2024.08.21  2024.07.14|新規開業ノウハウ

カラオケボックスの開業資金はいくら?居酒屋・喫茶店やポイント・事例も紹介

カラオケボックスの開業資金はいくら?居酒屋・喫茶店やポイント・事例も紹介

本記事で、カラオケボックスの開業資金を解説します。カラオケ居酒屋・カラオケ喫茶店などのサービスや開業のポイント・事例もご紹介します。店舗の開業や移転、リニューアルなどをご検討中の方は、ぜひご覧ください。

カラオケボックス開業の基本情報

カラオケボックス開業の基本情報

カラオケボックスの開業準備を計画する前に、基本情報を確認しましょう。基本情報を確認することで、スムーズに準備を進めやすいからです。それではカラオケボックスの市場古保や主なサービス、消費者のニーズ、業態をご紹介します。

市場規模

まずカラオケボックスの市場規模は、以下の資料によると2019年(3,798億円)から2022年(2,602億円)にかけて縮小しました。コロナ禍(2020~2022年)の悪影響が伺えるデータですが、アフターコロナ(2023年以降)には市場規模の回復が予想されます。

参照元:日本経済新聞「カラオケボックス・通信カラオケ業界 市場規模・動向や企業情報」

市場規模に縮小に併せて、カラオケボックスの店舗数も2019年(9,344店)から2022年(8,138店)にかけて減少しました。市場規模と同様に、2023年以降にはカラオケボックス店舗数の増加が見込まれます。

参照元:全国カラオケ事業者協会「カラオケ白書」

主なサービス(カラオケ居酒屋・カラオケ喫茶など)

次にカラオケボックスの主なサービスは、カラオケルームや飲食物などの提供です。一般的なカラオケボックスでは、カラオケに必要な設備・機器・什器が配置された個室やパーティールームが時間単位で貸し出され、飲食物も提供されます。

またカラオケ居酒屋やカラオケ喫茶には、一般的な居酒屋や喫茶店の内装空間がデザインされており、希望する顧客にカラオケに必要な設備・機器・什器が貸し出されます。居酒屋や喫茶店の経営についてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

消費者のニーズ

それからカラオケボックスに対する消費者のニーズは、以下の資料によると歌やおしゃべり、ランチ・ディナー、動画鑑賞などに利用できる場所です。自宅では利用できない音響・映像設備や防音の個室に対するニーズがあります。

参照元:J-Net21「カラオケボックス」

コロナ禍(2020-2022年)においては、感染症防止のためにカラオケルーム内の除菌やマイクカバー、換気の徹底、収容人数の制限などの対策が講じられました。需要を喚起するために、テレワークへの対応も進められました。

参照元:PR TIMES「カラオケメーカーと店舗の立場から語る、コロナ禍を生き抜くJOYSOUNDの戦略 ~歌う場所を超越した、新たなエンタメ空間への進化~」

業態

そしてカラオケボックスの業態には、経営主体によって個人経営とフランチャイズ経営に分類されます。自由な方針を立てられる個人経営に比べて、フランチャイズはブランド力やノウハウを活用できる業態です。

また従業員の有無によって、カラオケボックスの業態は有人店舗と無人店舗に分類されます。丁寧な接客ができる有人店舗に対して、無人店舗は接客コストを抑える分だけ割安でサービスを提供できる業態です。

カラオケボックス開業のポイント

カラオケボックス開業のポイント

基本情報だけではなく、カラオケボックス開業のポイントを押さえましょう。8点(コンセプト設計・事業計画書と開業資金、店舗物件、設備・機器・什器、DXの推進、資格・免許取得と届出・許可の申請、採用・研修、集客活動)をご紹介します。

コンセプト設計・事業計画書作成

まずコンセプト設計・事業計画書作成が、カラオケボックス開業のポイントとして挙げられます。コンセプトはカラオケボックス経営の基本方針であり、競合店との差別化や事業計画書の作成などに必要です。

コンセプトを設計したら、事業計画書(開業資金の調達やカラオケボックス経営の評価・改善などに活用される書類)を作成しましょう。カラオケボックスにも活用できる事業計画書の書き方をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

開業資金の調達

次に開業資金の調達も、カラオケボックス開業のポイントです。カラオケボックス開業前の初期費用(物件取得費や内装デザイン・工事費など)と開業後の運転資金(人件費や広告宣伝費など)が不足する場合には、開業資金の調達しなければなりません。

開業資金の調達方法(出資や借入、融資、補助金・助成金)を検討しましょう。カラオケボックスにも活用できる開業資金を調達する際のポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

店舗物件の選定とデザイン・工事

また店舗物件の選定とデザイン・工事も、カラオケボックス開業のポイントです。店舗物件はコンセプトを実現させるための手段であり、立地と物件は集客と売上に影響を与えます。物件を賃借する場合には、運転資金に占める賃料の割合が大きいです。

