2021.01.14 2024.02.18|店舗運営ノウハウ
デリバリー専門店の内装をデザインする際の注意点!施工事例や工事費用も紹介
本記事で、デリバリー専門店の内装をデザインする際の注意点を解説します。施工事例や工事費用もご紹介します。店舗の開業や移転、リニューアルなどをご検討中の方は、ぜひご覧ください。
目次
デリバリー専門店の内装デザイン・工事に関する基本情報
デリバリー専門店の内装デザイン・工事を計画する前に、基本情報を確認しましょう。基本情報を押さえることで、計画を進めやすくなるからです。それではデリバリー専門店の内装デザイン・工事が重要な理由や特徴、業者、流れをご紹介します。
重要な理由
まずデリバリー専門店の内装デザイン・工事が重要な理由は、集客と売上を左右するからです。ターゲットとする顧客層に好まれる内装をデザインできれば、集客アップにつながります。
そして商品の注文や準備、受渡などの効率を上げるためには、顧客と従業員の動線に合うレイアウトや設備・機器・什器などが求められます。デリバリー専門店の内装をデザインする際の注意点について、後ほどご紹介します。
特徴
次にデリバリー専門店の内装デザイン・工事の特徴は、飲食店よりも狭いフロアやテイクアウト・ドライブスルーのカウンターなどです。ダイニングフロアのレイアウトされる飲食店とは異なり、デリバリー専門店には広いフロアが必要ではありません。
またデリバリー専門店であっても、テイクアウトやドライブスルーに対応する場合には、専用カウンターが必要です。デリバリー・テイクアウト専門店の開業準備については、次の記事をご覧ください。
業者
またデリバリー専門店の内装デザイン・工事を依頼できる業者には、設計事務所や内装専門業者、工務店などがあります。業者の種類によって、内装のデザイン性や工事のコストなどが異なります。
そしてデリバリー専門店の内装デザイン・工事を依頼する際には、複数の業者から見積もりを取って、各業者の施工実績や得意分野、接客対応などを比較しましょう。失敗しない内装工事業者の選び方をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
流れ
そしてデリバリー専門店の内装デザイン・工事の流れをご確認ください。
- 業者探しと問い合わせ
- 相見積もりと契約
- 業者との打ち合わせ
- 店舗物件探しと現場調査
- 店舗内装デザインの完成
- 店舗の内装工事
- 店舗の引き渡し
以上の流れには、店舗の規模や立地などによって、数か月から半年以上かかります。デリバリー専門店の開業予定日から逆算して、内装デザイン・工事の計画を立てましょう。店舗内装のデザイン・工事の流れをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
デリバリー専門店の内装をデザインする際の注意点
基本情報だけではなく、デリバリー専門店の内装をデザインする際の注意点も押さえましょう。8点(コンセプトとレイアウト、内装材、カウンター、厨房、デジタルサイネージ、換気・排気、ドライブスルー)を取り上げます。
コンセプトの設計
まずデリバリー専門店の内装をデザインする際の注意点として、コンセプトの設計が挙げられます。コンセプトは店舗経営の基本方針であり、事業計画書の作成や競合店との差別化にとって重要です。
そこで市場調査と競合分析に基づいて、デリバリー専門店のコンセプトを設計しましょう。店舗のコンセプトを設計する流れと方法をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
フロアのレイアウト
次にレイアウトも、デリバリー専門店の内装をデザインする際の注意点です。デリバリー専門店のフロアには、厨房や受渡カウンター、バックヤード、トイレなどがレイアウトされます。
商品の仕入れや仕込み、調理、受注、受渡、配達などの業務を遂行しやすいように、各スペースをレイアウトしましょう。飲食店の厨房をレイアウトする方法をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
内装材
また内装材も、デリバリー専門店の内装をデザインする際の注意点です。内装材には、防音や防水、調湿、断熱などの役割があります。メニューの調理方法や周辺環境などを踏まえて、内装材の機能性を検討しましょう。
ただしデリバリー専門店の集客と売上を伸ばすためには、機能性だけではなく、内装材のデザイン性も重要です。内装材の種類と特徴をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
カウンター
