2023.05.15 2023.05.08|店舗デザイン
歯科医院の内装をデザインするポイント!流れや施工事例・工事費用も紹介
本記事で、歯科医院の内装をデザインするポイントを解説します。歯科医院の内装をデザインする流れや施工事例、工事費用もご紹介します。店舗の開業や移転、リニューアルなどをご検討中の方は、ぜひご覧ください。
歯科医院の内装をデザインする流れ
歯科医院を開業するためには、エリア選定や内装デザインなどの準備が必要です。歯科医院開業に失敗しないコツをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
特に内装のデザインと工事には数か月かかりますので、計画的に進めなくてはなりません。そこでデザインする流れを把握しましょう。
適した立地や広さの物件を選ぶ
歯科医院の内装をデザインする流れは、適した立地や広さの物件を選ぶ作業から始まります。ターゲットとする患者が通いやすい立地を絞り、ニーズに応える医療サービスを提供できる物件を契約しましょう。
居抜き物件には前借主の施工した内装や設備が残されている分だけ、内装工事費用を抑えることが可能です。一方でスケルトン物件(建物の躯体だけの状態)なら、内装や設備を一から自由にデザインできますが、居抜き物件よりもデザインと工事に費用がかかります。
歯科医院にも活用できる物件の探し方について詳しくまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
必要な部屋やスペースを整理する
歯科医院を開業する物件を契約できたら、必要なゾーンを整理しましょう。一般的な歯科医院には、以下の部屋やスペースが必要です。
- エントランス
- 受付・待合のスペース
- カウンセリング室
- 診察室
- 消毒室
- スタッフ用の休憩スペース
- トイレや水道
ただし歯科医院の診療内容に応じて、必要な部屋やスペースは異なります。例えば子ども連れの患者をターゲットにする歯科医院には、キッズルームや授乳室が求められます。
各部屋・スペースをレイアウトする
歯科医院に必要な部屋やスペースを特定できたら、各部屋・スペースをレイアウトしましょう。患者が安心できる診療はもちろん、従業員の快適な作業も可能となるように、動線設計が重要です。動線設計は、安全性や業務効率にも影響します。
例えばエントランスから受付・待合スペース、診察室までの経路を分かりやすくし、外部からの視線や騒音が気にならない位置にカウンセリング室をレイアウトします。他にも、歯科医院にも活用できるレイアウトするポイントを詳しくまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
図面を作成する
そして各部屋・スペースをレイアウトしながら、図面を作成しましょう。業者が正確に歯科医院の内装を工事できるように、図面を作成することがポイントです。具体的には平面図だけではなく、断面図や立面図、展開図、建具図などが作成されます。
また歯科医院のコンセプトが明確でも、内装デザインに反映されなければ集客につながらない恐れがありますので、実績が豊富な業者を選びましょう。他にも、歯科医院にも活用できる設計のポイントを詳しくまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
歯科医院の内装をデザインするポイント
歯科医院の内装をデザインする流れを把握したうえで、デザインするポイントも押さえておきましょう。歯科医院にも活用できるクリニック内装デザインのポイントをまとめて、以下の記事も併せてご覧ください。
- 院内の動線を設計する
- 患者のプライバシーに配慮する
- 衛生面と安全面に気をつける
- 必要な収納スペースを確保する
本記事では歯科医院に焦点を当てて、内装をデザインするポイントをご紹介します。
法令を遵守する
歯科医院の内装をデザインするポイントとして、まず法令を遵守する点が挙げられます。患者にとって安心・安全な内装をデザインするためであり、患者の満足度にもつながるからです。
自治体ごとに構造設備に対する指導基準が設けられているため、事前に開業予定エリアの示す基準を確認することが大切です。例えば東京都の歯科医院は、診察室と待合室の区画を明確に分けなくてはなりません。
参考:東京都福祉保健局「診療所(歯科診療所)新規解説の手続き(個人開設)」
コンセプトに合わせる
次にコンセプトに合わせる点も、歯科医院の内装をデザインするポイントです。歯科医院の魅力や独自性を患者に伝えるためです。ターゲットとする患者のニーズに応えるように、内装をデザインしましょう
例えば高級感をコンセプトとする歯科医院なら、ホテルのような受付をデザインします。歯科医院にも活用できるコンセプトを設計する方法をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
ファサードをおしゃれにする
またファサードをおしゃれにする点も、歯科医院の内装をデザインするポイントです。なぜなら潜在的な患者である通行人やドライバーへ、歯科医院の存在をアピールできるからです。