物件を取得できたら、コンセプトに基づいてカラオケボックスの外観や内装をデザイン・工事しましょう。カラオケボックスの内装デザイン・工事のポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

設備・機器・什器の手配

それから設備・機器・什器の手配も、カラオケボックス開業のポイントです。カラオケルームだけではなく飲食物も提供する場合には、店舗物件内に厨房をレイアウトします。シンクや作業台などの厨房設備・機器を手配しましょう。

厨房設備・機器だけではなく、カラオケルームのソファや受付カウンター、厨房の食器棚なども必要です。カラオケボックスにも活用できる店舗におしゃれな什器を選ぶポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

DXの推進

続いてDXの推進も、カラオケボックス開業のポイントです。DX(デジタル技術による店舗経営の仕組みや商品・サービスなどの変革)を推進することで、カラオケボックスの業務効率化や生産性向上、競争力の強化につながります。

カラオケボックスのDXを推進する方法には、デジタルサイネージ、セルフオーダーシステム、キャッシュレス決済システム、店舗営業分析システム、店舗管理システムなどがあります。店舗DXの方法と費用をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

資格・免許取得と届出・許可の申請

さらに資格・免許取得と届出・許可の申請も、カラオケボックス開業のポイントです。

  • 調理やお酒の提供などに関する資格や免許
  • 税務や財務、保険などに関する資格や免許
  • 食品衛生責任者の資格(飲食物を提供する場合)
  • 防火管理者の資格(該当する物件の場合)
  • 税務に関する手続き(個人事業主の開業届または法人の設立届など)
  • 防火管理者選任届・防火対象設備使用開始届(該当する物件の場合)
  • 飲食店営業許可の申請(飲食物を提供する場合)
  • 深夜酒類提供飲食店営業(深夜に酒類を提供する場合)
  • 社会保険や労働保険の加入手続き(従業員を雇用する場合)
  • 音楽著作物利用許諾契約

参照元:

国税庁「個人で事業を始めたとき/法人を設立したとき」

日本年金機構「事業所が健康保険・厚生年金保険の適用を受けようとするとき」

厚生労働省「労働保険の成立手続」

JASRAC「カラオケボックス、カラオケルーム」

採用・研修

そして採用・研修も、カラオケボックス開業のポイントです。長時間営業する場合や多店舗展開する場合には、店舗営業を任せる従業員を採用しなければなりません。必要な職種と人数を検討したうえで、人材募集を開始しましょう。

従業員採用後からカラオケボックス開業日までの間には、接客や調理などに関する研修も計画します。カラオケボックスの開業にも活用できる人材採用のコツや研修の注意点をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

集客活動

なお集客活動も、カラオケボックス開業のポイントです。開業当初から新規顧客を獲得して、安定してリピート率を維持するために、集客活動(店舗へ顧客を集める活動)の方法を検討しましょう。

店舗へ集客する方法には、オンライン集客(SNSやWeb広告など)とオフライン集客(看板広告やポスティングなど)があります。カラオケボックスにも活用できる店舗の集客に成功した事例をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

カラオケボックスの開業事例

ポイントを押さえてカラオケボックスを開業できるように、参考となる事例を調査しましょう。事例5点を取り上げて、各事例の特徴(コラボと寿司、キッズスペース、定額制、高齢層・障害者がターゲット)をご紹介します。

飲食店とコラボしたカラオケボックス

飲食店とコラボしたカラオケボックス

まず「カラオケの鉄人 船橋店」は、飲食店とコラボしたカラオケボックスです。カラオケボックスのフロアに、「赤から 船橋店」が併設されています。オープン席と半個室がレイアウトされており、「赤から」の飲食物が提供されています。

「カラオケボックスの鉄人」の各店舗では、「赤から」以外にもアニメ・ゲームとのコラボレーションイベントが開催されています。オリジナル楽曲配信や精密採点なども提供するカラオケボックスの開業事例です。

参照元:

カラオケの鉄人「船橋店」

PR TIMES「「赤から」と「カラオケの鉄人」のコラボレーション【赤から 船橋店】が2023年10月下旬に新規OPEN!!|鉄人化ホールディングス」

寿司を提供するカラオケボックス

寿司を提供するカラオケボックス

次に「ジャンカラ高槻シースー店」は、回転すしを提供するカラオケボックスです。がんこ寿司とコラボレーションした店舗で、来店前の事前注文と来店後の注文にて、本格的な寿司のメニューが提供されています。

寿司とカラオケを楽しめるオープンカウンター席もレイアウトされており、カラオケ採点チャレンジなどのイベントが開催されています。コンセプトルーム(舞台・茶室・ボルダリング・プロジェクターなど)もレイアウトされているカラオケボックスの開業事例です。

参照元:

