2018.09.12 2024.10.25|新規開業ノウハウ
コーヒーショップの開業資金はいくら?開業の資格や事例などもご紹介
本記事で、コーヒーショップの開業資金を解説します。またコーヒーショップ開業の資格や事例などもご紹介します。店舗の開業や移転、リニューアルなどをご検討中の方は、ぜひご覧ください。
目次
コーヒーショップ開業の基本情報
コーヒーショップの開業準備を計画する前に、基本情報を確認しましょう。基本情報を確認することで、計画を進めやすいからです。それではコーヒーショップの市場規模と主なサービス、カフェや喫茶店との違い、業態の種類をご紹介します。
市場規模
まずコーヒーショップだけの市場規模に関するデータは、Web上に掲載されていませんでした(2024年9月時点)。ただし以下の資料によると、喫茶店の市場規模は年間1兆円程度です。
コロナ禍の前(2000ー2019年)には喫茶店の市場規模は年間1兆円以上でしたが、コロナ禍(2020-2022年)に一時的に年間1兆円を下回りました。しかしコロナ禍の後(2023年以降)には、市場規模が回復傾向にあります。
参照元:
厚生労働省「今日から実践!収益力の向上に向けた取組みのヒント 喫茶店営業編」(1ページ)
一般社団法人 日本フードサービス協会「令和 3 年(令和 3 年 1 月~令和 3 年 12 月)外食産業市場規模推計について」
一般社団法人 日本フードサービス協会「日本フードサービス協会会員社による外食産業市場動向調査令和 5 年(2023 年)年間結果報告」
主なサービス
次にコーヒーショップの主なサービスは、淹れたてのコーヒーや焙煎したコーヒー豆の販売です。特にコーヒースタンドとして営業している店舗は、立ち飲みやテイクアウトのコーヒー販売に特化しています。
ただしドリンク(コーヒーや紅茶、フルーツジュースなど)や軽食(サンドイッチやケーキなど)も販売する店舗もあります。店舗のコンセプトに基づいて、提供するメニューやサービスの内容を検討しましょう。
カフェや喫茶店との違い
それからコーヒーショップとカフェや喫茶店との違いは、メニューや内装デザインなどです。コーヒーショップのメニューは焙煎したコーヒー豆や淹れたてのコーヒーなどで、シンプルなテイストの内装デザインが合います。
カフェや喫茶店のメニューはドリンクと軽食などで、スタイリッシュなテイストや温かな雰囲気の内装デザインが合います。カフェと喫茶店の違いをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
業態の種類
そしてコーヒーショップの業態の種類は、経営主体によって個人店とフランチャイズ加盟店に分類されます。自由な方針で経営できる個人店に対しては、フランチャイズ加盟店は本部のノウハウやブランド力の活用が可能です。
コーヒーショップの業態の種類は、メニューの提供方法によって飲食店やテイクアウト・デリバリー専門店にも分類されます。テイクアウト・デリバリー専門店のメリット・デメリットをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
コーヒーショップ開業のポイント
基本情報だけではなく、コーヒーショップ開業のポイントも確認しましょう。8点(コンセプト・事業計画書と開業資金・売上管理、店舗物件、メニュー開発、設備・機器・什器、資格・免許・届出・許可、採用・研修、集客活動)をご紹介します。
コンセプト設計と事業計画書作成
まずコンセプト設計と事業計画書作成が、コーヒーショップ開業のポイントとして挙げられます。市場調査を踏まえてターゲットとする顧客層や主なサービスなどを検討し、コーヒーショップの明確なコンセプトを設計しましょう。
設計したコンセプトに基づいて、事業計画書を作成します。事業計画書は、開業資金の調達や経営の評価・改善などに必要です。コーヒーショップにも活用できる事業計画書の書き方をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
開業資金の調達と売上の管理
次に開業資金の調達と売上の管理も、コーヒーショップ開業のポイントです。開業前の初期投資(物件取得費や設備・機器・什器購入費など)と開業後の運転資金(毎月の光熱水道費や人件費など)を計算したうえで、開業資金を調達しましょう。
開業後に資金不足に陥らないように、売上目標を設定したうえで営業日ごとの売上を正確に記録し、目標の達成率を計算しましょう。コーヒーショップにも活用できる売上を管理する方法をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
店舗物件の選定とデザイン・工事
それから店舗物件の選定とデザイン・工事も、コーヒーショップ開業のポイントです。ターゲットとする顧客層を獲得できるように、希望条件(立地や賃料、間取りなど)を整理したうえで店舗物件を選定しましょう。
