2023.05.08  2023.05.16|店舗デザイン

店舗の完全個室とは?半個室との違いやメリット・デザイン・施工事例をご紹介

店舗の完全個室とは?半個室との違いやメリット・デザイン・施工事例をご紹介

本記事で、「店舗の完全個室とは?」という疑問にお答えします。半個室との違いや完全個室のメリット、デザイン、施工事例もご紹介します。店舗の開業や移転、リニューアルなどをご検討中の方は、ぜひご覧ください。

店舗の完全個室とは?

店舗の完全個室とは?

そもそも店舗の完全個室とは、どういった部屋でしょうか?店舗における完全個室の条件や半個室との違い、完全個室の需要がある業種・業態をご紹介します。理想的な店舗をデザインするために、完全個室の基本情報を押さえましょう。

完全個室の条件

まず店舗における完全個室の条件は、扉や造作壁、施工型パーテーションなどで部屋が仕切られていることです。店舗の完全個室は、室外からの視線や騒音、悪臭などを軽減できるため、プライバシー保護やプライベート感の演出が可能になります。

半個室との違い

次に店舗の完全個室と半個室の違いは、視認性や防音性、通気性などです。完全個室は壁や扉、施工型パーテーションで仕切られるため、半個室よりも室外からの視線や遮音、悪臭などを軽減できますので、プライバシー保護やプライベート感を演出できます。

一方の半個室とは、壁や建具で完全に仕切られていない個人用スペースです。カーテンやすだれなど簡易的に仕切られているため、完全個室よりも視認性や遮音性、通気性が劣ります。

ただし半個室は、完全個室よりも導入コストが安く、仕切りを柔軟に活用できます。他にも半個室のメリットを紹介していますので、次の記事も併せてご覧ください。

完全個室の需要がある業種・業態

そして完全個室の需要がある業種・業態には、顧客に対してプライバシーや健康・安全への配慮が求められます。次のような業種・業態の店舗に、完全個室が求められます。

  • 飲食業のレストランや居酒屋など
  • サービス業のサロンやジムなど
  • 小売業の雑貨屋やパン屋など
  • 医療・介護業のクリニックや老人ホームなど

例えばエステサロンの施術室を完全個室にすることで、施術を受ける顧客のプライバシーを保護できます。騒音や視線を気にせず、リラックスしながら施術を受けてもらえるからです。

またクリニックにおいては、顧客同士の不要な接触を避けるために、完全個室が必要です。特にコロナ禍においては、感染症対策として診察室や治療室、検査室などに完全個室が求められます。

店舗における完全個室のメリット・デメリット

店舗における完全個室のメリット・デメリット

店舗における完全個室の基本情報を押さえたところで、メリット・デメリットも確認しましょう。集客と売上を伸ばせるように、完全個室のメリットを活かしつつ、デメリットを対策するためです。

メリット①プライベート空間を提供できる

店舗における完全個室のメリットとして、まずプライベート空間を提供できる点が挙げられます。例えば飲食店においてテーブル席やカウンター席だけではなく、完全個室をレイアウトすると、家族イベントや商談などの場所を提供できます。

またネットカフェやサウナにおいて完全個室をレイアウトすると、個人利用のニーズに応えることができます。グループで利用できる大きな完全個室だけではなく、個人で利用できる完全個室にも需要があるわけです。

メリット②個室ごとに雰囲気を変えられる

次に個室ごとに雰囲気を変えられる点も、店舗における完全個室のメリットです。雰囲気の異なる完全個室を提供することで、子どもから大人まで楽しんでもらえる店舗を営業しやすくなります。

個室ごとに内装の素材や配色、照明などを変えることで、シンプルや和モダン、レトロなどのテイストを表現できます。店舗内装デザインのテイスト事例をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

メリット③幅広いシーンに対応できる

また幅広いシーンに対応できる点も、店舗における完全個室のメリットです。例えば飲食店に完全個室をレイアウトして、家族の食事会から友人との女子会、取引先との商談や接待などに利用してもらえると、集客数を伸ばせます