それからカウンターも、デリバリー専門店の内装をデザインする際の注意点です。外部のデリバリーサービスと提携する場合には、商品を受け渡すためのカウンターをデザインしましょう。
カウンターの形は主に3種類(I字型・L字型・コの字型)に分類され、高さ(ハイ・ミドル・ロー)もさまざまです。店舗のおしゃれなカウンター施工事例をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
厨房の設備・機器・什器
続いて厨房の設備・機器・什器も、デリバリー専門店の内装をデザインする際の注意点です。デリバリー専門店の厨房に必要な設備・機器・什器をご確認ください。
- シンク
- ガスコンロ・ガステーブル
- 作業台
- 冷凍冷蔵庫
- 食器棚
ただし上記以外にも、業態特有の設備・機器・什器(インド料理のタンドールオーブンやラーメン屋の製麺機など)も必要です。デリバリー専門店にも役立つ厨房設備・機器・什器の選び方をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
デジタルサイネージ
さらにデジタルサイネージも、デリバリー専門店の内装をデザインする際の注意点です。デジタルサイネージ(電子機器に情報を表示させた看板)を設置することで、商品の受け渡しやブランディングなどに活用できます。
なおデジタルサイネージの種類には、スタンドアローン型やローカルネットワーク型、クラウド型、インタラクティブ型などがあります。デリバリー専門店にも役立つデジタルサイネージの活用事例をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
換気と排気の効率
そして換気と排気の効率も、デリバリー専門店の内装をデザインする際の注意点です。店舗内を換気効率を高めることで、ウィルスの除去や二酸化炭素濃度の減少、結露とカビの防止などにつながります。
また排気効率を高めることで、店内の臭いや煙、熱などを店外へ排出できます。デリバリー専門店にも役立つ排気ダクトに関する注意点をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
ドライブスルーの対応
なおドライブスルーの対応も、デリバリー専門店の内装をデザインする際の注意点です。店舗内の受渡カウンターだけではなく、ドライブスルーに対応するためには、専用のシステムやマニュアルを検討しましょう。
特に食中毒や交通事故、犯罪に注意して、ドライブスルーのスペースをデザインしましょう。ドライブスルー店舗を開業する際の注意点をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
デリバリー専門店の内装施工事例
注意点に気をつけながらデリバリー専門店の内装をデザインできるように、施工事例を調査しましょう。事例5点を取り上げて、各事例の特徴(ファーストフードと3プラン、フードデリバリーサービス、不動産業者、レンタルスタジオ)をご紹介します。
ファーストフード店のクラウドキッチン
まず「ファーストキッチンZero 神楽坂店」は、ファーストフードのデリバリー専門店です。クラウドキッチン「キッチンベース神楽坂店」に出店されています。5階建てビル1棟内に、21キッチンがあります。
クラウドキッチンの内装は白をベースカラーに配置工されており、シルバーの厨房設備・機器・什器が配置され、清潔感を与えています。調理された商品は、1階のカウンターからデリバリーサービスへ受渡されます。
参照元:
PR TIMES「ファーストキッチン初のデリバリー専門店を『出前館』で取り扱い開始」
PR TIMES「デリバリー専用のシェア型クラウドキッチン『KitchenBASE(キッチンベース)』全21キッチン、ビル1棟の超大型2号店を神楽坂に今夏オープン!」
フレンチレストランのクラウドキッチン
次に「French NOSE 3rd」は、フレンチレストランのデリバリー専門店です。クラウドキッチン「OUR KITCHEN白金」に出店されています。ビル内には、7キッチン(家庭用システムキッチンと業務用キッチン)があります。
家庭用システムキッチンには、調理の設備・機器はもちろん、動画配信設備も完備。業務用キッチンには、厨房設備・機器(コンロやシンク、コールドテーブル、冷凍ストッカーなど)が設置されています。
参照元:
PR TIMES「With コロナのNEW NOMAL! クラウドキッチンでデリバリークラウドキッチン事業を始めませんか?」
PR TIMES「元シェ松尾・松濤本店料理長 能勢和秀シェフがデリバリーに本格参入」
Green Dining Kitchen「OUR KITCHEN 白金」
フードデリバリーサービスのクラウドキッチン