店舗物件の賃借や購入を契約したら、外観や内装のデザイン・工事を計画してください。数週間から数か月以上がかかります。コーヒーショップにも活用できる外観・内装のデザイン・工事についてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
設備・機器・什器の手配
また設備・機器・什器の手配も、コーヒーショップ開業のポイントです。販売するメニューやサービスの内容などに応じて、厨房に必要な設備・機器・什器を選定してください。
- ガスコンロやシンクなどの設備
- コーヒーマシンや冷凍冷蔵庫、製氷機などの機器
- 作業台や食器棚などの什器
厨房だけではなく、エントランスやダイニングフロアにも什器(カウンターやテーブル、チェアなど)が必要です。コーヒーショップにも活用できる什器の分類や入手方法をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
メニュー開発
続いてメニュー開発も、コーヒーショップ開業のポイントです。消費者のニーズや競合店のメニューなどを調査したうえで、コーヒーショップで販売するメニューを開発します。集客と売上を安定させるために、魅力的なメニューを開発しましょう。
売上に占める利益率を高めるためには、メニューごとの原価率を計算しながら、メニュー全体の原価率を抑えなくてはなりません。コーヒーショップにも活用できる原価率を抑えるポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
資格・免許取得と届出・許可の申請
さらに資格・免許取得と届出・許可の申請も、コーヒーショップ開業のポイントです。資格・免許・届出・許可ごとに、申請条件が異なります。
- 調理・コーヒー製造に役立つ資格(調理師免許やバリスタライセンスなど)
- 食品衛生責任者の資格
- 防火管理者の資格(該当する店舗物件の場合)
- 経営に関する資格(カフェオーナー経営士や簿記など)
- 食品営業許可
- 税務に関する届出・許可(個人事業主の開業届または法人の設立届など)
- 社会保険・労働保険の加入(従業員を雇用する場合)
以上の資格・免許・届出・許可についてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
採用・研修
そして採用・研修も、コーヒーショップ開業のポイントです。長時間営業する場合や多店舗展開する場合などには、店舗営業を任せる従業員を雇用します。採用したい職種や人物像などを明確にしてから、採用活動を進めましょう。
従業員採用日から開業予定日までの間には、調理や接客などに関する研修を計画しなければなりません。コーヒーショップにも活用できる人材採用のコツや研修の注意点をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
集客活動
なお集客活動も、コーヒーショップ開業のポイントです。飲食業界に新規参入する場合には、店舗の知名度や認知度がありません。開業当初から新規顧客を獲得できるように、開業前から集客活動を計画します。
ターゲット層に情報を届けられるように、オンライン(SNSやMEOなど)とオフライン(看板やポスティングなど)の集客方法を組み合わせましょう。コーヒーショップにも活用できる集客に成功した事例をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
コーヒーショップの開業事例
ポイントを押さえてコーヒーショップを開業できるように、参考となる事例を調査しましょう。事例5点を取り上げて、各事例の特徴(テイクアウト専門とスイーツ、ホステル併設、和モダン、スタイリッシュ)をご紹介します。
テイクアウト専門のコーヒーショップ
まず「mys_coffee_roaster」は、テイクアウト専門のコーヒーショップです。ダイニングフロアのない小規模店舗に、受渡カウンターが施工されています。メニューは、自家焙煎したコーヒーやフルーツジュース、スイーツなどです。
店舗の公式SNSアカウントでは、店舗のデザインやメニューなどが発信されています。ミントグリーンの外観とホワイトの内装がデザインされているコーヒーショップです。
参照元:号外NET 大東・四條畷「【大東市】住宅街にテイクアウト専門の可愛いコーヒーショップがオープンしています。情報提供いただきました。」
スイーツも提供するコーヒーショップ
次に「サニーベルコーヒー」は、スイーツも提供するコーヒーショップです。本格的なドリップコーヒーとスイーツ(プリンやソフトクリーム、アフォガートなど)が販売されています。
