2021.02.25 2024.02.01|店舗デザイン
コワーキングスペース併設カフェとは!必要な設備や開業の注意点・事例・資金
本記事で、コワーキングスペース併設カフェについて、必要な設備や開業の注意点・事例・資金などをご紹介します。店舗の開業や移転、リニューアルなどをご検討中の方は、ぜひご覧ください。
目次
コワーキングスペース併設カフェとは?基本情報を紹介
そもそもコワーキングスペース併設カフェとは、どういった店舗なのでしょうか?開業を検討する前に、基本情報(業態の特徴や種類、コワーキングスペースとカフェの違い、メリット・デメリット、必要な設備・機器・什器)を確認しましょう。
業態の特徴や種類
まずコワーキングスペース併設カフェ業態の特徴は、オフィスとカフェに必要な内装・設備・機器・什器やサービスなどです。個室や会議室などに通信環境が配備されているだけではなく、有料でコーヒーや軽食などが提供されます。
またコワーキングスペース併設カフェの種類は、幅広いです。個室とカフェスペースがレイアウトされたシンプルな店舗だけではなく、酸素カプセルや宿泊施設などが併設された店舗もあります。後ほど事例をご紹介します。
参照元:
HOUSE HOKUSAI「WORK WITH HOKUSAI」
コワーキングスペースとカフェの違い
次にコワーキングスペースとカフェの違いは、サービスの内容・料金や店内の雰囲気などです。コワーキングスペースには、通信環境の整備された個室や会議室などがレイアウトされており、作業に集中しやすいです。定額(時間や月の単位)で利用できますが、幅広い飲食物のメニューが提供されているとは限りません。
一方のカフェでは、一般的に通信環境の配備された座席や幅広いメニュー(コーヒーや軽食など)が提供されます。ただし他の顧客の会話や視線が入る場合には、顧客が作業に集中しづらいです。また食事を終えたら顧客に退店してもらうことが、基本的には望まれます。
メリット・デメリット
またコワーキングスペース併設カフェを開業するメリットとして、定額の売上を獲得でき、オプションサービスからの売上も期待できます。時間・月単位でのスペースの貸し出しや飲食物の販売、娯楽設備・宿泊設備の貸し出しなどが可能です。
一方でコストの高さは、コワーキングスペース併設カフェを開業するデメリットです。開業前には初期投資(店舗物件取得費や設備・機器・什器工事費用など)が必要で、開業後にはメンテナンスコスト(外観と内装、設備・機器・什器など)もかかります。
必要な設備・機器・什器
なおコワーキングスペース併設カフェに必要な設備・機器・什器をリストにまとめましたので、ご覧ください。
- 通信や空調・換気、個室ブースなどの設備
- OA機器・電子レンジ、シャワーなどの機器
- ロッカー・ソファ・ベッド・私書箱などの什器
コワーキングスペース併設カフェのサービスや規模に応じて、必要な設備・機器・什器を検討しましょう。店舗で利用される什器の分類をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
コワーキングスペース併設カフェを開業する際の注意点
基本情報だけではなく、コワーキングスペース併設カフェを開業する際の注意点も確認しましょう。8点(コンセプトと無人化、資格と免許、届出と許可、立地と物件、外観と内装、設備・機器・什器、防音)を取り上げます。
コンセプト設計
まずコンセプト設計が、コワーキングスペース併設カフェを開業する際の注意点として挙げられます。コンセプトは、店舗経営の基本方針となり、事業計画書に活用でき、競合店との差別化を図るために必要です。
そこで市場調査と競合分析を踏まえて、独自性のあるコンセプトを設計しましょう。店舗のコンセプトを設計する流れと方法、事例などをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
無人店舗
次に無人店舗も、コワーキングスペース併設カフェを開業する際の注意点です。認証ゲートや防犯カメラなどが導入されたコワーキングスペースやセルフサービスのカフェなら、無人店舗ビジネスに向いています。
ただし無人店舗のビジネスには、ICT人材の採用やトラブルの対応などの課題もあります。無人店舗ビジネスの基本情報や事例(ドリンク購入で時間無制限のカフェ)などをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
資格と免許