ファサードは歯科医院の顔となりますので、内装との統一感が出るようにデザインしましょう。他にもファサードをデザインするポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
ユニバーサルデザインのエントランスをデザインする
さらにバリアフリーのエントランスをデザインする点も、歯科医院の内装をデザインするポイントです。ユニバーサルデザインによって、車いす利用者や高齢者、ベビーカーを持参する患者らに対応しやすくなります。
具体的なデザインとして、段差のないエントランスやスリッパの履き替えが不要なフロア、トイレのスロープなどが挙げられます。他にもスライド式のドアや車いすが方向転換できる通路などもユニバーサルデザインの具体例です。
受付・待合スペースでの接触回数を減らす
そして受付・待合スペースでの接触回数を減らす点も、歯科医院の内装をデザインするポイントです。混雑時でも患者同士の距離を近づけないように、受付・待合スペースをレイアウトすることで、感染症対策になります。
ただしフロア面積が足りない歯科医院では、完全予約制にして人数制限する方法をご検討ください。また受付用の入口と会計後の出口を分けることでも、不要な接触回数を削減できます。
温かみや癒しを感じさせる
加えて歯科医院の内装をデザインするポイントとして、温かみや癒しを感じさせる点も忘れてはなりません。患者の不安を軽減できるようにするためです。
例えば天井の形状には平天井や傾斜天井、折り上げ天井などがあり、形状によって内装空間の雰囲気や開放感などが変化します。天井をデザインするポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
また壁に天然素材を施工することで、自然の風合いを出すことができます。歯科医院にも活用できるおしゃれな壁をデザインするコツを詳しくまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
なお床についても、コンセプトに合わせて素材や色などを選びましょう。歯科医院にも活用できる床材の種類や費用についてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
診察室を個室・半個室にする
それから診察室を個室・半個室にする点も、歯科医院の内装をデザインするポイントです。診察を受ける患者のプライバシーを保護できます。
ただしフロア面積が狭い個室・半個室は窮屈さを感じさせる点に、ご注意ください。完全個室と半個室の違いを詳しくまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
優しい色合いの照明を照らす
天井だけではなく、優しい色合いの照明を照らす点も、歯科医院の内装をデザインするポイントです。治療中には、患者の口腔内に、医療用のスポットライトが当てられます。ただし仰向けになるため、診察室の天井に照度が高い照明が施工されていると、患者が眩しさを感じてしまいます。
したがって天井の照明には、目に優しい色合いの照明や患者の視野に光が入らない間接照明を選びましょう。照明の効果や種類を詳しくまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
準備室を清潔に保つ
なお歯科医院の内装をデザインするポイントとして、準備室を清潔に保つ点も挙げられます。準備室は、治療や検査に使用される器具や備品を消毒するために必要です。準備室を清潔に保つために、患者が立ち入らない位置にレイアウトし、汚れや雑菌の侵入を防ぎましょう。
具体的には準備室をクリニックの奥にレイアウトし、扉に鍵をかけます。患者が間違って入室しないよう、患者の動線から外してレイアウトすることが大切です。
歯科医院の内装施工事例
理想的な歯科医院の内装をデザインするために、参考となる施工事例を調査しましょう。本記事では施工事例5点を取り上げて、歯科医院の内装をデザインするポイントが活かされている点をご紹介します。
ゴールドに輝く内装
引用:Shibuya Marron Dental Clinic Tokyo「きっと、人に紹介したくなる歯科医院」
「渋谷マロン歯科Tokyo」様には、「通いたくなるような歯医者」をコンセプトに、ゴールドに輝く内装がデザインされました。受付には清潔感のある白がベースカラーとして配置され、装飾や間接照明が施工されて、高級ホテルの受付のようです。
待合室は、患者が寛げるように広々とレイアウトされ、ソファやコンセントが設置。治療の見える化や徹底した衛生管理を実現できるように、診察室や準備室がデザインされています。
洗練された雰囲気の内装
引用:東京ミッドタウンデンタルクリニック「国内外で専門分野の技術を磨いた医師が、 一人ひとりのお悩みに親身に向き合います。」
「東京ミッドタウンデンタルクリニック」様には、洗練された雰囲気の内装がデザイン。医院全体のベースカラーとして清潔感のある白が配置され、受付カウンターや壁材にメインカラーとしてブラウンが配置されています。
