2023.06.07  2023.05.29|内装工事

居抜き物件を工事する際のポイント!工事の種類・流れ・費用も紹介

居抜き物件を工事する際のポイント!工事の種類・流れ・費用も紹介

本記事で、居抜き物件を工事する際のポイントを解説します。居抜き物件に必要な工事の種類や流れ、費用もご紹介します。店舗の開業や移転、リニューアルなどをご検討中の方は、ぜひご覧ください。

居抜き物件に必要な工事の種類

居抜き物件に必要な工事の種類

居抜き物件とは、貸主や前借主の施工した内装や外装、設備・機器・什器などが残された物件です。スケルトン物件との違いをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

それでは居抜き物件に必要な工事の種類をご紹介します。

内装工事

まず居抜き物件であっても、施工されている内装の種類や状態に応じて、内装工事が必要です。内装材(天井材や壁材、床材、建具など)の改装や追加には、工事費用がかかります

したがって引き継いだ内装を活用できる分だけ、工事費用を節約できます。内装工事の種類についてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

外装工事

次に内装工事と同様に、施工されている外装の種類や状態に応じて、外装工事も居抜き物件には必要になります。外装デザインによって、店舗が顧客に与える印象が異なります。コンセプトに応じて、店舗に適した外装をデザインしましょう。

外装工事の主な内容は、下記のとおりです。

  • 外壁や屋根
  • エントランス
  • 看板
  • 照明
  • 装飾

店舗におしゃれな外装をデザインするコツをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

設備・機器・什器工事

そして設備・機器・什器工事も、引き継いだ種類や状態に応じて、居抜き物件には必要です。必要に応じて、設備・機器・什器のメンテナンスやクリーニング、交換・追加などを検討しましょう。

例えば店舗の業種や業態を問わず、照明機器やトイレが必要です。店舗のコンセプトに合わせて、種類や数を検討し、交換や追加の工事をしましょう。

また飲食店経営においては、厨房設備が不足したり、状態が悪かったりするなら、追加購入やメンテナンス、交換などが必要です。飲食店に必要な厨房設備の種類や選び方をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

そしてサロンや販売店には、カウンターや陳列棚、ソファなどの什器が必要です。オリジナルの什器を造作することで、内装デザインに独自性を出せます。造作什器の種類や作り方を紹介していますので、次の記事も併せてご覧ください。

以上のように、店舗の業種や業態に応じて必要な設備・機器・什器が異なります。店舗の業種・業態別に必要な什器をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

居抜き物件を工事する流れ

居抜き物件を工事する流れ

居抜き物件に必要な内装・外装・設備・機器・什器を滞りなく施工できるように、工事する流れを確認しましょう。開業前には他の準備も求められますので、計画的に工事を進めなくてはならないからです。

スケジュールを決める

居抜き物件を工事する流れは、まずスケージュールを決める作業から開始されます。工事の内容や規模によって異なりますが、目安として店舗営業開始3~6か月前から工事を計画しましょう。

ただし店舗物件を賃借する場合には、工事中から賃料が発生します。予算や工期に応じて、店舗物件の賃貸借契約を結んでください。工事中の思わぬトラブルに対処できるように、ゆとりをもって工事を進めることが必要です。

店舗のコンセプトを設計する

スケジュールを決めたら、居抜き物件に開業する店舗のコンセプトを設計してください。コンセプトを明確にすることで、必要な内装・外装・設備・機器・什器を決めやすくなるからです。

また居抜き物件においては、引き継いだ内装・外装・設備・機器・什器を活用することで、工事の費用や期間を節約できます。コンセプトから外れる場合には、交換や撤去を検討してください。

なお店舗のコンセプトを設計するためには、市場調査やターゲット選定などが必要です。店舗のコンセプトを設計する流れや方法をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

工事業者を選定する

店舗のコンセプトを設計したら、居抜き物件の工事業者を選定しましょう。幅広い業者が居抜き物件の工事に対応できますので、各業者の実績や得意分野、アフターフォローなどを事前に調査して、複数の業者をピックアップしてください。