また資格と免許も、コワーキングスペース併設カフェを開業する際の注意点です。店内で食品を調理して飲食物を提供する場合には、食品衛生責任者の資格が求められます。また収容人員30人以上の特定用途の防火対象物に該当する場合には、防火管理者の資格も必要です。
以上のカフェ経営に必須の資格・免許についてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。調理・コーヒー製造に役立つ資格・免許(調理師免許やバリスタライセンスなど)もあります。
届出と許可
それから届出と許可も、コワーキングスペース併設カフェを開業する際の注意点です。カフェの開業に必要な届出・許可をリストにまとめましたので、ご確認ください。
- 個人事業主に必要な届出(開業届など)
- 法人に必要な届出(法人設立届など)
- カフェ開業の届出・許可申請(飲食店営業許可など)
以上のカフェの開業に必要な届出・許可についてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。届出・許可ごとに申請の時期や方法が異なりますので、注意しましょう。
立地と物件の選定
そして立地と物件の選定も、コワーキングスペース併設カフェを開業する際の注意点です。店舗の立地と物件は、コンセプトを実現させる手段であり、賃料が運転資金の中で大きな割合を占めます。したがって集客と売上を伸ばすためには、店舗の立地と物件が重要です。
そこで市場調査を踏まえて立地を絞り、希望条件を整理してから物件を探しましょう。店舗物件の探し方や内覧時の確認事項などをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
外観と内装のデザイン・工事
続いて外観と内装のデザイン・工事も、コワーキングスペース併設カフェを開業する際の注意点です。店舗の外観は、コンセプトを表現して、競合店との差別化を図るために重要であり、集客に影響します。おしゃれなカフェの外観をデザインするポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
外観と同様に、カフェの内装も、コンセプトを伝えたり、店内の居心地や印象を左右したりするため、集客や売上に影響を与えます。カフェ内装デザインのポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
設備・機器・什器の機能性
さらに設備・機器・什器の機能性も、コワーキングスペース併設カフェを開業する際の注意点です。食品を調理して飲食物を提供する場合には、厨房が必要です。厨房設備・機器・什器の選び方をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
また顧客満足度の向上だけではなく、従業員の業務効率や無人店舗化などのために、通信やDX関連の設備・機器も重要です。店舗DXを進める流れとポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
防音
なお防音も、コワーキングスペース併設カフェを開業する際の注意点です。防音対策により、「店内から店外への騒音」や「店外から店内への騒音」を防止できます。顧客満足度の向上や近隣トラブルの防止などのために重要です。
ただし防音対策には、工事費用がかかり、定期的なメンテナンスも必要です。また防音対策の内容によって、工事費用は変動します。店舗を防音工事する費用などをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
コワーキングスペース併設カフェの開業事例
注意点に気をつけるだけではなく、コワーキングスペース併設カフェの開業事例を調査しましょう。本記事では事例5点を取り上げて、各事例の特徴(酸素カプセル・地域活性化・古民家・料亭・宿泊)をご紹介します。
酸素カプセルも提供する店舗
まず「&ANDSTUDY」は、酸素カプセルも提供する店舗です。勉強や仕事で疲れた頭と体をリフレッシュできるように、有料オプションとして完全予約制で提供されています。同じく有料オプションとして、ロッカーサービスや利用時間の延長サービスもあります。
通常サービスには、書籍コーナーやワークブース、ドリンク・スナックバー、電話ブース、Wi-Fi・電源設備、プリンター印刷などがあります。利用プランは、時間単位のドロップインと月額の会員です。
参照元:&ANDSTUDY「サービス」
地域活性化に貢献する施設