したがって個室のテイストだけではなく、サイズのバリエーションを増やすことで、幅広いシーンに応えやすくなります。店舗の商品・サービスに応じて、グループ用の個室だけではなく、1人用の個室も必要です。

デメリット①内装工事費がかかる

メリットがある一方で、内装工事費がかかる点が、店舗における完全個室のデメリットです。カーテンや簡易型パーテーションで仕切られる半個室とは異なり、完全個室には壁や扉などの内装工事が必要です。

そこで対策として、内装工事費の相場や内訳を把握し、無駄を省きましょう。後ほど、具体的にご紹介します。

デメリット②接客コストがかかる

また接客コストがかかる点も、店舗における完全個室のデメリットです。個室が完全に仕切られていると、従業員が扉を開けて接客しなければなりません。接客に時間がかかると、回転率の低下や人件費の増加を招きます。

そこで完全個室の接客対策として、接客マニュアルを作成して、従業員の連携を図りましょう。また売上や回転率の目標を踏まえて、店舗内におけるテーブル席やカウンター席、個室の比率を計算しましょう。

なお店舗全般に活用できる座席の目安と計算について解説していますので、次の記事も併せてご覧ください。

店舗に完全個室をデザイン・工事するポイント

店舗に完全個室をデザイン・工事するポイント

店舗における完全個室のメリット・デメリットを踏まえて、デザイン・工事するポイントを押さえましょう。内装工事費や空調・換気、法令、圧迫感と高級感、パーテーションについて、ご確認ください。

内装工事費を把握する

店舗に完全個室をデザイン・工事するポイントとして、まず内装工事費を把握しましょう。店舗内装工事費として、スケルトン物件に坪単価30万~50万円ほど、居抜き物件に坪単価15万~30万円ほどがかかります。

ただし物件の立地や規模、店舗の業種・業態、内訳(天井や壁、床、設備)などによって、内装工事費は変動します。また店舗内装工事の費用や種類を紹介していますので、次の記事も併せてご覧ください。

空調や換気の効率を高める

次に空調や換気の効率を高める点も、店舗に完全個室をデザイン・工事するポイントです。完全個室は温度を保ちやすいですが、半個室に比べて空気や臭いがこもりやすいです。健康・安全に配慮して、空調や換気の設備をデザインしましょう。

店舗に施工される空調設備には、天井埋め込みカセット型やダクト型、露出型があります。また換気設備には、標準型やパイプ型、天井埋め込み型、レンジフード型があります。次の記事で紹介していますので、併せてご覧ください。

法令を遵守する

また法令を遵守する点も、店舗に完全個室をデザイン・工事するポイントです。例えばバーや喫茶店に、外から見えづらい5㎡以下の区画席を設ける場合には、風俗営業(3号営業)に該当し、区画席飲食店の営業許可を申請しなければなりません。

参照元:警視庁「風俗営業等業種一覧」

他にもネットカフェや居酒屋が深夜に個室を提供するためには、9.5㎡以上の個室をレイアウトしなければなりません。

参照元:e-Gov法令検索「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行規則」第7条

風俗営業の種類や届出・許可の申請と違反・罰則の注意点をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

圧迫感を軽減する

圧迫感を軽減する

そして圧迫感を軽減する点も、店舗に完全個室をデザイン・工事するポイントです。

例えば天井から吊り下げられる照明(ペンダントライトなど)は、天井を低く感じさせてしまいます。個室に適するシーリングライトやダウンライトなどを紹介していますので、次の記事も併せてご覧ください。

また個室の壁に白色やストライプ柄を取り入れて、下から上へ明るくなるように配色すると、開放感を感じさせやすいです。配色のパターンや効果をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

そして床面積が狭い個室でも、背の低いテーブルや椅子を配置することで、圧迫感を軽減できます。天井の形状によっても、圧迫感や開放感が異なりますので、次の記事も併せてご覧ください。

おしゃれさや高級感を演出する

加えておしゃれさや高級感を演出する点も、店舗に完全個室をデザイン・工事するポイントです。ホテルの客室やレストランの個室などには、間接照明が合います。光を直接当てる照明とは異なり、柔らかい雰囲気を演出できるからです。

