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2025.01.24 2025.01.30|新規開業ノウハウ
個人経営カフェの開業ポイント!開業の事例・資金も紹介

本記事で、個人経営カフェの開業ポイントを解説します。また個人経営カフェ開業の事例・資金もご紹介します。店舗の開業や移転、リニューアルなどをご検討中の方は、ぜひご覧ください。
目次
個人経営カフェ開業の基本情報

個人経営カフェの開業準備を計画する前に、基本情報を確認しましょう。基本情報を確認することで、計画を進めやすくなるからです。それでは個人経営カフェの市場規模と主なサービス・業態、経営者の年収、顧客の滞在時間・店舗の営業時間をご紹介します。
市場規模
まず個人経営カフェの市場規模は、Web上に掲載されていませんでした(2024年12月時点)。ただし以下の資料によると、喫茶店の市場規模は1.2兆円程度(2023年)と推計されています。
コロナ禍前には1兆円以上(2019年)あった喫茶店の市場規模は、コロナ禍(2020~2021年)に7,800億円程度まで縮小しました。コロナ禍を経て2021年に1兆円近くまで回復し、2023年に1兆円を超えました。
参照元:
日本フードサービス協会「外食産業市場動向調査令和 5 年(2023 年)年間結果報告」
日本フードサービス協会「令和 3 年(令和 3 年 1 月~令和 3 年 12 月)外食産業市場規模推計について」
日本フードサービス協会「令和4年・5年(各年 1 月~12 月)外食産業市場規模推計について」
主なサービス・業態の種類
次に個人経営カフェのサービスは飲料・軽食の提供で、業態の種類には飲食店や間借り店舗、テイクアウト・デリバリー専門店などがあります。例えばコーヒー・紅茶などの飲料やサンドイッチ・パスタなどの軽食が提供されています。
主なサービスや従業員数、営業時間などの条件に応じて、個人経営カフェの業態を選びましょう。間借り店舗やテイクアウト・デリバリー専門店のメリット・デメリットをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
経営者の年収
それから個人経営カフェ経営者の年収は、Web上に掲載されていませんでした(2024年12月時点)。以下の調査結果を参考にすると300万円から1,500万円程度だと推測されますが、店舗の立地や規模、営業日数、店舗数などによって経営者の年収は変動します。
参照元:飲食店ドットコム「飲食店経営者の『年収』や『悩み』をアンケート調査。赤字店の98.1%が『集客力』に課題」
例えば月間売上150万円で利益率30%の喫茶店を経営できれば、経営者の年収は540万円程度です。
- 月間売上150万×12ヵ月×利益率30%=540万円
顧客の滞在時間・店舗の営業時間
そして個人経営カフェに来店する顧客の滞在時間は、以下の調査結果を参考にすると0.5~2時間程度だと推測されます。店舗の営業時間は、早朝から夜間まで(7時前後~21時前後)です。
参照元:テンポスフードメディア「カフェ利用に関する調査 カフェの滞在時間の平均は?都心と地方でニーズの違いはある?」
ただし顧客の来店する時間帯(ブレックファースト・ランチ・ディナー)やグループの人数などによって、顧客の滞在時間は異なります。主なメニューや売上目標などに応じて、店舗の営業時間を検討しましょう。
個人経営カフェ開業のポイント

