2024.10.15  2024.09.07|新規開業ノウハウ

カフェバー開業は儲かる?経営者の年収や開業の資格・ポイント・事例・資金

カフェバー開業は儲かる?経営者の年収や開業の資格・ポイント・事例・資金

本記事で「カフェバー開業は儲かる?」という疑問にお答えするために、経営者の年収や開業の資格・ポイント・事例・資金などをご紹介します。店舗の開業や移転、リニューアルなどをご検討中の方は、ぜひご覧ください。

カフェバー開業は儲かる?基本情報を紹介

カフェバー開業は儲かる?基本情報を紹介

カフェバーの開業準備を計画する前に、基本情報を確認しましょう。基本情報を確認することで、計画を進めやすくなるからです。それではカフェバーの経営者の年収と市場規模、主なサービス、カフェやバーとの違いをご紹介します。

経営者の年収

まずカフェバー経営者の年収については、Web上に掲載されていません(2024年9月時点)。以下の資料によると、300万〜1000万円程度だと推計されます。ただし店舗の立地や規模、営業日数、店舗数などによって、経営者の年収は変動します。

参照元:飲食店ドットコム「飲食店経営者の「年収」や「悩み」をアンケート調査。赤字店の98.1%が「集客力」に課題」

例えばカフェバー1店舗(1日の売上5万円で利益率30%)を月25日営業するなら、経営者の年収は450万円程度です。

  • 1日の売上5万×月25日営業×12ヵ月×利益率30%=450万円

そして上記の売上を出せるカフェバーを2店舗に拡大できれば、経営者の年収は900万円程度になります。

  • 1店舗の利益450万円×2店舗=900万円

市場規模

次にカフェバーの市場規模は、Web上に掲載されていません(2024年9月時点)。ただし以下の資料によると、喫茶店・居酒屋の市場規模は1.2兆円程度(2021年)と推計されています。

参照元:日本フードサービス協会「令和 3 年(令和 3 年 1 月~令和 3 年 12 月) 外食産業市場規模推計について」 

また飲食サービス業の市場規模は、コロナ渦(2020〜2022年)に縮小しましたが、2022年以降から回復傾向にあります。外出自粛の緩和やインバウンド需要の増加などが要因です。

参照元:日本フードサービス協会「日本フードサービス協会会員社による 外食産業市場動向調査 令和 5 年(2023 年)年間結果報告」 

主なサービス

それからカフェバーの主なサービスは、飲食物の提供です。カフェのメニュー(コーヒーや紅茶、お茶菓子など)とバーのメニュー(お酒や軽食など)が提供されています。時間帯に応じて、メニューを変える店舗もあります。

飲食物だけではなく、eスポーツや音楽、スポーツ観戦、ダーツなどを楽しめるカフェバーもあります。カフェバーの開業事例については、後ほどご紹介します。

カフェやバーとの違い

そしてカフェバーとカフェやバーとの違いは、メニューの種類や営業許可の種類などです。コーヒーや紅茶、軽食などを提供するカフェの開業には、飲食店の営業許可が必要です。カフェと喫茶店・純喫茶の違いをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

お酒や軽食などを提供するバーには、飲食店の営業許可だけではなく、営業内容に応じて「特定遊興飲食店営業許可」や「深夜における酒類提供飲食店営業の開始届出」の申請も必要です。カフェバー開業の届出・許可については、後ほどご紹介します。

カフェバー開業のポイント

カフェバー開業のポイント

基本情報だけでなく、カフェバー開業のポイントを押さえましょう。8点(コンセプト・事業計画書と開業資金、店舗物件、メニュー、設備・機器・什器、資格・免許・届出・許可、採用・研修、集客活動)をご紹介します。

コンセプト設計と事業計画書作成

まずコンセプト設計と事業計画書作成が、カフェバー開業のポイントとして挙げられます。コンセプトは店舗経営の基本方針であり、競合店との差別化や事業計画書の作成などに必要です。

設計したコンセプトに基づいて、事業計画書を作成しましょう。事業計画書は、開業資金の調達や経営の評価・改善などに役立つ書類です。カフェバー開業にも活用できる事業計画書の書き方をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

開業資金の調達と売上の管理

次に開業資金の調達も、カフェバー開業のポイントです。開業前の初期投資(物件取得費や設備・機器・什器購入費など)と開業後の運転資金(水道光熱費や人件費など)を計算したうえで、開業資金を調達しなければなりません。

調達した資金で開業準備を進め、開業してから店舗の利益率を高めるためには、売上の管理が重要です。カフェバーにも活用できる売上を管理する方法をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

店舗物件の選定とデザイン・工事

また店舗物件の選定とデザイン・工事も、カフェバー開業のポイントです。カフェバーのコンセプトを実現させるために、店舗物件の立地や規模などを検討しましょう。店舗物件の探し方をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

店舗物件の立地や規模だけでなく、集客と売上を伸ばすためには、内装や外観のデザインも大切です。カフェバーにも活用できる飲食店の内装・外観デザインについてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