そして各業者に同じ条件(コンセプトや予算など)を伝え、見積りを出してもらいます(相見積もり)。相見積もりを取ることで、各業者が提案する工事の内容と費用を比較できるからです。

加えて仕上がりのイメージを作成してもらえるなら、業者を選定しやすいです。他にも失敗しない内装工事業者の選び方をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

工事を依頼する

業者を選定できたら、居抜き物件の工事を依頼しましょう。提示された見積りやデザイン案について検討して、工事の内容と費用を決定します。特に居抜き物件においては、施工されている内装・外装・設備・機器・什器の活かし方を相談する必要もあります。

また工事業者に工程表を作成してもらい、完成までのスケジュールも決めてください。複数の業者に工事を依頼する場合は、上手く連携を取れるように調整しなくてはなりません。

なお工事の契約においては、費用の一部を前金として支払う条件が設定されます。前払いする金額や時期も確認したうえで、納得した条件で契約を結びましょう。

工事が行われる

契約手続きを終えると、スケジュールに沿って、工事が行われます。「発注したから大丈夫」と安心しないで、定期的に現場を訪問して工事の進捗を確認してください。トラブルが発生した場合には、工程表に基づいて、工事業者と相談しましょう。

居抜き物件の工事においては、施工されている内装・外装・設備・機器・什器の状態に応じて、着工前に想定していなかった交換や追加の工事が必要になります。したがって工事業者との相談が重要です。

ただし工事の進捗を確認しつつも、店舗の開業準備も進めなくてはなりません。店舗全般に活用できる開業する流れや資金の調達方法などをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

検査と引き渡しが行われる

契約した工事を完了してもらえると、居抜き物件の検査と引き渡しが行われます。検査では、依頼主が立ち会って、施工された内装・外装・設備・機器・什器の機能性や安全性をチェックしましょう。

依頼主が最終確認を終えると、店舗が引き渡しされます。引き渡し後の改修や追加の工事は有償対応となる場合がありますので、引渡し前に入念にチェックしましょう。またメンテナンスやアフターフォローの方法を確認することも重要です。

居抜き物件を工事する際のポイント

居抜き物件を工事する際のポイント

流れに沿ってスムーズに進めるだけではなく、居抜き物件を工事する際のポイントも確認しましょう。今回は、7点(工事の許可と図面、設備・機器・什器、法令、独自性、原状回復)を取り上げます。

貸主に工事の許可を得る

居抜き物件を工事する際には、まず貸主に工事の許可を得てください。居抜き物件を賃借する場合には、A工事(建物の躯体と共用部分)とB工事(建築物に関係する内装や設備)については、貸主に工事の権限があります。

C工事(借主が施工できる内装や設備)については借主に工事の権限がありますが、賃貸借契約の条件を確認しなくてはなりいません。A工事・B工事・C工事の違いや注意点をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

事前に設計図をチェックする

工事の許可を得たら、事前に設計図をチェックしてください。居抜き物件の設計図を確認せずに工事を進めると、希望する内装や外装を仕上げられないからです。設計図をチェックして、内装・外装・設備・機器・什器の位置や高さ、数などを確認しましょう。

店舗物件の設計図には、空間を真上から見下ろした平面図や建物を各方向から見た立体図、設備・機器・什器の詳細が示された設備図などがあります。店舗設計図の種類をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

施工済みの設備・機器・什器の状態を確認する

次に施工済みの設備・機器・什器の状態を確認する点も、居抜き物件を工事する際のポイントです。電気やガス、水道などの設備については、状態に応じて部品の交換や修繕が必要になります。業種・業態によって、厨房設備や美容施術器具、陳列棚などの什器についても、状態を確認しましょう。

状態の悪い設備・機器・什器を放置してしまうと、開業後にトラブルが発生して、追加工事が必要になる恐れがあります。居抜き物件のトラブル事例と対策を解説していますので、次の記事も併せてご覧ください。

