2024.08.01  2024.06.25|新規開業ノウハウ

ドッグカフェの開業に失敗しないためのポイントは?資格・事例・資金も紹介

ドッグカフェの開業に失敗しないためのポイントは?資格・事例・資金も紹介

本記事で、ドッグカフェの開業に失敗しないためのポイントを解説します。また開業に必要な資格や事例・資金などもご紹介します。店舗の開業や移転、リニューアルなどをご検討中の方は、ぜひご覧ください。

ドッグカフェ開業の基本情報

ドッグカフェ開業の基本情報

ドッグカフェの開業準備を始める前に、基本情報を確認しましょう。基本情報を理解することで、開業準備を進めやすくするためです。それではドッグカフェの市場規模や業態・サービス、利用上のルール・マナー、失敗する原因をご紹介します。

市場規模

まずドッグカフェの市場規模については、Web上に掲載されていません(2024年6月時点)。以下の資料によると、外食産業の市場規模は17兆円程度(2021年)で、ペットビジネスの市場規模は1.7兆円程度(2021年)と推計されています。

参照元:

一般社団法人日本フードサービス協会「令和 3 年(令和 3 年 1 月~令和 3 年 12 月) 外食産業市場規模推計について」 

株式会社 矢野経済研究所「ペットビジネスに関する調査を実施(2022年)」

以下の資料によると、ペットとして飼育されている犬の頭数は700万頭程度(2022年)と報告されていますが、2010年代より下降傾向にあります。ただし飼い主の4割以上がドッグカフェを利用しています(2023年)。

参照元:

一般社団法人 ペットフード協会「2022年(令和4年)全国犬猫飼育実態調査 結果」

いぬのきもちWEB MAGAZINE「【調査】ドッグカフェを利用したことのある人は約4

割  ドッグカフェで愛犬も飼い主さんも心地よく過ごす方法」

業態・サービス

次にドッグカフェの業態には、飼い主がペットと利用できる店舗と経営者のペットと触れ合える店舗があります。飼い主がペットと利用できる店舗のサービスは、人間用だけではなく、ペット用のフード・ドリンクメニューやドッグランなどの提供です。

経営者のペットと触れ合える店舗のサービスは、ペットとの触れ合い体験や人間用のフード・ドリンクメニューなどの提供です。ドッグカフェの業態によって必要な資格・免許・届出・許可が異なりますので、後ほどご紹介します。

利用上のルール・マナー

それからドッグカフェを開業する際には、利用上のルール・マナーを設定しましょう。

  • 予防接種を受けている犬だけが入店できる
  • リードを付けて入店させる
  • ヒート(生理)中の犬は入店できない
  • 他の顧客や犬に危害を与える犬は入店できない
  • 人間用の什器や食器などを犬に利用させない

顧客(飼い主)や犬の快適性や安心感はもちろん、従業員の業務上の安全と健康も保てるように、ドッグカフェ利用上のルール・マナーを設定しましょう。

失敗する原因

そしてドッグカフェの開業に失敗する原因には、開業資金の不足や回転率の低さなどがあります。ドッグカフェの安全性や衛生性を保つために、一般的なカフェよりも開業資金が必要です。

また一般的なカフェよりも顧客の滞在時間が長いため、ドッグカフェの回転率が低くなると、利益率を下げてしまいます。利益率を高めるためには、ペットのグッズ販売やホテル、ドッグランなどのサービスも検討しましょう。

ドッグカフェ開業に失敗しないためのポイント

ドッグカフェ開業に失敗しないためのポイント

基本情報だけでなく、ドッグカフェ開業に失敗しないためのポイントも確認しましょう。8点(コンセプト・事業計画書と開業資金、店舗物件、メニュー、設備・機器・什器、資格・免許・届出・許可、採用・研修、集客活動)をご紹介します。

コンセプト設計と事業計画書作成

まずコンセプト設計と事業計画書作成が、ドッグカフェ開業に失敗しないためのポイントとして挙げられます。コンセプトはドッグカフェ経営の基本方針であり、競合店との差別化や事業計画書の作成などに必要です。

設計したコンセプトに基づいて、事業計画書を作成しましょう。事業計画書は、開業資金の調達やドッグカフェ経営の評価・改善などに活用される書類です。ドッグカフェ開業にも活用できる事業計画書の書き方をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

開業資金の調達

次に開業資金の調達も、ドッグカフェ開業に失敗しないためのポイントです。開業前の初期投資(物件取得費やデザイン・工事費など)と開業後の運転資金(人件費や光熱水費など)を計算したうえで、開業資金の調達方法を検討しましょう。

開業資金の調達方法には、出資や借入、融資、補助金・助成金があります。ドッグカフェにも活用できる開業資金の調達方法をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