店舗物件の外観と内装はホワイトを基調に配色されており、キッチンとダイニングフロアが施工されています。白の内装空間に木材の内装材や什器が配置されているため、清潔さと温かさが演出されているコーヒーショップです。
参照元:
週末、金沢。「金沢を代表する実力派珈琲店の2号店!『サニーベルコーヒー 尾張町店』がオープン【NEW OPEN】」
ホステルに併設されたコーヒーショップ
それから「BERTH COFFEE 」は、ホステルに併設されたコーヒーショップです。ホステルのエントランスに併設されているため、旅行者やビジネスパーソンなどの顧客にコーヒーを販売しています。
ホステル併設型だけではなく、商業複合施設や路面店舗などにも系列店舗が開業されています。オリジナルコーヒーの開発や焙煎器の時間貸しなどを行うコーヒーショップです。
参照元:
BERTH COFFEE「BERTH COFFEE ROASTERY Haru」
和モダンテイストのコーヒーショップ
続いて「鵲珈琲」は、和モダンテイストのコーヒーショップです。老舗工房の一角がリノベーションされ、コーヒーカウンターが施工されています。木材がふんだんに施工されているため、温かな雰囲気の内装空間です。
公式SNSアカウントでは、営業予定やメニューなどの情報が発信されています。ドリンクメニュー(マンゴーコーヒーやコーヒーシェイクなど)や焙煎したコーヒー豆などを販売するコーヒーショップです。
スタイリッシュテイストのコーヒーショップ
そして「Take it easy Coffee」は、スタイリッシュテイストのコーヒーショップです。グレーを基調とした内装空間に、薄い色で木製のベンチやカウンターが施工されています。エントランスはガラス張りのため、開放感もあります。
世界各地からコーヒー豆が仕入れられており、焼き菓子も販売されています。店内飲食だけではなく、テイクアウトにも対応しているコーヒーショップです。
参照元:いたばしTIMES「下赤塚にコーヒースタンド『Take it easy Coffee』がオープンしてる。」
コーヒーショップの開業資金
事例のようなコーヒーショップを開業するためには、予算が必要です。そこでコーヒーショップ開業資金の相場と内訳を確認しましょう。無駄な経費を削減できるように、開業資金の節約法もご紹介します。
相場
まずコーヒーショップ開業資金の相場は、坪単価30万~60万円程度です。例えば賃料月10万円で10坪の店舗物件であれば、300万~600万円程度の開業資金がかかります。ただし店舗の立地や物件の種類(居抜きかスケルトン)、規模、業態の種類、サービスの内容などによって、開業資金は変動します。
内訳
次にコーヒーショップ開業資金の内訳について、下表にまとめました。参考情報として、10坪の店舗物件にかかる開業資金を試算してあります。
開業資金の内訳 | 各費用の目安 | 各費用の試算 |
物件取得 (敷金や礼金、前賃料など) | 10%程度 (賃料の3~6か月分程度) | 30万~60万円程度 (賃料月10万円で 10坪の店舗物件) |
店舗デザイン・工事 (内装や外観、 衛生設備・機器・什器など) | 60%程度 (坪単価20万~50万円程度) | 180万~360万円程度 |
諸経費 (開業前の資格や 届出・許可、 採用・研修、集客など) | 20%程度 | 60万~120万円程度 |
運転資金 (開業後の光熱水費や 賃料、人件費など) | 10%程度 (賃料の3~6か月分程度) | 30万~60万円程度 |
合計 | 100% (坪単価30万~60万円程度) | 300万~600万円程度 |
上表のとおり、コーヒーショップの開業資金においては、店舗デザイン・工事費が大半を占めます。つまり内装や外観、設備・機器・什器などにこだわるほど、開業資金が増額するわけです。
節約法
そしてコーヒーショップ開業資金の節約法には、相見積もりや居抜き物件、補助金・助成金などがあります。相見積もりを取って、各業者の見積もり(工事の費用や期間など)を比較すれば、無駄な経費を削減しやすいです。
居抜き物件を契約して、内装や外観、設備・機器・什器などを譲渡してもらえれば、工事費用を削減できます。ただし居抜き物件にはデメリットもありますので、次の記事も併せてご覧ください。
補助金・助成金には基本的に返済義務がありませんが、補助金・助成金ごとに申請条件が異なります。飲食店が申請できる補助金や助成金をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
コーヒーショップの開業準備を計画しよう!
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監修者
-
IDEAL編集部
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