また患者のプライベートドクターとなれるように、治療環境がデザイン。外部からの視線や騒音が気にならないように、個室または半個室の診察室がレイアウトされています。
開放的な印象の内装
引用:医療法人社団則樹会 ひらいデンタルパートナーズ「地域の皆さまの健康を守るパートナー」
「医療法人社団則樹会 ひらいデンタルパートナーズ」様には、開放的な印象の内装がデザイン。天井が木目で仕上げられたり、ウッドデッキがレイアウトされたりして、ロッジのような空間が演出されています。
また待合室にはキッズルームがレイアウトされ、親子で入れる広々とした診察室がデザイン。院内の角が丸く加工されており、子どもや高齢者に優しい空間が提供されています。
患者のプライバシーを守る内装
引用:医療法人雄之会 つきやま歯科医院 井尻本院「生涯あなたのお口を守る。私たちは一切妥協しません。」
「つきやま歯科医院 井尻本院」様の内装は、患者のプライバシーを守れるようにデザインされています。待合室から完全個室の診察室へ案内されるため、患者が人目を気にせずに治療を受けられます。透明感のあるカウンセリングルームも完備され、落ち着いた色合いが配色されています。
また待合室には自然光を採り入れて、リラックスできる空間を演出。外観はガラス張りで、清潔感のある内装と統一感が出ています。
サロンのような内装
引用:LADY DENTAL CLINIC SAPPORO「女性に寄り添う歯科医院です」
「レディデンタルクリニック札幌」様には、サロンのような内装がデザイン。女性をターゲットとしているため、パウダールームが完備。壁や什器などにアクセントカラーとしてピンクが配色され、可愛らしさが演出されています。
診察室には自然素材が施工されて、落ち着いた雰囲気を感じさせます。診察室は完全個室になっており、患者のプライバシーにも配慮されています。
歯科医院の内装工事費用
デザインした歯科医院の内装を実現できるように、予算内に内装工事費用を収めなければなりません。そこで内装工事の相場や費用、節約方法をご紹介します。無駄を省きつつ、必要な内装や設備を施工しましょう。
工事費用の相場
歯科医院の内装工事費用の相場は、坪単価30万〜100万円程度です。30坪の物件であれば、900万〜3,000万円程度かかります。しかし物件の立地や種類(居抜き物件かスケルトン物件)、規模、設備の数やグレードなどによって、内装工事費用は変動します。
工事費用の内訳
下表に、歯科医院内装工事費用の内訳をまとめました。30坪のスケルトン物件を工事する費用を試算してあります。
工事費用の内訳 | 割合 | 30坪のスケルトン物件 |
デザイン費 | 全体の5%程度 | 45万~150万円程度 |
諸経費 (施工監理など) | 全体の5%程度 | 45万~150万円程度 |
仮設・解体工事 | 全体の5%程度 | 45万~150万円程度 |
軽量鉄骨・ボード工事費 | 全体の15%程度 | 135万~450万円程度 |
設備工事費 (電気・水道・ガス・空調・給排気など) | 全体の30%程度 | 270万~900万円程度 |
内装工事費 (天井や床、壁、建具など) | 全体の30%程度 | 270万~900万円程度 |
造作什器費 (オリジナルのカウンターや棚など) | 全体の10%程度 | 90万~300万円程度 |
合計 | 100% 坪単価30万〜100万円程度 | 900万~3,000万円程度 |
上表のとおり、工事費用の6割程度を設備と内装が占めます。開業費用には物件取得費や設備・機器・什器費、集客費などもかかります。内装・設備の機能性とデザイン性にこだわるほど、工事費用がかかりますので、ご注意ください。
工事費用の節約
歯科医院内装工事費用の節約方法として、まず内装や設備のグレードを検討しましょう。機能性やデザイン性をこだわる部分を絞りこむことが重要です。
また内装工事を依頼する前に、複数の業者から相見積もりを取りましょう。工事の内容と費用を比較することで、適正な費用で理想的な工事をできる業者を選びやすくなります。
さらに居抜き物件の活用も、内装工事費用の節約につながります。居抜き物件のメリットやデメリットについて詳しくまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
理想的な歯科医院の内装をデザインしよう!
IDEALは、店舗全般のコンセプト設計から資金調達、物件探し、内外装のデザイン・工事、集客までのワンストップソリューションをご提供しております。
下のキーワードをクリックして、店舗デザインや開業準備などの関連記事もぜひご覧ください。また店舗の開業や移転、リニューアルなどをご検討の際は、ぜひご相談ください。
監修者
-
IDEAL編集部
日本全国の美容室・カフェ・スポーツジム等の実績多数!
> IDEALの編集者ポリシー
店舗づくりをプロデュースする「IDEAL(イデアル)」が運営。
新規開業、店舗運営のお悩みや知りたい情報をわかりやすくお届けいたします。