店舗物件の選定とデザイン・工事

それから店舗物件の選定とデザイン・工事も、ドッグカフェ開業に失敗しないためのポイントです。店舗物件はドッグカフェのコンセプトを実現させる手段であり、立地は集客率に影響します。

物件と同様に、店舗の外観と内装もドッグカフェの集客と売上に影響します。ドッグカフェにも活用できるおしゃれな外観をデザインするコツや内装工事費用などをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

メニュー開発

さらにメニュー開発も、ドッグカフェ開業に失敗しないためのポイントです。一般的なドッグカフェでは、人間用とペット用のメニューが提供されます。集客の向上と売上の安定につながるメニューを開発しましょう。

ドッグカフェを含む飲食店の利益率を高めるためには、メニュー全体の原価率を抑えなければなりません。ドッグカフェ開業にも活用できる飲食店が原価率を計算する際の注意点をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

設備・機器・什器の手配

続いて設備・機器・什器の手配も、ドッグカフェ開業に失敗しないためのポイントです。ドッグカフェで犬用のメニューを提供する際には、人間用の厨房設備・機器・什器を区別しなくてはなりません。

厨房だけではなくダイニングフロアにおいても、快適性や衛生性を保つために、人間用と犬用の什器を区別しましょう。ドッグカフェ開業にも活用できるおしゃれな什器を選ぶポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

資格・免許取得と届出・許可の申請

また資格・免許取得と届出・許可の申請も、ドッグカフェ開業に失敗しないためのポイントです。

  • 調理に関する資格やスキル
  • 愛玩動物飼養管理士やトリマーなどの資格(トリミングを提供する場合)
  • 動物取扱責任者の資格(犬を販売・展示する場合)
  • 第一種動物取扱業の登録(犬を販売・展示する場合)
  • 税務に関する手続き(個人事業主の開業届または法人の設立届など)
  • 防火管理者選任届・防火対象設備使用開始届(該当する物件の場合)
  • 社会保険や労働保険の加入手続き(従業員を雇用する場合)

参照元:

公益社団法人愛玩動物協会「愛玩動物飼養管理士」

一般社団法人 ジャパンケネルクラブ「トリマーについて」

東京都保健医療局「動物取扱責任者等」

東京都保健医療局「第一種動物取扱業の登録について」

国税庁「個人で事業を始めたとき/法人を設立したとき」

日本年金機構「事業所が健康保険・厚生年金保険の適用を受けようとするとき」

厚生労働省「労働保険の成立手続」

採用・研修

そして採用・研修も、ドッグカフェ開業に失敗しないためのポイントです。長時間営業する場合や多店舗展開する場合などには、従業員を採用しなければなりません。採用したい職種や人物像を明確にしたうえで、採用活動を展開しましょう。

特にペットの販売や展示などを行う場合には、接客や調理だけではなく、ペットの取扱方法に関する研修も必要です。ドッグカフェ開業にも活用できる人材採用のコツや研修の注意点をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

集客活動

なお集客活動も、ドッグカフェ開業に失敗しないためのポイントです。開業当初から新規顧客を獲得するために、開業前から集客活動を開始しましょう。集客方法には、オンライン集客(SNSやMEOなど)とオフライン集客(交通広告やポスティングなど)があります。

特に飲食業界やペット業界に新規参入する場合には、知名度や認知度がありませんので、地道な集客活動が重要です。ドッグカフェ開業にも活用できる集客アイデアや成功した事例をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

ドッグカフェの開業事例

ポイントを押さえてドッグカフェの開業に失敗しないように、参考となる事例を調査しましょう。本記事では事例5点を取り上げ、各事例の特徴(トリミングサロンやドッグラン併設、ペットホテル併設、ウェア・グッズ販売、幅広いメニュー)をご紹介します。

トリミングサロンのドッグカフェ

トリミングサロンのドッグカフェ

まず「&BlooM」様は、トリミングサロンのドッグカフェです。ペットがトリミングを受ける様子を見ながら、飼い主である顧客がカフェを利用できます。トリミング後にペットと一緒に食事を楽しめるように、ペット用メニューも提供されています。

顧客やペット、従業員の安全性や快適性、衛生性などを確保できるように、座席ごとにリードフックが設置されており、公式サイトで利用規約が提示されているドッグカフェです。

参照元:&BlooM「自由が丘初!ドッグカフェ併設のトリミングサロン、&BLOOM(アンドブルーム)」

ドッグラン併設のドッグカフェ

ドッグラン併設のドッグカフェ

次に「CAFE&RESTAURANT ARMANDO」様は、ドッグラン併設のドッグカフェです。安全性に配慮して、大型・中型犬用と小型犬用のドッグランに分かれています。ペットがドッグランで遊ぶ様子を見ながら、顧客である飼い主はテラス席で食事ができます。