メニュー開発

それからメニュー開発も、カフェバー開業のポイントです。カフェバーのメインサービスは、飲食物の提供です。集客の向上と売上の安定のために、魅力的なメニューを開発しましょう。

ただしメニュー全体の原価率が上がるほど、利益率を下げてしまいます。食品ロスやオーバーポーションなどに、注意が必要です。カフェバーの開業にも活用できる飲食店が原価率を抑えるポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

設備・機器・什器の手配

続いて設備・機器・什器の手配も、カフェバー開業を成功させるためのポイントです。カフェバーには、厨房設備・機器・什器(シンクやガスコンロ、作業台、冷蔵冷凍庫、製氷機、食器棚など)が必要です。

厨房設備・機器・什器だけではなく、ダイニングテーブルやチェア、会計カウンターなどの什器も必要です。カフェバーにも活用できる什器の分類や入手方法などをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

資格・免許取得と届出・許可の申請

さらに資格・免許取得と届出・許可の申請も、カフェバー開業のポイントです。資格・免許・届出・許可ごとに申請条件が異なりますので、必ず最新情報を確認しましょう。

  • 食品衛生責任者の資格
  • 防火管理者の資格(該当する店舗物件の場合)
  • 調理やお酒の提供に関する資格やスキル
  • 税務や財務、労務などに関する資格やスキル
  • 税務に関する届出・許可(個人事業主の開業届または法人の設立届など)
  • 防火管理者選任届(該当する店舗物件の場合)
  • 防火対象設備使用開始届・火を使用する設備等の設置届
  • 飲食店の営業許可
  • 深夜における酒類飲食店営業開始届(深夜にお酒を提供する場合)
  • 特定遊興飲食店営業許可 (遊興を提供する場合)
  • 社会保険や労働保険の加入(従業員を雇用する場合)

採用・研修

そして人材の採用・研修も、カフェバー開業のポイントです。接客や調理などを従業員に任せる場合や多店舗展開する場合などには、従業員を採用します。採用したい職種や人数、人物像などを明確にしたうえで、募集を開始しましょう。

そして従業員を採用してから開業予定日までの間には、接客や調理に関する研修も必要です。カフェバーの開業にも活用できる人材採用のコツや研修の注意点をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

集客活動

なお集客活動も、カフェバー開業のポイントです。飲食サービス業界に新規参入する場合には、知名度や認知度がありません。そこで開業当初から新規顧客を獲得できるように、開業前から集客活動を展開しましょう。

集客活動には、オンライン(SNSやMEOなど)とオフライン(ポスティングや看板広告など)の方法があります。カフェバーの開業にも活用できる集客に成功した事例をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

カフェバーの開業事例

ポイントを押さえてカフェバーを開業できるように、参考となる事例を調査しましょう。事例5点を取り上げて、各事例の特徴(社会福祉法人とeスポーツ、事業共創施設内、業態変更、海上)をご紹介します。

社会福祉法人が開業したカフェバー

まず「CAFE ring」は、社会福祉法人が開業したカフェバーです。認可保育所を運営する社会福祉法人「HANDY」が運営しています。フード(和食と洋食)とドリンク(アルコール・ソフトドリンク)のメニューが提供されています。

内装空間は白を基調に配色されており、エントランスに大きな窓が施工されているため、清潔感や開放感が演出されています。モーニングからランチ、ディナータイムまで、一日中営業しているカフェバーです。

参照元:

号外NET 調布市・狛江市「【調布市】柴崎駅近くに新しいカフェがオープンした模様です。」

食べログ「rings (リングス)」

調布どっとこむ「CAFÉ rings (カフェリングス)」

調布経済新聞「カフェバー『CAFE rings』の店内」

eスポーツを楽しめるカフェバー

eスポーツを楽しめるカフェバー

次に「Cafe&Bar RAGE ST」は、eスポーツを楽しめるカフェバーです。1階には飲食とグッズ販売のスペースがあり、飲食しながらeスポーツの観戦やグッズ購入も楽しめます。フードやドリンク・アルコールのメニューが提供されています。

2階にはeスポーツをプレイできるスペースがあり、ゲーミングパソコン・チェアが配置されています。eスポーツのイベントも開催されているカフェバーです。

参照元:

Café & Bar RAGE ST「Café & Bar RAGE STとは」

ファミ通.COM「RAGEがeスポーツカフェバー“Cafe&Bar RAGE ST”を2024年1月末に池袋東口にオープン。飲食しながらの観戦やハイスペPCでゲームを楽しめる」

事業共創施設内のカフェバー

事業共創施設内のカフェバー

それから「Sky lounge cafe&bar mequ」は、事業共創施設内のカフェバーです。2024年6月にオープンした「THE YOKOHAMA FRONT」の最上階にある事業共創施設(Vlog yokohama)内にあります。

「Vlog yokohama」のコンセプトは「未来溢れる共創の場」で、カフェバー以外にオフィスやラウンジ、ホールなども併設されています。横浜の絶景を一望できる立地で、黒を基調としたシックな内装がデザインされたカフェバーです。