次に「tsumiki」は、地域活性化に貢献する施設です。宮城県宮城郡利府町の町民ワークショップで話し合われたアイデアが盛り込まれ、利府に新しい風を吹き込むために運営されています。
施設内にはワークスペースとカフェ、販売スペースなどがレイアウトされており、事業の相談や地域の交流、物販なども可能です。公設民営の施設であるため、利用料が民間施設よりも安いです。
参照元:tsumiki「利府町まち・ひと・しごと創造ステーション」
古民家からリノベーションされた店舗
また「Work Cafe Kofuneya」は、古民家からリノベーションされた店舗です。和テイストの内装空間に、カフェやコワーキングスペース、レンタルスペースがレイアウトされています。
カフェでは、地域の食材を利用したメニューが提供されており、仕入先などの耳より情報も顧客へ向けて発信されています。地域活性化を目指す経営者が起業したコワーキングスペース併設カフェです。
参照元:Work Cafe Kofuneya「古民家カフェ コワーキングスペース」
料亭内にある店舗
それから「Nakayasu Café」は、料亭内にある店舗です。老舗料亭「なか安」の6階にコワーキングスペースが、4-5階にカフェがレイアウト。フロアの有効活用を目指して改装されました。
カフェのテラスでは星空を眺めることができ、オーガニックコーヒーや地元の食材を使用したメニューが提供されています。コワーキングスペースでは、個人や法人によるイベントやワークショップなどの開催が可能です。
宿泊できる店舗
なお「HOUSE HOKUSAI」は、宿泊できる店舗です。2階建ての公共施設からリノベーションされ、地域に滞在した葛飾北斎にちなんで名づけられました。会議スペースや宿泊スペースなどがレイアウトされています。
専用のWi-Fiに加えて、有料のオプションサービス(ロッカーや郵便物受取、法人登記)も提供されています。自然豊かなエリアで、通常の業務だけではなく、泊まりの合宿やイベント開催なども可能です。
参照元:HOUSE HOKUSAI「WORK WITH HOKUSAI」
コワーキングスペース併設カフェの開業資金
コワーキングスペース併設カフェの開業準備を進めるためには、予算が必要です。そこで開業資金の相場と内訳をご紹介します。無駄な経費を削減できるように、節約法もご紹介します。
相場
まずコワーキングスペース併設カフェ開業資金の相場は、坪単価30万~50万円程度です。ただし物件の立地や規模、種類(居抜きかスケルトン)、取得方法(賃貸か購入)、設備・機器・什器の種類と台数などによって、開業資金は変動します。
内訳
次にコワーキングスペース併設カフェ開業資金の内訳について、下表にまとめました。参考情報として、20坪でスケルトンの賃貸店舗物件にかかる開業資金を試算してあります。
資金の内訳 | 費用の目安 | 費用の試算 |
物件取得 | 全体の10%程度 賃料の3~6か月分程度 | 60万~100万円程度 賃料20万円で20坪の スケルトン物件 |
店舗のデザイン・工事 (外観と内装・設備・ 機器・什器) | 全体の50%程度 (坪単価10万~25万円程度) | 200万~500万円程度 |
諸経費 (開業前の採用・研修・ 資格取得・届出・許可、集客など) | 全体の30%程度 | 180万~300万円程度 |
運転資金 (開業後の光熱水費や賃料、 人件費、集客費など) | 全体の10%程度 賃料の3~6か月分程度 | 60万~100万円程度 |
合計 | 100% 坪単価30万~50万円程度 | 600万~1,000万円程度 |
節約法
そしてコワーキングスペース併設カフェ開業資金の節約法として、居抜き物件や補助金・助成金、相見積もりなどがあります。居抜き物件を活用して、外観や内装、設備・機器・什器などを譲渡してもらえると、新規工事費用を節約できます。
国や自治体からの補助金・助成金を受給できれば、基本的に返済義務のない資金を獲得できます。店舗の開業・経営に活用できる補助金・助成金の種類をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
なお相見積もりを取って、各業者の提案内容(工事の費用や期間など)を比較検討すると、無駄な経費を削減しやすいです。
コワーキングスペース併設カフェを開業しよう!
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監修者
-
IDEAL編集部
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