ドッグカフェにはダイニングフロアやパーティールーム、テラスなどが施工されており、ドッグランはテラスに隣接しています。店内飲食とテイクアウトにて、人間用とペット用のメニューを提供するドッグカフェです。

参照元:CAFE&RESTAURANT ARMANDO「shop」

ペットホテル併設のドッグカフェ

ペットホテル併設のドッグカフェ

それから「Hawaiian foods&Pet Hotel SILLY」様は、ペットホテル併設のドッグカフェです。ストレスを軽減できるようにケージフリーのペットホテルで、犬と猫に対応しています。

ドッグカフェのSNSアカウントでは、メニューやキャンペーン、イベントなどの情報が発信されています。2024年6月からは、ペットホテルだけではなく、トリミングサービスも提供しているドッグカフェです。

参照元:

Hawaiian foods&Pet Hotel SILLY「RESTAURANT」

Hawaiian foods&Pet Hotel SILLY「PET HOTEL」

ウェア・グッズも販売するドッグカフェ

ウェア・グッズも販売するドッグカフェ

さらに「DOG DEPT」様は、ウェア・グッズも販売するドッグカフェです。飼い主とペットがペアルックできるウェアや散歩に活用できるグッズなどが販売されています。実店舗だけではなく、オンラインショップでもウェア・グッズが販売されています。

ドッグカフェでは、ペット同伴で貸切のオフ会やウェディングパーティーなどに対応しています。全国各地へ展開しており、ドッグランやドッグホテルなども提供しているドッグカフェです。

参照元:

DOG DEPT「CAFE」

DOG DEPT「Home」

幅広いメニューを提供するドッグカフェ

https://www.instagram.com/p/C73Bk30h9of/

続いて「Deco’s Dog Cafe」様は、幅広いメニューを提供するドッグカフェです。サラダやスープ、肉料理、魚料理、スイーツなどで、人間用(10種類)とペット用(40種類以上)のメニューが提供されています。

店内飲食の提供だけではなく、貸切パーティーやスペースレンタルにも対応しています。ペット同伴で楽しめるヨガやフラダンスなどのイベントも開催されているドッグカフェです。

参照元:Deco’s Dog Cafe「Home」

ドッグカフェの開業資金

ドッグカフェの開業資金

事例のようなドッグカフェを開業するためには、資金が必要です。そこでドッグカフェ開業資金の相場と内訳を紹介します。無駄な経費を削減できるように、開業資金の節約法も確認しましょう。

相場

まずドッグカフェ開業資金の相場は、坪単価30万~70万円程度です。例えば20坪の店舗物件であれば、600万~1,400万円程度の開業資金がかかります。ただし店舗の立地や物件の種類(居抜きかスケルトン)、業態・サービスなどによって、開業資金は変動します。

内訳

次にドッグカフェ開業資金の内訳について、下表にまとめました。参考情報として、20坪の店舗物件にかかる開業資金を試算してあります。

開業資金の内訳各費用の目安各費用の試算
物件取得
(敷金や礼金、前賃料など)
10%程度
(賃料の3~7か月分程度)
60万~140万円程度
(賃料月20万円で
20坪の店舗物件)
店舗デザイン・工事
(内装や外観、衛生設備・
機器・什器など)
70%程度
(坪単価20万~50万円程度)
400万~1,000万円程度
諸経費
(開業前の資格や届出・
許可、採用・研修、集客など)
10%程度60万~140万円程度
運転資金
(開業後の光熱水費や

賃料、人件費など)
10%程度

(賃料の3~7か月分程度)
60万~140万円程度
合計100%
(坪単価30万~70万円程度)
600万~1,400万円程度

上表のとおり、ドッグカフェの開業資金においては、店舗デザイン・工事費が大半を占めます。つまり内装や外観、設備・機器・什器などにこだわるほど、開業資金が増額するわけです。

節約法

そしてドッグカフェの開業資金の節約法には、相見積もりや居抜き物件、補助金・助成金などがあります。相見積もりを取って、各業者の見積もり(工事の費用や期間など)を比較すれば、無駄な経費を削減しやすいです。

居抜き物件を契約すれば、内装や外観、設備・機器・什器などを譲渡してもらえる分だけ、工事費用を削減できます。ただし居抜き物件にはデメリットもありますので、次の記事も併せてご覧ください。

補助金・助成金の申請が通れば、基本的に返済義務のない資金を獲得できます。例えば「小規模事業者持続化補助金」です。環境省によって、動物取扱業者が活用できる補助金として紹介されています。   

参照元:環境省「動物取扱業者が活用できる補助金」

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IDEALは、店舗全般のコンセプト設計から資金調達、物件探し、内外装のデザイン・工事、集客までのワンストップソリューションをご提供しております。

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監修者

IDEAL編集部

日本全国の美容室・カフェ・スポーツジム等の実績多数!
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