基本情報を確認したうえで、個人経営カフェ開業のポイントも押さえましょう。8点(コンセプト・事業計画書と開業資金・売上の管理、店舗物件、設備・機器・什器、資格・免許・届出・許可、メニュー開発、人材の採用・研修、集客活動)をご紹介します。
コンセプト設計・事業計画書作成
まずコンセプト設計・事業計画書作成が、個人経営カフェ開業のポイントとして挙げられます。コンセプトは店舗経営の基本方針となり、競合店との差別化や事業計画書の作成などに必要です。
設計したコンセプトに基づいて、事業計画書を作成しましょう。事業計画書は、開業資金の調達や経営の評価・改善など必要だからです。個人経営カフェにも活用できる事業計画書の書き方をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
開業資金の調達・売上の管理
次に開業資金の調達・売上の管理も、個人経営カフェ開業のポイントです。開業前の初期投資(物件取得費や店舗デザイン・工事費など)や開業後の運転資金(人件費や光熱水道費など)を計算したうえで、開業資金の調達方法を検討しましょう。
無駄な経費を削減して店舗経営の利益率を高めるためには、売上の管理が重要です。売上目標を設定したうえで、達成率を分析しなければなりません。個人経営カフェにも活用できる売上を管理する方法をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
店舗物件の選定とデザイン・工事
それから店舗物件の選定とデザイン・工事も、個人経営カフェ開業のポイントです。店舗物件はコンセプトを実現させるための手段であり、立地は集客に影響します。希望条件(賃料や間取り、規模など)に合う店舗物件を選定しましょう。
店舗物件の賃借・購入を契約したら、外観と内装のデザイン・工事を計画します。集客・売上獲得のために重要です。個人経営カフェにも活用できる外観・内装デザインについてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
設備・機器・什器の手配
続いて設備・機器・什器の手配も、個人経営カフェ開業のポイントです。サービスの内容に応じて、設備・機器(電気・ガス・水道・厨房・空調・換気など)や什器(テーブル・チェア・ソファ・カウンター・収納棚など)を手配しましょう。
例えば顧客とのコミュニケーションを重視するカフェの内装空間には、カウンターが必要です。個人経営カフェにも活用できるカウンターの作り方をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
資格・免許の取得と届出・許可の申請
また資格・免許の取得と届出・許可の申請も、個人経営カフェ開業のポイントです。不定期で申請条件が変更されるため、必ず最新情報を確認しましょう。
- 食品衛生責任者資格
- 防火管理者資格(該当する店舗物件の場合)
- 調理・飲料に関する免許(調理師免許・バリスタライセンスなど)
- 食品営業許可
- 個人事業主の開業届または法人の設立届
- 税務に関する届出・許可
- 社会保険・労働保険の加入(従業員を雇用する場合)
以上の資格・免許・届出・許可についてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
メニュー開発
さらにメニュー開発も、個人経営カフェ開業のポイントです。個人経営カフェの主なサービスは飲料・軽食の提供ですので、集客の向上と売上の安定のために独自性の高いメニューを開発しましょう。
独自性の高さだけではなく、売上に占める利益率を高めるためにはメニュー全体の原価率を抑えなくてはなりません。原価率を踏まえた飲食店のメニュー開発についてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
人材の採用・研修
そして人材の採用・研修も、個人経営カフェ開業のポイントです。長時間営業する場合や多店舗展開する場合などには、店舗営業を任せる従業員を採用します。採用後には、調理や接客などに関する研修も実施しなければなりません。
採用・研修を進める際には、業務内容に関するマニュアルを作成しておきましょう。例えば顧客からのクレームに対して、適切に対応する必要があります。飲食店のクレーム対応マニュアルをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
集客活動
なお集客活動も、個人経営カフェ開業のポイントです。ターゲットとする顧客層に応じて、オンライン(SNSやMEOなど)とオフラインの集客方法(フリーペーパーや看板広告など)を組み合わせましょう。
例えばSNS集客を計画する際には、SNSの種類や投稿のルール、活用状況の評価・改善などが重要です。個人経営カフェにも活用できるSNS集客を展開するコツをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
個人経営カフェの開業事例
ポイントを押さえて個人経営カフェを開業できるように、参考となる事例を調査しましょう。事例5点を取り上げて、各事例の特徴(リノベーションと地元さんフルーツ、保護猫、アート、韓国風)をご紹介します。
蕎麦屋からリノベーションされた個人経営カフェ
まず「おだいどころ風土」は、蕎麦屋からリノベーションされた個人経営カフェです。和風テイストの内装空間で、朝から夕方まで営業してテイクアウトにも対応しています。SNS公式アカウントを運用して、集客活動を展開しています。
メニューには、コーヒーやスイーツ(ガトーショコラや和風パフェなど)に加えて、和食(おばんざいや定食のセット)もあります。地域の人々が交流できる場所を目指している個人経営カフェの開業事例です。
参照元:十勝毎日新聞「旧そば店跡にカフェを開業 大樹町で“通いたくなるお店”を目指す」
地元産フルーツを使用する個人経営カフェ