参照元:

Vlag yokohama「sky lounge cafe & bar mequ」

Vlag yokohama「about」

流通ニュース「相鉄/THE YOKOHAMA FRONTに事業共創施設、カフェ・バーもオープン」

間借り営業から業態変更したカフェバー

間借り営業から業態変更したカフェバー

さらに「Cafe Bar Keiki」は、間借り営業から業態変更したカフェバーです。「地域と墨田区をつなぐ店」をコンセプトに、間借りマッチングプラットフォーム(シェアレストラン)を利用していましたが、実店舗へ移転しました。

間借り営業の際に知名度を上げていたため、移転してからも集客を伸ばしています。フード(オムライスやナポリタン、プチケーキなど)やドリンク(ソフトドリンクやアルコール)などのメニューを提供するカフェバーです。

参照元:

NEWSCAST「曳舟・京島【墨田区密着喫茶】カフェバーケイキがオープン」

カフェバーケイキ「ホーム」

海上のミュージックカフェバー

海上のミュージックカフェバー

続いて「PIER21 MUSIC CAFE & BAR」は、海上にあるミュージックカフェバーです。ホテル(INTERCONTINENTAL YOKOHAMA GRAND)の前にある「ぷかりさん橋」の2階に立地しています。

地域の賑わいと活性化に寄与するために、散策の目的地やナイトタイムを楽しめる場所として開業されました。海や風の音と昭和レトロなレコードの音楽を楽しめるカフェバーです。

参照元:

PRTIMES「ホテルの前に浮かぶ「ぷかりさん橋」に海上ミュージックカフェ&バー「PIER21 MUSIC CAFE & BAR」が 6 月 6 日オープン!」

INTERCONTINENTAL YOKOHAMA GRAND「PIER21 MUSIC CAFE & BAR」

カフェバーの開業資金

カフェバーの開業資金

事例のようなカフェバーを開業するためには、資金が必要です。そこでカフェバー開業資金の相場と内訳をご紹介します。無駄な経費を削減できるように、開業資金の節約法も確認しましょう。

相場

まずカフェバーの開業資金の相場は、坪単価25万〜50万円程度です。例えば賃料月20万円で20坪の店舗物件なら、500万〜1,000万円程度の開業資金がかかります。ただし店舗の立地や物件の種類(居抜きかスケルトン)、業態、サービスなどによって、開業資金は変動します。

内訳

次にカフェバーの開業資金の内訳について、下表にまとめました。参考情報として、賃料月20万円で20坪の店舗物件にかかる開業資金を試算してあります。

開業資金の内訳各費用の目安各費用の試算
物件取得費
(敷金や礼金、
前家賃など)
全体の10%程度
(賃料の2~5か月分)
50万~100万円程度
(賃料月20万円で
20坪の店舗物件)
店舗デザイン・工事費
(外観や内装、
設備・機器・什器など)
全体の70%程度
(坪単価15万~35万円程度)
350万~700万円程度
諸経費
(開業前の資格・免許・
届出・許可、
採用・研修、集客など)
全体の10%程度50万~100万円程度
運転資金
(開業後の賃料や
水道光熱費、
人件費など)
全体の10%程度
(賃料の2~5か月分)
50万~100万円程度
合計100%
(坪単価25万~50万円程度)
500万~1,000万円程度

上記のとおり、カフェバー開業資金の大部分が、店舗デザイン・工事費に充てられます。つまり店舗の外観や内装、設備・機器・什器などにこだわるほど、開業資金が増額するわけです。

節約法

そしてカフェバー開業資金の節約法には、相見積りや居抜き物件、補助金・助成金などがあります。相見積もりを取って、各業者の見積もり(工事の費用や期間)を比較すれば、無駄な経費を削減しやすいです。

居抜き物件を契約して、外観や内装、設備・機器・什器などを譲渡してもらえれば、デザイン・工事費を削減できます。ただし居抜き物件にはデメリットもありますので、次の記事も併せてご覧ください。

補助金・助成金の申請が通れば、基本的に返済義務のない資金を獲得できます。ただし補助金・助成金ごとに、申請条件が定められています。飲食店が申請できる補助金や助成金をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

カフェバーの開業準備を計画しよう!

IDEALは、店舗全般のコンセプト設計から資金調達、物件探し、内外装のデザイン・工事、集客までのワンストップソリューションをご提供しております。

下のキーワードをクリックして、店舗デザインや開業準備などの関連記事もぜひご覧ください。また店舗の開業や移転、リニューアルなどをご検討の際は、ぜひご相談ください。

キーワード :

店舗工事のご相談・お問い合わせはこちら

監修者

IDEAL編集部

日本全国の美容室・カフェ・スポーツジム等の実績多数!
店舗づくりをプロデュースする「IDEAL(イデアル)」が運営。
新規開業、店舗運営のお悩みや知りたい情報をわかりやすくお届けいたします。

> IDEALの編集者ポリシー

店舗工事のご相談・お問い合わせはこちら

店舗作り、集客の
無料見積もり・相談をする