それから「出前館」は、フードデリバリーサービスを提供する会社です。独自のクラウドキッチンも運営。キッチンだけではなく、デリバリーサービス用の駐輪場やオペレーション室などもレイアウトされています。
出前館がクラウドキッチンを立ち上げた目的は、デリバリー専門店の経営者にキッチンとデリバリーサービスを提供するためです。デリバリーサービスの運営ノウハウも提供されています。
参照元:
PR TIMES「『出前館』運営、配達機能を備えたクラウドキッチンの旗艦店がオープン」
出前館「クラウドキッチン併設型デリバリー拠点のキッチン運営加盟店の募集」
不動産業者の運営するクラウドキッチンの内装
さらに「CITY KITCHEN」は、不動産業者の運営するクラウドキッチンです。東急リバブルがビルのフロアを借り上げて、複数のキッチンをデザイン・工事したうえで、貸し出しています。
東急リバブルがクラウドキッチンを立ち上げた目的は、空室の有効利用や幅広いサービスへの対応などです。備え付けの厨房設備は、定期的にメンテナンスされており、24時間の相談窓口もあります。
参照元:
東急リバブル「デリバリー専門のクラウドキッチン事業を開始『CITY KITCHEN』 一号店を六本木に開設~不動産のプロが提供するフードデリバリー施設~」
流通ニュース「東急リバブル/フードデリバリー専門のクラウドキッチン事業開始」
レンタルスタジオ事業者の運営するクラウドキッチンの内装
そして「ExCell Kitchen」は、レンタルスタジオ事業者の運営するクラウドキッチンです。株式会社音練が、本社ビルの一部に6つのキッチンをデザイン・工事して、貸し出しています。
クラウドキッチンの内装は白をベースに配置され、シルバーの厨房設備・機器が設置。商品の受け渡しスペースには、木目の床材と什器が採用されています。株式会社音練がクラウドキッチンを立ち上げた目的は、空室の有効利用や地域の活性化などです。
参照元:
PR TIMES「デリバリー専門6店舗入居型クラウドキッチン「ExCell Kitchen(エクセルキッチン)」が東京都新宿区新宿に12月上旬グランドオープン!」
デリバリー専門店の内装工事費用
施工事例のようなデリバリー専門店の内装を工事するためには、予算が必要です。そこでデリバリー専門店の内装工事費用の相場と内訳をご紹介します。無駄な経費を削減できるように、節約法も確認しましょう。
相場
まずデリバリー専門店の内装工事費用の相場は、坪単価10万~30万円程度です。例えば10坪のスケルトン物件を内装工事するなら、100万~300万円程度かかります。ただし物件の立地や規模、種類(居抜きかスケルトン)、設備・機器・什器の台数などによって、工事費用は変動します。
内訳
次にデリバリー専門店の内装工事費用の内訳について、下表にまとめました。参考情報として、10坪のスケルトン物件にかかる内装工事費用を試算してあります。
費用の内訳 | 費用の目安 | 費用の試算 |
諸経費 (デザイン・施工監理など) | 20%程度 | 20万~60万円程度 (10坪のスケルトン物件) |
内装工事費 (天井・壁・床・建具など) | 30%程度 | 30万~90万円程度 |
設備・機器・什器工事費 (電気・水道・ガス・換気・ 空調・厨房・カウンターなど) | 50%程度 | 50万~150万円程度 |
合計 | 100% 坪単価10万~30万円程度 | 100万~300万円程度 |
上表のとおり、デリバリー専門店の内装工事費用においては、設備・機器・什器工事費用が大半を占めます。つまり設備・機器・什器のグレードを上げたり、台数を増やしたりするほど、内装工事費用は増加するわけです。
節約法
そしてデリバリー専門店の内装工事費用の節約法には、相見積もりや居抜き物件、補助金・助成金などがあります。複数の業者から見積もりを取って、業者の提案する工事の内容や費用を比較すれば、無駄な経費を削減しやすいです。
デリバリー専門店の居抜き物件を選ぶと、施工されている内装や設備・機器・什器などを利用できるため、新規の工事費用を削減できます。ただし居抜き物件にはデメリットもありますので、次の記事も併せてご覧ください。
補助金・助成金を受給できれば、条件を満たすかぎり返済義務がありません。デリバリー専門店にも役立つ補助金や助成金の情報をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
デリバリー専門店の内装デザイン・工事を計画しよう!
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監修者
-
IDEAL編集部
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