ジャンカラ「高槻シースー店」

PR TIMES「世界初!?寿司をカラオケ店内で食す「寿司カラ」導入! ジャンカラ高槻シースー店11/17グランドオープン!」

キッズスペース併設のカラオケボックス

キッズスペース併設のカラオケボックス

それから「カラオケCLUB DAM阪南店」は、キッズスペース併設のカラオケボックスです。子連れ客をターゲットにしている店舗で、各カラオケルームに別々のキッズスペースが直結しています。

キッズスペースだけではなく、女性をターゲットにしたプリンセスルームもレイアウトされています。200種類以上のフード・ドリンクメニューも提供するカラオケボックスの開業事例です。

参照元:

カラオケCLUB「DAM 阪南店」

PR TIMES「キッズ専用の屋内遊び場「ムチャチャくらぶ」を併設したカラオケCLUB DAM阪南店が2月1日グランドオープン2月1日から2月3日まで、室料50%割引キャンペーンを実施|株式会社第一興商」

定額制のカラオケ居酒屋

定額制のカラオケ居酒屋

続いて「BEEF KITCHEN STAND 歌舞伎町店」は、定額制のカラオケ居酒屋です。日中から深夜までステーキ居酒屋として営業し、深夜から早朝までカラオケ居酒屋として営業しています。

カラオケ居酒屋のメニューは、飲み放題・歌い放題の定額制です。ステーキ以外にも、居酒屋メニュー(サラダや揚げ物、刺身、ラーメンなど)を提供するカラオケボックスの開業事例です。

参照元:

肉バル BEEF KITCHEN STAND 歌舞伎町店「ビフテキ1皿290円~ 小皿で楽しむせんべろ肉バル」

下北沢経済新聞「ゴジラが見下ろす新宿歌舞伎町に新たな夜の名所が爆誕- 大衆カラオケ酒場『ビーフキッチンスタンド』オープン!」

高齢者・障害者がターゲットのカラオケ喫茶店

そして「きっさ&きっしゅHADASHI」は、高齢者・障害者がターゲットのカラオケ喫茶店です。車いす利用者でも来店しやすいように、スロープやバリアフリートイレなどが施工されています。

介護福祉士の資格を保有して訪問介護事業も展開する経営者が、高齢者・障害者から直接聞いたニーズに応えるために、店舗を開業しました。金融機関からの融資で開業したカラオケボックスの事例です。

参照元:伊勢新聞「伊勢にバリアフリーの飲食店開店 昼は喫茶、夜はバー、カラオケも 三重」

カラオケボックスの開業資金

カラオケボックスの開業資金

事例のようなカラオケボックスを開業するためには、資金が必要です。そこでカラオケボックス開業資金の相場と内訳をご紹介します。無駄な経費を削減できるように、開業資金の節約法もご紹介します。

相場

まずカラオケボックス開業資金の相場は、坪単価70万~200万円程度です。例えば20坪で賃料月20万円の店舗物件なら、1,400万~4,000万円程度の開業資金がかかります。ただし店舗物件の立地や規模、従業員数などによって、開業資金は変動します。

内訳

次にカラオケボックス開業資金の内訳について、下表にまとめました。参考情報として、20坪で賃料月20万円程度の店舗物件にかかる開業資金を試算してあります。

開業資金の内訳費用の目安費用の試算
物件取得費
(敷金や礼金、前賃料など)
5%程度
(賃料の4〜10ヶ月程度)
80万〜200万円程度
(賃料20万円で20坪の
店舗物件)
店舗デザイン・工事費
(内装や外観、設備・機器・
什器など)
70%程度
(坪単価50万〜150万円程度)
1,000万〜3,000万円程度
諸経費
(開業前の資格や届出・
許可、採用・研修、集客など)
15%程度260万〜600万円程度
運転資金
(開業後の光熱水費や
賃料、人件費など)
10%程度
(賃料の5〜7ヶ月程度)
170万〜400万円程度
合計100%
(坪単価70万〜200万円程度)
1,700万円〜4,000万円程度

上表のとおりカラオケボックスの開業資金においては、店舗デザイン・工事費が大半を占めます。つまり内装や外観、設備・機器・什器などにこだわるほど、開業資金が増額するわけです。

節約法

そしてカラオケボックス開業資金の節約法は、相見積もりや居抜き物件、補助金・助成金などがあります。相見積もりを取って、各業者の見積もり(工事の費用や期間など)を比較すれば、無駄な経費を削減しやすいです。

居抜き物件を契約すれば、内装や外観、設備・機器・什器などを譲渡してもらえる分だけ、店舗デザイン・工事費を節約できます。ただし居抜き物件にはデメリットもありますので、ご注意ください。

補助金・助成金には基本的に返済義務がありませんが、申請条件や用途などが定められています。カラオケボックス開業にも活用できる補助金や助成金をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

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監修者

IDEAL編集部

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