接客や調理などに関する研修を提供してください。タイ料理屋にも活用できる人材採用のコツや研修の注意点をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

集客活動

なお集客活動も、タイ料理屋の開業に関する注意点です。飲食業界に新規参入する場合には、知名度や認知度がありません。そこで開業当初から新規顧客を獲得できるように、開業前から集客活動を展開しましょう。

集客活動の方法には、オンライン集客(WebサイトやSNSなど)とオフライン集客(雑誌広告やポスティングなど)があります。タイ料理屋にも活用できる店舗の集客に成功した事例をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

タイ料理屋の開業事例

注意点に気をつけてタイ料理屋を開業できるように、参考となる事例を調査しましょう。事例5点を取り上げて、各事例の特徴(タイ政府認定とカラオケ、宮廷料理、テイクアウト、ホテル内)をご紹介します。

タイ政府認定のタイ料理屋

タイ政府認定のタイ料理屋

まず「スコンター」は、タイ政府認定のタイ料理屋です。タイ国内のレストランと同様に、本場のタイ料理を提供するレストランとして認定されています。日本国内にタイ料理屋が少なかった2000年代から営業を続けています。

メニューには、パパイヤサラダやトムヤムクン、パッタイ、グリーンカレー、ガパオなどがあります。タイ料理独特の味付けを再現できるように、辛味・酸味・甘味・塩味・旨味のバランスに気を配っているタイ料理屋です。

参照元:

PR TIMES「タイ政府認定タイ料理レストラン「スコンター」東京初進出、1月16日(火)『スコンター虎ノ門ヒルズ店』NEWOPEN|株式会社ファッズ」

株式会社ファッズ [ PHAD’S ]「タイ王国商務省認定レストラン スコンター・ブランド紹介」

カラオケも楽しめるタイ料理屋

カラオケも楽しめるタイ料理屋

次に「サムラーン」は、カラオケも楽しめるタイ料理屋です。ダイニングフロアの一角にステージがレイアウトされており、カラオケを楽しめます。座席の種類は、テーブル席とカウンター席です。

メニューには、生春巻きや春雨サラダ、トムヤムクン、グリーンカレー、ガパオ、タピオカミルクなどがあります。パーティ―やイベントの貸切にも対応しており、最大20名まで収容できるタイ料理屋です。

参照元:

サムラーン「

さかにゅー「【祝オープン】堺市美原区・北余部のスーパーサンプラザの近くにオシャレな本格タイ料理レストラン『サムラーン タイ レストラン & バー』がオープンしました!:」

宮廷料理に着想を得たタイ料理屋

宮廷料理に着想を得たタイ料理屋

それから「サーワーン ビストロ」は、宮廷料理に着想を得たタイ料理屋です。アユタヤ王朝時代の宮廷料理を継承したメニュー(和牛のマッサマンカレーやかぼちゃのカスタード、ライスサラダなど)が提供されています。

バンコクの本店は、ミシュラン一つ星を獲得しています。しかし東京店には気軽に来店してもらえるように、本店と同じクオリティの料理を提供するカジュアルレストランです。

参照元:

Saawaan Bistro「伝統と革新のタイ料理」

ニューヨークタイムズ「話題の麻布台ヒルズにニューオープン!革新的なタイ料理の店」

テイクアウト・デリバリーに対応するタイ料理屋

テイクアウト・デリバリーに対応するタイ料理屋

続いて「マンゴツリーキッチンガパオ」は、テイクアウトに対応するタイ料理屋です。Web・電話予約のテイクアウト・デリバリーで、ガパオやグリーンカレー、ライスヌードルなどのメニューを提供しています。

テイクアウト・デリバリーだけではなく、店内飲食用に、テーブル席とカウンター席がレイアウトされているタイ料理屋です。本店の「マンゴツリー」は、バンコクにあります。

参照元:

マンゴツリーキッチン「 タイ料理レストラン」

グランスタ「mango tree kitchen GAPAO」

ホテル内で営業するタイ料理屋

ホテル内で営業するタイ料理屋

そして「ソイ・ギャン」は、ホテル内で営業するタイ料理屋です。ASAI京都四条ホテルの一階に立地しており、早朝から深夜まで(モーニング・ランチ・ディナー・バータイム)に営業しています。

フードメニューにはガパオ、グリーンカレー、ココナッツアイスクリームなどがあり、ドリンクメニューにはタイ産クラフトビールやバタフライピーティーなどがあります。日本各地の食材を仕入れて、バンコクの屋台料理をアレンジしているタイ料理屋です。

参照元:

ASAI KYOTO SHIJO「ダイニング」

Leaf KYOTO「烏丸五条にタイ料理[ソイ・ギャン]がオープン!」

タイ料理屋の開業資金

タイ料理屋の開業資金

事例のようなタイ料理屋を開業するためには、資金が必要です。そこでタイ料理屋の開業資金の相場と内訳をご紹介します。無駄な経費を削減できるように、開業資金の節約法もご紹介します。

相場

まずタイ料理屋の開業資金の相場は、坪単価30万~70万円程度です。例えば20坪で賃料月20万円の店舗物件なら、600万~1,400万円程度かかります。ただし店舗物件の立地や規模、従業員数などによって、開業資金は変動します。

内訳

次にタイ料理屋の開業資金の内訳について、下表にまとめました。参考情報として、20坪で賃料月20万円程度の店舗物件にかかる開業資金を試算してあります。

開業資金の内訳各費用の目安各費用の試算
物件取得費
(敷金や礼金、前賃料など)
10%程度
(賃料の3〜7ヶ月程度)
60万〜140万円程度
(賃料20万円で20坪の
スケルトン物件)
店舗デザイン・工事費
(内装や外観、設備・
機器・什器など)
70%程度
(坪単価20万〜50万円程度)
420万〜980万円程度
諸経費
(開業前の資格や届出・
許可、採用・研修、
集客など)
10%程度60万〜140万円程度
運転資金
(開業後の光熱水費や
賃料、人件費など)
10%程度
(賃料の5〜7ヶ月程度)
60万〜140万円程度
合計100%
(坪単価30万〜70万円)
600万円〜1,400万円程度

上表のとおり、タイ料理屋の開業資金においては店舗デザイン・工事費が大半を占めます。つまり内装や外観、設備・機器・什器などにこだわるほど、開業資金が増額するわけです。

節約法

そしてタイ料理屋の開業資金の節約法には、相見積もりや居抜き物件、補助金・助成金などがあります。相見積もりを取って、各業者の見積もり(工事の費用や期間など)を比較すれば、無駄な経費を削減しやすいです。

居抜き物件を契約すれば、内装や外観、設備・機器・什器などを譲渡してもらえる分だけ、店舗デザイン・工事費を節約できます。ただし居抜き物件にはデメリットもありますので、ご注意ください。

補助金・助成金には基本的に返済義務がありませんが、申請条件や用途などが定められています。飲食店が申請できる補助金や助成金をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

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監修者

IDEAL編集部

日本全国の美容室・カフェ・スポーツジム等の実績多数!
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