また個室の壁材や床材として、深みのある無垢材や大理石などを選ぶと、おしゃれさや高級感を出せます。ただし店舗の業種・業態を踏まえて、顧客の安全・健康に配慮して内装材を選んでください。店舗に適した床材の種類と費用をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

可動式パーテーションを活用する

なお店舗に完全個室をデザイン・工事するポイントとして、可動式パーテーションを活用しましょう。可動式パーテーションで部屋を分割できると、幅広いシーンに対応できるからです。

またカーテンや簡易型パーテーションとは異なり、防音性やプライベート感を高められます。店舗におしゃれなパーテーションをデザインするポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

店舗に完全個室をデザインした事例

店舗に理想的な完全個室をデザインできるように、参考となる事例を調査しましょう。本記事ではIDEALの施工事例を取り上げて、店舗に完全個室をデザイン・工事するポイントが活かされている点をご紹介します。

飲食店の幅広いシーンに対応できる完全個室

飲食店の幅広いシーンに対応できる完全個室

「焼肉 にくずき」様は、地下1階に店舗を構え、和牛を楽しめる飲食店です。幅広いシーンに対応できる個室がレイアウトされています。少人数から大人数まで対応できる個室やモニター付きの個室もあります。

店舗内装は高級モダンテイストで、間接照明やペンダントライトなどが施工され、6シーンの演出切替が可能です。個室以外のプライバシーにも配慮されており、背もたれが高いソファ席がデザインされています。

サロンのプライベート感のある完全個室

サロンのプライベート感のある完全個室

「ヘッドコンシェルジュ 二子玉川店」様は、癒しの時間を提供するサロンです。来店する顧客一人ひとりと向き合うように、プライベート感のある完全個室がデザインされました。外部からの騒音や視線が気にならないように、完全個室が設計されています。

またプライベート感だけではなく、清潔感や落ち着きも感じさせるように、照明も工夫されています。完全個室では、国家資格のあるスペシャリストにより、深層筋アプローチのヘッドスパが提供されています。

ジムの高級感のある完全個室

ジムの高級感のある完全個室

「lill total beauty salon」様は、24時間利用できる女性専用のトータルビューティーサロンです。パーソナルトレーニングを提供するジムでもあり、高級感のある完全個室がレイアウトされています。

完全個室には、ヨガなどのトレーニングをできるフィットネス端末「MIRROR fit.」が設置。内装が高級感や癒しを感じさせるように、落ち着いたグレイッシュの色味やラグジュアリーな間接照明、自然素材(石の床や木目のルーバーなど)などが取り入れられています。

クリニックの高級感のある完全個室

クリニックの高級感のある完全個室

「YASUOKA DENTAL OFFICE UMEDA」様は、人生を好転させる歯科医療の提供を心掛けるクリニックです。一般的に想像される歯科医院のイメージを覆せるように、高級感のある完全個室がデザインされ、施術室として利用されています。

また明るく居心地のいい空間となるように、クリニックの内装には間接照明や鏡が利用。クリニックのロゴをモチーフにしたインテリア(看板やグラフィック、オブジェ、ガラスフィルムなど)も散りばめられています。

ブランド買取店の和モダンな完全個室

ブランド買取店の和モダンな完全個室

「バイセル有楽町店」様は、幅広い年代の顧客をターゲットにするブランド買取店です。商品査定用に、和モダンな完全個室がレイアウト。石畳をイメージさせるフロアタイルとペンダントライトが施工されています。

また国内外の商品が陳列されるため、内装は黒をベースにシックな色合いでまとめられています。顧客が着物の試着をできるように、畳スペースも施工されています。

店舗に個室をデザインしよう!

IDEALは、店舗全般のコンセプト設計から資金調達、物件探し、内外装のデザイン・工事、集客までのワンストップソリューションをご提供しております。

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監修者

IDEAL編集部

日本全国の美容室・カフェ・スポーツジム等の実績多数!
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