新たに施工する設備・機器・什器のサイズを測る

また新たに施工する設備・機器・什器のサイズを図る点も、居抜き物件を工事する際のポイントです。図面上のサイズとの誤差がある場合に備えて、実際の寸法を測りましょう

居抜き物件においては、施工済みの柱や建具、壁などの位置を簡単に変えられません。新たに施工する設備・機器・什器のサイズを調整することで、施工済の内装・外装との調和を図りましょう。運搬や設置の際には、扉の開閉や通路の幅などにもご注意ください。

各種法令を遵守する

それから居抜き物件を工事する際には、各種法令を遵守してください。店舗の外装は、景観緑三法や道路占用許可などの規制を受けます。景観緑三法は良好な景観の形成を図るために定められた法令で、道路占用許可は店舗の看板や日よけを出す際に必要な申請です。

参照元:国土交通省「景観緑三法」

参照元:国土交通省「道路占用許可手続」

また店舗の内装は、消防法や建築基準法によって制限されています。警報機の設置や内装材の種類などについてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

独自の什器を造作する

さらに独自の什器を造作する点も、居抜き物件を工事する際のポイントです。独自の什器を造作すれば、デザインの独自性を出せるだけではなく、機能性も向上します。施工済みの什器を活かしつつも、什器の造作をご検討ください。

また造作什器を壁や床などに固定することで、店内空間の安全性や耐震性も確保できます。手入れや掃除をする際に動かす必要がありません。ただし什器を造作する時間と費用がかかりますので、造作工事のスケジュールや予算を考慮しましょう。

原状回復工事も考慮する

なお居抜き物件を工事する際のポイントとして、原状回復工事も考慮しますしょう。店舗物件の賃貸借契約においては、原状回復の範囲を確認してください。店舗物件の退去時には、内装や外装を入居前の状態に戻さなくてはなりません。

したがって原状回復工事をしやすいように、新たに施工する内装・外装・設備・機器・什器の数や場所、施工法などを決める必要があります。事前に貸主に許可を得れば、新たに施工する内装・外装・設備・機器・什器を次の借主へ譲渡することも可能です。

居抜き物件の工事費用

居抜き物件の工事費用

居抜き物件を工事する際のポイントに加えて、工事費用も確認しましょう。居抜き物件の工事費用は、一般的にスケルトン物件より安くなります。スケルトン物件の工事費用をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

工事費用の相場と内訳

居抜き物件工事費用の相場は、坪単価15万~35万円程度です。20坪の居抜き物件であれば、300万~700万円程度になります。ただし店舗の業種・業態や規模、施工する内装・外装・設備・機器・什器の数などによって、工事費用は変動します。

店舗の内装工事費用の内訳には、デザイン費や工事監理費、内装材・設備・機器・什器の購入費、工賃などが含まれます。次の記事にまとめてありますので、併せてご覧ください。

また店舗の外装工事費用の内訳には、材料費(外壁や看板、照明、装飾など)や工賃だけではなく、足場代や養生代、高圧洗浄代なども含まれます。次の記事にまとめてありますので、併せてご覧ください。

工事費用の節約方法

居抜き物件の工事費用の節約方法をリストにまとめました。

  • 工事内容に優先順位を付ける
  • 初期投資を抑える
  • 造作を譲渡してもらう

工事内容に優先順位を付けることで、予算内に工事費用を収めやすくなります。業者に相談する段階で工事費用の予算を伝えて、開業前に優先的に施工したい内装・外装・設備・機器・什器を厳選しましょう。

次に初期投資を抑えることで、開業前の工事費用を節約できます。開業後に利益を蓄えてから、追加投資を計画できます。優先順位に従って、店舗の内装や外装を整えていきましょう。

そして居抜き物件の前借主や持ち主から造作を譲渡してもらうことで、工事費用を節約できます。造作譲渡料の相場は100万〜300万円程度ですが、物件の規模や譲渡される設備・機器・什器の種類や数によって変動します。造作譲渡料の節約ポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

居抜き物件の工事を計画しよう!

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監修者

IDEAL編集部

日本全国の美容室・カフェ・スポーツジム等の実績多数!
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