次に「フルラボカフェ」は、地元産フルーツを使用する個人経営カフェです。季節のフルーツ(サクランボやスイカ、メロン、モモ、ブドウ、リンゴなど)を使用したメニュー(クレープや盛り合わせ、ジュースなど)が提供されています。
ダイニングフロアには15席(カウンターとテーブル)ほどがレイアウトされており、フルーツ直売スペースもあります。ディナータイムにフルーツのコース料理の提供を検討しており、フルーツの魅力や美味しい食べ方を発信している個人経営カフェの開業事例です。
参照元:
MINEBA「横手に『フルラボカフェ』 ジャム専門店がフルーツメニューを提供」
個人経営の保護猫カフェ
それから「Nyacotto」は、個人経営の保護猫カフェです。古民家からリノベーションされた店内で、20匹以上の猫が飼育されています。ドリンク付きの入場料で、30分間猫と触れ合える料金プランです。
入場料だけではなく寄付(現金や現物)も受け付けており、店舗営業の経費を獲得しています。保護猫と飼い主が出会える場所を提供する個人経営カフェの開業事例です。
参照元:
朝日新聞デジタル「半年で20匹以上の命救った じわり浸透、幸せ運ぶ保護カフェ」
個人経営のアートカフェ

続いて「ピクニック」は、個人経営のアートカフェです。地域で活動するアーティストの作品が、店内に飾られています。アーティストとコラボしたメニュー(チーズフォンデュライスやカラフルソーダなど)も提供されています。
白をベースカラーに配置されている内装空間には、アート以外にも雑貨やポスターなどで装飾されています。地域のアート・カフェイベントに参加している個人経営カフェの開業事例です。
参照元:ヤフーニュース!「【八千代市】アートが溢れるカフェに行きました。」
個人経営の韓国風カフェ
そして「ハヌルカフェ」は、個人経営の韓国風カフェです。韓国の小規模カフェをイメージしてデザインされており、ハングルの文字や書籍などが配置されています。内装空間には、店名のハヌル(空)に基づいて、白を基調にアクセントの青が配色されています。
大理石調の床材や間接照明が施工されており、おしゃれな雰囲気が演出されています。個室がレイアウトされており、推し会や誕生日会などのイベントに対応している個人経営カフェの開業事例です。
参照元:ガジェット通信「まるで韓国の個人経営カフェ。大阪『ハヌルカフェ』はどこを撮っても映えちゃうおしゃれ空間って噂です」
個人経営カフェの開業資金

事例のような個人経営カフェを開業するためには、予算が必要です。そこで個人経営カフェ開業資金の相場と内訳をご紹介します。無駄な経費を削減できるように、開業資金の節約法も確認しましょう。
相場
まず個人経営カフェ開業資金の相場は、坪単価30万~60万円程度です。例えば賃料10万円で10坪の店舗物件なら、300万~600万円程度の開業資金がかかります。ただし店舗物件の立地や種類(居抜きかスケルトン)、サービスなどによって、開業資金は変動します。
内訳
次に個人経営カフェ開業資金の内訳について、下表にまとめました。参考情報として、賃料月10万円で10坪の店舗物件にかかる開業資金を試算しています。
資金の内訳 | 各費用の目安 | 費用の試算 |
物件取得費 (敷金・礼金・前賃金) | 全体の10%程度 (賃料の3~6ヶ月分) | 30万~60万円程度 (賃料月30万で 30坪の店舗物件) |
店舗デザイン・工事費 (外観や内装、 設備・機器・什器など) | 全体の70%程度 (坪単価20万~40万円程度) | 200万~400万円程度 |
諸経費 (開業前の資格・免許・ 届出・許可、 採用・研修、集客など) | 全体の10%程度 | 30万~60万円程度 |
運転資金 (開業後の光熱水費や 賃料、人件費など) | 全体の10%程度 (賃料の3~6ヶ月分) | 30万~60万円程度 |
合計 | 100% (坪単価30万~60万円程度) | 300万円~600万円程度 |
上記のとおり、個人経営カフェ開業資金の大部分が、店舗デザイン・工事費に充てられます。つまり店舗の外観や内装、設備・機器・什器などにこだわるほど、開業資金が増額するわけです。
節約法
そして個人経営カフェ開業資金の節約法は、相見積りや居抜き物件・中古品・リース品、補助金・助成金などがあります。相見積もりを取って、各業者の見積もり(工事の費用や期間)を比較すれば、無駄な経費を削減しやすいです。
居抜き物件を契約して外観や内装、設備・機器・什器などを譲渡してもらったり、中古品・リース品を活用したりすれば、店舗デザイン・工事費を削減できます。ただし居抜き物件・中古品・リース品にはデメリットもありますので、次の記事も併せてご覧ください。
補助金・助成金の申請が通れば、基本的に返済義務のない資金を獲得できます。ただし補助金・助成金の種類によって、申請条件が異なります。飲食店が申請できる補助金や助成金をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
個人経営カフェの開業準備を計画しよう!
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監修者
-
IDEAL編集部
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